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セリーナ・ブリシェット

SEMIは、Aspinity社の創業者兼CEOであるTom Doyle氏に、携帯型IoTデバイスのバッテリーを大量消費せずに知能化するための課題について話を聞きました。Doyle氏はSEMI Technology Unites Global Summit(2021年2月15日~19日、オンライン開催)で提供されるSEMI MEMS Imaging Sensors Technology Showcase(2月18日)に登壇しますが、これに先立ち、アナログで機械学習を実行することで電力問題の解決を図るAspinityのシステムレベルでのアプローチを説明しました。このGlobal Summitは現在申し込みを受け付け中です。Aspinity他の業界をリードする専門家が皆様をお待ちしております。 SEMI:IoTデバイスにとって電力効率が重要なのはなぜですか?Doyle氏:何億というIoTデバイスが、私たちの生活や仕事を改善しています。常時オン状態で環境のデータをセンシングするこれらスマートデバイスは、従来は壁から電源をとり、データ処理をクラウドに依存していましたが、ネットワークの渋滞やプライバシー、パフォーマンスの問題から、エッジ処理への移行が必要になっています。民生用、医療用、産業用にまたがるこれらのIoTデバイスは、小型化、ポータブル化が進んでいます。それらの一部は、アクセスしにくい場所で遠隔操作される場合もあります。そこで、私たちは多くの機能を詰め込んだデバイスをバッテリー駆動する方向に進んでおり、またバッテリーを長持ちさせる必要があります。これは大変なチャレンジであり、それに応えるためには、常時オンのセンシング機能をIoTデバイスに統合するにあたり、最も電力効率の良い方法を見つける必要があります。 SEMI:低消費電力の常時オンソリューションはなぜ難しいのでしょうか。またセンサーサプライヤーはシステムの消費電力をどうすれば改善できるのでしょうか。 Doyle氏:今日の常時オンの IoT デバイスでは、すべてのセンサー・データ(アナログ)が即座に高解像度でデジタル化され、次にウェイクワード(OK Googleといったシステム起動の掛け声)が発せられたかどうか、特定の動作が行われたかどうか、または何らかの異常が発生したかどうかを判断するために分析されます。しかし、収集されたデータのほとんどはデバイスが待ち受けている情報とは無関係な、この最初に全てをデジタル化するアプローチでは、ADCとデジタルプロセッサに無関係なデータを継続的に処理させることで、バッテリーを大幅に浪費します。センサーのサプライヤーには、消費電力を削減するために考慮すべきいくつかのオプションがあります。センサーとデジタルプロセッサのサプライヤーは、バッテリー寿命の段階的な改善で十分なら、システム内の個々のコンポーネントの電力削減を続ければよいでしょう。しかし、革命的な省電力を実現するためには、総合的なシステムソリューションを検討する必要があります。根本的な問題は、システム中のデータ移動には電力がかかるということです。だからこそ、電力を節約する最も効率的な方法は、物理的な世界がデータになるシグナルチェーンの最初の段階で、できるだけ早く、実際に重要なものだけにデータ量を減らすことなのです。ダウンストリーム処理が必要なデータ量を最小限に抑えることができれば、バッテリーの寿命を最大限に延ばすことができます。 SEMI:Aspinityは、IoTデバイスのバッテリー寿命を、新しいシステム構成を導入することで伸ばそうとしています。デジタル化を最初にするアプローチとどのように異なるのでしょうか? Doyle氏:Aspinityのソリューションは、アナログ機械学習 (analogML™) とアナログ圧縮を組み合わせたアナログ処理技術で、Reconfigurable Analog Modular Processor (RAMP) と呼んでいます。正確で超低消費電力のアナログイベント検出とシステムのウェイクアップが可能になます。RAMPを常時オンのシステムに適用すると、最初にセンサー部分でアナログ電力を少しだけ消費して、感知したデータが手元のタスクに関連するかどうかを判断してから、デジタル・システムをウェイクアップして処理を進めることができます。このアナライズ・ファースト・アーキテクチャは、重要なデータがデジタル化と分析を必要とする場合以外は、電力消費量が大きいデジタル・コンポーネントをスリープ状態に保つため、最初に全てをデジタル化するデジタイズ・ファースト・アーキテクチャと比較して、ボイスファーストのシステムなど起動がまれなデバイスでは、バッテリー寿命を数ヶ月から数年延ばすことができます。 SEMI:何か例をあげていただけますか? Doyle氏:これがどのように機能するのか、実際の例を挙げてみましょう。スマートスピーカー、音声起動型テレビリモコン、ヒアラブルデバイスなど、ほとんどの音声起動型システムでは、音声が存在する時間は10%~20%にすぎません。しかし、これらのデバイスが伝統的に使用しているデジタイズ・ファースト・アーキテクチャは、マイクでキャプチャした音を100%デジタイズします。たとえそのほとんどが無関係でウェイクワードが含まれていなくても。対照的にRAMP ベースのアナライズ・ファースト・アーキテクチャは、デジタル・ウェイク・ワード・エンジンを起動する前に、デバイスへの音の入り口であるマイクの部分で、特徴抽出とニューラル・ネットワークを使用して、まず音に音声が含まれているかどうかを判断しますから非常に高効率です。さらに、ほとんどのウェイクワードエンジンの精度は、起動してからウェイクワードを分析するだけでなく、ウェイクワードが発せられる前の500msの音(プリロール)の分析にも依存しています。ウェイクワードエンジンのパフォーマンスを支えるために、RAMPは500mSのプリロールを圧縮し、わずか2kのメモリに格納して、音声データとともにウェイクワードエンジンに供給もするのです。RAMPテクノロジーを使用したこの新しいアナライズ・ファーストのアプローチは、性能と精度を犠牲にすることなく、旧来のデジタイズ・ファースト設計に比べてバッテリー寿命を10倍延長することができます。 SEMI:Aspinityは現在の市場ニーズに対応したどんなソリューションを提供できますか? Doyle氏:Aspinityは、常時オンIoTデバイスに対して唯一のバッテリー駆動型アナログ機械学習チップであるRAMPチップを提供しています。RAMPは、アナログ・センサのRAWデータから直接、さまざまなタイプのセンサ・イベントを検出するためのトレーニングやプログラミングが可能です。RAMP チップが有効なアプリケーションのひとつに、音声、ガラスの割れる音、アラーム等の音を常に聞いているデバイスがあります。その他にも、予知保全や予防保全のために産業機器を監視する振動センサーや、ウェアラブルやその他のバイオメディカル・アプリケーションで異常検出に使用される心拍センサーなどがあります。Aspinity は先日、音声起動評価キットを発表しました。SEMI MEMS Imaging Sensors Technology Showcase では、当社のRAMPベースのアナログ音声起動ソリューションをご自分の目で確かめてくように、この評価キットのデモンストレーションをご覧いただきます。ハードウェアとソフトウェアの完全なキットにより、次世代音声起動デバイスを開発するお客様に、ウェイクワードの検出精度を落とさずに消費電力を10分の1にするアナログ機械学習とアナログデータ圧縮のメリットを全て体験可能です。 SEMI:テクノロジーによって、私たちをどのように団結できるのでしょうか? SEMI Technology Unites Global Summitへの参加で期待されていることはなんでしょうか? Doyle氏:多くの人にとってCOVID-19パンデミックは、経験したなかでも最も大きな困難となりましたが、この1年は、大きな問題を解決するためにはイノベーションが重要であることを示してくれたと思います。マイクロエレクトロニクス産業は、COVID-19検査、人工呼吸器、空気浄化システムなど、医療現場で使用される様々な機器のクリティカル・コンポーネントを提供する重要な役割を果たしてきました。COVID-19はまた、機器表面に付着したウイルスの広がりを防ぐために、システムのインタフェースは音声への移行が加速しました。バイオテクノロジー産業が開発を加速するワクチンによって、日常生活が正常な状態に戻ることを私たちは願っています。研究開発イノベーターと大手企業の協力によって、様々な市場で新しいデバイスや薬品が生産されようとしていることに感謝しましょう。パンデミックが緩和されるまで、従来の対面式のカンファレンスは開催できませんが、素晴らしい講演者が興味深い講演を行う産業カンファレンスに参加することは、これまで以上に重要です。SEMI Technology Unites Global Summitはそのような機会を提供してくれるものであり、私も参加することを心から楽しみにしています。 Tom Doyle氏は、Aspinityの創業者・CEOであり、アナログおよびミクストシグナル半導体技術において30年以上の優れた業績とリーダーシップの経験を持っています。Aspinity入社前は、Cadence Design Systemsのアナログ/ミクストシグナルIC事業のグループディレクターとして、世界有数の半導体企業への同社技術の展開を管理していました。それ以前は、アナログ/ミクストシグナル・ソフトウェア会社であるParagon IC solutionsの創立者兼社長として、営業、マーケティング、グローバル・パートナー/販売代理店、米国およびアジアのエンジニアリング・チームなど、同社のすべての業務を統括していました。ウエストバージニア大学で電気工学の学士号を、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校でMBAを取得しています。
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医療診断と個別化治療の最新動向について、Robert Bosch GmbH Stuttgartのリサーチフェロー(シニアチーフエキスパート)であるFranz Laermer博士にお話を伺いました。複雑な分子診断のワークフローを自動化するために最近Robert Boschが開発したオープンプラットフォームは、分子診断を必要な場所で実施できることを証明しています。これを実現するためには、マイクロエレクトロニクスだけでなく、微細化、マイクロシステム、マイクロ流体技術が不可欠です。これは、かなり短い期間でSARS-CoV-2感染症の検出法を開発する上で重要となります。Laermer氏は、SEMI Technology Unites Global Summit(2021年2月15-19日、オンライン開催)の中で2月19日に提供されるSEMI MedTech Forumの講演者です。本イベントは現在登録受付中です。 SEMI:何が診断法のイノベーションを推進しており、半導体業界はどんな役割を担うのでしょうか? Laemer博士:診断法を大きく進展させているのが、DNAを構築する基礎的ブロックであるヌクレオチドのレベルで核酸を分子分解して詳細に分析する技術です。これにより、癌、遺伝子異常、感染症、治療抵抗性などの疾患の根本原因が明らかになります。現在のソリューションは、ポリメラーゼと呼ばれるDNAを合成する酵素の働きを利用したPCR法か、またはDNAの塩基配列を決定するシークエンシング技術によるものがほとんどです。これらの技術を必要とする場所へ近づけるために重要となるのは、自動化、小型化、低コスト化、使いやすさ、柔軟性、信頼性、そしてサンプリングから検査結果が出るまでの時間短縮です。半導体およびマイクロシステム技術は、こうした要求を満たすための実現技術となっています。ムーアの法則が半導体側を後押し、性能が向上の一途をたどっているおかげです。 SEMI:BoschのVIVALYTICシステムについて説明いただけますか? Laermer博士:VIVALYTICは、多様な分子診断分析の統合と自動化のためのユニバーサルで柔軟性の高い診断プラットフォームです。VIVALYTICはユニバーサルなラボ分析装置で構成されており、診断アプリケーション専用に作られたカートリッジを使います。このカートリッジには、診断に必要な試薬とバイオコンテンツがすべて、室温で長期的に安定する方法で収められています。ユーザーは患者のサンプルをカートリッジに入れ、カートリッジを分析装置に押し込み、自動ワークフローを開始するだけで、通常1時間以内に診断結果を得ることができます。VIVALYTIC製品は、Bosch Healthcare Solutions GmbH (BHCS)が戦略的診断パートナーやバイオコンテンツの所有者と協力して製造しています。 SEMI:パンデミックは、医療産業において自動診断にどのような影響を与えていますか?新しい動きはありますか? Laermer博士:パンデミックによって、必要な場所で自動迅速診断を行う重要性が明白になりました。感染連鎖を可能な限り早期に断ち切るためには、いつでもどこでも信頼性の高い迅速なPCR検査を使えることが必要です。私たちは、SARS-CoV-2の迅速検査に必要な時間を、陽性プローブの場合は30分未満に短縮することに成功しました。ワクチン接種によって免疫レベルが十分に高まるまでは、迅速検査がCOVID-19パンデミックの感染数、入院数、死亡者数を抑制する唯一の方法です。 SEMI:感染症診断以外にも、医療のパラダイムシフトを起こすソリューションはありますか? Laemer博士:現在の腫瘍学では、癌の原因と考えられている特定の変異に対処するための、標的薬品や療法の開発が急増しています。これは、腫瘍学が従来のone-drug-fits-allアプローチから個々の患者に合った治療を適時おこなう精密医療へと脱却したことを意味しています。この個別化治療の前提条件として、腫瘍の突然変異の状態を明らかにし、治療中に正確かつ反復的にモニターすることが必要です。後者では、救急車上など分子診断を必要とされる場所で行うことが求められます。ここでキーワードとなるのが液体生検です。個別化治療のもう一つの例は、細菌感染症における細菌の種類と抗生物質の耐性を検出し、最適な抗生物質治療を決定することです。 SEMI:こうしたニーズに向けて、Robert Boschはどのようなソリューションを提供していますか? Laermer博士:Robert Bosch GmbH は、マイクロシステム、マイクロセンサー、半導体技術のリーダーです。ドレスデンに新設された12インチ半導体工場は、これらの分野における当社の地位をさらに強固なものにするでしょう。この分野には、AIやIoTも含まれています。テクノロジー・プロバイダーとして、ボッシュは複雑なワークフローの自動化と管理のための優れたソリューションを生み出し、診断パートナーとともにWin-Winのソリューションを提供しています。 SEMI:テクノロジーによって私たちはどのように一つになれるのでしょうか?Laemer博士:技術、特に半導体やマイクロシステムの技術は、医療分野におけるゲームチェンジャーです。医療、診断、半導体という異なる分野が互いに出会い、協力し合うと、イノベーションは強力に加速されます。異なる分野の専門能力の接点で新しいことが起こるのです。 Franz Laermer博士は、1990年にドイツのシュトゥットガルトにあるRobert Bosch GmbHのコーポレート・リサーチ・アンド・テクノロジー・センターに入社し、今後のMEMS分野に向けた新しいキーテクノロジーとセンサー機能の開発に着手しました。現在はBoschリサーチフェロー/マイクロシステム、マイクロ流体工学、分子診断学のシニアチーフエキスパートとして活躍しています。
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電気自動車、再生可能エネルギーや、その他のIoTや5G、スマート製造、ロボットといった技術イノベーションは、いずれも信頼性があり高効率でコンパクトな電力システムを必要としており、そのため炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)による低電圧な小型デバイスのサポートが求められています。しかし、これらの半導体材料をパワーシステムに組み込むために、チップ設計者は技術的および経済的な壁を乗り越えなければなりません。SEMIはEV Groupの事業開発マネージャーであるElisabeth Brandl氏に、パワーエレクトロニクス業界のトレンドと新たな発展について、またスマート・モビリティにおけるパワーデバイスのアプリケーションについてお聞きしました。Brandl氏は、SEMI Technology Unites Global Summit(2021年2月15-19日、オンライン開催)の中で2月18日に提供されるSEMI SMART Mobility Forumの講演者です。本イベントは現在登録受付中です。 SEMI:パワーエレクトロニクスの新たな発展をけん引しているものは何でしょうか? Brandl氏:世界的に、通信や、自動車、電力変換に対するインフラ要求が大きく変化しています。こうした変化は、5G、電気・ハイブリッド自動車、再生可能エネルギーを例に挙げるだけで、十分明らかでしょう。デバイスレベルでも、特にパワーエレクトロニクス分野では、こうした変化が顕著に現れています。パワーエレクトロニクス業界は、従来のシリコンパワーデバイスでは対応できない状況に数多く直面しています。SiCやGaNのようなワイドバンドギャップ半導体材料を使った新しいデバイスアーキテクチャに、性能面で易々と追い越されてしまうのです。 SEMI:パワーエレクトロニクスのイノベーションは、業界のどんな課題を解決するのでしょうか? Brandl氏:電力変換効率は大変重要であり、ここでの損失が全体の電力消費に大きく影響するため、さらなる改善が必要です。グリーン電力や環境フットプリントの改善には、再生可能エネルギーが不可欠ですが、総合的な電力消費効率も同様に重要です。しかしながら、パワーデバイスの役割は過小評価されがちです。データセンターや再生可能エネルギーのインバーターといった高周波、高電圧のアプリケーションは、パワーエレクトロニクスの重要な分野ですが、シリコンのパワーエレクトロニクスでは限界に達しているのです。 SEMI:シリコンから化合物半導体材料へと変わることの利点はなんでしょう? Brandl氏:いくつかの化合物半導体は材料特性が優れており、電力変換や高周波挙動でのニーズに対応することが可能です。現時点では、主にGaNおよびSiCのパワーデバイスが、こうしたニーズへの対応に適したものと考えられていますが、その他にもダイヤモンドや酸化ガリウムなどの材料の開発が、こうしたアプリケーション向けに進められています。SiCは薄化しても電力損失が小さく熱挙動にもすぐれた特性を持っており、電力変換効率だけでなく、フォームファクターの点でも有利です。GaNは、特に高電子移動度トランジスタ(HEMT)として、高周波アプリケーションに使用することができます。 SEMI:SiCやGaNのパワーデバイスのコスト効率の良い製造には何が必要でしょうか? Brandl氏:最終カスタマーがコスト効率として一般的にあげる数字は、1アンペアまはたワットあたりの金額です。これはシンプルに思えるかもしれませんが、現実は当然ながらもっと複雑です。重要なのは、製造時における主要なコスト要因を理解することです。SiCの場合、それは当然、基板のコストになります。私の講演では、ウェーハ接合による基板コストの低減方法を示します。GaNの場合に重要なパラメーターとなるのは、基板上に単結晶膜を成長あるいは堆積させるエピタキシー工程です。もちろん、歩留まりもコスト効率に非常に重要な影響を及ぼします。つまり、メトロロジーを含む優れたプロセス制御が大切だということです。 SEMI:多くの半導体メーカーがSiCやGaNへの変更を進めています。サクセスストーリーをご紹介いただけますか? Brandl氏:パワーデバイスメーカーの大手はどこも、SiCあるいはGaNパワーデバイス技術を、買収するか自社開発しています。彼らもまた、パワーデバイス市場におけるワイドバンドギャップ半導体の未来が明るいと見ていることになります。もっとも大きなサクセスストーリーは、STMicroelectronicsのSiC MOSFETパワーデバイスでしょう。これはTeslaのModel 3に2018年から採用されているものです。 SEMI:この先には何が? Brandl氏:ダイヤモンドや酸化ガリウムなどのパワーデバイスの新材料の探求が行われています。SiCについては、トレンドは8インチ基板に向かっており、これはSTMicroelectronicsがまとめているEUのREACTIONプロジェクトの焦点ともなっています。コスト低減と基板の供給の役割も大きなものです。材料供給は現時点での最大の不確実要素となっており、主要パワーデバイスメーカーは全て、SiC基板の供給を確保するためにサプライチェーンと契約を交わしています。最終的には、サプライチェーン全体の協力が全ての関係者にとって非常に重要であり、利益となるでしょう。これにより、発展の条件を良く話し合い、優先順位をつけることができるからです。 Elisabeth Brandl氏は、EV Groupの事業開発マネージャーです。オーストリアのヨハネス・ケプラー大学リンツ校で半導体・固体物理学の修士号を取得し、2014年からは、EVGで仮接合と化合物半導体の製品マーケティング管理を担当しています。
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生産コストは、通常と人件費と材料費がベースとなり、これによって製造経費が決まります。しかし、このアプローチは十分に正確でしょうか。生産における品質不良や効率の欠如のコストはどうでしょうか。パンデミックは半導体製造にどのような影響を与えているのでしょうか。そして今後何が期待できるでしょうか。 SEMIはこのほど、QualityLine社の創業者兼CEOであるEyal Kaufman博士に、製造管理と製品の品質と歩留まりを向上させるための最適なデータソースについてお話を伺いました。同社は、イスラエルのキルヤット・ガトに本社を置くスマート・マニュファクチャリングの分析ソリューションを提供する企業です。Kaufman氏から、コストを削減しながら製造効率と製品品質を向上させるために同社が採用しているベストプラクティスの要点をお聞きできました。また、COVID-19パンデミックが半導体のスマート・マニュファクチャリングに与える影響や、AIが工場の労働者の安全を守るためにどのように役立つかについても説明いただきました。 スマート・マニュファクチャリングについて、さらに洞察を深めるには、10月20日~22日に開催される「SEMI Global Smart Manufacturing Conference」にご参加ください。参加申し込みはこちらです。 SEMI:実際の製造コストは、生産不良品、修理品、返品、部品のスクラップや遅配などさまざまな要素から計算されます。製造業における品質と効率の欠如は、ビジネスを蝕む可能性があります。企業がこれらの課題を克服するために、どのような支援をしているのでしょうか? Kaufman氏:利益率を高めるためには、非効率な部分を特定し、優先すべき改善を決めることが重要です。製造品質と効率の不足が測定されたなら、製造データを継続的に収集して最終的なコスト分析を実行し、その分析結果を製造プロセスの改善に活用します。 スマート・マニュファクチャリングにより、自動化された工場の異常を検知し、生産性を向上させ、収益性を向上させることが可能になります。現在では、自動化データが、工場内のあらゆる製造装置や試験装置から収集されています。しかし、多くの産業では製造データの収集がいまだにマニュアルで行われており、時間と工数の多額の経費がかかっています。リアルタイム分析システムの場合は、自動的にすべてのソースからデータを自動的に収集し、分析に関係するものを選択しますから、品質と効率の不足を測定し解決するための、最も正確で効果的な方法となります。 スマート・マニュファクチャリングのデータ駆動型決定は、コストの低減と製造戦略の改善をもたらし、工場オペレータが製品品質を向上することを可能にし、生産能力を引き上げ、製造性を最適化する製品設計を実現します。分析システムは、製造現場のオペレーションをモニタリングし、ベンダーやサブコンの製品基準を参照して、根本原因分析を実行します。これらのデータはすべて、不良品返品率を低減し、投資収益率を加速させます。これが、スマートな製造技術が必要な理由です。 SEMI:製造工程で蓄積されるデータには、故障、規格外れ、装置の有用性などの重要な情報があります。最適な分析システムを構築するためには、どのようなデータが必要なのでしょうか? Kaufman氏:今日、多くの企業がデータマッピングを実行して、データキャプチャを自動作成しています。こうした企業では、テストデータやセンサーデータ、製品設計データを使用する必要があるのか、顧客やベンダーからのフィードバックを収集する必要があるのか、と悩むことがよくあります。効果的な製造分析システムを構築には、次のようなデータソースを使用すると良いでしょう: 顧客からのフィードバック(返品、苦情など) 自動試験装置と手動試験活動からの試験データ 故障したユニットを修理した技術者からのフィードバック ベンダーが行うテストプロセスの分析 センサーデータ 当社のERP/MESシステムからのデータ AIは、蓄積されたデータを含め、あらゆるタイプやサイズのデータ構造を自動的に統合して解釈することができます。また、AIによる分析は、各製造ステージ間の相関関係も明らかにし、工場のオペレータは、既存のプロセス、装置、データ出力を変更することなく、深層診断や根本原因分析をすぐに実行して、問題の解決と予防を図ることができます。機械学習は、工場がどのようにデータベース運用しているかを評価し、生成されたすべての情報を分析システムに入力して、工場の効率を継続的に改善するためのノウハウを提供します。 SEMI:製造品質と歩留まりを改善するために、どのようにデータソースを選択すればよいのでしょうか。 Kaufman氏:製造工程で蓄積されたデータの正確性と完全性が、製造コストを低減しながら歩留まりと品質を向上させるための鍵となります。スマート・マニュファクチャリングとは、デジタルやリモートで接続された装置を使用することで、生産プロセスを監視するテクノロジー主導のアプローチです。その目的は、製造プロセスの異常を特定し、分析を活用してプロセスの歩留まりと製品の品質を向上させることにあります。 該当するデータを選定するために、実際の製造セルの効率化につながる各種、各ソースのデータを収集します: 自動試験装置のテストデータ マニュアル試験のテストデータ 修理プロセスの分析(製造プロセスでの故障、顧客からの返品) データ構造を収集したら、次にこれを製造プロセスで実行可能な情報に変換します。QualityLineスマート・マニュファクチャリング・ソリューションは、ワンストップであらゆる製造データ構造を解釈することができます。当社の高度な製造分析システムは、品質と歩留まりの異常を検出して生産ラインの非効率性を明らかにし、製造品質と効率を改善する機会を提供します。 SEMI:QualityLineのアプローチを説明いただけますか。 Kaufman氏: 製造業におけるインダストリー4.0は、第4世代の産業革命であると主張しています。製造インテリジェンスや機械学習などの先進技術により、製造ラインでの不良ゼロを効率的に実現することができます。デジタル工場では、以下のような技術や手法が活用されています: ビッグデータ 自己最適化 自己設定 自己診断 コグニティブ学習と機械学習 スマート・マニュファクチャリング技術は、リアルタイムでデータを継続的に収集・分析することにより製造プロセスを強化し、高い品質性能を実現し維持します。無駄や非効率を削減しながら、効率と歩留まりを大幅に向上させることが目標です、 これまで、保存されたすべての製造データを統一データベースに統合する現実的な方法はありませんでした。QualityLineの高度な製造分析を利用することで、どのような工場でも新たなハードウェアをインストールすることなくデジタル化が可能になります。ハードウェアの追加にはコストがかかり、既存のデータを広範囲に統合するだけでなく、トレーニングへの投資も必要になります。 当社のユーザーフレンドリーなソリューションは、自動化が全くされていない産業についても製造データの統合をサポートします。まず、あらゆる種類のマニュアル試験からデータを収集して分析し、それを製造分析に統合することで効率向上を図ります。 SEMI: 合否判定基準だけでは製造歩留まりや品質を管理する上で不十分なのはなぜですか? Kaufman氏:大量生産プロセスの管理は、製品が出荷されるまでに何百ものタスクを成功させる必要があり、容易なことではありません。当社は、原材料の入荷から顧客に完成品を納入する前の最終段階まで、生産フローの各段階でテストプロセスを確立します。予期せぬダウンタイム、廃棄品、不良品を防ぐために、あらゆるタイプの関連データを収集・解釈し、有意義な情報に変換し、以下のような機能を設定します: 各製品ユニット、各プロセス、そして工場の試験データやプロセスデータの収集と解釈 品質・歩留まり問題の自動検出 正確で迅速な根本原因分析プロセス 異常が発生した場合の自動アラート 予測プロセスの可能性と失敗のレベル 主要パフォーマンス指標の測定 多くのメーカーでは、各パラメータのテスト基準を合否という単一の指標に置いています。テスト結果が合格を示した場合、そのユニットは次の製造ステージに進む準備ができています。テスト結果が不合格を示した場合、ユニットはさらなる分析のために技術者に送られます。 製品品質の単純な合否判定基準では、対象ユニットの技術的パラメータの1つ以上が許容範囲内に収まっているエッジケースに関する情報がほとんど、あるいは全く得られないため、到底十分とは言えません。エッジケースは、極端な環境(寒さ、熱、湿度、電気的過負荷、衝撃など)での運転中にユニットの故障につながる可能性があります。実際には、大量生産ラインでは、テストステーションから収集した詳細情報をすべて継続的に消化することは不可能です。データは、重要な品質問題が発生し、根本原因を理解するためにさらなる分析が必要な場合にのみ、詳細に分析されます。 情報が処理能力を上回り、重要なパラメータが見過ごされては、プロセスを制御し品質と歩留まりを向上させることはで困難です。新しい技術では、高速でスケーラブルなデータ統合が可能になり、リアルタイムでデータを収集して品質問題を早期に検出し、複雑なプロセスの乱れを特定して納期遅延を回避し、顧客に最高の製品を提供できるようになりました。データを実行可能な情報として正確に分析できてはじめて、工場のオペレータは製造品質プロセスを制御することができます。 SEMI:COVID-19はスマート・マニュファクチャリング市場にどのような影響を与えましたか?また、貴社の技術は工場のオンライン化をどのように支援してきましたか? Kaufman氏:スマート・マニュファクチャリングは、労働力の減少、ソーシャルディスタンス、特定の製品の売上減少、業務コストの厳しい削減圧力といった、COVID-19の諸問題を克服するための支援を製造業者に提供する重要な役割を果たしています。 製造業のリーダーは、限られた労働力と稼働時間で効率的な工場運営を維持するという課題の解決策を、当社に求めています。少ない人員で工場の注文を満たすのは大変です。デジタルファクトリーテクノロジーは、オペレーションの遠隔監視を可能にし、効率性と能力を高めます。当社は、お客様がコストを削減しながら効率を向上できるよう支援をしています。 当社のリモート・モニタリング技術は、安全上の制約から工場に物理的に出向くことができない現場マネージャーや技術チームに、運用上の可視性を提供することができます。当社の高度な製造分析により、製造プロセス全域をモニターすることができ、生産ラインに発生する問題をリモート診断して解決することができます。 この重要な時期に、リモート・モニタリング・ソリューションを改善し、業界がパンデミックを乗り切る助けとなれることを誇りに思っています。当社の顧客の中には、そうでなければ工場を閉鎖していた企業もあります。私たちは、これまで自動化されていなかった工場の製造データを統合して、高い自動化レベルを推進してきました。顧客のプロトコルや自動化レベルに関係なく、既存の工場データとプロセスを統合することは、当社の大きな技術的優位性です。 SEMI:COVID-19の後、製造業とそのサプライチェーンはどうなるのでしょうか? Kaufman氏:スマート・マニュファクチャリングは、現在では必須となっています。データを収集・分析して品質を向上させるだけでなく、顧客の不良製品の返品を50%削減し、廃棄物を22%削減しており、このどちらもが重要なポイントです。製造業の課題は今後もテクノロジーの進歩を加速させ、リアルタイムのデータ分析や人工知能(AI)を工場のオペレータに取り入れながら、効率性、安全性、生産性を向上させていくでしょう。 SEMI:サプライヤーは今後もスマート・マニュファクチャリング技術を追求していくのでしょうか。また、どのような成長機会がもたらされるのでしょうか。 Kaufman氏:はい、間違いなくそうです。COVID-19が機会と課題の両方をもたらすことで、業界はすでに変化しています。業界のリーダーたちは、突然の材料不足、需要の低下、労働者の不足など、新たなプレッシャーに直面しています。製造業にとっての成長の機会は、おそらくデジタル化にあるでしょう。これは、危機への即時対応がデジタル化によって進められたことでも明らかです。サプライチェーン全域の透明性、自動化、データ統合を高めるためには、インダストリー4.0のソリューションが欠かせません。QualityLineの製造分析は、主要な製造パフォーマンス指標を改善してきました。顧客からのフィードバックに基づいて、生産歩留まりを30%向上させ、何百万ドルも節約した顧客もいます。このような改善が、サプライヤーがパンデミックに耐えるために役立つのです。 QualityLineの創設者兼CEOであるEyal Kaufman博士は、25年以上にわたり、大手製造企業での事業開発、マーケティング、財務、オペレーション、エンジニアリング、品質管理の分野で、上級管理職としての経験を積んできました。QualityLineを設立する前は、Mobileye、Cardo Systems、Medisim Ltd.の副社長、OnTheGo SystemsのCEOを務めました。カリフォルニア・インターコンチネンタル大学で博士号、ニューヨーク市立大学でMBA、イスラエルのテクニオン大学で理学士号を取得しています。 SEMI SMART Manufacturing Initiativeは、スマート・マニュファクチャリングを通じた製品の品質、生産性、コストの最大化を実現するために、業界で認められたベスト・イン・クラスのプログラムやサービスを提供することに焦点を当て、スマート・マニュファクチャリングに対する認識と関心を高めるための世界的な取り組みです。活動内容は、マイクロエレクトロニクスのサプライチェーン全体でスマート・マニュファクチャリングを可能にするためのコア能力の構築に重点を置いています。 MADEin4は、半導体装置メーカーやシステム統合型計測器メーカーからRTOSや自動車産業などの主要アプリケーションまで、サプライチェーンの全範囲をつなぐ10カ国47社のパートナーによるコンソーシアムです。MADEin4プロジェクトは、半導体製造業におけるインダストリー4.0の大量生産をサポートするために、次世代の計測ツール、機械学習手法、アプリケーションを開発しています。
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