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Technology and Trends

私たちが呼吸している空気は大切なものですが、大気は人為的な排気物質によって汚染されるがままとなっています。それでも、地球のために温室効果ガスの排出とその背後にある人間の行動を、汚染物質のレベルを測定するガスセンサーの助けを借りてコントロールできるという希望があります。 数多くの大気汚染物質の中には、私たちの健康に有害なものもあります。図1は、上位7つの汚染物質、その主な発生源、健康への影響を示しています。大気質指数は、粒子と4つのガス(一酸化炭素、オゾン、二酸化硫黄、二酸化窒素)の値を組み合わせて計算されます。良いニュースは、これらの汚染物質のそれぞれをモニターできるガスセンサーが市場に出回っていることです。 図1 – 上位7つの汚染物質(一酸化炭素、粒子状物質、二酸化窒素、オゾン、揮発性有機化合物、二酸化炭素、二酸化硫黄)の健康への影響。出所:EPA Air Sensor Guidebook ここで課題となるのが、ガスセンサーの多くの最終ユーザーが、様々なベンダーから提供されているセンサーの性能特性をどのように比較すれば良いかを理解していないことです。SEMIは使用者がこのハードルを乗り越えるお手伝いをしています。SEMI-MSIGは今年、Device Working Groupの中にガスセンサー標準規格(スタンダード)を開発するグループを設置しました。その目的は、試験方法、信頼性条件、パッケージング、通信インタフェースなどのガイドラインを定義して市場の発展を促すことにあります。重要なのは、この標準化によって、センサーの使用者が競合製品の中から最適なセンサーを選べるようになるということです。SEMI-MSIG Device Working Groupは、主要なガスセンサー企業および装置メーカーの専門家によって構成されています。ガスセンサーを提供する企業の皆様が、この住宅、工場自動化、自動車、家電、医療等の分野での大気質改善を図るグループに参加されることを歓迎いたします。ひとつの有望な分野がスマートフォンなどの家電製品で、こうした機器のユーザーの大気質への関心が高まっています。MEMS Sensors Industry Group(MSIG)Device Working Groupは、2019年初めに組織されました。そのミッションは、MEMSおよびセンサーデバイスとプラットフォームの技術仕様、業界スタンダード、ベストプラクティスを開発することにあります。MEMSおよびセンサーの利用と拡大を全世界で促進することが目標です。 汚染物質 健康影響 一酸化炭素(CO) 体内の臓器や組織に届く酸素の量を減らし、心臓病を悪化させ、入院やEDの受診につながる。 粒子状物質(PM2.5/PM10を含むPM) 心臓や肺の病気、非致死的な心臓発作、不規則な心拍、喘息の悪化、肺機能の低下、呼吸器症状の増加などで早死にする可能性。 二酸化窒素(NO2) 呼吸器症状を悪化させ、特に小児、高齢者の喘息患者の入院率を高め、呼吸器感染症にかかりやすくする。 オゾン(O3) 胸の痛み、咳、のどの炎症、鼻づまりなど、さまざまな健康問題の引き金となる可能性がある。気管支炎、肺気腫、喘息を悪化させることがある。 VOC(揮発性有機化合物) 癌や他の深刻な健康問題を引き起こす有毒な大気汚染物質もある。 CO2(二酸化炭素) 頭痛、めまい、いらいら、呼吸困難、発汗、疲労感、心拍数増加、血圧上昇、昏睡、窒息、痙攣など様々な健康影響がある。 二酸化硫黄(SO2) 喘息患者の既往の呼吸器疾患を悪化させ、咳、喘鳴、胸の締め付けなどの症状を引き起こす。 表1 – 主要7種の汚染物質とその健康影響。出所:EPA Air Sensor Guidebookv Device Working Groupはこれまで慣性センサーに活動を集中していましたが(このチームのアウトプットの例として、慣性センサーのIEEE2700規格を参照してください)、2020年にガスセンサーに焦点を移し、近いうちに他のタイプのセンサーにも活動範囲を拡大していく予定です。Bosch、TDK Invensense、ルネサス、Infineon、Analog Devices、STMicroelectronics、GE、Intelなどの業界リーダーが毎月集まり、一連の新規取り組みについて戦略を練っています。SEMI-MSIG Device Working Groupへの参加に興味がおありでしたら、MEMS Sensors Industry Groupのディレクター、カルメロ・サンソニ(Carmelo Sansone)までご連絡ください。
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半導体は画期的な技術進歩をもたらすことで、現代社会に必要不可欠な役割を果たしています。高度な半導体の量産には、PFASとして総称されるフッ素化化学物質が必要です。私はSEMI会員を代表して、2020年12月3日に開催された産業界と欧州連合(EU)の意思決定者を対象とした英Chemical Watchの会議で、これらの物質の重要な役割と半導体製造のサプライチェーンにおける「必須用途」について説明しました(発表資料)。有害物質のない環境を目指した欧州グリーンディールのゼロ汚染の野望を達成するために、欧州委員会は最近発表した「Chemical Strategy for Sustainability(持続可能性のための化学物質戦略)」の中で、最も有害な化学物質の使用を、社会にとって不可欠とみなされる場合を除いて制限する意向を発表しました。PFASの略称で知られるパーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質は、この意向に基づいて規制上の精査を受ける最初の化学物質群となります。ここで問題となるのは、どのような化学物質を社会に必要不可欠なもの見なすべきか、また、どのような用途を網羅しているかということです。 現代生活における半導体の重要な役割半導体は私たちの生活に必要不可欠であり、いたる所に浸透しています。半導体は現代社会が機能するために欠かせません。スマートフォンやコンピュータのモバイル通信技術は半導体によって進歩し、私たちは効率よく仕事をし、大切な人たちと連絡をとれるのです。2020年には、何十億もの人々が自宅から安全にリモートワーク、リモート学習を行ったことで、半導体の恩恵がこれまで以上に明白になりました。同時に、半導体を使用した技術は、COVID-19対策の取り組みにおいても、人工呼吸器、医療用画像機器、デジタル医療ソリューション等、重要な役割を果たしています。さらに、半導体は今後、社会のインダストリー4.0への飛躍を可能にし、またコネクテッドカーや電気自動車、人工知能(AI)、量子コンピューティングの不可欠な要素技術としても活用されて行くでしょう。域内市場担当のThierry Breton欧州委員は、Hannover Messe Digital Daysにおける講演等で、欧州のデジタル主権を達成する上での半導体の戦略的重要性を強調しており、またEUの新産業戦略においても半導体とマイクロエレクトロニクス・システムの重要性が指摘されています。また、このような重要技術を生産するための莫大なコストと複雑さにも目をむけなければなりません。数百台の製造装置を備えた最先端の半導体工場を建てるには、150億ユーロ(1.9兆円)かかるとも言われます。1台の半導体製造装置は、通常数百万点の成形品から構成され、こうした装置がひとつの半導体ファブに数百台設置されます。さらに、SEMIの推定によると、半導体ウェーハの加工には、約500種類の高度に専門化されたプロセスケミカルが必要とされます。こうしたプロセス、製造装置、設備は、PFASだけが持つ特性に依存しています。SEMI Europeのプレジデントであるレイス・アルティマイムは次のように述べています。「SEMIは、欧州のデジタル主権を確立するためには、半導体が戦略的に重要であることを懸命に強調してきましたが、マイクロエレクトロニクスの重要性についてEUと加盟国に十分認識されたことを嬉しく思います。フッ素化化学物質は半導体製造に必要不可欠です。これらの特殊な化学物質は、その他にはない特性のために必要とされており、半導体製造が求める機能特性を十分に提供できる代替物質は現時点では存在しません。したがって、PFASの必須用途の概念は、技術革新を可能にし、サプライチェーン全体に適用され、EUの重要なインフラと戦略的目標達成を可能にするものなのです」 PFASとは何か、また半導体製造のどこで何のために使われるのかPFASは、固有の特性と特徴を有する広範かつ高度に多様な物質群です。経済協力開発機構(OECD)はPFASの約4,700種の物質リストを作成していますが、半導体製造産業で使用されているのは、その内ほんの一握りの物質です。これらの非常に特異的な化学物質は、半導体製造の厳しい条件下で使用することを可能にする、独特で比類のない特性のために必要とされるのです。 半導体製造用化学物質半導体製造の核心は、微細な幾何学的パターンをフィルムや基板に転写するフォトリソグラフィープロセスです。このプロセスの様々なステップで、品質を確保し、欠陥の発生を低減するために、フッ素化化合物を含有する特殊材料が使用されています。PFASは、その低い表面張力および他の化学物質との適合性から、使用が必要不可欠となっています。PFASは通常、完成した製品中には残存しません。しかし、一部の半導体製品では、PFASが最終製品に含有されるものがあります。カメラ、ディスプレイ、ある種の医療機器等に使用されるイメージングデバイスがその代表的な例です。 半導体製造装置PFASは半導体製造装置や工場インフラにも必要不可欠となっています。比類のない耐熱性と耐薬品性、化学的不活性の組み合わせを有するフルオロポリマーは、装置の部品(配管、ガスケット、容器、フィルター等)や潤滑剤(各種オイルやグリース)に使用されています。こうした特性は、装置を取り囲むインフラの機能を保証するためにも必要となります。また、既に法律(Regulation (EU) No 517/2014, F-Gas Regulation)で規制されているいくつかのフッ素化ガスも、冷媒および洗浄剤として使用されています。以上はPFASの半導体製造における使用例の一部にすぎません。現時点で、こうしたプロセスの実行や、半導体製造装置を組み立てることは、PFASなしにはできません。必要な機能特性を十分に提供できる代替物はないのです。代替化学物質やテクノロジーが今見つかったとしても、バリューチェーン全体の認定プロセスが極めて複雑なため、それを半導体量産に導入するまでには15年かかるかもしれません。したがって、最先端半導体の量産には、PFASを利用し続けることが前提条件となるのです。さもなければ、半導体製造技術によるEUでの生産と供給ができなくなる可能性もあります。 必須用途をどう考えるべきか規制当局は、PFASのどの用途が必須であるか、またどのような場合に使用を許可すべきかについて、検討を始めています。この概念を策定する際に、次の3点に留意すべきです。 必須用途は技術革新を妨げるのではなく可能にしなければならない第一に、必須用途という概念は、継続的な技術革新を可能すべきものであり、その障害となってはなりません。半導体や製造技術は、社会の要請に応えていくために、絶えず進化多様化しています。私たちが今日革新的だと考えるものも、将来には当たり前になっているかもしれません。将来の革新は現在では想像もつかないものでしょう。したがって、将来の技術革新の可能性を誤って制限しないように注意しなければなりません。必須用途はサプライチェーン全体に適用されなければならない第二に、用途を必須と分類することは、サプライチェーン全体に適用されるべきです。例えば、半導体を必須と定義し、それを製造するために使用する半導体製造装置や化学物質を必須ではないと分類することは避けなければなりません。半導体製造サプライチェーンでは、1つのデバイスメーカーに最大16,000のサプライヤーがつながっており、このリスクは明白です。必須用途は重要なインフラおよびEUの戦略目標を可能にしなければならない最後に、欧州の社会的優先事項を忘れてはなりません。EUは、その重要なインフラを維持し、保護することができる必要です。同時に、我々は、グリーンでデジタルな欧州というEUの戦略目標も見失うべきではありません。 半導体は、それに付随する製造装置や化学物質とともに、日常生活に必要不可欠な技術であり、EUの戦略的バリューチェーンのバックボーンとなります。半導体の製造は非常にコストがかかる複雑なプロセスであり、それを実行するためにはPFAS固有の特性が必要です。そのため、PFASは欧州グリーンディールやデジタル自治といった現在の戦略目標を達成するためにも、また将来においても必要不可欠です。したがって、半導体製造におけるPFASの継続的な使用を可能にする必須用途を確保しなければなりません。
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COVID-19に有効なワクチンが待ち望まれる現在ですが、私たちはあらゆる手段を使って新型ウイルスの感染拡大を食い止めなければなりません。しかし驚くべきことに、私たちが頼りにしている手段は、1918年のパンデミックを抑えるために私たちの祖先が使用したローテクツールと変わらない、隔離、マスク、手洗いなのです。その一方で、私たちは100年前には存在しなかった様々な技術を利用することができます。中でも重要となるのが、高度な検査で使用する分子診断です。 米国では検査キットの不足が続いていますが、販売されているCOVID-19の遺伝子検査の大部分は信頼性が高く、精度が問題になることはまずありません。その代わりに、結果が出るまでにかかる時間と、検査結果の詳細さが問題となっています。 より多くの命を救い、医療制度の負担を軽減するためには、誰が陽性で誰が陰性かを正確かつ迅速に判別するための、医療現場での遺伝子検査が必要です。また、感染症の急増を精査する能力を向上させるためには、検査データを安全なネットワークを介して迅速に共有する必要があります。この2つの課題に、新興のバイオテック企業が取り組んでいます。 RT-PCR:精度では絶対的基準だが、スピードが問題市場に出回っている高品質の COVID-19 検査(例えばAbbott社の場合、最短 5 分で陽性結果を検出)について文献を読むと、前回の世界的なパンデミックからどれだけ進歩したかに驚かされます。Abbott社等の検査プラットフォームの中核となる技術は、分子遺伝学のリアルタイム逆ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を使用しています。今日、病院やその他の臨床環境で実施されている迅速検査の大部分は、RT-PCRを使用しています。 RT-PCR 検査の精度は高いですが、検査サンプルを分析のためにラボに送る必要があり、患者への検査結果の提供には時間がかかります。ラボのある場所は、病院、診療所、あるいは Quest Diagnostics のような大企業が運営する緊急治療施設内など様々です。どこにあろうと、各ラボは検査結果を読み取るためのRT-PCR検査装置を備えている必要があります。各RT-PCR検査装置は数千ドルする上、結果を読み取るために技術者を必要とするため、これらのマシンの普及が制限されています。 米国、インド、ブラジルの一部で COVID-19の症例がいまだに増加しています。地域によってはラボが大混雑となり、検査結果を得るまでに1~2週間かかっています。これでは、伝染性の強いウイルスへの対処としては遅すぎます。私たちは、正確な検査結果を医療提供者、公務員、患者にできるだけリアルタイムに近いスピードで提供する必要があります。この目標を達成するためには、分子診断技術を新しいタイプのバイオセンサーに適用する必要があります。これは、検査結果を医療現場で数分以内に提供し、そのデータをほぼリアルタイムでクラウドに送信するプラットフォームを使用しています。クラウドに上げられた重要な情報を使って、公衆衛生機関、州、都市などの関係機関は、感染のホットスポットを特定し、緩和することができるようになります。 過去7ヶ月間、COVID-19を標的とした医療現場における迅速な分子診断法を開発している数社のバイオテクノロジー企業と協力する機会に恵まれました。そのひとつであるHEMEMICS社は、救急車、緊急治療室、地域診療所、仮設病院などの現場で医療従事者がCOVID-19感染者を選別可能なハンドヘルド型の分子診断検査プラットフォームを開発しています。真の臨床検査プラットフォームとして、検査サンプルを研究室に送ることなく、その場で結果が得られるのです。 「私たちは、COVID-19の臨床検査を再定義することを目指しています」と、HEMEMEMICSのCEO兼共同設立者であるJohn Lehman Warden, Jr.氏は述べます。「最も一般的なタイプのオンサイト検査であるラテラルフローイムノアッセイとは異なり、私たちの検査は浸透圧反応が起こるのを待っているわけではありません。時間のかからない鼻腔ぬぐい液や血液のサンプルをチップ上に置くと、液滴の中で結合が行われます。このため、当社のプラットフォームは高速で、約60秒で結果が得られます。さらに、Bluetoothに対応し、クラウドベースの管理ネットワークをサポートしているので、保健所や自治体などの関係組織との検査結果の共有も容易です。」 当社はHEMEMICS社のファウンドリパートナーとして、SARS-CoV-2の抗体検査と抗原検査の両方に対応するバイオチップの感度向上に協力しています。HEMEMICSが納得するものができた後は、米国食品医薬品局(FDA)の緊急使用承認(EUA)を取得し、それにおりHEMEMEMICSのプラットフォームを必要とする何百万人もの人々に届けられればと願っています。 秋から冬に向かうにつれ、COVID-19 と効果的に戦うためには、HEMEMICS のような迅速かつコネクテッドな臨床バイオセンサー試験プラットフォームと、高精度のRT-PCR試験の併用が必要になるでしょう。そして、その根底には、MEMSとバイオセンサーがあるのです。 Rogue Valley Microdevicesのバイオセンサーソリューションの詳細については、同社([email protected])までお問い合わせいただくか、同社のウェブサイトをご覧ください。 Rogue Valley Microdevicesの創設者兼CEOであるJessica Gomez氏は、オレゴン州南部の中心部に世界クラスの精密MEMSファウンドリーを設立しました。CEOとしての彼女の役割に欠かせないのが、クラス最高のプロセス技術と研究開発の専門知識を顧客に提供し、顧客が製品の最高の品質と信頼性を達成できるように支援するというビジネス哲学を実践することです。 Gomez氏は、テクノロジー業界内外で積極的にリーダーシップを発揮しています。彼女は、権威あるSEMI Board of Industry Leadersのメンバーであり、Spotlight on SEMI Womenに選ばれた最初のエグゼクティブであり、オレゴン工科大学理事会の会長を務めています。
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生産コストは、通常と人件費と材料費がベースとなり、これによって製造経費が決まります。しかし、このアプローチは十分に正確でしょうか。生産における品質不良や効率の欠如のコストはどうでしょうか。パンデミックは半導体製造にどのような影響を与えているのでしょうか。そして今後何が期待できるでしょうか。 SEMIはこのほど、QualityLine社の創業者兼CEOであるEyal Kaufman博士に、製造管理と製品の品質と歩留まりを向上させるための最適なデータソースについてお話を伺いました。同社は、イスラエルのキルヤット・ガトに本社を置くスマート・マニュファクチャリングの分析ソリューションを提供する企業です。Kaufman氏から、コストを削減しながら製造効率と製品品質を向上させるために同社が採用しているベストプラクティスの要点をお聞きできました。また、COVID-19パンデミックが半導体のスマート・マニュファクチャリングに与える影響や、AIが工場の労働者の安全を守るためにどのように役立つかについても説明いただきました。 スマート・マニュファクチャリングについて、さらに洞察を深めるには、10月20日~22日に開催される「SEMI Global Smart Manufacturing Conference」にご参加ください。参加申し込みはこちらです。 SEMI:実際の製造コストは、生産不良品、修理品、返品、部品のスクラップや遅配などさまざまな要素から計算されます。製造業における品質と効率の欠如は、ビジネスを蝕む可能性があります。企業がこれらの課題を克服するために、どのような支援をしているのでしょうか? Kaufman氏:利益率を高めるためには、非効率な部分を特定し、優先すべき改善を決めることが重要です。製造品質と効率の不足が測定されたなら、製造データを継続的に収集して最終的なコスト分析を実行し、その分析結果を製造プロセスの改善に活用します。 スマート・マニュファクチャリングにより、自動化された工場の異常を検知し、生産性を向上させ、収益性を向上させることが可能になります。現在では、自動化データが、工場内のあらゆる製造装置や試験装置から収集されています。しかし、多くの産業では製造データの収集がいまだにマニュアルで行われており、時間と工数の多額の経費がかかっています。リアルタイム分析システムの場合は、自動的にすべてのソースからデータを自動的に収集し、分析に関係するものを選択しますから、品質と効率の不足を測定し解決するための、最も正確で効果的な方法となります。 スマート・マニュファクチャリングのデータ駆動型決定は、コストの低減と製造戦略の改善をもたらし、工場オペレータが製品品質を向上することを可能にし、生産能力を引き上げ、製造性を最適化する製品設計を実現します。分析システムは、製造現場のオペレーションをモニタリングし、ベンダーやサブコンの製品基準を参照して、根本原因分析を実行します。これらのデータはすべて、不良品返品率を低減し、投資収益率を加速させます。これが、スマートな製造技術が必要な理由です。 SEMI:製造工程で蓄積されるデータには、故障、規格外れ、装置の有用性などの重要な情報があります。最適な分析システムを構築するためには、どのようなデータが必要なのでしょうか? Kaufman氏:今日、多くの企業がデータマッピングを実行して、データキャプチャを自動作成しています。こうした企業では、テストデータやセンサーデータ、製品設計データを使用する必要があるのか、顧客やベンダーからのフィードバックを収集する必要があるのか、と悩むことがよくあります。効果的な製造分析システムを構築には、次のようなデータソースを使用すると良いでしょう: 顧客からのフィードバック(返品、苦情など) 自動試験装置と手動試験活動からの試験データ 故障したユニットを修理した技術者からのフィードバック ベンダーが行うテストプロセスの分析 センサーデータ 当社のERP/MESシステムからのデータ AIは、蓄積されたデータを含め、あらゆるタイプやサイズのデータ構造を自動的に統合して解釈することができます。また、AIによる分析は、各製造ステージ間の相関関係も明らかにし、工場のオペレータは、既存のプロセス、装置、データ出力を変更することなく、深層診断や根本原因分析をすぐに実行して、問題の解決と予防を図ることができます。機械学習は、工場がどのようにデータベース運用しているかを評価し、生成されたすべての情報を分析システムに入力して、工場の効率を継続的に改善するためのノウハウを提供します。 SEMI:製造品質と歩留まりを改善するために、どのようにデータソースを選択すればよいのでしょうか。 Kaufman氏:製造工程で蓄積されたデータの正確性と完全性が、製造コストを低減しながら歩留まりと品質を向上させるための鍵となります。スマート・マニュファクチャリングとは、デジタルやリモートで接続された装置を使用することで、生産プロセスを監視するテクノロジー主導のアプローチです。その目的は、製造プロセスの異常を特定し、分析を活用してプロセスの歩留まりと製品の品質を向上させることにあります。 該当するデータを選定するために、実際の製造セルの効率化につながる各種、各ソースのデータを収集します: 自動試験装置のテストデータ マニュアル試験のテストデータ 修理プロセスの分析(製造プロセスでの故障、顧客からの返品) データ構造を収集したら、次にこれを製造プロセスで実行可能な情報に変換します。QualityLineスマート・マニュファクチャリング・ソリューションは、ワンストップであらゆる製造データ構造を解釈することができます。当社の高度な製造分析システムは、品質と歩留まりの異常を検出して生産ラインの非効率性を明らかにし、製造品質と効率を改善する機会を提供します。 SEMI:QualityLineのアプローチを説明いただけますか。 Kaufman氏: 製造業におけるインダストリー4.0は、第4世代の産業革命であると主張しています。製造インテリジェンスや機械学習などの先進技術により、製造ラインでの不良ゼロを効率的に実現することができます。デジタル工場では、以下のような技術や手法が活用されています: ビッグデータ 自己最適化 自己設定 自己診断 コグニティブ学習と機械学習 スマート・マニュファクチャリング技術は、リアルタイムでデータを継続的に収集・分析することにより製造プロセスを強化し、高い品質性能を実現し維持します。無駄や非効率を削減しながら、効率と歩留まりを大幅に向上させることが目標です、 これまで、保存されたすべての製造データを統一データベースに統合する現実的な方法はありませんでした。QualityLineの高度な製造分析を利用することで、どのような工場でも新たなハードウェアをインストールすることなくデジタル化が可能になります。ハードウェアの追加にはコストがかかり、既存のデータを広範囲に統合するだけでなく、トレーニングへの投資も必要になります。 当社のユーザーフレンドリーなソリューションは、自動化が全くされていない産業についても製造データの統合をサポートします。まず、あらゆる種類のマニュアル試験からデータを収集して分析し、それを製造分析に統合することで効率向上を図ります。 SEMI: 合否判定基準だけでは製造歩留まりや品質を管理する上で不十分なのはなぜですか? Kaufman氏:大量生産プロセスの管理は、製品が出荷されるまでに何百ものタスクを成功させる必要があり、容易なことではありません。当社は、原材料の入荷から顧客に完成品を納入する前の最終段階まで、生産フローの各段階でテストプロセスを確立します。予期せぬダウンタイム、廃棄品、不良品を防ぐために、あらゆるタイプの関連データを収集・解釈し、有意義な情報に変換し、以下のような機能を設定します: 各製品ユニット、各プロセス、そして工場の試験データやプロセスデータの収集と解釈 品質・歩留まり問題の自動検出 正確で迅速な根本原因分析プロセス 異常が発生した場合の自動アラート 予測プロセスの可能性と失敗のレベル 主要パフォーマンス指標の測定 多くのメーカーでは、各パラメータのテスト基準を合否という単一の指標に置いています。テスト結果が合格を示した場合、そのユニットは次の製造ステージに進む準備ができています。テスト結果が不合格を示した場合、ユニットはさらなる分析のために技術者に送られます。 製品品質の単純な合否判定基準では、対象ユニットの技術的パラメータの1つ以上が許容範囲内に収まっているエッジケースに関する情報がほとんど、あるいは全く得られないため、到底十分とは言えません。エッジケースは、極端な環境(寒さ、熱、湿度、電気的過負荷、衝撃など)での運転中にユニットの故障につながる可能性があります。実際には、大量生産ラインでは、テストステーションから収集した詳細情報をすべて継続的に消化することは不可能です。データは、重要な品質問題が発生し、根本原因を理解するためにさらなる分析が必要な場合にのみ、詳細に分析されます。 情報が処理能力を上回り、重要なパラメータが見過ごされては、プロセスを制御し品質と歩留まりを向上させることはで困難です。新しい技術では、高速でスケーラブルなデータ統合が可能になり、リアルタイムでデータを収集して品質問題を早期に検出し、複雑なプロセスの乱れを特定して納期遅延を回避し、顧客に最高の製品を提供できるようになりました。データを実行可能な情報として正確に分析できてはじめて、工場のオペレータは製造品質プロセスを制御することができます。 SEMI:COVID-19はスマート・マニュファクチャリング市場にどのような影響を与えましたか?また、貴社の技術は工場のオンライン化をどのように支援してきましたか? Kaufman氏:スマート・マニュファクチャリングは、労働力の減少、ソーシャルディスタンス、特定の製品の売上減少、業務コストの厳しい削減圧力といった、COVID-19の諸問題を克服するための支援を製造業者に提供する重要な役割を果たしています。 製造業のリーダーは、限られた労働力と稼働時間で効率的な工場運営を維持するという課題の解決策を、当社に求めています。少ない人員で工場の注文を満たすのは大変です。デジタルファクトリーテクノロジーは、オペレーションの遠隔監視を可能にし、効率性と能力を高めます。当社は、お客様がコストを削減しながら効率を向上できるよう支援をしています。 当社のリモート・モニタリング技術は、安全上の制約から工場に物理的に出向くことができない現場マネージャーや技術チームに、運用上の可視性を提供することができます。当社の高度な製造分析により、製造プロセス全域をモニターすることができ、生産ラインに発生する問題をリモート診断して解決することができます。 この重要な時期に、リモート・モニタリング・ソリューションを改善し、業界がパンデミックを乗り切る助けとなれることを誇りに思っています。当社の顧客の中には、そうでなければ工場を閉鎖していた企業もあります。私たちは、これまで自動化されていなかった工場の製造データを統合して、高い自動化レベルを推進してきました。顧客のプロトコルや自動化レベルに関係なく、既存の工場データとプロセスを統合することは、当社の大きな技術的優位性です。 SEMI:COVID-19の後、製造業とそのサプライチェーンはどうなるのでしょうか? Kaufman氏:スマート・マニュファクチャリングは、現在では必須となっています。データを収集・分析して品質を向上させるだけでなく、顧客の不良製品の返品を50%削減し、廃棄物を22%削減しており、このどちらもが重要なポイントです。製造業の課題は今後もテクノロジーの進歩を加速させ、リアルタイムのデータ分析や人工知能(AI)を工場のオペレータに取り入れながら、効率性、安全性、生産性を向上させていくでしょう。 SEMI:サプライヤーは今後もスマート・マニュファクチャリング技術を追求していくのでしょうか。また、どのような成長機会がもたらされるのでしょうか。 Kaufman氏:はい、間違いなくそうです。COVID-19が機会と課題の両方をもたらすことで、業界はすでに変化しています。業界のリーダーたちは、突然の材料不足、需要の低下、労働者の不足など、新たなプレッシャーに直面しています。製造業にとっての成長の機会は、おそらくデジタル化にあるでしょう。これは、危機への即時対応がデジタル化によって進められたことでも明らかです。サプライチェーン全域の透明性、自動化、データ統合を高めるためには、インダストリー4.0のソリューションが欠かせません。QualityLineの製造分析は、主要な製造パフォーマンス指標を改善してきました。顧客からのフィードバックに基づいて、生産歩留まりを30%向上させ、何百万ドルも節約した顧客もいます。このような改善が、サプライヤーがパンデミックに耐えるために役立つのです。 QualityLineの創設者兼CEOであるEyal Kaufman博士は、25年以上にわたり、大手製造企業での事業開発、マーケティング、財務、オペレーション、エンジニアリング、品質管理の分野で、上級管理職としての経験を積んできました。QualityLineを設立する前は、Mobileye、Cardo Systems、Medisim Ltd.の副社長、OnTheGo SystemsのCEOを務めました。カリフォルニア・インターコンチネンタル大学で博士号、ニューヨーク市立大学でMBA、イスラエルのテクニオン大学で理学士号を取得しています。 SEMI SMART Manufacturing Initiativeは、スマート・マニュファクチャリングを通じた製品の品質、生産性、コストの最大化を実現するために、業界で認められたベスト・イン・クラスのプログラムやサービスを提供することに焦点を当て、スマート・マニュファクチャリングに対する認識と関心を高めるための世界的な取り組みです。活動内容は、マイクロエレクトロニクスのサプライチェーン全体でスマート・マニュファクチャリングを可能にするためのコア能力の構築に重点を置いています。 MADEin4は、半導体装置メーカーやシステム統合型計測器メーカーからRTOSや自動車産業などの主要アプリケーションまで、サプライチェーンの全範囲をつなぐ10カ国47社のパートナーによるコンソーシアムです。MADEin4プロジェクトは、半導体製造業におけるインダストリー4.0の大量生産をサポートするために、次世代の計測ツール、機械学習手法、アプリケーションを開発しています。
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マイクロチップはますます賢くなっていますが、メルトダウン、スペクター、最近ではプランダーボルトなどのハッキング攻撃により、重要なセキュリティギャップが露呈し続けています。チップ・アーキテクチャの侵入経路が次々と発見され、悪意のあるプレイヤーが、世界のマイクロエレクトロニクス・サプライチェーンのあらゆる場所で、機密データを盗んだり、模倣品の身元を隠したり、電子機器システムを改ざんしたりすることが可能になっています。 今日では、設計から製造、パッケージング、テスト、納品までが分散したチップ製造プロセスを完全に把握することは不可能です。そのため、私たちの業界の将来は、シリコンのライフサイクル全体にわたるハードウェア信頼性の確立に大きく依存しているのです。信頼性だけでなく検証も必要だと言うのは簡単ですが、その方法はあるのでしょうか? SEMIは、フロリダ大学電気・コンピュータ工学科のサイバースセキュリティ分野Intel Charles E. Young寄付基金教授であるMark Tehranipoor博士にインタビューを行いました。マイクロエレクトロニクスのセキュリティと信頼性、エレクトロニクス製品の模倣品検出、サプライチェーンのリスク管理の第一人者であるTehranipoor博士は、9月25日(金)に開催されるSEMICON Taiwan Security on Chip Summitで基調講演を行います。このサミットでは、界のリーダーたちがIoT、SoC(System on a Chip)、集積回路、PUF(Physical Unclonable Function)技術、将来の設計、認証、マネージドサービスなどを含むセキュリティ上の重要課題とソリューションについて講演します。 SEMI:ハードウェア信頼性を提供する上で、どのような不確実があるのでしょうか。 Tehranipoor氏:現在、私たちが直面している最も重要な問題の一つは、集積回路やシステムの設計・製造プロセスの制御ができなくなっていることです。これは、グローバル化と、エレクトロニクス製品や半導体等、あらゆる製品のコスト削減をめざしたサプライチェーンの海外移転に伴って起こっています。スキルセット、人材、設計、製造のすべてが海外にシフトしているため、マイクロエレクトロニクス・サプライチェーンの様々なセグメントをまたいだセキュリティ管理への懸念が高まっています。 例えば、軍事、宇宙、輸送、電力網、金融、その他のネットワークのセキュリティを考えたとき、ネットワークの基礎となる電子機器システムの信頼性が疑われるなら、大きな懸念が生じます。また、新しいSoCは、暗号化キーや生体認証、個人情報や銀行のデータを中心に、よりセンシティブなデータを保持しています。電子部品レベルでのサイバーセキュリティのギャップについての報告がエスカレートしているため、ハードウェア信頼性を確立することがますます重要になっています。 今日では、製品の購入者がデザインハウスに電話をかけ、製品の電子IDが正しいことを確認するだけでは信頼性を保証できません。IDは一致していても、デバイスが改ざんされていたり、サプライチェーンのどこかで模倣品と交換されていたりする可能性があるからです。問題を自動的に特定し、アップグレードして修正できるソフトウェアやネットワークとは異なり、ハードウェアの検証は、特にマイクロチップのような複雑なものであれば、コストがかかり、時間のかかるプロセスとなります。チップの分解、リバースエンジニアリング、検査、認証には数ヶ月を要するかもしれません。それでは、セキュリティ侵害が発見された時には、すでに手遅れになっています。 電子システムのセキュリティには、念頭におくべき3つの重要な特徴があります。まず、機密性です。デバイスは、許可されていないユーザーに情報を漏らしてはいけません。第二に、完全性です。SoCの機密データに不正操作され、データの完全性が損なわれてはいけません。三番目の特徴は可用性で、DoS(Denial of Service)攻撃によって脅かされる場合があります。デバイスが攻撃を受けてオンラインサービスやネットワークにアクセスできなくなった場合も、システムが安全モードで利用できるようにし、その間に問題の特定、回復、通常復帰を進められるように、セキュリティ対策を講じておく必要があります。 SEMI:マイクロエレクトロニクスのサプライチェーン全体にわたる信頼性を高めるには、どのような枠組みに従えばよいでしょうか。 Tehranipoor氏:米国では、製造、設計、納入のすべてのチームをこの国に戻し、国防総省の認定を受けることは不可能だろうと認識しています。いくつかの方法はありますが、電子システムに関わる設計、製造、テスト、パッケージングのすべての作業を国内に戻し、完全にコントロールできるようにするには、非常にコストがかかり、複雑な作業になるでしょう。 最も実用的なアプローチは、最初からセキュリティと信頼性を念頭に置いて電子システムを設計することです。設計フロー、製造フロー、現場に至るまで、拡張されたサプライチェーン全体にセキュリティ機能を前面に打ち出し、電子システムの真正性を検証したり、問題を特定して緩和したりすることを、どの時点でも誰もが簡単かつ迅速に行えるようにする必要があります 最後に、設計者、開発者、パッケージング施設、ファブなど、私たちはみんな一緒に関わっているということを忘れてはいけません。半導体メーカーなど誰かに押し付けることではないのです。ですから、コンソーシアムとしてこの問題に取り組むことで、協力し協調しなければなりません。このエコシステムの全員が参画して、ベストプラクティスを共有し、スタンダードを確立し、デバイスからシステムにわたる模倣品の排除を目指す必要があります。 SEMI:SEMIおよびSEMIのElectronic System Design(ESD)アライアンスは、どのようにして業界の努力を支援できるでしょうか。 Tehranipoor氏:SEMI や ESD アライアンス委員会のような組織のメンバーにとって、スタンダードやガイドラインを共同開発し、それを遵守することによって、グローバルなサプライチェーンの全域にわたるハードウェア信頼性を構築するが非常に重要となります。それと同時に、このような共同作業では、各社の知的財産(IP)の保護を最優先すべきです。集団として私たちは、開発した独自のIPが組み込まれたデバイスがサプライチェーンを流れる中で、電子機器の真正性をより簡単に追跡、識別、検証できる解決策を必要としています。大規模な取り組みが行われており、進展が見られます。しかし、それだけでは十分ではありません。チップレベルでの信頼性の根幹となるスタンダードを確立するためには、さらに多くのことを行う必要があることが明らかです。 SEMI ESDアライアンスのようなコンソーシアムが、産官学が集まり、セキュリティの脆弱性や侵害に対するベストプラクティスやケーススタディーを共有できる環境を作ることは、協調しつくせないほど重要です。誰もが自分のセキュリティ上の問題や脆弱性、アタックサーフェス(攻撃対象領域)を外に出したくないことは理解できますが、お互いの経験から学ぶことは、業界全体の発展に大きな助けとなります。何に対処すべきかを把握していないと、いざというときに対処できません。 また、SEMIのような組織には、セキュリティを目的としたマイクロチップ設計の複雑さを軽減するためのスタンダードやガイドラインを作成することを奨励しています。不動産業者は、価値が高く評価される家を見つけるには確認すべきことが3つあるとよく言います。場所、場所、場所です。より安全な電子システムを構築するための私のマントラは、自動化、自動化、自動化です。複雑さはセキュリティの敵です。自動化を活用してセキュリティの仕組みを簡素化し、不整合を検出することで、セキュリティ上の問題を発見し、修正することが容易になり、同時にコストを下げることができるのは言うまでもありません。 Mark Tehranipoor博士は、フロリダ大学電気・コンピュータ工学科のサイバースセキュリティ分野Intel Charles E. Young寄付基金教授です。フロリダ大学サイバーセキュリティ研究所(FICS)、国立マイクロエレクトロニクス・セキュリティ・トレーニング・センター(MEST)、CYANセンター・オブ・エクセレンス、ECIトランジション・センターのディレクターを務めています。また、フロリダ大学ハーバート・ヴェルトハイム工学部のサイバーセキュリティ担当プログラム・ディレクターも務めています。現在の研究テーマは、IoTセキュリティ、ハードウェアセキュリティと信頼性、信頼性の高い回路設計など。
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今年の初め、新型コロナウイルスが世界中で流行をはじめると、公衆衛生当局は、ソーシャルディスタンスをとることが、感染拡大の抑制には最も効果的があると発信しました。パンデミックが何ヶ月も続いている今でも、ソーシャルディスタンスとマスク着用の組み合わせが、感染を防ぐための最善策であることに変わりはありません。 2020年3月20日になると、米国の東西海岸にあるカリフォルニア州のギャビン・ニューソム知事とニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が州を閉鎖し、他の州もすぐにそれに追随しました。食料品店や金物店、薬局などの限られた業種だけがエッセンシャル・ビジネスとして営業を継続することが許可されました。しかし、場所にもよりますが、ソーシャルディスタンスのきちんとした対策がとられるまでには、その後、数日から数週間がかかりました。店の床に6フィート間隔で貼られたテープは、買い物客がお互いの距離を保つのには役立ちます。しかし、小売店、ジムなどの環境でソーシャルディスタンスを測るには、もっと正確で信頼性の高い方法がないでしょうか? TDKグループ企業であるChirp Microsystems社の創業者兼CTO David Horsley氏はそう考えており、同社はまさにこのための技術を開発しています。Horsley氏は、10月14日に初のバーチャル開催となるMEMS Sensors Executive Congress(MSEC)2020の基調講演「超音波ToFセンサーによるウェアラブル・ソーシャルディスタンス・ソリューション」で詳細を語ることになっています。同イベントの会期は2020年10月6日~8日、および13日~15日です。MSEC 2020への登録はこちらから。 Horsley氏にこのセンサーについてお話をうかがいました。 SEMI:Chirp MicrosystemsがToFセンサーでソーシャルディスタンスを保つために提供しようと思いついたきっかけは何だったのでしょうか? Horsley氏:人と人の距離を測るソーシャルディスタンス・タグの問い合わせが企業から来はじめたのは、半年ほど前です。当社は数年前からバーチャルリアリティやロボット用のMEMS超音波飛行時間(Time of Flight:ToF)センサーを提供していたので、当社の名前は知られていました。それで、各社とも当社なら電力が限られたデバイスにも、同じような低消費電力の距離測定精度を提供できると考えたわけです。 SEMI:Chirp Microsystemsの技術に基づいたソーシャルディスタンス・タグを顧客はどのように使用しているのでしょうか。 Horsley氏:顧客は当社の超音波ToFセンサーを使って、物流センター、工場、石油・ガス生産などの作業者が身につけるウェアラブルタグを設計しています。このタグは、他の作業員との距離が2メートル未満になると作業員に警告を発し、ソーシャルディスタンスを確保するようにします。 当社のToFセンサーは、個人情報を記録せずに接触確認にも対応できるため、GoogleやAppleなどの企業が提供する接触確認アプリに比べて大きなメリットがあります。彼らのアプリはスマートフォンにすでに搭載されているBluetooth Low Energy(BLE)を使用しているため、ユーザーは位置情報サービスを有効にする必要があります。その結果、あなたのGPS位置情報が記録され、プライバシー上の懸念が生じるのです。 BLEは他のレベルでも問題があります。当社のToFソリューションが1センチの精度を提供しているのに対し、BLEは1メートルの精度しか提供していないのです。BLEの1メートル以内の精度では、2メートルのしきい値を越えたことをリアルタイムで知らせることができません。スーパーマーケットのレジの列にいると想像してみてください。BLEは他の人があなたの近くにいることを教えてくれますが、後ろに並んだ買い物客があなたから2メートル離れているのか、1メートル半しか離れていないのかを教えられる解像度がありません。また、空気を媒体にしていないため、多くの誤検知が発生します。例えば, あなたと相手の間がパーティションや壁によって仕切られている場合も、二人が2〜3メートル以内にいる場合, あなたの携帯電話のソーシャルディスタンス・アプリは接触を誤登録します。 SEMI:大学キャンパスやテーマパークなど、他の環境の顧客とも商談はありますか? Horsley氏:当初から、MEMS超音波は非常に汎用性が高いと考えていました。低消費電力、小型サイズ、また当社でイネーブリング・ソフトウェアも提供していることによる使いやすさから、さまざまな種類のアプリケーションに対応できると期待していました。4~5つの垂直市場で採用されたことで、私たちは市場での重要な実地検証を経験しているところです。 COVID-19が2021年の前半に終了することを誰もが望んでいます。ソーシャルディスタンスへの注目が薄れつつある中、当社は現在の市場での顧客拡大と同時に、新たな市場を開拓するための準備を整えています。 Chirp MicrosystemsとTDK InvenSenseは、MEMS Sensors Industry Group® (MSIG)の長年のメンバーでありす。MSIGは、既存市場と新興市場におけるMEMSとセンサーのサプライネットワークを結びつけ、メンバーの成長と繁栄を可能にするSEMI技術コミュニティです。MSIGのメンバーシップが貴社のビジネスにどのような違いをもたらすかについては、今すぐお問い合わせください。 David A. Horsley博士は、TDKグループのChirp Microsystems Inc.の共同創立者でありCTOです。Horsleyは、カリフォルニア大学デービス校の機械・航空宇宙工学の教授であり、カリフォルニア大学バークレー校の機械工学の非常勤教授でもあります。2004年からは、MEMS研究に特化した国立科学財団の産学共同研究センター(I/UCRC)であるバークレー・センサー・アクチュエータ・センター(BSAC)の共同ディレクターを務めています。Horsley 氏は全米科学財団の CAREER 賞の受賞者でもあり、これまでに 150 以上の科学論文を執筆または共著し、20 以上の特許を保有しています。
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新型コロナウイルス感染対策によって半導体需要が増加し、半導体産業の設備投資は昨年から大きく回復しようとしています。2017年~2018年にかけてのメモリーブームでは、材料と共に製造装置のクリティカル・サブシステムや部品の不足が発生しました。今回の活発な投資に際しては、パンデミックによってサプライヤの生産へ影響がでる可能性も考えられ、その安定供給と今後さらに増加が予測される需要への対応に関心が寄せられています。 クリティカル・サブシステムの代表的製品であるマスフローコントローラー(MFC)の世界市場をリードする株式会社堀場エステックの代表取締役社長 小石秀之氏に、同社における新型コロナ対策についてオンライン・インタビューでお話をうかがいました。 SEMI:堀場エステックではどのような新型コロナウイルス対策を講じられていますか? 小石氏:当社では、従業員の安心・安全の確保と、顧客への製品の安定供給の両立を目指し、対策にあたりました。4月16日に政府が緊急事態宣言を日本全国へ発令したことを契機に、本格的な対策実施がスタートしています。 当社を含むHORIBAグループでは、COVID-19対策委員会を組織し、世界各地のグループ企業からの情報をここに集中することで、迅速かつ効果的な対応な対策を講じました。各リージョンのパンデミックの状況はテレビや新聞でも報道されますが、現場からの生の声と最新の情報を集めることが重要だと判断したためです。 全社的に今も在宅勤務を活用していますが、工場においては生産を維持する必要から、密をさけディスタンスをとること、外部からの人の出入りを制限すること、また従業員の持ち場以外の施設への立ち入りを制限することで対応しました。また、全ての部屋の入口には消毒液を設置し、全社員にマスクの配布もしました。 ディスタンスの確保の具体的な施策としては、食堂の席数を削減し、また一人あたりのオフィススペースを拡大するために会議室をオフィスに改造しました。従業員の立ち入り制限については、当社工場には複数部門の生産施設が敷地内に併存している場合があり、エリア間に「見えない壁」をつくり、持ち場以外のエリアへの立ち入りを制限しました。幸いにも現時点で従業員への感染はありませんが、今後、仮に発生することがあっても、接触者が限定されることで従業員の感染リスクが下がりますし、工場全体の閉鎖を避けることもできます。 SEMI:堀場エステックのサプライチェーンの維持では問題はありませんでしたか? 小石氏:当社のサプライチェーンは海外にも展開しており、中国にもサプライヤがありますが、幸いなことに大きな供給の問題は発生していません。また、海外のサプライチェーンに何かあったとしても、クリティカルな部品については、国内企業からの調達も多く、致命的な問題にならないように体制を整えています。 国内のサプライヤについては洛楽会というコミュニティを作って、緊密な関係作りをしています。名称から京都企業の集まりのように思われるかもしれませんが、もちろん日本全国のサプライヤの皆様に参加いただいています。緊急事態宣言後の6月には臨時にお集まりいただき、新型コロナウイルス関係の各社の情報交換と協力のお願いを申し上げ、危機意識の共有をいたしました。 今回の危機にあたっては、当社のサプライチェーンの国内外のバランスがうまく機能して、大きな問題を回避することができたと考えています。 SEMI:こうした対策に対する前もっての準備はあったのでしょうか? 小石氏:当社では、2014年にステンドグラス活動というプロジェクトを立ち上げ、ダイバーシティ、働き方改革、そしてGood Place制度と呼んでいる在宅勤務率向上にむけた取り組みをしていました。そのひとつのソリューションとして、Web会議システムを導入し、会議のオンライン化を進めていたため、新型コロナウイルス感染抑制のための在宅勤務導入にあたってもIT部門の努力も有り大きな混乱はありませんでした。 在宅勤務やオンライン会議は、コロナウイルス対策と切り離しても、良い面が多々あります。社員にとっては、通勤時間を生活の質の向上など、会社以外の目的に振り向けられますし、オンライン会議なら、大勢の参加者が移動をしなくてもコミュニケーションがとれます。 HORIBAグループでは年2回、各事業分野のトップとグループ企業トップ、約100名が3日間にわたり議論をするGlobal Meetingを開催していますが、今年はこれもオンラインで実施しました。安全かつ経済的な開催ができてよかったと思います。ただし、米国とヨーロッパと日本という時差の問題は、今後さらに工夫する余地があるかもしれません。 SEMI:今後予想されるMFCの需要拡大への対応はいかがですか? 小石氏:当社では2018年にMFCの主力工場である熊本県の阿蘇工場を拡張し、生産能力を倍増させました。工場内のスペースにも余裕をもたせたことで、2021年以降に予測される需要拡大に際しても対応できるだけの生産キャパシティーを構築でき、全世界のユーザーに安定供給ができるものと考えています。堀場エステック阿蘇工場(熊本県阿蘇郡西原村) もちろん、新型コロナウイルスは収束したわけではなく、またワクチン接種などの治療法も準備が整っていませんので、今後も最大限の感染対策を実施し、生産体制の両立を図る必要があります。 SEMI:対外的な新型コロナウイルス対応への貢献はありますか? 小石氏:半導体はニュー・ノーマルを実現するエレクトロニクスの重要部品であるだけでなく、新型コロナウイルスの治療法やワクチンの開発においても重要な役割を果たしており、堀場エステックとしては、MFCを含むキーコンポーネントの安定供給を維持することが最大の貢献だと思います。 HORIBAグループでは、これに加えて、2つの重要な貢献活動に参画しています。ひとつは、「COVID-19と戦う知財宣言」です。新型コロナウイルス感染症のまん延終結を唯一の目的とした行為に対しては、世界中の知的財産のオーナーに事前に同意を得ることで、一切の対価や補償を求めることなく、保有する特許権・実用新案権・意匠権・著作権の権利を一定期間行使しない宣言をするよう呼びかける運動です。堀場製作所はその発起人18社* に加わっており、微力ながらパンデミック収束を支援しています。 また、国立研究開発法人産業技術総合研究所が代表機関として進める、簡便・迅速な新型コロナウイルス抗体検査チップシステムの開発にも堀場製作所は参画をし、開発したシステムを医療機器として実用化するための装置開発を担当しています。堀場製作所が培ってきた、免疫測定法における知見と検体検査技術を活かし、早期の開発実現に取り組んでいます。 SEMI:今回の危機から学んだこととは何でしょうか? 小石氏:この新型コロナウイルス危機は、私どもが過去から経験したことのない、未曽有の危機です。早く通常に戻ってほしいと誰もが願うところですが、実際には以前とまったく同じに戻ることはできないでしょう。 ITを活用した業務の効率化という点では、日本は諸外国に遅れをとっていると感じる部分がありましたが、今回の危機で一気に加速された感があります。新型コロナウイルスに対応する中で、デジタル化による「働き方改革」を企業も従業員も必死に考えることになりました。ニュー・ノーマルといわれる新しい社会の在り方の中で、こうした変化を本当の意味で業務に取り入れることができなければ、企業が生き延びることは難しいと思います。 その反面、従来のアナログなコミュニケーションの重要性を再認識することもありました。今年は採用面接をすべてオンラインで行いましたが、同じ空気の中で向きあわないと分からないこともあります。採用された学生が社員となった時、面接時と印象が違うということもあるかもしれません。本当にシリアスな話をする場合は、はやりFace-to-Faceで議論が必要な場合があるということです。 企業としては、どのような場合であっても、事業の継続、製品の安定供給、サプライチェーンの維持が必要となりますが、今回のような全く想定できていなかった危機を経験することで、当社としても改善しなければならない部分がいろいろと明確になりました。また、事業継続計画についても、台風や地震といった災害対策が中心となっていたものを変更していく必要があります。この経験を今後に生かすことこそが、最も大切だと考えています。 * 発起人20社(五十音順):味の素株式会社、株式会社エスアールエル、NECソリューションイノベーション株式会社、株式会社LSIメディエンス、キヤノン株式会社、京都大学医学研究科付属ゲノム医学センター、コニカミノルタ株式会社、ジェノコンシェルジュ京都株式会社、株式会社島津製作所、シャネル合同会社、株式会社椿本チエイン、帝人株式会社、トヨタ自動車株式会社、株式会社ニコン、日産自動車株式会社、株式会社堀場製作所、本田技研工業株式会社、三井情報株式会社、ヤフー株式会社、ローム株式会社
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なぜ大気汚染センサーは必要なのか現在わたしたちは、室内外の空気がきれいで安全であることを確認するために、これまでにもまして大気汚染センサーを必要としています。米国では過去数十年間に連邦規則により大気汚染が改善されてきましたが、いぜんとして1億1000万人以上のアメリカ人が国家基準を上回る大気汚染のある地域で暮らしています。毎年10万人のアメリカ人が、大気汚染によって発生または悪化した病気のために早死にしているのです。 「車やトラックは前よりもずっときれいですし、発電所や工場もきれいになっています。しかし、前よりきれいな空気が、本当にきれいな空気だとはいえないのです」と、アメリカ肺協会のアドボカシー担当上級副社長のPaul Billings氏は述べています。 大気汚染により喘息などの呼吸器疾患が悪化する場合があることは昔から知られていますが、新しいデータでは、汚染された空気によってCOVID-19感染症の死亡率が高まることや、認知症や自閉症の一因ともなる脳の炎症を引き起こすことが示唆されています。 空気の品質の重要性と、既存のセンサーをどのように応用できるか、どんな新しいセンサーを開発すればよいかを理解するには、屋内と屋外の両方に目をむける必要があります(図1)。屋外空気の品質はガス状および粒子状の汚染物質に関連しており、これは空気質指数(AQI)として定義されています。AQIは、重要な屋外汚染物質の地域別のしきい値に基づいた基準となっています。重要汚染物質とは、4種のガス状汚染物質(二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、オゾン)と10ミクロン未満(PM10)や2.5ミクロン未満(PM2.5)といった粒径別の粒子状汚染物質です。現在は、AQIの計測には従来型の分析器が使用されています。こうした分析器は高価で保守費用もかかりますが、変動する環境バックグランドの存在下で汚染物質を正確に測定する唯一の方法となります。 図1:屋内外の汚染物質の例 屋内のAQIに対する関心も高まっています。ホルムアルデヒド、ベンゼン、一酸化炭素、二酸化炭素などが、住宅、オフィス、工業用建築物で濃度レベルが制限されている汚染物質です。これらおよびその他の汚染物質のガス状汚染物質の発生源には、建築材料や機器、作業場の洗浄剤、屋内にいる人などがあります。規制機関と建築物の使用者は、ガス状および粒子状汚染物質の分析器を使用して、様々な方法でAQIを推定しています。推定にあたっては、屋内空気の品質に影響する湿度や温度も考慮されます。 環境センサーの現在の状況最新のガス・センサーに求められる条件のトップ3は次のものです: 多様な環境条件下で、予定の使用期間にわたって正確な測定値を提供する信頼性 電池の寿命を延ばす、あるいは不要にする低消費電力 ユビキタス展開を容易にする低コスト エレクトロニクス、微細加工、パッケージングの進歩によって、消費電力の削減と小型パッケージという重要な発展がもたらされました。また新しい研究開発の結果、屋内外で空気の品質をモニタリングするためにガス・センサーを配置した成功事例も増えています。図2に、様々なカスタマの要件を満たしたガス・センサーの3つの開発例を紹介します。 シカゴ市のArray of Thingsプロジェクト(市街地環境モニタリング実験)において、SPEC Sensors社の電気化学センサーが、NO2およびO3計測用の米国環境保護庁(EPA)認証測定器と一緒に設置されました。図2Aに示したように、新しいコスト効率のよいセンサーは、EPA認証器の計測値によく追随しています。回路品質、サンプリング、筐体設計、初期校正/補正のすべてが進歩することでこの結果が得られました。本例で、センサーがこの特定の用途において有用であることは明らかですが、コストが50倍~100倍のEPA認証システムに匹敵する性能を低コストの既製品センサーにそのまま求めることはできません。 Bosch Sensortec社のマクロパッケージ・センサー・スイートには、総揮発性有機化合物(TVOC)、温度、湿度、圧力のセンサーが含まれています。TVOC計測はドイツ連邦環境庁のガイドラインが要求するものです。TVOC濃度を測るために、センサーのアルゴリズムは金属酸化物センサーが検知するTVOC関連の抵抗値をトラッキングし、周囲の温度と湿度に対してセンサーの抵抗値を補正し、図2Bに示すように0(清浄な空気)から500(重度の汚染された空気)の間でTVOCのAQIを出力します。 最近GEが開発した金属酸化物センシング材料の誘電体励起測定方式によって、長年熱望されていた全天候条件でのメタンガス漏洩放出モニタリング用センサーの校正安定性がもたらされました。この方式を採用したセンサーは、オクラホマ州、ノースダコタ州、アーカンソー州、ブリティッシュコロンビア州で行われたフィールド検証キャンペーンで使用され、初期校正値と比較して 400 日以上経過しても安定した性能を示しました(図 2C )。このような安定したセンサーの性能は、従来の金属酸化物センサー素子の抵抗値測定方式から誘電体励起測定方式に切り替えることで可能となったのです。 図2:異なる検出原理に基づく最新のガス・センサーの応用例 NO2およびO3電気化学センサーの王凱性能とEPA認証測定器との比較 BME680金属酸化物ケミレジスタのTVOC曝露時の校正結果(青い階段状のプロファイル)とそのAQIとしての±15%の信頼区間バンド 革新的な誘電体励起スキームを採用したメタンガス漏洩排出センサーを多様なフィールド検証キャンペーンで繰り返し使用した後の構成安定性 新たなアプリケーション実現への課題とソリューション現在のデータ・オン・デマンド時代には、環境センサーが実現できる新たなアプリケーションが無数にあります。スマートフォンや腕時計に便利に組み込まれたガス・センサーを創造してみてください。通勤中に地下鉄の駅の空気が汚染されていると、センサーは警告を発します。こんな警告が出たらあなたはどうされますか? マスクを着用したり、通勤ルートを遠回りに変更したり、市に陳情したりしますか? 喘息の子供と一緒にダウンタウンのパレードに参加していて、デバイスが空気がきれいであることを知らせてくれたらどうでしょうか?センサーの精度が10%しかないことを知っていたら、パレードを抜け出しますか? 喘息の子供が病院に入院してしまうリスクをどのようにして回避しますか? 最新のセンサーの設計原理の源は、20世紀の漏洩による高濃度ガス検出を目的としたものであり、現在提案されているような用途を想定していませんでした。既存のセンサーは、設計上、単一の出力(抵抗、電圧、電流、光強度など)しか持たないため、複雑な化学的背景や温度や湿度の変化に起因するセンサーの不安定性を数学的に補正することができません。汚染レベルが高いときや、関心のある化合物濃度が他を圧倒しているときには、これらの単純なセンサーが最適な性能を発揮することがよくあります。実際には、周囲の空気中には、毒性が1,000~10,000倍も異なる数十種類のガス状汚染物質が存在しています。多くの場合、既存のセンサーでは、現場の状況における信頼性と精度が不足していることが、ガス・センサーの普及の大きなボトルネックとなっています。 EPAによると、低価格センサーと基準測定器の間の測定値の相関関係は、1%から80%の大きな幅があります。また、EPAは、規制モニタリングの要件を満たす低価格センサーはないとしており、世界気象機関は、「低価格センサーでは、現在のところ、特に法的義務の履行では基準計器を直接的に代替することはできない」と強調しています。しかし、現在では、最新のセンサーが低消費電力化と小型化という重要な進歩を遂げ、さらに、複雑な環境下での信頼性の高い使用実績も増えています(図2)。それでも、新しいアプリケーションを実現するための重要な課題は、多くの場合、新たに想定されるアプリケーションに要求される精度と信頼性が、利用可能なセンサーでは不足していることにあります。 少なくとも一部のアプリケーションや一部のガスに対して、高価な専用機器に近い精度で低コストのセンサーを提供することができないでしょうか? 私たちSEMI-MSIG Device Working Groupは「できる」と考えます。この大胆な宣言を実現するために、私たちのSEMIコミュニティは、100年の歴史を持つガス・センサーに新しい技術的なソリューションを提供します。 次回の寄稿では、コントロールされていない環境条件による影響を低減し、環境センサーの安定性、検出限界、ダイナミックレンジを向上させるための規格や、新しい測定スキームを確立するためのSEMI-MSIG Device Working Groupの活動について詳しくご紹介します。また、MSIGに新たに参画いただくことで、この重要なワーキンググループにどのような影響を与えることができるかについてもご紹介します。MEMS Sensors Industry Group (MSIG)は、MEMSおよびセンサー業界が共通の課題に取り組み、イノベーションを起こし、ビジネス成果を加速させることを目指すSEMI技術コミュニティです。
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新型コロナウィルスは産業レベル、または個人レベルで様々な面で世界を変化させ、情報の使い方や消費するデータのボリュームも変化させています。ビッグデータの需要は予想以上のスピードで増加しており、以前のレベルに戻ることはまずないでしょう。スマートマニュファクチャリングテキストオーバーレイマイクロエレクトロニクス製造のためのスマート製造(インダストリー4.0)とAPC(アドバンスプロセスコントロール)の重要な要件として、近年ビッグデータの需要がますます高まっています。その結果、新型コロナウィルスによる外出制限指示のために作業者が工場の建屋に入ることがでないのにも関わらず、多くの最先端の生産施設が「消灯モード」(無人)で稼働しています。 このような変革は、業界標準に基づく装置の自動化への継続的な投資によって可能となっています。 マイクロエレクトロニクス業界の技術専門家は、1,000を超えるSEMI規格を基盤として、ビッグデータの課題に継続的に取り組んでいます。その一つが、製造装置から大量のデータを収集するための高速データ収集フレームワークである装置データ収集(EDA)規格群です。SEMIは、最新のスループット要件を満たすためにEDA機能を強化するための第一歩として、SEMI E179-0320(Specification for Protocol Buffers Common Component)という新しい規格を発行しました。この規格は、SEMI スタンダードInformation Control技術委員会の下のData Diagnostic Acquisition (DDA) タスクフォースが、EDA Freeze 3の開発の一環として作成したものです。 新しい規格SEMI E179は、プロトコルバッファーズの技術を利用した最初のSEMI規格であり、今後、他の新規格もこの技術をベースにしていくことが期待されています。Protocol Buffersは、プログラミング言語に依存しないインターフェース定義言語であり、異なるシステムやプラットフォーム間で情報を共有するのに適しています。 プロトコルバッファーズは構造化されたデータをエンコードします。プロトコルバッファーズは構造化されたデータを扱えることについてはXML(Extended Markup Language)同様ですが、バイナリプロトコルを使用して必要なデータだけを送ることにより、XMLよりも高速化することができます。 プロトコルバッファーズとgRPC® (gRPC Remote Procedure Calls)をEDA規格に統合し、HTTP/2技術を活用することで、ネットワークパフォーマンスの向上、データ転送の効率化、コンピュータリソース管理の改善を実現しています。HTTP/2はパフォーマンスを向上させるためにHTTP/1.1からバージョンアップされたものです。 HTTP/2は主要なクラウドベンダーのサービス(Amazon CloudFront®やMicrosoft Azure® Content Delivery Network (CDN)など)がサポートするなど、その技術の採用が広まっています。 パフォーマンスの向上プロトタイプテストの結果、提案された技術(すなわち、gRPC/プロトコルバッファーズを使用したHTTP/2)は、現在使用されている既存の技術(すなわち、SOAP/XMLを使用したHTTP/1.1)と比較して、大幅なパフォーマンス上の利点があることが実証されました。1つの重要な違いは、SOAP/XMLがチャネル上のすべてのデータを文字列テキストとして送信することに起因しており、これはバイナリ形式で送信するほど効率的ではありません。 gRPCは、プロトコルバッファーズで定義された中立的なインターフェースを利用して、実装に統合できるプログラミング言語固有のコンポーネントを作成します。これらのコンポーネントは、gRPC、プロトコルバッファーズ、HTTP/2プロトコルに従って通信チャネルを介して送信されるメッセージのシリアライズとデシリアライズを行うため、実装者はコア機能に集中することができます。gRPCは主要なプログラミング言語とプラットフォームをサポートしています。主なgRPC採用企業には、SalesForce®やGoogle®などがあり、この技術はすでにいくつかの業界で大規模に導入されています。 今後の展開DDAタスクフォースは、Freeze3の一環として、機能を整理して顧客のユーズケースをよりよく反映するために、gRPCとプロトコルバッファーズの統合に加えてEDA規格群(SEMI E125、SEMI E132、SEMI E134、SEMI E164)中の規格の更新を進めています。 「10年以上前にEDA Freezeバージョン1と2が開発されたとき、HTTP/1.1とSOAP/XMLは、異なるシステムコンポーネントが相互に通信できる安定した技術でした。それ以来、技術は著しく進歩し、gRPC/プロトコルバッファーズを含むHTTP/2は、マイクロエレクトロニクス業界で大規模な展開が可能な成熟度に達しています。」(Scott Ritchie, Director of Product Engineering, PEER Group® 談) データを転送する際には、セキュリティが重要な要素であることに変わりはありません。暗号化プロトコルのSSL(Secure Socket Layers)とTLS(Transport Layer Security)は、ネットワーク上で動作するコンポーネント間の認証とデータの暗号化を提供し、悪意のある行為者が転送された情報を読み取ったり変更したりできないようにします。gRPCはSSL/TLSをサポートし、装置と工場のデータ通信を保護します。これにより高いレベルのセキュリティ要件を満足させることができ、企業レベルのセキュリティ要件にも合致させることができます。 高速、効率的で安全なデータ交換は、データに対する業界の需要の高まりをサポートする基盤となります。 gRPCとプロトコルバッファーズによりHTTP/2を使うことにより、パフォーマンスを大幅に向上させて、ビッグデータの課題に対応することができます。 堅牢な技術に基づいた標準規格の導入は、最先端のマイクロエレクトロニクスメーカーの絶え間なく進化する要件を満たすための鍵となります。 著者についてAlbert Fuchigami氏は、PEER Group Inc.のシニアソフトウェア開発者です。SEMI標準化活動に積極的に参加し、北米データ診断収集(DDA)タスクフォースの共同リーダーを務め、Information Control技術委員会にも貢献しています。Albert氏は、工場のホストシステムとのデータ通信を最大限に活用するための標準化のデモンストレーションに力を注いでいます。彼は、HTTP/2 と gRPC およびプロトコルバッファーズ技術を装置データ収集 (EDA) 規格に統合することを支持しています。 本件についての問合せ:SEMIジャパン スタンダード EHS部 菅野博史([email protected] ) 初出:2020年6月11日、Standards Watch Newsletter※本稿は、Standards Watch Newsletterに掲載されました記事を日本語訳にしたものです。元の記事 https://www.semi.org/en/standards-watch-2020June/next-gen-of-SEMI-EDA-standards
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