downloadGroupGroupnoun_press release_995423_000000 copyGroupnoun_Feed_96767_000000Group 19noun_pictures_1817522_000000Member company iconResource item iconStore item iconGroup 19Group 19noun_Photo_2085192_000000 Copynoun_presentation_2096081_000000Group 19Group Copy 7noun_webinar_692730_000000Path
メインコンテンツに移動
Default Banner Image

Technology and Trends

SEMIは、Aspinity社の創業者兼CEOであるTom Doyle氏に、携帯型IoTデバイスのバッテリーを大量消費せずに知能化するための課題について話を聞きました。Doyle氏はSEMI Technology Unites Global Summit(2021年2月15日~19日、オンライン開催)で提供されるSEMI MEMS Imaging Sensors Technology Showcase(2月18日)に登壇しますが、これに先立ち、アナログで機械学習を実行することで電力問題の解決を図るAspinityのシステムレベルでのアプローチを説明しました。このGlobal Summitは現在申し込みを受け付け中です。Aspinity他の業界をリードする専門家が皆様をお待ちしております。 SEMI:IoTデバイスにとって電力効率が重要なのはなぜですか?Doyle氏:何億というIoTデバイスが、私たちの生活や仕事を改善しています。常時オン状態で環境のデータをセンシングするこれらスマートデバイスは、従来は壁から電源をとり、データ処理をクラウドに依存していましたが、ネットワークの渋滞やプライバシー、パフォーマンスの問題から、エッジ処理への移行が必要になっています。民生用、医療用、産業用にまたがるこれらのIoTデバイスは、小型化、ポータブル化が進んでいます。それらの一部は、アクセスしにくい場所で遠隔操作される場合もあります。そこで、私たちは多くの機能を詰め込んだデバイスをバッテリー駆動する方向に進んでおり、またバッテリーを長持ちさせる必要があります。これは大変なチャレンジであり、それに応えるためには、常時オンのセンシング機能をIoTデバイスに統合するにあたり、最も電力効率の良い方法を見つける必要があります。 SEMI:低消費電力の常時オンソリューションはなぜ難しいのでしょうか。またセンサーサプライヤーはシステムの消費電力をどうすれば改善できるのでしょうか。 Doyle氏:今日の常時オンの IoT デバイスでは、すべてのセンサー・データ(アナログ)が即座に高解像度でデジタル化され、次にウェイクワード(OK Googleといったシステム起動の掛け声)が発せられたかどうか、特定の動作が行われたかどうか、または何らかの異常が発生したかどうかを判断するために分析されます。しかし、収集されたデータのほとんどはデバイスが待ち受けている情報とは無関係な、この最初に全てをデジタル化するアプローチでは、ADCとデジタルプロセッサに無関係なデータを継続的に処理させることで、バッテリーを大幅に浪費します。センサーのサプライヤーには、消費電力を削減するために考慮すべきいくつかのオプションがあります。センサーとデジタルプロセッサのサプライヤーは、バッテリー寿命の段階的な改善で十分なら、システム内の個々のコンポーネントの電力削減を続ければよいでしょう。しかし、革命的な省電力を実現するためには、総合的なシステムソリューションを検討する必要があります。根本的な問題は、システム中のデータ移動には電力がかかるということです。だからこそ、電力を節約する最も効率的な方法は、物理的な世界がデータになるシグナルチェーンの最初の段階で、できるだけ早く、実際に重要なものだけにデータ量を減らすことなのです。ダウンストリーム処理が必要なデータ量を最小限に抑えることができれば、バッテリーの寿命を最大限に延ばすことができます。 SEMI:Aspinityは、IoTデバイスのバッテリー寿命を、新しいシステム構成を導入することで伸ばそうとしています。デジタル化を最初にするアプローチとどのように異なるのでしょうか? Doyle氏:Aspinityのソリューションは、アナログ機械学習 (analogML™) とアナログ圧縮を組み合わせたアナログ処理技術で、Reconfigurable Analog Modular Processor (RAMP) と呼んでいます。正確で超低消費電力のアナログイベント検出とシステムのウェイクアップが可能になます。RAMPを常時オンのシステムに適用すると、最初にセンサー部分でアナログ電力を少しだけ消費して、感知したデータが手元のタスクに関連するかどうかを判断してから、デジタル・システムをウェイクアップして処理を進めることができます。このアナライズ・ファースト・アーキテクチャは、重要なデータがデジタル化と分析を必要とする場合以外は、電力消費量が大きいデジタル・コンポーネントをスリープ状態に保つため、最初に全てをデジタル化するデジタイズ・ファースト・アーキテクチャと比較して、ボイスファーストのシステムなど起動がまれなデバイスでは、バッテリー寿命を数ヶ月から数年延ばすことができます。 SEMI:何か例をあげていただけますか? Doyle氏:これがどのように機能するのか、実際の例を挙げてみましょう。スマートスピーカー、音声起動型テレビリモコン、ヒアラブルデバイスなど、ほとんどの音声起動型システムでは、音声が存在する時間は10%~20%にすぎません。しかし、これらのデバイスが伝統的に使用しているデジタイズ・ファースト・アーキテクチャは、マイクでキャプチャした音を100%デジタイズします。たとえそのほとんどが無関係でウェイクワードが含まれていなくても。対照的にRAMP ベースのアナライズ・ファースト・アーキテクチャは、デジタル・ウェイク・ワード・エンジンを起動する前に、デバイスへの音の入り口であるマイクの部分で、特徴抽出とニューラル・ネットワークを使用して、まず音に音声が含まれているかどうかを判断しますから非常に高効率です。さらに、ほとんどのウェイクワードエンジンの精度は、起動してからウェイクワードを分析するだけでなく、ウェイクワードが発せられる前の500msの音(プリロール)の分析にも依存しています。ウェイクワードエンジンのパフォーマンスを支えるために、RAMPは500mSのプリロールを圧縮し、わずか2kのメモリに格納して、音声データとともにウェイクワードエンジンに供給もするのです。RAMPテクノロジーを使用したこの新しいアナライズ・ファーストのアプローチは、性能と精度を犠牲にすることなく、旧来のデジタイズ・ファースト設計に比べてバッテリー寿命を10倍延長することができます。 SEMI:Aspinityは現在の市場ニーズに対応したどんなソリューションを提供できますか? Doyle氏:Aspinityは、常時オンIoTデバイスに対して唯一のバッテリー駆動型アナログ機械学習チップであるRAMPチップを提供しています。RAMPは、アナログ・センサのRAWデータから直接、さまざまなタイプのセンサ・イベントを検出するためのトレーニングやプログラミングが可能です。RAMP チップが有効なアプリケーションのひとつに、音声、ガラスの割れる音、アラーム等の音を常に聞いているデバイスがあります。その他にも、予知保全や予防保全のために産業機器を監視する振動センサーや、ウェアラブルやその他のバイオメディカル・アプリケーションで異常検出に使用される心拍センサーなどがあります。Aspinity は先日、音声起動評価キットを発表しました。SEMI MEMS Imaging Sensors Technology Showcase では、当社のRAMPベースのアナログ音声起動ソリューションをご自分の目で確かめてくように、この評価キットのデモンストレーションをご覧いただきます。ハードウェアとソフトウェアの完全なキットにより、次世代音声起動デバイスを開発するお客様に、ウェイクワードの検出精度を落とさずに消費電力を10分の1にするアナログ機械学習とアナログデータ圧縮のメリットを全て体験可能です。 SEMI:テクノロジーによって、私たちをどのように団結できるのでしょうか? SEMI Technology Unites Global Summitへの参加で期待されていることはなんでしょうか? Doyle氏:多くの人にとってCOVID-19パンデミックは、経験したなかでも最も大きな困難となりましたが、この1年は、大きな問題を解決するためにはイノベーションが重要であることを示してくれたと思います。マイクロエレクトロニクス産業は、COVID-19検査、人工呼吸器、空気浄化システムなど、医療現場で使用される様々な機器のクリティカル・コンポーネントを提供する重要な役割を果たしてきました。COVID-19はまた、機器表面に付着したウイルスの広がりを防ぐために、システムのインタフェースは音声への移行が加速しました。バイオテクノロジー産業が開発を加速するワクチンによって、日常生活が正常な状態に戻ることを私たちは願っています。研究開発イノベーターと大手企業の協力によって、様々な市場で新しいデバイスや薬品が生産されようとしていることに感謝しましょう。パンデミックが緩和されるまで、従来の対面式のカンファレンスは開催できませんが、素晴らしい講演者が興味深い講演を行う産業カンファレンスに参加することは、これまで以上に重要です。SEMI Technology Unites Global Summitはそのような機会を提供してくれるものであり、私も参加することを心から楽しみにしています。 Tom Doyle氏は、Aspinityの創業者・CEOであり、アナログおよびミクストシグナル半導体技術において30年以上の優れた業績とリーダーシップの経験を持っています。Aspinity入社前は、Cadence Design Systemsのアナログ/ミクストシグナルIC事業のグループディレクターとして、世界有数の半導体企業への同社技術の展開を管理していました。それ以前は、アナログ/ミクストシグナル・ソフトウェア会社であるParagon IC solutionsの創立者兼社長として、営業、マーケティング、グローバル・パートナー/販売代理店、米国およびアジアのエンジニアリング・チームなど、同社のすべての業務を統括していました。ウエストバージニア大学で電気工学の学士号を、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校でMBAを取得しています。
Read More
医療診断と個別化治療の最新動向について、Robert Bosch GmbH Stuttgartのリサーチフェロー(シニアチーフエキスパート)であるFranz Laermer博士にお話を伺いました。複雑な分子診断のワークフローを自動化するために最近Robert Boschが開発したオープンプラットフォームは、分子診断を必要な場所で実施できることを証明しています。これを実現するためには、マイクロエレクトロニクスだけでなく、微細化、マイクロシステム、マイクロ流体技術が不可欠です。これは、かなり短い期間でSARS-CoV-2感染症の検出法を開発する上で重要となります。Laermer氏は、SEMI Technology Unites Global Summit(2021年2月15-19日、オンライン開催)の中で2月19日に提供されるSEMI MedTech Forumの講演者です。本イベントは現在登録受付中です。 SEMI:何が診断法のイノベーションを推進しており、半導体業界はどんな役割を担うのでしょうか? Laemer博士:診断法を大きく進展させているのが、DNAを構築する基礎的ブロックであるヌクレオチドのレベルで核酸を分子分解して詳細に分析する技術です。これにより、癌、遺伝子異常、感染症、治療抵抗性などの疾患の根本原因が明らかになります。現在のソリューションは、ポリメラーゼと呼ばれるDNAを合成する酵素の働きを利用したPCR法か、またはDNAの塩基配列を決定するシークエンシング技術によるものがほとんどです。これらの技術を必要とする場所へ近づけるために重要となるのは、自動化、小型化、低コスト化、使いやすさ、柔軟性、信頼性、そしてサンプリングから検査結果が出るまでの時間短縮です。半導体およびマイクロシステム技術は、こうした要求を満たすための実現技術となっています。ムーアの法則が半導体側を後押し、性能が向上の一途をたどっているおかげです。 SEMI:BoschのVIVALYTICシステムについて説明いただけますか? Laermer博士:VIVALYTICは、多様な分子診断分析の統合と自動化のためのユニバーサルで柔軟性の高い診断プラットフォームです。VIVALYTICはユニバーサルなラボ分析装置で構成されており、診断アプリケーション専用に作られたカートリッジを使います。このカートリッジには、診断に必要な試薬とバイオコンテンツがすべて、室温で長期的に安定する方法で収められています。ユーザーは患者のサンプルをカートリッジに入れ、カートリッジを分析装置に押し込み、自動ワークフローを開始するだけで、通常1時間以内に診断結果を得ることができます。VIVALYTIC製品は、Bosch Healthcare Solutions GmbH (BHCS)が戦略的診断パートナーやバイオコンテンツの所有者と協力して製造しています。 SEMI:パンデミックは、医療産業において自動診断にどのような影響を与えていますか?新しい動きはありますか? Laermer博士:パンデミックによって、必要な場所で自動迅速診断を行う重要性が明白になりました。感染連鎖を可能な限り早期に断ち切るためには、いつでもどこでも信頼性の高い迅速なPCR検査を使えることが必要です。私たちは、SARS-CoV-2の迅速検査に必要な時間を、陽性プローブの場合は30分未満に短縮することに成功しました。ワクチン接種によって免疫レベルが十分に高まるまでは、迅速検査がCOVID-19パンデミックの感染数、入院数、死亡者数を抑制する唯一の方法です。 SEMI:感染症診断以外にも、医療のパラダイムシフトを起こすソリューションはありますか? Laemer博士:現在の腫瘍学では、癌の原因と考えられている特定の変異に対処するための、標的薬品や療法の開発が急増しています。これは、腫瘍学が従来のone-drug-fits-allアプローチから個々の患者に合った治療を適時おこなう精密医療へと脱却したことを意味しています。この個別化治療の前提条件として、腫瘍の突然変異の状態を明らかにし、治療中に正確かつ反復的にモニターすることが必要です。後者では、救急車上など分子診断を必要とされる場所で行うことが求められます。ここでキーワードとなるのが液体生検です。個別化治療のもう一つの例は、細菌感染症における細菌の種類と抗生物質の耐性を検出し、最適な抗生物質治療を決定することです。 SEMI:こうしたニーズに向けて、Robert Boschはどのようなソリューションを提供していますか? Laermer博士:Robert Bosch GmbH は、マイクロシステム、マイクロセンサー、半導体技術のリーダーです。ドレスデンに新設された12インチ半導体工場は、これらの分野における当社の地位をさらに強固なものにするでしょう。この分野には、AIやIoTも含まれています。テクノロジー・プロバイダーとして、ボッシュは複雑なワークフローの自動化と管理のための優れたソリューションを生み出し、診断パートナーとともにWin-Winのソリューションを提供しています。 SEMI:テクノロジーによって私たちはどのように一つになれるのでしょうか?Laemer博士:技術、特に半導体やマイクロシステムの技術は、医療分野におけるゲームチェンジャーです。医療、診断、半導体という異なる分野が互いに出会い、協力し合うと、イノベーションは強力に加速されます。異なる分野の専門能力の接点で新しいことが起こるのです。 Franz Laermer博士は、1990年にドイツのシュトゥットガルトにあるRobert Bosch GmbHのコーポレート・リサーチ・アンド・テクノロジー・センターに入社し、今後のMEMS分野に向けた新しいキーテクノロジーとセンサー機能の開発に着手しました。現在はBoschリサーチフェロー/マイクロシステム、マイクロ流体工学、分子診断学のシニアチーフエキスパートとして活躍しています。
Read More
電気自動車、再生可能エネルギーや、その他のIoTや5G、スマート製造、ロボットといった技術イノベーションは、いずれも信頼性があり高効率でコンパクトな電力システムを必要としており、そのため炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)による低電圧な小型デバイスのサポートが求められています。しかし、これらの半導体材料をパワーシステムに組み込むために、チップ設計者は技術的および経済的な壁を乗り越えなければなりません。SEMIはEV Groupの事業開発マネージャーであるElisabeth Brandl氏に、パワーエレクトロニクス業界のトレンドと新たな発展について、またスマート・モビリティにおけるパワーデバイスのアプリケーションについてお聞きしました。Brandl氏は、SEMI Technology Unites Global Summit(2021年2月15-19日、オンライン開催)の中で2月18日に提供されるSEMI SMART Mobility Forumの講演者です。本イベントは現在登録受付中です。 SEMI:パワーエレクトロニクスの新たな発展をけん引しているものは何でしょうか? Brandl氏:世界的に、通信や、自動車、電力変換に対するインフラ要求が大きく変化しています。こうした変化は、5G、電気・ハイブリッド自動車、再生可能エネルギーを例に挙げるだけで、十分明らかでしょう。デバイスレベルでも、特にパワーエレクトロニクス分野では、こうした変化が顕著に現れています。パワーエレクトロニクス業界は、従来のシリコンパワーデバイスでは対応できない状況に数多く直面しています。SiCやGaNのようなワイドバンドギャップ半導体材料を使った新しいデバイスアーキテクチャに、性能面で易々と追い越されてしまうのです。 SEMI:パワーエレクトロニクスのイノベーションは、業界のどんな課題を解決するのでしょうか? Brandl氏:電力変換効率は大変重要であり、ここでの損失が全体の電力消費に大きく影響するため、さらなる改善が必要です。グリーン電力や環境フットプリントの改善には、再生可能エネルギーが不可欠ですが、総合的な電力消費効率も同様に重要です。しかしながら、パワーデバイスの役割は過小評価されがちです。データセンターや再生可能エネルギーのインバーターといった高周波、高電圧のアプリケーションは、パワーエレクトロニクスの重要な分野ですが、シリコンのパワーエレクトロニクスでは限界に達しているのです。 SEMI:シリコンから化合物半導体材料へと変わることの利点はなんでしょう? Brandl氏:いくつかの化合物半導体は材料特性が優れており、電力変換や高周波挙動でのニーズに対応することが可能です。現時点では、主にGaNおよびSiCのパワーデバイスが、こうしたニーズへの対応に適したものと考えられていますが、その他にもダイヤモンドや酸化ガリウムなどの材料の開発が、こうしたアプリケーション向けに進められています。SiCは薄化しても電力損失が小さく熱挙動にもすぐれた特性を持っており、電力変換効率だけでなく、フォームファクターの点でも有利です。GaNは、特に高電子移動度トランジスタ(HEMT)として、高周波アプリケーションに使用することができます。 SEMI:SiCやGaNのパワーデバイスのコスト効率の良い製造には何が必要でしょうか? Brandl氏:最終カスタマーがコスト効率として一般的にあげる数字は、1アンペアまはたワットあたりの金額です。これはシンプルに思えるかもしれませんが、現実は当然ながらもっと複雑です。重要なのは、製造時における主要なコスト要因を理解することです。SiCの場合、それは当然、基板のコストになります。私の講演では、ウェーハ接合による基板コストの低減方法を示します。GaNの場合に重要なパラメーターとなるのは、基板上に単結晶膜を成長あるいは堆積させるエピタキシー工程です。もちろん、歩留まりもコスト効率に非常に重要な影響を及ぼします。つまり、メトロロジーを含む優れたプロセス制御が大切だということです。 SEMI:多くの半導体メーカーがSiCやGaNへの変更を進めています。サクセスストーリーをご紹介いただけますか? Brandl氏:パワーデバイスメーカーの大手はどこも、SiCあるいはGaNパワーデバイス技術を、買収するか自社開発しています。彼らもまた、パワーデバイス市場におけるワイドバンドギャップ半導体の未来が明るいと見ていることになります。もっとも大きなサクセスストーリーは、STMicroelectronicsのSiC MOSFETパワーデバイスでしょう。これはTeslaのModel 3に2018年から採用されているものです。 SEMI:この先には何が? Brandl氏:ダイヤモンドや酸化ガリウムなどのパワーデバイスの新材料の探求が行われています。SiCについては、トレンドは8インチ基板に向かっており、これはSTMicroelectronicsがまとめているEUのREACTIONプロジェクトの焦点ともなっています。コスト低減と基板の供給の役割も大きなものです。材料供給は現時点での最大の不確実要素となっており、主要パワーデバイスメーカーは全て、SiC基板の供給を確保するためにサプライチェーンと契約を交わしています。最終的には、サプライチェーン全体の協力が全ての関係者にとって非常に重要であり、利益となるでしょう。これにより、発展の条件を良く話し合い、優先順位をつけることができるからです。 Elisabeth Brandl氏は、EV Groupの事業開発マネージャーです。オーストリアのヨハネス・ケプラー大学リンツ校で半導体・固体物理学の修士号を取得し、2014年からは、EVGで仮接合と化合物半導体の製品マーケティング管理を担当しています。
Read More
Nexperiaは、5年前にNXP Semiconductorから売却され独立した企業です。2019年より、当社のアジアにある後工程工場のスマート製造化に着手し、スマート化を正しい方向に導くため、ロードマップを開発しています。 スマート製造ロードマップを信憑性のある実行可能なものとするために、まずNexperiaにとってのスマート製造とは何かを定義しました。スマート製造の定義はさまざまあるので、当社では異なる2つの注目すべき技術適応点に着目しました。 物理的自動化 データ駆動型製造、つまり機械学習およびAIモデルの開発のコアに分析を使用すること 導入時の非効率性を回避するためには、物理的自動化とデータ駆動型製造の間で適切な投資バランスを見出すことが重要です。この2つを連結したソリューションでなければ十分な価値は提供できないからです。当社のアプローチには、以下のようなおおまかなステップがありました。 社内の管理チームとのミーティングで意見を聞き、工場のニーズと成熟度を検討する。 他の半導体工場のオペレーター、サブコン、パートナーとのミーティングを行い、彼らのスマート製造へのアプローチと課題を検討する。 Singapore Smart Industry Readiness Indexモデルに対する当社のニーズとステータスの評価をする。 物理的自動化利用可能なソリューションと製造業および自社の製造現場への適用の成熟度を評価することが、思考プロセスをシンプルにする上で大いに役立ちました。 物流の自動化は目新しいことではありません。ソリューションは非常に成熟しており、カスタムレイアウトや嗜好も簡単です。 製造現場は物流よりも、単純に変動性が非常に大きいので、遥かに困難です。 従来型の製造現場への投資は、品質あるいはOEE(設備総合効率)の観点から行われますが、両者はかならずしも連結していません。 当社では、物流自動化をまず実施し、それから製造現場へと進める、外側から内側へのアプローチをとりました。 データ駆動型製造スマート製造がどうなるかは、工場がどの程度データ駆動型であるかにかかっています。データ駆動型の製造を実現するには、トレーサビリティ、コネクティビティ、リアルタイムオペレーションの改善のための基礎投資が必要です。当社は、リアルタイムの状況認識が、現場の予測的、認知的な制御に不可欠な、マシンレベルおよびクローズドループのプロセス制御を推進できると考えています。 リアルタイムの状況認識システムを開発するためには、広範囲の製造プロトコルが必要となります。次にあげた重点領域が、課題の整理に役立ちました。 コネクティビティ 製造実行システム(MES)、品質、SAP等のエリアのコアシステム 分析およびAI 単一のオペレータインタフェースとリアルタイム制御システムを備えたデジタル作業現場 エンジニア、テクニシャン、マネージャの対応準備 それぞれの重点領域の複雑性は、旧来の装置やシステムやプロセス、また自動化になじまないエンジニア等によって異なります。そのため、データ駆動型のオペレーションは、複雑な難題です。それぞれの領域に対して、当社では異なるプロジェクトアプローチを検討しました。 コアシステム―ほかにも複数の実現技術(テクノロジーイネーブラー)を構築し、優先順位計画に沿って展開 分析―自動化された根本原因分析と予測アプローチで、主にOEEと歩留まりに焦点を当てる リアルタイム制御―工場全体の計画と統合し、生産性と品質を向上 強力なスマートマニュファクチャリングのロードマップがあれば、次の課題は、経営陣から計画に対する長期的な賛同と必要な投資を得ることです。そのためには、すでにスマート製造のインフラを導入している同業他社の工場を訪問し、交流することが重要です。SEMIのメンバーの協力を得て、経営陣と一緒に工場を訪問して見学することができました。また、当社の経営陣は、この変革的な取り組みの価値をより深く理解するために、サブコンやベンダーとも面談しました。 スマート製造のロードマップを成功させるためには、長期的な展望が必要であり、その成功を確実にするためには経営陣のコミットが必要です。当社はスマート製造への旅に興奮しており、それが工場のゲームチェンジャーになると信じています。
Read More
私たちが呼吸している空気は大切なものですが、大気は人為的な排気物質によって汚染されるがままとなっています。それでも、地球のために温室効果ガスの排出とその背後にある人間の行動を、汚染物質のレベルを測定するガスセンサーの助けを借りてコントロールできるという希望があります。 数多くの大気汚染物質の中には、私たちの健康に有害なものもあります。図1は、上位7つの汚染物質、その主な発生源、健康への影響を示しています。大気質指数は、粒子と4つのガス(一酸化炭素、オゾン、二酸化硫黄、二酸化窒素)の値を組み合わせて計算されます。良いニュースは、これらの汚染物質のそれぞれをモニターできるガスセンサーが市場に出回っていることです。 図1 – 上位7つの汚染物質(一酸化炭素、粒子状物質、二酸化窒素、オゾン、揮発性有機化合物、二酸化炭素、二酸化硫黄)の健康への影響。出所:EPA Air Sensor Guidebook ここで課題となるのが、ガスセンサーの多くの最終ユーザーが、様々なベンダーから提供されているセンサーの性能特性をどのように比較すれば良いかを理解していないことです。SEMIは使用者がこのハードルを乗り越えるお手伝いをしています。SEMI-MSIGは今年、Device Working Groupの中にガスセンサー標準規格(スタンダード)を開発するグループを設置しました。その目的は、試験方法、信頼性条件、パッケージング、通信インタフェースなどのガイドラインを定義して市場の発展を促すことにあります。重要なのは、この標準化によって、センサーの使用者が競合製品の中から最適なセンサーを選べるようになるということです。SEMI-MSIG Device Working Groupは、主要なガスセンサー企業および装置メーカーの専門家によって構成されています。ガスセンサーを提供する企業の皆様が、この住宅、工場自動化、自動車、家電、医療等の分野での大気質改善を図るグループに参加されることを歓迎いたします。ひとつの有望な分野がスマートフォンなどの家電製品で、こうした機器のユーザーの大気質への関心が高まっています。MEMS Sensors Industry Group(MSIG)Device Working Groupは、2019年初めに組織されました。そのミッションは、MEMSおよびセンサーデバイスとプラットフォームの技術仕様、業界スタンダード、ベストプラクティスを開発することにあります。MEMSおよびセンサーの利用と拡大を全世界で促進することが目標です。 汚染物質 健康影響 一酸化炭素(CO) 体内の臓器や組織に届く酸素の量を減らし、心臓病を悪化させ、入院やEDの受診につながる。 粒子状物質(PM2.5/PM10を含むPM) 心臓や肺の病気、非致死的な心臓発作、不規則な心拍、喘息の悪化、肺機能の低下、呼吸器症状の増加などで早死にする可能性。 二酸化窒素(NO2) 呼吸器症状を悪化させ、特に小児、高齢者の喘息患者の入院率を高め、呼吸器感染症にかかりやすくする。 オゾン(O3) 胸の痛み、咳、のどの炎症、鼻づまりなど、さまざまな健康問題の引き金となる可能性がある。気管支炎、肺気腫、喘息を悪化させることがある。 VOC(揮発性有機化合物) 癌や他の深刻な健康問題を引き起こす有毒な大気汚染物質もある。 CO2(二酸化炭素) 頭痛、めまい、いらいら、呼吸困難、発汗、疲労感、心拍数増加、血圧上昇、昏睡、窒息、痙攣など様々な健康影響がある。 二酸化硫黄(SO2) 喘息患者の既往の呼吸器疾患を悪化させ、咳、喘鳴、胸の締め付けなどの症状を引き起こす。 表1 – 主要7種の汚染物質とその健康影響。出所:EPA Air Sensor Guidebookv Device Working Groupはこれまで慣性センサーに活動を集中していましたが(このチームのアウトプットの例として、慣性センサーのIEEE2700規格を参照してください)、2020年にガスセンサーに焦点を移し、近いうちに他のタイプのセンサーにも活動範囲を拡大していく予定です。Bosch、TDK Invensense、ルネサス、Infineon、Analog Devices、STMicroelectronics、GE、Intelなどの業界リーダーが毎月集まり、一連の新規取り組みについて戦略を練っています。SEMI-MSIG Device Working Groupへの参加に興味がおありでしたら、MEMS Sensors Industry Groupのディレクター、カルメロ・サンソニ(Carmelo Sansone)までご連絡ください。
Read More
半導体は画期的な技術進歩をもたらすことで、現代社会に必要不可欠な役割を果たしています。高度な半導体の量産には、PFASとして総称されるフッ素化化学物質が必要です。私はSEMI会員を代表して、2020年12月3日に開催された産業界と欧州連合(EU)の意思決定者を対象とした英Chemical Watchの会議で、これらの物質の重要な役割と半導体製造のサプライチェーンにおける「必須用途」について説明しました(発表資料)。有害物質のない環境を目指した欧州グリーンディールのゼロ汚染の野望を達成するために、欧州委員会は最近発表した「Chemical Strategy for Sustainability(持続可能性のための化学物質戦略)」の中で、最も有害な化学物質の使用を、社会にとって不可欠とみなされる場合を除いて制限する意向を発表しました。PFASの略称で知られるパーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質は、この意向に基づいて規制上の精査を受ける最初の化学物質群となります。ここで問題となるのは、どのような化学物質を社会に必要不可欠なもの見なすべきか、また、どのような用途を網羅しているかということです。 現代生活における半導体の重要な役割半導体は私たちの生活に必要不可欠であり、いたる所に浸透しています。半導体は現代社会が機能するために欠かせません。スマートフォンやコンピュータのモバイル通信技術は半導体によって進歩し、私たちは効率よく仕事をし、大切な人たちと連絡をとれるのです。2020年には、何十億もの人々が自宅から安全にリモートワーク、リモート学習を行ったことで、半導体の恩恵がこれまで以上に明白になりました。同時に、半導体を使用した技術は、COVID-19対策の取り組みにおいても、人工呼吸器、医療用画像機器、デジタル医療ソリューション等、重要な役割を果たしています。さらに、半導体は今後、社会のインダストリー4.0への飛躍を可能にし、またコネクテッドカーや電気自動車、人工知能(AI)、量子コンピューティングの不可欠な要素技術としても活用されて行くでしょう。域内市場担当のThierry Breton欧州委員は、Hannover Messe Digital Daysにおける講演等で、欧州のデジタル主権を達成する上での半導体の戦略的重要性を強調しており、またEUの新産業戦略においても半導体とマイクロエレクトロニクス・システムの重要性が指摘されています。また、このような重要技術を生産するための莫大なコストと複雑さにも目をむけなければなりません。数百台の製造装置を備えた最先端の半導体工場を建てるには、150億ユーロ(1.9兆円)かかるとも言われます。1台の半導体製造装置は、通常数百万点の成形品から構成され、こうした装置がひとつの半導体ファブに数百台設置されます。さらに、SEMIの推定によると、半導体ウェーハの加工には、約500種類の高度に専門化されたプロセスケミカルが必要とされます。こうしたプロセス、製造装置、設備は、PFASだけが持つ特性に依存しています。SEMI Europeのプレジデントであるレイス・アルティマイムは次のように述べています。「SEMIは、欧州のデジタル主権を確立するためには、半導体が戦略的に重要であることを懸命に強調してきましたが、マイクロエレクトロニクスの重要性についてEUと加盟国に十分認識されたことを嬉しく思います。フッ素化化学物質は半導体製造に必要不可欠です。これらの特殊な化学物質は、その他にはない特性のために必要とされており、半導体製造が求める機能特性を十分に提供できる代替物質は現時点では存在しません。したがって、PFASの必須用途の概念は、技術革新を可能にし、サプライチェーン全体に適用され、EUの重要なインフラと戦略的目標達成を可能にするものなのです」 PFASとは何か、また半導体製造のどこで何のために使われるのかPFASは、固有の特性と特徴を有する広範かつ高度に多様な物質群です。経済協力開発機構(OECD)はPFASの約4,700種の物質リストを作成していますが、半導体製造産業で使用されているのは、その内ほんの一握りの物質です。これらの非常に特異的な化学物質は、半導体製造の厳しい条件下で使用することを可能にする、独特で比類のない特性のために必要とされるのです。 半導体製造用化学物質半導体製造の核心は、微細な幾何学的パターンをフィルムや基板に転写するフォトリソグラフィープロセスです。このプロセスの様々なステップで、品質を確保し、欠陥の発生を低減するために、フッ素化化合物を含有する特殊材料が使用されています。PFASは、その低い表面張力および他の化学物質との適合性から、使用が必要不可欠となっています。PFASは通常、完成した製品中には残存しません。しかし、一部の半導体製品では、PFASが最終製品に含有されるものがあります。カメラ、ディスプレイ、ある種の医療機器等に使用されるイメージングデバイスがその代表的な例です。 半導体製造装置PFASは半導体製造装置や工場インフラにも必要不可欠となっています。比類のない耐熱性と耐薬品性、化学的不活性の組み合わせを有するフルオロポリマーは、装置の部品(配管、ガスケット、容器、フィルター等)や潤滑剤(各種オイルやグリース)に使用されています。こうした特性は、装置を取り囲むインフラの機能を保証するためにも必要となります。また、既に法律(Regulation (EU) No 517/2014, F-Gas Regulation)で規制されているいくつかのフッ素化ガスも、冷媒および洗浄剤として使用されています。以上はPFASの半導体製造における使用例の一部にすぎません。現時点で、こうしたプロセスの実行や、半導体製造装置を組み立てることは、PFASなしにはできません。必要な機能特性を十分に提供できる代替物はないのです。代替化学物質やテクノロジーが今見つかったとしても、バリューチェーン全体の認定プロセスが極めて複雑なため、それを半導体量産に導入するまでには15年かかるかもしれません。したがって、最先端半導体の量産には、PFASを利用し続けることが前提条件となるのです。さもなければ、半導体製造技術によるEUでの生産と供給ができなくなる可能性もあります。 必須用途をどう考えるべきか規制当局は、PFASのどの用途が必須であるか、またどのような場合に使用を許可すべきかについて、検討を始めています。この概念を策定する際に、次の3点に留意すべきです。 必須用途は技術革新を妨げるのではなく可能にしなければならない第一に、必須用途という概念は、継続的な技術革新を可能すべきものであり、その障害となってはなりません。半導体や製造技術は、社会の要請に応えていくために、絶えず進化多様化しています。私たちが今日革新的だと考えるものも、将来には当たり前になっているかもしれません。将来の革新は現在では想像もつかないものでしょう。したがって、将来の技術革新の可能性を誤って制限しないように注意しなければなりません。必須用途はサプライチェーン全体に適用されなければならない第二に、用途を必須と分類することは、サプライチェーン全体に適用されるべきです。例えば、半導体を必須と定義し、それを製造するために使用する半導体製造装置や化学物質を必須ではないと分類することは避けなければなりません。半導体製造サプライチェーンでは、1つのデバイスメーカーに最大16,000のサプライヤーがつながっており、このリスクは明白です。必須用途は重要なインフラおよびEUの戦略目標を可能にしなければならない最後に、欧州の社会的優先事項を忘れてはなりません。EUは、その重要なインフラを維持し、保護することができる必要です。同時に、我々は、グリーンでデジタルな欧州というEUの戦略目標も見失うべきではありません。 半導体は、それに付随する製造装置や化学物質とともに、日常生活に必要不可欠な技術であり、EUの戦略的バリューチェーンのバックボーンとなります。半導体の製造は非常にコストがかかる複雑なプロセスであり、それを実行するためにはPFAS固有の特性が必要です。そのため、PFASは欧州グリーンディールやデジタル自治といった現在の戦略目標を達成するためにも、また将来においても必要不可欠です。したがって、半導体製造におけるPFASの継続的な使用を可能にする必須用途を確保しなければなりません。
Read More
COVID-19に有効なワクチンが待ち望まれる現在ですが、私たちはあらゆる手段を使って新型ウイルスの感染拡大を食い止めなければなりません。しかし驚くべきことに、私たちが頼りにしている手段は、1918年のパンデミックを抑えるために私たちの祖先が使用したローテクツールと変わらない、隔離、マスク、手洗いなのです。その一方で、私たちは100年前には存在しなかった様々な技術を利用することができます。中でも重要となるのが、高度な検査で使用する分子診断です。 米国では検査キットの不足が続いていますが、販売されているCOVID-19の遺伝子検査の大部分は信頼性が高く、精度が問題になることはまずありません。その代わりに、結果が出るまでにかかる時間と、検査結果の詳細さが問題となっています。 より多くの命を救い、医療制度の負担を軽減するためには、誰が陽性で誰が陰性かを正確かつ迅速に判別するための、医療現場での遺伝子検査が必要です。また、感染症の急増を精査する能力を向上させるためには、検査データを安全なネットワークを介して迅速に共有する必要があります。この2つの課題に、新興のバイオテック企業が取り組んでいます。 RT-PCR:精度では絶対的基準だが、スピードが問題市場に出回っている高品質の COVID-19 検査(例えばAbbott社の場合、最短 5 分で陽性結果を検出)について文献を読むと、前回の世界的なパンデミックからどれだけ進歩したかに驚かされます。Abbott社等の検査プラットフォームの中核となる技術は、分子遺伝学のリアルタイム逆ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を使用しています。今日、病院やその他の臨床環境で実施されている迅速検査の大部分は、RT-PCRを使用しています。 RT-PCR 検査の精度は高いですが、検査サンプルを分析のためにラボに送る必要があり、患者への検査結果の提供には時間がかかります。ラボのある場所は、病院、診療所、あるいは Quest Diagnostics のような大企業が運営する緊急治療施設内など様々です。どこにあろうと、各ラボは検査結果を読み取るためのRT-PCR検査装置を備えている必要があります。各RT-PCR検査装置は数千ドルする上、結果を読み取るために技術者を必要とするため、これらのマシンの普及が制限されています。 米国、インド、ブラジルの一部で COVID-19の症例がいまだに増加しています。地域によってはラボが大混雑となり、検査結果を得るまでに1~2週間かかっています。これでは、伝染性の強いウイルスへの対処としては遅すぎます。私たちは、正確な検査結果を医療提供者、公務員、患者にできるだけリアルタイムに近いスピードで提供する必要があります。この目標を達成するためには、分子診断技術を新しいタイプのバイオセンサーに適用する必要があります。これは、検査結果を医療現場で数分以内に提供し、そのデータをほぼリアルタイムでクラウドに送信するプラットフォームを使用しています。クラウドに上げられた重要な情報を使って、公衆衛生機関、州、都市などの関係機関は、感染のホットスポットを特定し、緩和することができるようになります。 過去7ヶ月間、COVID-19を標的とした医療現場における迅速な分子診断法を開発している数社のバイオテクノロジー企業と協力する機会に恵まれました。そのひとつであるHEMEMICS社は、救急車、緊急治療室、地域診療所、仮設病院などの現場で医療従事者がCOVID-19感染者を選別可能なハンドヘルド型の分子診断検査プラットフォームを開発しています。真の臨床検査プラットフォームとして、検査サンプルを研究室に送ることなく、その場で結果が得られるのです。 「私たちは、COVID-19の臨床検査を再定義することを目指しています」と、HEMEMEMICSのCEO兼共同設立者であるJohn Lehman Warden, Jr.氏は述べます。「最も一般的なタイプのオンサイト検査であるラテラルフローイムノアッセイとは異なり、私たちの検査は浸透圧反応が起こるのを待っているわけではありません。時間のかからない鼻腔ぬぐい液や血液のサンプルをチップ上に置くと、液滴の中で結合が行われます。このため、当社のプラットフォームは高速で、約60秒で結果が得られます。さらに、Bluetoothに対応し、クラウドベースの管理ネットワークをサポートしているので、保健所や自治体などの関係組織との検査結果の共有も容易です。」 当社はHEMEMICS社のファウンドリパートナーとして、SARS-CoV-2の抗体検査と抗原検査の両方に対応するバイオチップの感度向上に協力しています。HEMEMICSが納得するものができた後は、米国食品医薬品局(FDA)の緊急使用承認(EUA)を取得し、それにおりHEMEMEMICSのプラットフォームを必要とする何百万人もの人々に届けられればと願っています。 秋から冬に向かうにつれ、COVID-19 と効果的に戦うためには、HEMEMICS のような迅速かつコネクテッドな臨床バイオセンサー試験プラットフォームと、高精度のRT-PCR試験の併用が必要になるでしょう。そして、その根底には、MEMSとバイオセンサーがあるのです。 Rogue Valley Microdevicesのバイオセンサーソリューションの詳細については、同社([email protected])までお問い合わせいただくか、同社のウェブサイトをご覧ください。 Rogue Valley Microdevicesの創設者兼CEOであるJessica Gomez氏は、オレゴン州南部の中心部に世界クラスの精密MEMSファウンドリーを設立しました。CEOとしての彼女の役割に欠かせないのが、クラス最高のプロセス技術と研究開発の専門知識を顧客に提供し、顧客が製品の最高の品質と信頼性を達成できるように支援するというビジネス哲学を実践することです。 Gomez氏は、テクノロジー業界内外で積極的にリーダーシップを発揮しています。彼女は、権威あるSEMI Board of Industry Leadersのメンバーであり、Spotlight on SEMI Womenに選ばれた最初のエグゼクティブであり、オレゴン工科大学理事会の会長を務めています。
Read More
生産コストは、通常と人件費と材料費がベースとなり、これによって製造経費が決まります。しかし、このアプローチは十分に正確でしょうか。生産における品質不良や効率の欠如のコストはどうでしょうか。パンデミックは半導体製造にどのような影響を与えているのでしょうか。そして今後何が期待できるでしょうか。 SEMIはこのほど、QualityLine社の創業者兼CEOであるEyal Kaufman博士に、製造管理と製品の品質と歩留まりを向上させるための最適なデータソースについてお話を伺いました。同社は、イスラエルのキルヤット・ガトに本社を置くスマート・マニュファクチャリングの分析ソリューションを提供する企業です。Kaufman氏から、コストを削減しながら製造効率と製品品質を向上させるために同社が採用しているベストプラクティスの要点をお聞きできました。また、COVID-19パンデミックが半導体のスマート・マニュファクチャリングに与える影響や、AIが工場の労働者の安全を守るためにどのように役立つかについても説明いただきました。 スマート・マニュファクチャリングについて、さらに洞察を深めるには、10月20日~22日に開催される「SEMI Global Smart Manufacturing Conference」にご参加ください。参加申し込みはこちらです。 SEMI:実際の製造コストは、生産不良品、修理品、返品、部品のスクラップや遅配などさまざまな要素から計算されます。製造業における品質と効率の欠如は、ビジネスを蝕む可能性があります。企業がこれらの課題を克服するために、どのような支援をしているのでしょうか? Kaufman氏:利益率を高めるためには、非効率な部分を特定し、優先すべき改善を決めることが重要です。製造品質と効率の不足が測定されたなら、製造データを継続的に収集して最終的なコスト分析を実行し、その分析結果を製造プロセスの改善に活用します。 スマート・マニュファクチャリングにより、自動化された工場の異常を検知し、生産性を向上させ、収益性を向上させることが可能になります。現在では、自動化データが、工場内のあらゆる製造装置や試験装置から収集されています。しかし、多くの産業では製造データの収集がいまだにマニュアルで行われており、時間と工数の多額の経費がかかっています。リアルタイム分析システムの場合は、自動的にすべてのソースからデータを自動的に収集し、分析に関係するものを選択しますから、品質と効率の不足を測定し解決するための、最も正確で効果的な方法となります。 スマート・マニュファクチャリングのデータ駆動型決定は、コストの低減と製造戦略の改善をもたらし、工場オペレータが製品品質を向上することを可能にし、生産能力を引き上げ、製造性を最適化する製品設計を実現します。分析システムは、製造現場のオペレーションをモニタリングし、ベンダーやサブコンの製品基準を参照して、根本原因分析を実行します。これらのデータはすべて、不良品返品率を低減し、投資収益率を加速させます。これが、スマートな製造技術が必要な理由です。 SEMI:製造工程で蓄積されるデータには、故障、規格外れ、装置の有用性などの重要な情報があります。最適な分析システムを構築するためには、どのようなデータが必要なのでしょうか? Kaufman氏:今日、多くの企業がデータマッピングを実行して、データキャプチャを自動作成しています。こうした企業では、テストデータやセンサーデータ、製品設計データを使用する必要があるのか、顧客やベンダーからのフィードバックを収集する必要があるのか、と悩むことがよくあります。効果的な製造分析システムを構築には、次のようなデータソースを使用すると良いでしょう: 顧客からのフィードバック(返品、苦情など) 自動試験装置と手動試験活動からの試験データ 故障したユニットを修理した技術者からのフィードバック ベンダーが行うテストプロセスの分析 センサーデータ 当社のERP/MESシステムからのデータ AIは、蓄積されたデータを含め、あらゆるタイプやサイズのデータ構造を自動的に統合して解釈することができます。また、AIによる分析は、各製造ステージ間の相関関係も明らかにし、工場のオペレータは、既存のプロセス、装置、データ出力を変更することなく、深層診断や根本原因分析をすぐに実行して、問題の解決と予防を図ることができます。機械学習は、工場がどのようにデータベース運用しているかを評価し、生成されたすべての情報を分析システムに入力して、工場の効率を継続的に改善するためのノウハウを提供します。 SEMI:製造品質と歩留まりを改善するために、どのようにデータソースを選択すればよいのでしょうか。 Kaufman氏:製造工程で蓄積されたデータの正確性と完全性が、製造コストを低減しながら歩留まりと品質を向上させるための鍵となります。スマート・マニュファクチャリングとは、デジタルやリモートで接続された装置を使用することで、生産プロセスを監視するテクノロジー主導のアプローチです。その目的は、製造プロセスの異常を特定し、分析を活用してプロセスの歩留まりと製品の品質を向上させることにあります。 該当するデータを選定するために、実際の製造セルの効率化につながる各種、各ソースのデータを収集します: 自動試験装置のテストデータ マニュアル試験のテストデータ 修理プロセスの分析(製造プロセスでの故障、顧客からの返品) データ構造を収集したら、次にこれを製造プロセスで実行可能な情報に変換します。QualityLineスマート・マニュファクチャリング・ソリューションは、ワンストップであらゆる製造データ構造を解釈することができます。当社の高度な製造分析システムは、品質と歩留まりの異常を検出して生産ラインの非効率性を明らかにし、製造品質と効率を改善する機会を提供します。 SEMI:QualityLineのアプローチを説明いただけますか。 Kaufman氏: 製造業におけるインダストリー4.0は、第4世代の産業革命であると主張しています。製造インテリジェンスや機械学習などの先進技術により、製造ラインでの不良ゼロを効率的に実現することができます。デジタル工場では、以下のような技術や手法が活用されています: ビッグデータ 自己最適化 自己設定 自己診断 コグニティブ学習と機械学習 スマート・マニュファクチャリング技術は、リアルタイムでデータを継続的に収集・分析することにより製造プロセスを強化し、高い品質性能を実現し維持します。無駄や非効率を削減しながら、効率と歩留まりを大幅に向上させることが目標です、 これまで、保存されたすべての製造データを統一データベースに統合する現実的な方法はありませんでした。QualityLineの高度な製造分析を利用することで、どのような工場でも新たなハードウェアをインストールすることなくデジタル化が可能になります。ハードウェアの追加にはコストがかかり、既存のデータを広範囲に統合するだけでなく、トレーニングへの投資も必要になります。 当社のユーザーフレンドリーなソリューションは、自動化が全くされていない産業についても製造データの統合をサポートします。まず、あらゆる種類のマニュアル試験からデータを収集して分析し、それを製造分析に統合することで効率向上を図ります。 SEMI: 合否判定基準だけでは製造歩留まりや品質を管理する上で不十分なのはなぜですか? Kaufman氏:大量生産プロセスの管理は、製品が出荷されるまでに何百ものタスクを成功させる必要があり、容易なことではありません。当社は、原材料の入荷から顧客に完成品を納入する前の最終段階まで、生産フローの各段階でテストプロセスを確立します。予期せぬダウンタイム、廃棄品、不良品を防ぐために、あらゆるタイプの関連データを収集・解釈し、有意義な情報に変換し、以下のような機能を設定します: 各製品ユニット、各プロセス、そして工場の試験データやプロセスデータの収集と解釈 品質・歩留まり問題の自動検出 正確で迅速な根本原因分析プロセス 異常が発生した場合の自動アラート 予測プロセスの可能性と失敗のレベル 主要パフォーマンス指標の測定 多くのメーカーでは、各パラメータのテスト基準を合否という単一の指標に置いています。テスト結果が合格を示した場合、そのユニットは次の製造ステージに進む準備ができています。テスト結果が不合格を示した場合、ユニットはさらなる分析のために技術者に送られます。 製品品質の単純な合否判定基準では、対象ユニットの技術的パラメータの1つ以上が許容範囲内に収まっているエッジケースに関する情報がほとんど、あるいは全く得られないため、到底十分とは言えません。エッジケースは、極端な環境(寒さ、熱、湿度、電気的過負荷、衝撃など)での運転中にユニットの故障につながる可能性があります。実際には、大量生産ラインでは、テストステーションから収集した詳細情報をすべて継続的に消化することは不可能です。データは、重要な品質問題が発生し、根本原因を理解するためにさらなる分析が必要な場合にのみ、詳細に分析されます。 情報が処理能力を上回り、重要なパラメータが見過ごされては、プロセスを制御し品質と歩留まりを向上させることはで困難です。新しい技術では、高速でスケーラブルなデータ統合が可能になり、リアルタイムでデータを収集して品質問題を早期に検出し、複雑なプロセスの乱れを特定して納期遅延を回避し、顧客に最高の製品を提供できるようになりました。データを実行可能な情報として正確に分析できてはじめて、工場のオペレータは製造品質プロセスを制御することができます。 SEMI:COVID-19はスマート・マニュファクチャリング市場にどのような影響を与えましたか?また、貴社の技術は工場のオンライン化をどのように支援してきましたか? Kaufman氏:スマート・マニュファクチャリングは、労働力の減少、ソーシャルディスタンス、特定の製品の売上減少、業務コストの厳しい削減圧力といった、COVID-19の諸問題を克服するための支援を製造業者に提供する重要な役割を果たしています。 製造業のリーダーは、限られた労働力と稼働時間で効率的な工場運営を維持するという課題の解決策を、当社に求めています。少ない人員で工場の注文を満たすのは大変です。デジタルファクトリーテクノロジーは、オペレーションの遠隔監視を可能にし、効率性と能力を高めます。当社は、お客様がコストを削減しながら効率を向上できるよう支援をしています。 当社のリモート・モニタリング技術は、安全上の制約から工場に物理的に出向くことができない現場マネージャーや技術チームに、運用上の可視性を提供することができます。当社の高度な製造分析により、製造プロセス全域をモニターすることができ、生産ラインに発生する問題をリモート診断して解決することができます。 この重要な時期に、リモート・モニタリング・ソリューションを改善し、業界がパンデミックを乗り切る助けとなれることを誇りに思っています。当社の顧客の中には、そうでなければ工場を閉鎖していた企業もあります。私たちは、これまで自動化されていなかった工場の製造データを統合して、高い自動化レベルを推進してきました。顧客のプロトコルや自動化レベルに関係なく、既存の工場データとプロセスを統合することは、当社の大きな技術的優位性です。 SEMI:COVID-19の後、製造業とそのサプライチェーンはどうなるのでしょうか? Kaufman氏:スマート・マニュファクチャリングは、現在では必須となっています。データを収集・分析して品質を向上させるだけでなく、顧客の不良製品の返品を50%削減し、廃棄物を22%削減しており、このどちらもが重要なポイントです。製造業の課題は今後もテクノロジーの進歩を加速させ、リアルタイムのデータ分析や人工知能(AI)を工場のオペレータに取り入れながら、効率性、安全性、生産性を向上させていくでしょう。 SEMI:サプライヤーは今後もスマート・マニュファクチャリング技術を追求していくのでしょうか。また、どのような成長機会がもたらされるのでしょうか。 Kaufman氏:はい、間違いなくそうです。COVID-19が機会と課題の両方をもたらすことで、業界はすでに変化しています。業界のリーダーたちは、突然の材料不足、需要の低下、労働者の不足など、新たなプレッシャーに直面しています。製造業にとっての成長の機会は、おそらくデジタル化にあるでしょう。これは、危機への即時対応がデジタル化によって進められたことでも明らかです。サプライチェーン全域の透明性、自動化、データ統合を高めるためには、インダストリー4.0のソリューションが欠かせません。QualityLineの製造分析は、主要な製造パフォーマンス指標を改善してきました。顧客からのフィードバックに基づいて、生産歩留まりを30%向上させ、何百万ドルも節約した顧客もいます。このような改善が、サプライヤーがパンデミックに耐えるために役立つのです。 QualityLineの創設者兼CEOであるEyal Kaufman博士は、25年以上にわたり、大手製造企業での事業開発、マーケティング、財務、オペレーション、エンジニアリング、品質管理の分野で、上級管理職としての経験を積んできました。QualityLineを設立する前は、Mobileye、Cardo Systems、Medisim Ltd.の副社長、OnTheGo SystemsのCEOを務めました。カリフォルニア・インターコンチネンタル大学で博士号、ニューヨーク市立大学でMBA、イスラエルのテクニオン大学で理学士号を取得しています。 SEMI SMART Manufacturing Initiativeは、スマート・マニュファクチャリングを通じた製品の品質、生産性、コストの最大化を実現するために、業界で認められたベスト・イン・クラスのプログラムやサービスを提供することに焦点を当て、スマート・マニュファクチャリングに対する認識と関心を高めるための世界的な取り組みです。活動内容は、マイクロエレクトロニクスのサプライチェーン全体でスマート・マニュファクチャリングを可能にするためのコア能力の構築に重点を置いています。 MADEin4は、半導体装置メーカーやシステム統合型計測器メーカーからRTOSや自動車産業などの主要アプリケーションまで、サプライチェーンの全範囲をつなぐ10カ国47社のパートナーによるコンソーシアムです。MADEin4プロジェクトは、半導体製造業におけるインダストリー4.0の大量生産をサポートするために、次世代の計測ツール、機械学習手法、アプリケーションを開発しています。
Read More
マイクロチップはますます賢くなっていますが、メルトダウン、スペクター、最近ではプランダーボルトなどのハッキング攻撃により、重要なセキュリティギャップが露呈し続けています。チップ・アーキテクチャの侵入経路が次々と発見され、悪意のあるプレイヤーが、世界のマイクロエレクトロニクス・サプライチェーンのあらゆる場所で、機密データを盗んだり、模倣品の身元を隠したり、電子機器システムを改ざんしたりすることが可能になっています。 今日では、設計から製造、パッケージング、テスト、納品までが分散したチップ製造プロセスを完全に把握することは不可能です。そのため、私たちの業界の将来は、シリコンのライフサイクル全体にわたるハードウェア信頼性の確立に大きく依存しているのです。信頼性だけでなく検証も必要だと言うのは簡単ですが、その方法はあるのでしょうか? SEMIは、フロリダ大学電気・コンピュータ工学科のサイバースセキュリティ分野Intel Charles E. Young寄付基金教授であるMark Tehranipoor博士にインタビューを行いました。マイクロエレクトロニクスのセキュリティと信頼性、エレクトロニクス製品の模倣品検出、サプライチェーンのリスク管理の第一人者であるTehranipoor博士は、9月25日(金)に開催されるSEMICON Taiwan Security on Chip Summitで基調講演を行います。このサミットでは、界のリーダーたちがIoT、SoC(System on a Chip)、集積回路、PUF(Physical Unclonable Function)技術、将来の設計、認証、マネージドサービスなどを含むセキュリティ上の重要課題とソリューションについて講演します。 SEMI:ハードウェア信頼性を提供する上で、どのような不確実があるのでしょうか。 Tehranipoor氏:現在、私たちが直面している最も重要な問題の一つは、集積回路やシステムの設計・製造プロセスの制御ができなくなっていることです。これは、グローバル化と、エレクトロニクス製品や半導体等、あらゆる製品のコスト削減をめざしたサプライチェーンの海外移転に伴って起こっています。スキルセット、人材、設計、製造のすべてが海外にシフトしているため、マイクロエレクトロニクス・サプライチェーンの様々なセグメントをまたいだセキュリティ管理への懸念が高まっています。 例えば、軍事、宇宙、輸送、電力網、金融、その他のネットワークのセキュリティを考えたとき、ネットワークの基礎となる電子機器システムの信頼性が疑われるなら、大きな懸念が生じます。また、新しいSoCは、暗号化キーや生体認証、個人情報や銀行のデータを中心に、よりセンシティブなデータを保持しています。電子部品レベルでのサイバーセキュリティのギャップについての報告がエスカレートしているため、ハードウェア信頼性を確立することがますます重要になっています。 今日では、製品の購入者がデザインハウスに電話をかけ、製品の電子IDが正しいことを確認するだけでは信頼性を保証できません。IDは一致していても、デバイスが改ざんされていたり、サプライチェーンのどこかで模倣品と交換されていたりする可能性があるからです。問題を自動的に特定し、アップグレードして修正できるソフトウェアやネットワークとは異なり、ハードウェアの検証は、特にマイクロチップのような複雑なものであれば、コストがかかり、時間のかかるプロセスとなります。チップの分解、リバースエンジニアリング、検査、認証には数ヶ月を要するかもしれません。それでは、セキュリティ侵害が発見された時には、すでに手遅れになっています。 電子システムのセキュリティには、念頭におくべき3つの重要な特徴があります。まず、機密性です。デバイスは、許可されていないユーザーに情報を漏らしてはいけません。第二に、完全性です。SoCの機密データに不正操作され、データの完全性が損なわれてはいけません。三番目の特徴は可用性で、DoS(Denial of Service)攻撃によって脅かされる場合があります。デバイスが攻撃を受けてオンラインサービスやネットワークにアクセスできなくなった場合も、システムが安全モードで利用できるようにし、その間に問題の特定、回復、通常復帰を進められるように、セキュリティ対策を講じておく必要があります。 SEMI:マイクロエレクトロニクスのサプライチェーン全体にわたる信頼性を高めるには、どのような枠組みに従えばよいでしょうか。 Tehranipoor氏:米国では、製造、設計、納入のすべてのチームをこの国に戻し、国防総省の認定を受けることは不可能だろうと認識しています。いくつかの方法はありますが、電子システムに関わる設計、製造、テスト、パッケージングのすべての作業を国内に戻し、完全にコントロールできるようにするには、非常にコストがかかり、複雑な作業になるでしょう。 最も実用的なアプローチは、最初からセキュリティと信頼性を念頭に置いて電子システムを設計することです。設計フロー、製造フロー、現場に至るまで、拡張されたサプライチェーン全体にセキュリティ機能を前面に打ち出し、電子システムの真正性を検証したり、問題を特定して緩和したりすることを、どの時点でも誰もが簡単かつ迅速に行えるようにする必要があります 最後に、設計者、開発者、パッケージング施設、ファブなど、私たちはみんな一緒に関わっているということを忘れてはいけません。半導体メーカーなど誰かに押し付けることではないのです。ですから、コンソーシアムとしてこの問題に取り組むことで、協力し協調しなければなりません。このエコシステムの全員が参画して、ベストプラクティスを共有し、スタンダードを確立し、デバイスからシステムにわたる模倣品の排除を目指す必要があります。 SEMI:SEMIおよびSEMIのElectronic System Design(ESD)アライアンスは、どのようにして業界の努力を支援できるでしょうか。 Tehranipoor氏:SEMI や ESD アライアンス委員会のような組織のメンバーにとって、スタンダードやガイドラインを共同開発し、それを遵守することによって、グローバルなサプライチェーンの全域にわたるハードウェア信頼性を構築するが非常に重要となります。それと同時に、このような共同作業では、各社の知的財産(IP)の保護を最優先すべきです。集団として私たちは、開発した独自のIPが組み込まれたデバイスがサプライチェーンを流れる中で、電子機器の真正性をより簡単に追跡、識別、検証できる解決策を必要としています。大規模な取り組みが行われており、進展が見られます。しかし、それだけでは十分ではありません。チップレベルでの信頼性の根幹となるスタンダードを確立するためには、さらに多くのことを行う必要があることが明らかです。 SEMI ESDアライアンスのようなコンソーシアムが、産官学が集まり、セキュリティの脆弱性や侵害に対するベストプラクティスやケーススタディーを共有できる環境を作ることは、協調しつくせないほど重要です。誰もが自分のセキュリティ上の問題や脆弱性、アタックサーフェス(攻撃対象領域)を外に出したくないことは理解できますが、お互いの経験から学ぶことは、業界全体の発展に大きな助けとなります。何に対処すべきかを把握していないと、いざというときに対処できません。 また、SEMIのような組織には、セキュリティを目的としたマイクロチップ設計の複雑さを軽減するためのスタンダードやガイドラインを作成することを奨励しています。不動産業者は、価値が高く評価される家を見つけるには確認すべきことが3つあるとよく言います。場所、場所、場所です。より安全な電子システムを構築するための私のマントラは、自動化、自動化、自動化です。複雑さはセキュリティの敵です。自動化を活用してセキュリティの仕組みを簡素化し、不整合を検出することで、セキュリティ上の問題を発見し、修正することが容易になり、同時にコストを下げることができるのは言うまでもありません。 Mark Tehranipoor博士は、フロリダ大学電気・コンピュータ工学科のサイバースセキュリティ分野Intel Charles E. Young寄付基金教授です。フロリダ大学サイバーセキュリティ研究所(FICS)、国立マイクロエレクトロニクス・セキュリティ・トレーニング・センター(MEST)、CYANセンター・オブ・エクセレンス、ECIトランジション・センターのディレクターを務めています。また、フロリダ大学ハーバート・ヴェルトハイム工学部のサイバーセキュリティ担当プログラム・ディレクターも務めています。現在の研究テーマは、IoTセキュリティ、ハードウェアセキュリティと信頼性、信頼性の高い回路設計など。
Read More