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Technology and Trends

はじめに 電子機器製造の生産を自動化することで、高品質の製品を生産することができますが、人間が介入しないため、特定の故障につながる可能性があります。IIoT(産業用IoT)、ビッグデータ解析、クラウドコンピューティング、人工知能(AI)などの急速な技術進歩により、多くの製造工程のインテリジェント化が進み、インダストリー4.0も近い将来に実現する可能性がでてきました[1]。スマート製造では、オペレーショナルデータや検査データをベースにしたリアルタイムの意思決定がされ、製造工程全体がひとつのフレームワークに統合されます。この先、未来の製造工程は、デジタルのサイバーフィジカルシステムに転換し、高い効率性を確保すると同時に、あらゆる不確実な状況にプロアクティブに対応します。 表面実装組立ラインでは、IIoT技術によって機器の状態や品質データの収集ができます。従って、AIや機械学習アルゴリズムなどのデータ駆動型ソリューションを利用することで、異常な欠陥を診断し、生産中の予期せぬ変化や状況に対応して、装置パラメータを最適に調整することが可能です。ニューヨーク州立大学ビンガムトン校(通称ビンガムトン大学)の研究チームは、プリント基板組立にスマート製造ソリューションを導入し、歩留まりとスループットを改善するため、表面実装業界のさまざまなパートナーと協力して、AIベースのクローズドループフィードバック制御とパラメータ最適化を基盤とする斬新なフレームワークを開発しました。このAIベースのフレームワークによって、表面実装組立におけるデータ駆動型工程制御のロードマップが示される可能性があります。 表面実装組立における装置のAI化 表面実装組立の一つ一つの工程が、プリント基板製品の品質とスループットに大きく影響をします。とりわけ、はんだ印刷工程は、プリント基板のはんだ不良の60%がこの工程に起因するため、非常に重要となります。プリント基板のパッドのひとつでも、十分な量のはんだペーストが塗布されないと印刷不良となり、プリント基板のリワークとリペアのコストが発生します。ピック&プレース工程は、高額の装置への投資、長い工程時間など、最もコストがかかる部分です。はんだリフロー工程では、リフロー炉の温度他の設定がはんだ接合の品質と信頼性を左右します。このため、はんだペースト検査(SPI)、自動光学検査(AOI)等の複数の検査装置が表面実装組立工程で使用されています。特にAOIは、はんだリフローの前後の部品不良の検出するために、2台の装置が使用される場合があります。 多くの電子部品が小型化し、表面実装の組立工程に起因する不良が増加しています。ビンガムトン大学の電子機器スマート製造研究所(SEML)は、2台のはんだペースト印刷機、2台のチップマウンター、1台のリフロー炉に加え、SPIおよびAOI装置を完備しています。研究チームは、SEMLでこれまで8,000枚以上のプリント基板をテストしました。その結果、物理的特性に基づく数値手法だけでは、小型部品の挙動の説明することには、実際上、限界がある可能性が判明しました。温度や湿度といった未知の環境要因、装置の較正、測定精度、振動などが、表面実装組立の生産の質に影響を与えているかもしれません。しかし、最近の研究では、AIを用いた手法によって、従来のアプローチよりも、製品品質が最大35%改善し、スクラップ率が低減し、半導体製造におけるファブオペレーションを最適化できることを示しています[2]。これは、データ駆動型のインテリジェントな工程制御によって、表面実装組立工程が進化する可能性を示唆しています。 表面実装組立のスマート化の目標は、オフラインとオンラインの双方のシナリオで、設定の最適化を維持することにあります。AIとデータ解析によるソリューションは、全ての表面実装組立工程を、生産前にはオフライン制御で、生産中はオンライン制御で最適化することが可能です。AIベースのクローズドループフィードバック制御の全体図を図2に示します。 表面実装組立AIモジュール はんだ印刷工程では、4つのAIモジュールで構成されています。 印刷アドバイシングモジュール(PAM) 印刷最適化モジュール(POM) 印刷診断モジュール(PDM) メタルマスク洗浄工程制御(CPC) 図2:AIベースのクローズドループフィードバックプラットホームの模式図 図3:カスタマの最も良く知られた印刷パラメータに対するPAMの有効性 PAMの目的は印刷機の重要パラメータの理想的な初期設定を、ハイブリット機械学習とヒューリスティックな最適化によって推奨することです[3]。これには、印刷速度、印刷圧力、セパレーション速度などがあります。ケーススタディとして、研究チームは自動プリント基板テストベッドを使い、最も良く知られた印刷パラメータ設定とPAMによる設定の印刷結果を比較しました。実験結果は、PAMの方が工程能力指数(Cpk)を50%上回ることができることを示しました(図3)。 POMは、印刷品質をモニタリングし、動的な条件に適応するためにオフセット値および工程パラメータを微調整することで、印刷パラメータをリアルタイムに最適化します[4]。実験の結果、POMの印刷パラメータ調整により、オフライン制御と比較してCpk値で30%以上の生産品質向上を達成しました。PDMは、工程品質を向上させ、ダウンタイムを削減するために、潜在的な印刷障害の異常検出と診断を行います[5]。実験結果によると、PDM は、基板サポート、スキージ、ペースト条件などの不適切な印刷機のハードウェア問題を 87% 以上の精度で予測することができました。CPCは、図4に示すように、SPIの情報を使用して、メタルマスク下面の残留物の蓄積レベルを推定し、メタルマスクの適切な洗浄プロファイルとサイクルを決定します[6]。CPCを導入すると、生産ラインで使用されている既知の洗浄パラメータと比較して、印刷品質の安定性が34%、Cpkが10%向上することが期待できます。 図4:メタルマスク洗浄制御のための残留物堆積予測 ピック&プレース工程では、マウンター装置のパラメータの最適化に加えて、マウンター最適化モジュール(MOM)とマウンター診断モジュール(MDM)を装置自動化工程として利用することができます。MOMは、セルフアライメント効果を適切に利用することで、図2に示すように、SPI装置、リフロー前AOI装置、リフロー後AOI装置で収集したデータをもとに、部品のリフロー後の位置を予測して最適な配置を決定します。また、MOMは、生産中にも変化に適応した配置位置を提供します。MOMのフレームワークでは、まず、はんだペーストのオフセット情報に基づいて、複数のダイナミックな配置オプションが生成されます。部品のX方向とY方向の最終的なオフセットは、K近傍法回帰モデルと勾配ブースティング回帰モデルを重ね合わせたハイブリッドAIモデルによって予測され、リフロー後のずれが最小となる最適な配置が、MOMによって特定されます。 実験の結果、MOMは従来のP P配置方法(パッドセンターに部品を配置する方法)と比較して、最終的なずれを18%減少させることができることがわかりました。MDMは、P P装置のオペレーショナルデータとAOI検査データを用いて、P P不良の根本原因にさかのぼり、将来の故障を予防する予知保全手法です。MDMでは、不適切なノズルサイズ、部品の汚染、フィーダーの問題など、欠陥の既知の根本原因を84.50%の精度で特定することができます。これは、AIベースの診断アルゴリズムによって異常が検出された場合、複数の異なる実装不良を自動的に検出・分類できることを意味します。 図5:MOMによる最適な配置 リフロー炉で対策が必要な課題のひとつに、リフロー炉温度の最適な設定を見つけることがあります。これはプリント基板製品の最終的な品質に影響します。はんだペーストメーカーは、はんだペーストの組成の物理的特性に基づいたターゲットプロファイルを通常は提供しますので、これと一致するはんだ接合部の温度が必要となります。それゆえ、リフロー技術者は、接合部の温度プロファイルがターゲットプロファイルと正しく一致するように、マニュアルでリフロー炉の温度を微調整しなければなりません。これには相当のコストと労力が必要です。研究チームは、プリント基板の熱プロファイルとそのレシピに基づいた、自動リフローレシピ最適化モデルを提案しています。 図6:温度レシピと温度プロファイルの最適化 まず、当初のレシピで予測モデル用のデータを収集し、熱プロファイルとレシピの関係を明らかにします。次に、レシピに基づいて熱プロファイルを予測するAIベースのモデルを開発します。従来の手法と異なり、AIベースの手法では、予測された温度と与えられたプロファイルのギャップが最小となる最適なリフロー炉のレシピを生成します。その結果、AIベースの予測モデルでは、1時間以内の処理時間で、与えられたプロファイルの温度曲線に対する適合率が97%になるなど、有望な結果を得ることができました。提案されたモデルは、時間、労力、材料の節約といった大きな利点が他にもあります。こうして、プリント基板のリフロープロセスの自動化度合いが高まります。将来的には、複数の検査装置からのデータを統合して、リフロー最適化プロセスを完全に自動化し、より信頼性の高い結果を得られるようにする予定です。 まとめと結論 小型の電子機器製品は、プリント基板製品の品質を高めるために、表面実装組立工程が複雑化しており、多くの不確実要素があるため、表面実装組立プロセスの理論的解釈が困難になっています。AIと各種検査から収集されたビッグデータを活用することで、表面実装組立工程はインテリジェント化し、動的な環境状況に柔軟に対応できるようになります。表面実装組立工程全体で最適な制御パラメータを維持することで、設計されたスループットを維持しつつ、最終的なプリント基板製品の品質を向上させることができます。自動化されたスマートシステムは、次のレベルのエレクトロニクス製造の道を切り開きます。エッジ/クラウドコンピューティングを通じてエンドユーザーからのデータや情報を活用し、多品種/少量生産の効率を高めてカスタマイズされた製品の製造を高速化します。また、設計の多様性を高め、納期を短縮することができます。 著者について Sang Won Yoon教授は、2019年にSUNY Chancellor's Award for Excellence in Scholarship and Creative Activitiesの受賞者であり、多くの生産性の高い長期的な産業界とのコラボレーションをリードする、優れた功績のある研究者です。Yoon教授は、パデュー大学生産工学部で博士号を取得した後、2010年にニューヨーク州立大学ビンガムトン校のシステム科学・生産工学部のワトソン・スクールの教授に就任しました。 2010年にニューヨーク州立大学ビンガムトン校システム科学・産業工学科ワトソン・スクールの教授に就任しました。 Yoon教授の研究は、統計的学習手法を用いて大規模データセットをより良く理解することに留まらず、最適化、ソフトコンピューティング、シミュレーション、および従来の機械学習アルゴリズムを用いた複雑な理論を活用しています。その結果、ユン教授は130以上の国際的学術誌や会議録に論文を発表しています。また、データサイエンスの学際領域(TAE)のメンバーであり、現在は健康科学のTAEのメンバーとして活躍しています。 著者は本稿の執筆にあたり、以下の方々にご協力いただきました: Daehan Won, [email protected], Assistant professor Jingxi He, [email protected], Ph.D. candidate Shrouq M. Alelaumi, [email protected], Ph.D. candidate Yuanyuan Li, [email protected], Ph.D. candidate Yuqiao Cen, [email protected], Ph.D. candidate 参考文献 [1] Qi, Q., and Tao, F., 2018. Digital twin and big data towards smart manufacturing and industry 4.0: 360 degree comparison. IEEE Access, 6, pp.3585-3593. [2] 10 Ways machine learning is revolutionizing manufacturing in 2019. https://www.forbes.com/sites/louiscolumbus/2019/08/11/10-ways-machine-learning-is-revolutionizing-manufacturing-in-2019/?sh=7cd2e9e22b40. [3] Khader, N. and Yoon, S.W., 2018. Stencil printing process optimization to control solder paste volume transfer efficiency. IEEE Transactions on Components, Packaging and Manufacturing Technology, 8(9), pp.1686-1694. [4] Lu, H., Wang, H., Yoon, S.W. and Won, D., 2019. Real-Time stencil printing optimization using a hybrid multi-layer online sequential extreme learning and evolutionary search approach. IEEE Transactions on Components, Packaging and Manufacturing Technology, 9(12), pp.2490-2498. [5] Alelaumi, S., Wang, H., Lu, H. and Yoon, S.W., 2020. A Predictive Abnormality Detection Model Using Ensemble Learning in Stencil Printing Process. IEEE Transactions on Components, Packaging and Manufacturing Technology, 10(9), pp.1560-1568. [6] Alelaumi, S., Khader, N., He, J., Lam, S. and Yoon, S.W., 2021. Residue buildup predictive modeling for stencil cleaning profile decision-making using recurrent neural network. Robotics and Computer-Integrated Manufacturing, 68, p.102041.
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新型コロナウイルスが引き起こしたパンデミックによって、半導体サプライチェーン企業の多様性が、これまで以上に重要であることが明らかになりました。そのために私たちは、利用可能なすべてのリソースを活用し、あらゆる機会を捕らえる必要があります。2021年は世界的なチップ不足で始まりましたが、従来のサプライチェーンが生産能力の限界に達しているにもかかわらず、生産歩留まりを向上させる競争が止むことはありません。このような技術やサプライチェーンの問題を解決するためには、世界中の英知を結集した総力戦が必要です。残念ながら、半導体サプライチェーンを見渡すと、いかなる理由にせよ、経営陣に多様性のあるサプライヤーは多くありません。これは半導体業界にとってどのような意味を持つのでしょうか。それはまるで、片手を縛られながら仕事することを求められているようなものと言えるでしょう。 サプライヤー・ダイバーシティ サプライヤー・ダイバーシティとは、組織内で利用する製品やサービスの調達において、経営陣に多様性のある企業を受け入れるための戦略です。多様性グループが何であるかは各地域の法律よって異なりますが、多くの場合、女性や国内の少数民族などの過小評価グループ(国の人口比率よりも小さな割合しか含まれていないグループ)が当てはまります。現在、多様性のある企業として認定されるには、企業の所有、運営、管理に携わる人の51%が過小評価グループによって占められる必要があります。サプライヤー・ダイバーシティは、多様性の状況に応じて入札基準を下げたり、発注を決めたりすることではありません。サプライヤー・ダイバーシティが正しく実施されれば、結果として、その企業のアイデアと競争力を高めることになります。 サプライチェーンの多様化により、競争を通じてプロセスを改善するイノベーションの流入にも期待できます。新しい市場に参入する多様性のある企業は、独自の視点を持ち、大規模な多国籍企業が見落としている研究開発の問題に焦点を当てることがしばしばあります。半導体産業に参入することで、地域の中小企業はすでに市場に存在するものから学ぶことで、これまで考えられなかった新たなアイデアを提供することも可能になります。さらにこうした企業は、プロセスのカスタムソリューション提供にも柔軟に対応できるでしょう。 多様なサプライヤーが新たに加わることは、すでに負担がかかっている供給基盤を補う生産能力が追加されることを意味します。もし、現在のサプライヤーが「生産能力に余力が無い」と言っているのであれば、手を広げるべきタイミングかもしれません。 多様性のあるサプライヤーは、「スケールアップが苦手だ」という固定観念は持たないでください。多様性を認定された数十億ドル規模の企業が、既存の半導体サプライチェーンに世界クラスの規模、ソリューション、能力をもたらしている例は数多くあります。単発の試作から大規模な製造まで、多様性のあるサプライヤーは様々なスキルセットを提供できます。 多様性のあるサプライヤーを開拓することは、イノベーションの加速や生産能力拡大に加え、他にも多くの利点があります。 認証された企業群で構成されるサプライチェーンを利用する場合、政府の税制上および契約上の優遇措置があります。 2020年には、多様性や企業の社会的責任(CSR)に対する社会の認識が高まっています。多様性の拡大は、ステークホルダーの期待に沿うものです。 優れた顧客サービスを提供する非上場企業は、上場企業よりも煩雑な手続きが少ない場合があります。 行動を起こしましょう サプライ(チェーン)とデマンド(需要)の間にギャップを感じているのであれば、できることはたくさんあります。もし、あなたの会社が精密製造分野の多様性のある企業であれば、半導体業界への参入をぜひ検討してみてください。半導体産業については、あなたの会社の多様性を認証したNGOから詳しい情報が得られるでしょう(SEMIはこうしたNGOと連絡を取っています)。 もしあなたの会社が、入札プロセスにおいてより広く、より包括的なグローバルネットワークを構築したいと考えているのであれば、他の選択肢もあります。まずは、自社のサプライヤー・ダイバーシティ・プログラムを立ち上げることから始めましょう。既存のサプライチェーンを精査してみると、既にパフォーマンスの高い多様なサプライヤーと取引している可能性もあります。高い基準と公正な入札を維持しながら、多様なサプライヤーを積極的に参加させることで、彼らは競争しながらビジネスを進めていくでしょう。 製造業のオーナーシップの多様性 2018年、SEMIのメンバーであるApplied Materials社、Lam Research社、東京エレクトロン、Intel社は、半導体業界における多様なサプライヤー企業を増やすために活動するスペシャルインタレストグループを結成するアイデアをSEMIに持ちかけました。その結果、SEMI MOD(Manufacturing Ownership Diversity)が設立されました。SEMI MODワーキンググループは、半導体メーカー、OEM供給先、部品メーカー、NGOなどで構成されており、半導体業界におけるサプライヤー・ダイバーシティを定義するための共通基準を策定し、成功事例を提供することを目的としています。すべての企業が歓迎され、ベストを尽くすことが求められていますが、ここでは多様性のあるサプライヤーの機会に焦点を当てたいと思います。早くから参加している事例では、Intel社とApplied Materials社が2019年からサプライチェーンに導入している、経営陣がマイノリティ中心のHeateflex社が挙げられます。 今こそ私たちの業界は、多様性のある企業を含む、あらゆる有能なサプライチェーンパートナーを見つけ、招待し、育成するための積極的なアプローチをとるべきです。私たちは、多様性のある企業にビジネスの機会を開いていることを明確にしなければなりません。サプライチェーンの多様性を高めることは、生産能力の問題を解決するだけでなく、技術革新やコスト削減を促進し、企業が新たな機会を得ることを可能にし、共通の企業価値を持つ企業を結びつけることにもつながります。 私たちのメッセージはシンプルです。「一緒に取り組みましょう」 半導体業界は「ビジネスにオープン」であり、競争上の優位性をもたらす多様性のあるサプライヤーを求めています。MODの詳細については、SEMI Foundationの下にあるSEMI Manufacturing Ownership Diversity (MOD)(https://www.semi.org/en/workforce-development/semi-foundation/manufacturing-ownership-diversity)をご覧ください。
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空飛ぶ自動車は、サイエンスフィクションでは何十年も活躍していますが、センサーやセンサーの新技術によって個人用の航空機が実現可能になりそうです。Honeywell Aerospace Advanced TechnologyのフェローであるAlberto Speranzon博士に、同社のエアタクシー実現への挑戦についてお話をうかがいました。Speranzon博士は本インタビューのあと、4月14日にSEMIが主催したMEMS Sensors Technical Congress 2021において、エアモビリティについて基調講演をされました。 SEMI:空飛ぶ自動車は何十年も夢の存在でした。それが近未来に実現しそうになった背景を教えてください。 Speranzon氏:スタートアップ企業や航空宇宙企業大手が夢の実現に向けて動いているのには、間違いなく複数の要因があります。バッテリー技術の進歩によって、電力飛行の実現は近づきました。バッテリーのエネルギー密度を高めるためにすべきことは残されていますが、しかし現在の技術はすでに、米国の大型都市の郊外とダウンタウンを飛行することが可能です。 その一方で、都市化による密集が進行し、巨大都市の人や貨物の効率的な新輸送手段を見つけることが重要なニーズとなっています。 間違いなく、自動運転車業界は、数十年前には空想もできなかったレベルの自動化や自律化が可能であることの証明に大きな貢献を果たしました。自動運転車を実現させたセンシングやコンピューティングの進歩は、航空産業が空の自動運転開発にも貢献するでしょう。 SEMI:エアタクシーは高度なセンサー技術が必要ですが、どんなセンサーが最も開発が困難でしょうか。 Speranzon氏:現在のバッテリーシステムを使った航空機では、標準的な飛行機に積まれているセンサーのサイズや重さ、必要電力に全く対応することができません。そこで、センサーシステムの寸法・重量・消費電力を減少させる仕事があります。 一例としてHoneywellでは、多目的レーダーを開発しています。このIntuVue RDR-84Kはペーパーバック本ほどの大きさしかありません。これひとつで、交通量や地形、天候までも検知できるよう、エアタクシーや貨物用無人航空機のために特別に設計しました。 しかし、現時点では、非常に複雑な判断を下すのは人間のパイロットであり、人間の目には限界があるにもかかわらず、多くの複雑な状況で人間の目を頼りにしています。 また、自律飛行するエアタクシーや類似の機体にカメラを組み込もうとする動きも高まっています。カメラは、霧や雨、暗所の影響を受けるため単独では使えません。しかし、カメラは軽量かつ安価で、電力もほとんど消費しません。そのため、RDR-84Kのような互換性のあるレーダーシステムと組み合わせれば、非常に有効な手段となるのです。 これらのセンサーは、航空宇宙産業に新たな機会をもたらす一方で、いくつかの大きな課題も抱えています。 例えば、現在の画像処理の最先端のアルゴリズムは、ディープニューラルネットワークと呼ばれる機械学習アルゴリズムで、これにより画素データから高度な情報を抽出することができます。 しかし、航空機の認証という点で、このアルゴリズムに高いハードルが立ちふさがります。認証を受けた航空機で、この種のソフトウェアが搭載された前例はなく、規制当局がニューラルネットワークベースのソフトウェアコンポーネントをどのように認証するかは不明です。 開発者は、これらの新しい機械学習アルゴリズムを使用せず、標準的なコンピュータビジョン手法を使用することもできます。しかし、そうした場合も開発者は、ソフトウェアにバグがないと宣言するために十分な画像の種類と量を決定しなければなりません。 同じ問題がレーダーにも発生します。将来のエアタクシーの自律性モジュールには、レーダーから直接的にデータが供給されるようになるからです。 従って、短期的にはセンサーの小型化・軽量化という課題に取り組む必要があります。しかし、それと並行して、カメラやレーダー使って最高水準の安全性と自律的な意思決定を両立する機械学習の新しい活用方法を開発することも必要なのです。 SEMI:エアモビリティの自律飛行は、地上での自律走行よりも難しいでしょうか。 Speranzon氏:どちらもチャレンジングですが、その内容が違います。 地上での自律性は、特に自律走行車のことを考えると、車の「通常」の動きが非常に複雑であるため、困難だと言えます。 私たち人間は、公共の道路網を使ってA地点からB地点まで何の迷いもなく運転することができます。しかし、機械にとっては、道路を運転する人々の多様性、時には予測不可能な行動、変化する天候、移り変わる環境などが大きな困難を引き起こします。私たちにとって通常の運転が、機械にとっては解決困難な問題なのです。 しかし一方で、地上の自律走行における「異常」のシナリオは、複雑ではあるものの、「通常」のシナリオと比べて桁違いとはなりません。自動車は、衝突を回避したり故障に対処するために、ブレーキをかけて停止したり、車線を変更したり、道路の脇に移動したりすることが可能です。 自律飛行の場合は、通常と異常のシナリオが極端に違います。 通常の飛行では、航空管制官と他の航空機との間の通信など、既存の航空インフラの一部を利用することが可能です。エアタクシーは、A地点からB地点へ移動する際に、事前に設定された経路と長年にわたって確立された飛行手順に従うことができるのです。これは、自律性よりも自動化に近いでしょう。そのため、通常の飛行条件は、かなりシンプルなものとなります。 しかし、事故や緊急の場合に航空機が直面する状況は、通常のシナリオとは桁違いに複雑になります。飛行機は簡単には停止できません。1,000~2,000フィートの上空、もしかすると賑やかな都市の上空にいるかもしれないのです。 人間のパイロットは、こうした緊急事態に対処できるように厳しい訓練を積んでいます。2009年の「ハドソン川の奇跡」の着水の裏には、数分の1秒の判断と飛行技術があったのです。自律飛行システムに、正しい判断と緊急時の行動をさせるのは、非常に大きな課題です。また、自律飛行システムは、航空業界の非常に高い基準を満たすが求められます。現在のところ、自律航空機が適合すべき認証ルールすら確立できていません。 SEMI:エアタクシーに乗れるのは、いつ頃だとお考えですか。 Speranzon氏:エアタクシーの配備が始まるのは2025年頃からでしょう。人間のパイロットが搭乗しますが、コックピットは現在のものよりインタフェースがシンプルになります。この第1段階では、離着陸を容易にし、飛行ルートの混雑を回避する技術が搭載されます。これによって、経験豊富なパイロットの必要性が減り、航空業界全体のパイロット不足が解消されると考えています。 完全な自律飛行をするエアタクシーが登場するのは、2030年以降になりそうです。最初のうちは、飛行は好天の日が多い地域に限定されるでしょう。自律航空機業界はこの戦略を採用し、ほとんどの場合、乾燥した晴天の気候地域で計画を進めています。しかし間もなく、「全天候型」のシナリオでの運用が始まり、同じ空域内での航空機の数も増えていくでしょう。 完全に自律した旅客機を実現するための重要な足がかりとなるのが、完全に自律した貨物ドローンの成功です。軽量荷物の輸送は2022年か2023年に初期導入が行われ、2024年から2025年には、重量荷物の輸送が可能な大型エアモビリティが導入されるでしょう。 導入時期はどうあれ、今は非常にエキサイティングな時代です。航空業界は、新しい航空機メーカー、新しい技術、そしておそらく私たちがまだ夢にも見ていないような新しいアプリケーションが起こす革命を、目撃しつつあるのです。 Honeywellの都市型エアモビリティと無人航空機に対する仕事の詳細は、www.aerospace.honeywell.com/uam をご覧ください。 Alberto Speranzon氏は、Heneywell Aerospace Advanced Technologyのフェローです。2006年にスウェーデンの王立工科大学(KTH)で電気工学の博士号を取得。Honeywellに入社して以来、都市型エアモビリティの自律システムのさまざまな開発に取り組み、プログラムマネージャーや主任研究員として研究分野をリードしてきました。IEEEシニアメンバーであり、IEEE Control Systems SocietyのBoard of Governorsのメンバーでもあります。 ニシタ・ラオはSEMIのプロダクト・マーケティング・マネージャーです。 原文はこちら:https://www.semi.org/en/blogs/technology-trends/Honeywell-Aerospace-urban-air-mobility
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在宅勤務が始まって1年が経過しましたが、まだ多くの人がリモートワークを続けており、当面は変化がなさそうです。ライブの展示会や技術セミナーは次々と中止され、バーチャルイベントが標準となりました。そして、テレカンファレンスはひとつの生活様式となっています。 自分たちの仕事を誇張することになるかもしれませんが、リモートワークへの移行が比較的スムーズで容易なものになったのは、私たちに半導体産業があり、そのシステム設計から製造、システムインテグレーションまでの長期にわたる実績があったからです。場合によっては、仕事ができるホームオフィスを用意し、接続が途切れがちなテレビ会議に移行し、それを日常化するまでには時間が掛かったかもしれません。それにもかかわらず、多くの人が生産性を高めることができ、場合によっては行き過ぎにもなったほどです。世界のエレクトロニクス製品を支える半導体産業は、創造性と革新性に加えて、創意工夫と気概をもって貢献しています。 もちろん、10年前にもリモートで仕事ができたかもしれませんが、効率は及びません。この10年間に経済はクラウドに移行し、世界市場で新たなビジネス機会が生み出されました。これらの機会を可能にしたのは、電子システムのサプライチェーンであり、また半導体技術と電子製品のイノベーション、そしてこれを結びつけるソフトウェアプラットフォームを考え出した人々でした。テレビ会議のZoomはその好例であり、エンターテインメントの源であるNetflixや、ゲーム作成プラットフォームのRobloxもそのひとつです。Facebook、Twitter、LinkedInなどで、私たちは情報を探し、連絡を取り合います。Amazonはオンラインショッピングを提供し、GrubHubは夕食をデリバリーします。これらはすべて、クラウドコンピューティングに依存しており、半導体産業からの恩恵を受けています。 もうひとつの例が、半導体を利用したデータセンターが昨年処理したデータ量です。米調査会社IDCによると、自宅での仕事、学習、エンターテイメント需要が劇的に増えたことで、64.2ゼタバイト(ZB)のデータが作成または複製されました。(IDCの改訂版世界データ作成・複製量モデルは、2020年から2025年に年率23%でデータ量が増加すると予測しています。半導体業界がこの成長への対応に取り組むことは確実であり、おそらく新しいAIチップが投入されることになるでしょう。) 私たちのコネクティビティは、最大限の低消費電力化がされたスマートフォンや、非常に複雑な設計のチップのパフォーマンスによって支えられています。この10年間で、設計ツールは強化され、新しい設計方法が導入され、高帯域、低遅延、低消費電力、小面積が要求されるアプリケーションに対応した複雑なチップへのニーズに対応してきました。製造業では、スマートマニュファクチャリング構想のもと、より高い自動化を目指して装置の再編が行われ、パッケージングもインテグレーションが進み、2.5Dおよび3Dパッケージの展開により高度化をしています。 私たちの成功を振り返ってみましょう。半導体業界には、その誕生以来、ブレークスルー技術を生み出してきた伝統があります。コンピュータ歴史博物館によると、1971年に最初のPCが発売されたことが、コンシューマ電子機器ブームの発端となりました。1986年に登場したラップトップPCは、2007年にはノートPCに、2002年にはユビキタスなスマートフォンに姿を変えました。こうした爆発的な進化の推進力となったのは、コンピュータネットワーク、大規模データセンター、クラウドの構築でした。それ以来、全てが変化の中にあります。 今度、私たちがノートパソコンの電源を入れ、快適なスウェットを着て人間工学に基づいた椅子に座り、遠隔地のホームオフィスから最新のテレカンファレンスのリンクをクリックするとき、この業界の偉大な功績を称えるために少し時間を取ってはいかがでしょう。そして、あらゆる人の貢献に感謝し、それから次に何が来るのかを考えてみましょう。 著者について ロバート(ボブ)・スミスは、SEMIの戦略的アソシエーションパートナーのESD Allianceの専務理事です。半導体設計エコシステムで製品およびサービスを提供する企業の国際工業会であるESD Allianceの管理運営を担当しています。 原文はこちら:https://www.semi.org/en/blogs/technology-trends/semiconductor-industry-tribute
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新型コロナウイルス感染症の病原体SARS-CoV-2が引き起こしたパンデミックにより、2021年3月現在、世界で1億人以上が感染し、260万人以上が死亡しています。このウイルスは主に、感染者が咳やくしゃみ、さらには息をした際に発生する呼吸器からの飛沫を介して人から人へと伝染することが実証されています(参照1-3)。こうした飛沫は、そばにいる人の目や鼻や口に入り、あるいは、物の表面に付着して、それに触れた人がさらに目や鼻や口に触れることでウイルスを伝搬します。 ウイルスは直径0.06~0.14ミクロンと小さいため、呼吸器から放出された飛沫には多数のウイルスが混入、あるいは付着しています。直径1ミクロンの飛沫でも、感染症を引き起こすのに十分なウイルス量を運ぶことができるのです。特に懸念されるのは、空気中の飛沫に換気システムが作用して、病原体の伝播が促進される可能性です。これは、状況に応じた安全距離や、建屋のろ過システム、エアディストリビューション、暖房、空調、除染システムの設計に関係をします。半導体製造のクリーンルームは特殊な例となり、汚染を最小限に抑えるためのシステムや手順が特別に設計されています。 4,400億ドル規模の世界の半導体産業は、半導体チップの製造にクリーンルームを必要としており、ここで製造されたチップは、数兆ドル規模の世界の電子システム産業を支えています。電子システムは、医療、仕事、金融、娯楽、交通、電力など、社会のあらゆる面にわたって重要な役割を担っています。そのため、世界的に増加する半導体需要に対応するためには、生産性を維持しながら作業者の健康を守れるよう、クリーンルームの安全な運用方法を理解することが重要になるのです。業界の指針となるようにパーティクルと飛沫の移動を、モデリング、シミュレーション[参照1-3]、実験[参照4]によって分析した研究について、本稿ではご紹介します。 モデリングとシミュレーション 研究のこの部分では、咳から発生したパーティクルの分布の時間変化をシミュレーションする数理モデルが開発されました。モデルを使うことで、重力と空気抗力の影響を受けたパーティクルの飛散範囲,分布,沈降時間が明らかになりました。これによって、大きなパーティクルは移動距離が大きく沈降が早いのに対し、小さなパーティクルは移動距離が短く浮遊時間が長い(ただし周囲の気流によって遠くまで運ばれる場合がある)という定性的傾向に加えて、定量的な移動距離と沈降時間という、職場でのソーシャルディスタンスの確保や安全手順を構築に必要なデータが得られました。図1は、モデリングとシミュレーションの結果の例です。 図1:マスクを着けた人と着けない人の咳から飛散するパーティクルのモデル (参照1) 以下にモデリングとシミュレーションから得られた重要な知見をあげます(参照1)。 大きなパーティクルは(弾道学的に)移動距離が長く早く沈むが、小さなパーティクルは移動距離が短く沈むのは遅い(周囲に外部からの気流域がない場合)。 小さなパーティクルはシミュ―レーションの設定時間(参照1では4秒)では沈まない。長時間のシミュレーションを実行したが、小さなパーティクルのミストは、(理論的に予測されたように)数分後も浮遊したままであった。強い向かい風があると、小さなパーティクルは逆方向に移動するが、やはり長時間漂いつづける。これは、他の人に胴体の高さで接触する可能性があり、最も危険な状況である。 一般的な抗力と重力の比率は、高速度では抗力が運動を支配することを示している。 一般的な咳の場合、パーティクルの動きや咳による周囲の気流の変化が重要になる状況が考えられる。 この研究が示した重要な結論は、感染対策は、空間と時間の両面から対処しなければならないということです。つまり、ウイルスの移動距離に基づいたソーシャルディスタンスをとることが必要ですが、気流の状況によってウイルスがその場所に留まる時間を考慮することも重要となります。このような時空間パターンを正確に把握することで、企業は労働者の感染を防ぐ換気システムや除染システムを正確に設計(または再設計)することができるでしょう。この分析のもう一つの側面は、接触者の追跡(参照2)や除染(参照3)に関連したものです。シミュレーションなどの詳細は、https://msol.berkeley.edu/publications/ をご覧ください。 実験 コロナウイルスの主な感染経路は、咳や会話、息をする際に排出される呼吸器系の飛沫であり、安全対策の有効性は、この飛沫の飛散状況を正確に把握することにかかっています。パーティクルという用語は、移動を開始する時は個体である物体を表します。飛沫という用語は、最初は液体である物体に限定されますが、飛沫が蒸発して非蒸発性物質の固体パーティクルに変化することがあることに注意する必要があります。 今回の研究では、Cal Covid Cube(C3)という専用の部屋を設置して利用しました(Thatcher他、参照4)。C3は、内側の寸法が高さ232cm,長さ376cm,幅284cmの直方体の部屋です。実験結果を科学的・実用的に意味のあるものにし、再現性を持たせるためには、実験装置を注意深く制御し、校正することが不可欠です。 そのために以下のような注意を払いました。 静電気フリー:放出された固体パーティクルの正確な沈着パターンを得るためには、静電気の影響を排除する(または徹底的に知る)ことが重要です。静電気からの影響は、パーティクル間の相互作用(浮遊中の動きに影響)またはパーティクルと表面間の相互作用(沈着パターンに影響)に現れます。表面への沈着に対する影響を排除するには、 (1)イオン化した非導電材料の粘着性サンプリングストリップ、(2)アースをしたアルミで裏打ちしたカーボン製サンプリングストリップの2つの方法が有効であることがわかりました。 等温状態:C3にはウォークイン型冷凍庫を転用しており、断熱材は10.5~13cmの厚みがあり、建屋の四方の壁から5m以上離れた中央部にあります。温度の均一性を確認したところ、C3の室温は測定精度の範囲内で等温であることがわかりました。 静止状態:室内に制御できない熱対流が自然発生しないことを確認しました。静止状態は、熱線による流速計測と自由落下するパーティクルの挙動観測の両方で確認されました。 等電位状態:C3の壁とドアの外表面と内表面には導電性のアルミニウムまたはステンレスを使用し、銅テープによってドアおよび内外装パネルを確実に電気的接続しました。電界を調査したところ、測定器の精度の範囲内で無視できることがわりました。 その他の設計要素:散乱光を抑え、画像計測の背景を均一にするため、室内のすべての表面に黒のマット塗装を施した。振動を抑えるため、部屋は1階に設置されました。 繰り返し性:実際の咳やくしゃみからの放出をエミュレートし、標準となる乱流噴流に対する咳型の放出における飛沫の挙動をよく理解するために、次の幾何学的放出形状を研究しました。 ① 真っ直ぐな円形パイプ ② 90度に滑らかに曲がったパイプ(カーブの半径はパイプ長に応じて変化) ③ 実際の気道、口・舌の構造を備えた挿管トレーニング用人形 C3に置かれた挿管トレーニング用人形の実験セットアップを図2に示します。パーティクル/飛沫の放出は緑色に見えるサンプリングストリップに沈着した後に計測されました。 図2:C3の実験セットアップ。アースをした導電性グリッドに電荷中和したサンプリングスプリット(白だが緑に見える)と導電性サンプリングスプリット(黒)を配置(参照4) 実験には液体の飛沫と固体のパーティクルの両方を利用しました。飛沫については、蛍光を利用した沈着分析法を検討し、その可能性を見出しました。パーティクルについては、わずかな熱勾配や静電気が与えるデータへの影響を検討し、これらの問題に対処する実用的な方法を開発しました。周囲の空気の流れが速く、非導電性の表面が急速に帯電するクリーンルームのような環境でも、静電気の影響を受けずに正確に測定するために、クリーンルームに持ち込むことが可能な、導電性がありアースをとったカーボンテープベースのサンプリングストリップを開発しました。分析には、市販のネガフィルムスキャナーを使用し、ブラインド・デコンボリューション・アルゴリズムによる画像補正を行うことで、費用対効果の高い方法を開発しました。図3は、弾道飛行物、エアロゾル、その中間の各領域のパーティクルについて、沈着位置のサンプリング結果の中心線を示しています。 図3:実験結果(Thatcher他、参照4) 以下は実験作業から得られた主要な知見です。 妥当性検証試験では、室内の静電効果と温度勾配のいずれもが、通常よりも敏感に影響した。 弾道サイズのパーティクルのモデリングでは、初期速度のばらつきを考慮することが重要である。 すべてのサイズのパーティクルについて、過渡状態と定常状態のシミュレーションを行うと、予測される粒子の広がりに大きな影響を与えます。 パーティクルの飛行経路にいる人間からの熱上昇気流だけで、50ミクロンのパーティクルが部屋中に広がる可能性がある。状況によっては、最大6メートルの移動が観測された。 飛沫の蒸発には、相対湿度と温度が大きく影響する。現実的な結果として、低湿度では、他の条件が同じであれば、パーティクルはより遠くへ到達する。(パーティクルが収縮してエアロゾル領域に入ることが理由) 以上のように、シミュレーション、モデリング、実験によって,パーティクルと飛沫の移動の系統的分析を実施しました。その中で開発された安定的した、精密かつ繰り返し性の高い手法により、世界の半導体クリーンルームの安全なオペレーションと生産性をサポートする有意義な知見を導き出すことができました。さらに、研究成果は、現在および将来のパンデミックから人の健康と経済を守るための換気システムおよび汚染除去システムの設計(または再設計)にも役立ちます。この記事では、研究の概要を紹介しましたが、詳細については、現在発表を準備中の一連の科学論文で明らかにする予定です。 本研究に対する以下の皆様(敬称略)からのご支援に感謝いたします。 Lam Research Corporationからの寄贈 SEMIがコーディネートしたAdvanced Energy Industries、Applied Materials、ASM、Entegris、JSR、KLA、TEL、Wonikからの寄贈 カリフォルニア大学CITRISおよびバナタオ研究所からの「2020 Seed Fund」賞 Vision Researchからのパーティクル速度の定量化のためのv2640カメラの提供 C3で実験を行った大学院生のEric ThacherとTvetene Carlson ローレンス・バークレー国立研究所のBrett Singer、Thomas Kirchstetter、Michael Sohn、Chelsea Prebleの飛沫の移動とCOVIDに関する貴重な意見、Keith Hansenのパーティクルサンプリングと電荷中和に関する意見 COVID-19への対応に焦点を当てたDOE国立研究所のコンソーシアムであるNational Virtual Biotechnology Laboratoryを通じたDOE Office of Science(コロナウイルスCARES法による資金提供を受けている Steven RuzinとBiological Imaging Facilityからの、パーティクルカウント法の検証に必要な高品質の蛍光顕微鏡スキャナー入手への支援 参照文献 Zohdi, T.I. (2020) Modeling and simulation of the infection zone from a cough, Computational Mechanics. https://doi.org/10.1007/s00466-020-01875-5 Zohdi, T.I. (2020). An agent-based computational framework for simulation of global pandemic and social response on planet X, Computational Mechanics. https://doi.org/10.1007/s00466-020-01886-2 Zohdi, T.I. (2020) Rapid simulation of viral decontamination efficacy with UV irradiation. Computer Methods Appl. Mech. Eng. https://doi.org/10.1016/j.cma.2020.113216 Thatcher, E., Carlson, J., Castellini, J., Sohn, M.D., Variano, E. and Makiharju S.A. (2021) Droplet and Particle Methods to Investigate Turbulent Particle Laden Jets (in preparation) 執筆者 Evan A. Variano, Professor, Environmental Engineering, UC Berkeley Simo Mäkiharju, Assistant Professor of Mechanical Engineering, UC Berkeley Tarek I. Zohdi, Will C. Hall Endowed Chair of the UCB Computational Data Science Engineering Program, Professor of Mechanical Engineering, UC Berkeley Pushkar P. Apte, Director of Strategic Initiatives, Center for Information Technology Research in the Interest of Society (CITRIS) and the Banatao Institute, UC Berkeley; and Strategic Technology Advisor, SEMI 原文はこちら:https://www.semi.org/en/blogs/technology-trends/particle-droplet-transport-analysis
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人間の脳は、わずか1秒の間に1,100万ビットの情報を処理しています。脳はめまぐるしく回転しているようですが、そうでしょうか?実は、そのうち意識されて脳を通過する情報は、ごく一部の40ビットにすぎません。大部分の情報は、意識下で処理されているのです。例えば、呼吸、心拍、消化などの自律神経系機能は、私たちが気づきもしない間に、体を動かしています。 このような無意識のデータ処理が、他の人の年齢、性別、民族、人種、身体障害などに基づく偏見に根ざし、私たちの視点や判断を決定することになると、問題となります。これが職場で人に対する不公平な扱いにつながるなら、さらに重大な問題となります。 ON Semiconductorでダイバーシティ、インクルージョン、タレント部門のシニアディレクターを務めるAlicia Scott氏は、無意識の偏見と無縁ではありません。彼女は、それが人間の行動にどのような影響を与えるかを良く学んでおり、男性優位のビジネスであるハイテク業界で働く黒人女性として、身をもって体験をしています。 2月に開催されたFLEX Conference 2021で、ハイテク業界の多様性を促進するために講演したScott氏は、昨年、あるベンダー候補と電話で提案書を検討したときのことを語りました。その際、ベンダーの担当者は彼女の声から女性と話していることに気づき、彼女の上司も入れて、別の機会に提案書を検討できないかと尋ねました。 そのベンダーは全く悪意なく、Scott氏の上司が男性であると思い込んで「彼」は来週時間が空いているかと尋ねたのですが、これは性的偏見の教科書的な事例です。 Scott氏の最近の昇進に際して、同僚は彼女が出世の階段を昇ったことを祝福し、それから、ON Semiconductorが職場の多様性目標を達成するための昇進ではないかと尋ねたのです。昇進への偏見という形で盲点があらわになりました。 また、Scott氏自身も、感情に流された偏見(親近感バイアス)を自身に感じたことがあると言います。あるとき、採用が必要なポジションに応募された履歴書をチェックしていると、自分の母校を卒業した候補者を見つけたのです。学校での経験を共有できると思い、彼女はわくわくしました。この会社では、採用担当者が共通の経歴を持つ候補者を好む自然な傾向を避けるため、複数の面接官による面接を導入して、候補者の資質をバランスよく客観的に審査するようにしていました。その結果、Scott氏の目に留まった候補者ではなく、最も優秀な資格を持つ候補者が採用されました。 無意識の偏見がキャリアステップに影響 無意識の偏見は、採用、昇進、リーダーシップなど、あらゆるキャリアステップで表面化する場合があるとScott氏は言います。Harvard Business Review誌の調査によると、アジア系の求職者がアジア風な名前を履歴書や職務経歴書に記載した場合、連絡が返ってきたのはわずか11.5%だったそうです。アフリカ系アメリカ人の場合、状況はさらに悪くなります。黒人の応募者が履歴書に民族を記載した場合、採用担当者が連絡を取ったのはわずか10%でした。応募書類から民族名を削除したところ、黒人の25%、アジア系の21%が採用担当者から連絡を受けるという結果になりました。 職場の多様性を推進する世界的なアドボカシー団体であるLeading Nowによると、無意識の偏見は、企業における女性の役員昇進の障壁ともなっています。その理由のひとつは、過去40年間にわたって、女性へのキャリアアドバイスが、新入社員から中間管理職への昇進支援を目的としとおり、役員昇進は対象外だったことにあると、調査結果のハイライトをあげて指摘しました。 McKinsey Companyが最近実施した調査「Women in the Workplace」では、管理職に昇進する男女比率は、男性100人に対し女性は85人にすぎないとの結果が出ており、Leading Nowの調査結果を裏付けています。また、すべての業界全体では、管理職の男性の62%に対し女性は38%にとどまっています。男性が支配的なハイテク産業では、女性の管理職の割合はわずか24%です。 体格的な問題も、トップ昇進を左右します。大企業の男性CEOの平均身長は6フィート(183cm)であり、CEOの90%は平均身長を上回っています。背の高い男性は、背の低い男性よりも昇進頻度が高いのです。 無意識の行動を改める 無意識の偏見をなくすためには、NeuroLeadership Instituteが開発した、脳を使ったSEEDSモデルを利用するのが一番の近道かもしれません。このモデルでは、150種類以上ある無意識の偏見を、意思決定に大きな影響を与える5つのタイプに分類し、その予防策を提示します。例えば、会社員であれば、自分とは異なる印象の人との共通点を見つけようと試みたり、経歴の異なる人への理解を深めるために情報を集めたり、自分との類似性(similarity)、即決性(expedience)、自己経験(experience)に対するバイアスによって客観的な判断が妨げられないよう他者の視点を求めたりすることができます。 重要なのは、組織が無意識の偏見を克服するためのプロセスを導入することだとScott氏は述べました。従業員リソースグループ(特性や経験に共通性のある従業員のグループ)活動や無意識の偏見に関するトレーニング実施といった草の根的な取り組みは、多様性のある職場文化の育成につながります。また、経営陣レベルでは、CEOをはじめとするビジネスリーダーがダイバーシティのロールモデルとなり、文化的障壁の克服へ向けて体系的に取り組むことができるでしょう。 報酬は明らかです。ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みが人事やビジネスプロセスと統合されればされるほど、企業はより多くのイノベーションを推進し、より良いビジネス成果を得る可能性が高くなります。Scott氏は、Deloitteの調査結果を引用して、「無意識の偏見に配慮していない組織と比較して、ダイバーシティ&インクルージョンの考え方を持つ企業は、財務目標を達成または超過する可能性が2倍、革新的で機敏な活動を行う可能性が6倍、高いパフォーマンスを発揮する可能性が3倍、より高い業績を達成する可能性が8倍になる」と述べました。 ダイバーシティを重視した企業文化を構築するには何から始めればよいかを考えるとき、最も重要なのは、最初の、私たちの脳の力のほんのわずかしか思考には使われていないことを認識するステップだと気づく場合もあるでしょう。 「私たちは皆、自分が無意識のうちに偏見を持っていることを認めなければなりません。これは私たちが莫大な情報を処理する方法の一部であり、私たちの生態の一部なのです」とScott氏は言いました。 SEMIのダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン SEMIのダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンチームは、組織が無意識の偏見を改めるよう挑戦しています。SEMI Foundationの活動をフォローし、重要な会話(crucial conversation)に参加することで、その方法を学ぶことができます。 マイケル・ホールは、SEMIのマーケティング・コミュニケーション・マネージャーです。
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SEMIのEHS(Environment, Health and Safety)COVID-19ワーキンググループの仕事は、業界のEHS問題に取り組み、ベストプラクティスを共有することですが、ワクチンの接種が続く中、COVID-19自体の状況と同じく急速な変化を見せており、通常の状態への復帰へ新たな希望を呼び起こしています。 このワーキンググループの活動は、マスクや除菌用シート・スプレーの不足といった緊急課題への対応から、企業が従業員の職場復帰に備えるための支援や、従業員や訪問者の安全を確保するための現場での健康スクリーニング手順の策定にまで発展してきました。 SEMI EHS COVID-19ワーキンググループでは、COVID-19の進行状況や業界への影響を把握するために隔週でミーティングを続けており、以下のような議題が取り上げられています。 ワクチン接種 米国のSEMI会員は、州や郡のワクチン供給の進捗状況を監視しています。これまでのところ、エレクトロニクス産業のエッセンシャルワーカーでワクチン接種の対象となった人はいません。エッセンシャルワーカーへのワクチン割り当て状況を調べるために、外部コンサルタントを雇って段階的導入を監視している企業もあります。SEMI EHS COVID-19ワーキンググループは、メンバーが従業員の職場復帰の計画を立てられるよう、情報を収集して一元化する予定です。 施策 製造現場では、一部の従業員がマスク着用やソーシャルディスタンスの施策に無頓着になっていることが報告されており、パンデミックが収束するまで遵守するよう、経営陣から注意喚起の連絡がされたとのことです。上層部は、従業員にワクチンの対象となったら接種を受けるよう奨励しており、会員企業の中には、従業員やその家族がワクチンを接種するために、従業員に有給休暇などのインセンティブを与えているところもあります。 接触者追跡 昨年のCOVID-19の大流行以来、接触者の追跡に力が注がれ、スマートフォンのアプリケーションやウェアラブルを使った人の動きを追跡する様々な取り組みが行われましたが、ウイルスの拡散を抑制するための標準的な追跡技術は登場していません。SEMI会員は、現場で働く従業員の行動を追跡しようと、Bluetoothから広帯域の電波を発するウェアラブルまで、さまざまな技術を試してきました。しかし、ウェアラブルによる追跡は正確ではありませんでした。他に良い方法がないため、SEMIのメンバーの大半は、時間のかかるマニュアルでの追跡を行っています。 OSHA適合 米国労働安全衛生局(OSHA)がCOVID-19関連の新しい規制を発表するペースを上げている一方で、パンデミック関連の現場検査は遅れていると、SEMIのワーキンググループメンバーが報告しています。カリフォルニア州では、OSHAカリフォルニア州支局がCOVID-19準備計画(COVID-19 Preparedness Plan)を先ごろ可決しました。この計画では、職場でのクラスター発生防止、労働者への個人用保護具の提供、頻繁な検査の実施に対する雇用者の責任を定めています。カリフォルニア州の計画は、パンデミック発生時に実施された米国疾病管理予防センター(CDC)の勧告を反映したものとなっています。 SEMI EHS COVID-19ワーキンググループへ参加するには、SEMIのEHSチーム([email protected])までご連絡ください。 オリビエ・コルヴェスは、SEMIのEHSおよびサステナビリティ担当シリアマネージャーです。 原文はこちら:https://www.semi.org/en/blogs/technology-trends/semi-ehs-covid-19-working-group-updates-vaccinations-policy-enforcement-contact-tracing-osha-compliance
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血管疾患の新しい治療法、農業生産の最適化、ウェアラブル・デバイスやフレキシブル・ディスプレイの性能向上-2月下旬に開催された第20回となるFLEX Conferenceにおける学生ポスター展示で、フレキシブル・エレクトロニクスを進化させる斬新なアイデアの中から、世界をより良い場所にすることを目指す4人の大学生が、Innovations of the Future賞を受賞しました。 4人の若きイノベーター達が取り組んでいるプロジェクトはどれも、近い将来、私たちの生活に影響を与える可能性のあることが明らかです。彼らの研究は、フレキシブル・エレクトロニクスの製品、デバイス、基礎研究の発展に欠かせないものです。 この賞に応募した17名の学生が作成したポスターは、業界の様々な分野の専門家によって審査されました。ポスターには、フレキシブル・ハイブリッド・デバイスが可能にする幅広いアプリケーションが反映されており、ウェアラブル、医療機器、精密農業などの技術をカバーしていました。 Innovators of the Future Award受賞者 ジョージア工科大学のRobert Herbert氏は、論文「Smart and Connected Stent System with Nanomembrane Soft Sensors for Wireless Monitoring of Hemodynamics(ナノ膜ソフトセンサーを備えたネット接続したスマート・ステント*・システムによる血行動態のワイヤレスモニタリング)」で第1位を受賞しました。血管疾患は世界の死亡原因のトップであり、全死亡者数の30%以上を占めます。早期診断と血圧・流量のモニタリングは、その効果的な治療に不可欠です。Herbert氏のポスターでは、低コストで、侵襲性(人体を傷つける程度)が低く、症状をより明らかにするセンサーシステムが紹介されました。このシステムは、誘電性のステントと静電容量式圧力センサーを備えた柔軟性のあるワイヤレス・バイオセンサー・システムを使用します。(*ステントは、血管などの狭窄部を内側から広げる医療器具) レーザー加工されたステントは、従来の血管用ステントと同様の機械的特性を維持しながら、無線通信のための誘導コイルとしても機能させるために、多層材料を使用しています。ステントとセンサーシステムは、従来のカテーテルを使用して簡単に設置することができます。同氏の発表はこちらで視聴できます。 パデュー大学材料工学部のJose Waimin氏は、農業生産におけるイオン濃度、水分、pH、微生物活性、その他の重要な測定項目をリアルタイムでモニタリングすることで、環境への影響を軽減しながら作物の収量を最適化する方法を示し、第2位受賞者2名のひとりとなりました。 彼の研究は、さまざまなアプリケーションで使用できる低コストで柔軟なセンサーを製造するためのスケーラブルな代替案を提示しました。電極はRoll-to-Roll (R2R)プロセスで製造され、デバイスあたりのコストを非常に低く抑えた高速生産を可能にしています。同氏の発表はこちらで視聴できます。 ビンガムトン大学先端マイクロエレクトロニクス製造センターのBenham Garakani氏は、「Electromechanical Behavior of Flexible Silver Paste and Highly Stretchable Liquid Metal for Wearable Electronics(ウェアラブルエレクトロニクス用柔軟性銀ペーストと高伸縮性液体金属の電気機械的挙動)」という論文でもう1つの第2位を獲得しました。Garakani氏は、高密度ポリエチレン(HDPE)繊維や熱可塑性ポリウレタン(TPU)などの不織布基板を用いて、信頼性が高く快適なウェアラブル・デバイスの製造を改善し、性能と機能性を高める方法を探りました。 彼はまた、HDPE繊維にスクリーン印刷された銀配線と、TPUにステンシル印刷された液体金属(Ga-In-Sn合金)の等温疲労サイクル中の電気機械的信頼性についても調査しました。同氏の発表はこちらで視聴できます。 ジョージア工科大学のSridhar Sivapurapu氏は、「Flexible and Ultra-Thin 30µm Glass Substrates for RF and mmWave Flex Applications(RFおよびミリ波フレックス・アプリケーション用の柔軟で超薄型の30µmガラス基板)」という論文で第3位を獲得しました。Sivapurapu 氏のポスターは、電気的性能を維持または向上させながら、フレキシブル・ディスプレイの機械的柔軟性を最大化するという需要の高まりに対応するものです。 彼は、フレキシブルRFアプリケーションでの極薄ガラス基板の実用性を決定する上で、電気的特性と機械的特性の両方に焦点を当て、極薄ガラス基板の110 GHzまでの電気性能をベンチマークしました。また、屈曲性試験中の電気的特性についても検討しました。同氏の発表はこちらで視聴できます。 Innovators of the Future賞は、フレキシブル有機エレクトロニクス技術とOTFT材料を開発するテクノロジープロバイダー、FlexEnable社が主催しています。 FLEX Conference 2021のすべてのプレゼンテーションは、2021年3月26日まで、イベントへの登録で閲覧可能が可能です。 Gity Samadiは、FLEX Conferenceの学生ポスター賞の共同議長であり、SEMI FlexTechのプログラムマネージャーです。 原文はこちら:https://www.semi.org/en/blogs/technology-trends/university-students-help-shape-flexible-electronics-innovation-at-flex-conference-2021
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自動車産業は変化をしています。車は電動化し、ネットにつながり、自動化しています。このトレンドが加速するにつれて、MEMSセンサーなどの車載半導体デバイスの設計や認定への影響も増しています。車載半導体設計者は、製品の仕様とそれへの適合性、そして長期信頼性に注意深い配慮をしますが、MEMSセンサーメーカーは、車の電動化や自動化によってもたらされたチャンスに、自動運転用の慣性計測ユニット(IMU)やEV用リチウムイオン電池の電池圧力監視センサーを開発することで、応えています。 最も複雑なMEMSデバイス 車載用MEMS IMUは、自動車の内部で使用される最も複雑なMEMSデバイスといえるでしょう。このタイプのIMUは、複数のジャイロスコープと加速度センサーの検出素子、および信号処理ASICを1つのパッケージに統合したシステム・イン・パッケージ(SiP)となっており、回転運動ではヨー、ロール、ピッチ、直線運動では横、縦、縦の最大6自由度(6DoF)を測定できます。 自動車の運動方向 レベル3以上(SAE定義による)の自律性を持つ車両では、カメラ、レーダー、ライダーなどのセンサーが障害を起こした場合に、IMUが車両の軌道制御を引き継ぐことが必須となっています。このような場合は、IMUが速やかに車を安全停止させる誘導センサーとして機能します。また、IMUは自動運転中の車の規則的な挙動を制御するためにも使用されます。 IMUの技術は航空宇宙アプリケーションではすでに存在していますが、それを自動車に適応させるには大きな課題があります。車載用IMUには、自動車産業が受け入れられるコストで高性能を実現することが求められます。自動車のライフサイクルは長いため、MEMSセンサーのサプライヤーは、デバイスを長期間にわたって大量に生産する必要があります。また、センサーの性能と信頼性を10年から15年の寿命まで保証し、その間、センサーのメンテナンスや再校正が不要であることも求められます。このようなビジネスに参入する能力と意欲を持つMEMSサプライヤーはわずかしかありません。 電動化がMEMSセンサーの新たなアプリケーションを創出 内燃機関から電気モーターへの転換は、パワートレイン用MEMS市場にも影響を与えています。例えば、エンジン制御に使用される空気圧や燃料圧力の圧力センサーは、電動化によって単純になくなります。しかし、電動化された自動車に大型のリチウムイオン電池が使われるようになったことで、MEMSセンサーの新たな用途が生まれました。 リチウムイオン電池のリスクとして知られているのが、電池セルが熱暴走して火災に至る確率がわずかですが存在することです。電気自動車のバッテリーが発火する事故が複数報道されています。 熱暴走の影響 熱暴走現象は、1秒1秒が勝負です。このイベントをできるだけ早く検知することで、車両安全システムは、火災が差し迫っていることを乗員に警告し、火災の影響を軽減するための対策(消火器の起動や消防隊の要請など)をタイムリーに実行するために必要なあらゆる手段を講じることができます。 バッテリーパック内の圧力を測定することで、熱暴走が始まっている兆候を早期検知できることが研究でも報告されています。バッテリーセルのアウトガスに加え、急激な温度上昇により、バッテリーパック内の圧力が上昇し、圧力パルスが発生するのです。 このような圧力パルスを検出するためには、MEMS圧力センサーがパック内の圧力を常時測定する必要があります。また、大気圧の変化とは無関係に、圧力の不審な変化をバッテリー管理システムに報告しなければなりません。車両が完全に停止している場合でも、システム内の圧力異常を検出するためには、この種のセンサーを常にオンにしておくことが重要です。NXP社は、電気自動車におけるこの新しい安全アプリケーションに特化した圧力センサーを開発し、すでにいくつかの自動車メーカーがこのソリューションを使用しています。 NXPバッテリー圧力計測センサー 欠陥ゼロの探求 自動車業界の究極の目標は死亡事故ゼロですが、半導体業界やモジュールサプライヤが目標とするのは、半導体デバイス全点の欠陥ゼロです。AEC(Automotive Electronics Council:車載電子部品評議会)の半導体信頼性試験Q100に適合した安全重要MEMSセンサーの場合、デバイスを欠陥ゼロで生産し、信頼性を長期保証することが必要ですが、明らかにそれだけでは不十分なのです。 車載センサーの信頼性と堅牢性を高めるために、NXPはAbove and Beyond(AaB)という新しい手法を開発しました。これは、デバイスの認定や生産に先立って、高度な信頼性と堅牢性を研究するものです。リスク軽減分析に基づき、AaB手法では、不合格になることを前提とした過酷試験(test-to-fail)、コーナーロットの試験、新たなユースケース試験などの広範なテストを高度な統計を組み合わせて実施し、異なるパラメータの相互作用を明らかにします。センサーメーカーは、AaB手法をプロジェクト計画に組み込む必要があるため、プロジェクトの時間と経費が増加します。しかし、生産開始前にデバイスの弱点を検出して修正することができれば、この初期投資は利益につながります。一方、フィールドでの不具合は、計画外のデバイスの再設計や再調整を要する可能性があります。最悪の場合、莫大な費用がかかるリコールに発展することも考えられます。NXPでは、安全重要MEMSセンサーにAaB手法を体系的に採用していますが、それはAaB手法の潜在的なメリットがコストをはるかに上回るからです。 NXPのMEMSセンサーの詳しい情報を、ウェビナーシリーズ「MEMS to Market: Ingredients for Success」での講演「The Growing Importance of MEMS Reliability」をご覧ください(2021年5月5日)。シリーズの講演はオンデマンドでも提供されます。 著者紹介 自動車およびMEMSセンサー分野で約30年の経験を持つMarc Osajda氏は、NXP Semiconductorsで欧州の車載MEMSセンサービジネス開発活動を担当しています。 Osajda氏は、フランス国立高等芸術・職業訓練学校(ENSAM)で機械工学と電子工学の学位を取得しています。 原文はこちら:https://www.semi.org/en/blogs/technology-trends/whats-driving-changes-in-mems-sensors-for-automotive
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米国では、身に着けている服や靴のラベルに「Made in Vietnam」と印刷されているのに気づくことが増えています。1994年に米国がベトナムとの貿易禁止令を解いて以来、同国は衣料品と靴の対米輸出額が世界2位となっているのです。しかし、クリスマスプレゼントで贈られた電子製品に使われている部品やチップの輸出国とその複雑なサプライチェーンについては、それほど気づかれていないもしれません。 ベトナムでは、1980年代のドイモイ経済改革以来、軽工業が経済成長を支配してきましたが、最近の10年間は、世界のマイクロエレクトロニクス産業の支配的プレーヤーへと方向転換を図っており、米中貿易戦争をきっかけにその勢いを増しています。2019年には、の電気製品や部品の対米輸出額が世界4位にランクされました。過去4年間で輸出額はで倍増し、現在では190億ドルを超えて、台湾、日本、韓国を上回っています(HSコード85類で輸出された品目を基準とする)。ベトナムのエレクトロニクス産業は、今では世界の輸出額の約40%を占めていますが、その発展はまだ始まったばかりだと言えるでしょう。 初期の参入企業 ベトナムが半導体およびマイクロエレクトロニクス産業における海外直接投資(FDI)の誘致に成功し成長を遂げているのは、チャイナ・プラスワン、つまり投資を地理的に分散させるビジネス戦略が到来したおかげですが、10年前にベトナムを世界の舞台に立たせたのは、この新興市場に賭けた数少ない早期参入企業でした。 初期の参入企業の中でも、サムスンほどのインパクトを与えた企業は他にありません。2008年に北部バクニン省に6億7,000万ドルの携帯電話製造工場を設立したサムスンは、その後10年間でベトナム全国に173億ドルを投資しました。サムスンは現在、ベトナム最大のFDI貢献者であり、ベトナムの輸出の25%以上を占めています。サムスンのおかげで、ベトナムは世界第2位のスマートフォン輸出国となりました。 同じ頃、インテルはホーチミン市に10億ドルの半導体組立・テスト工場を開設し、ベトナムは世界のテクノロジー地図に確固たる地位を築きました。その後も、LG、パナソニック、Foxconnなどの海外企業が次々と参入したのです。SEMIが2013年と2014年にベトナム半導体戦略サミットを共催したことからもわかるように、これらの初期投資から数年以内にベトナムは業界の注目を集めるようになりました。SEMI SEAは、電子機器サプライチェーンの重要国としてベトナムをプロモートしており、今後も会員企業のベトナムでの成長と繁栄にプラスの影響を与えていくことが期待されます。 これらの初期参入企業がベトナムに魅力を感じたのには、いくつかの理由があります。その中でも、ベトナムの賃金水準の低さと、好ましい人口構造の組み合わせが重要です。国連はこれを「黄金の人口構造」と呼び、「ベトナムには他に類を見ない社会経済発展のチャンスがある」と評価しました。また、ASEAN自由貿易地域、CPTPP、EUとのFTA、最近ではRCEPなど、ベトナムが加盟する自由貿易協定(FTA)が増加していることも企業にとって魅力的です。米国はまだ貿易協定に調印していませんが、在シンガポール米国商工会議所の年次地域調査では、米国との二国間FTAパートナー候補としてASEANの中で最も魅力的な国にベトナムを挙げています。 貿易戦争を利用する チャイナ・プラスワン戦略がベトナムにおけるエレクトロニクス製造業の高まりの起爆剤であったとすれば、米中貿易戦争はそれを加速する活性剤となりました。東南アジアでは「米中貿易戦争は終わり、ベトナムが勝者になった」というジョークが良く聞かれますが、それは貿易・投資の動向を見ても明らかです。アジア開発銀行(ADB)によると、米中の反目は貿易の方向転換をもたらしました。2019年上半期に米国の中国からの輸入が12%減少したのに対し、ベトナムからの輸入は33%増加し、その増加分の大部分を電子機器や機械が占めたのです。ADBはさらに、貿易紛争が長期化・激化した場合、最悪のシナリオではベトナム、マレーシア、タイが 、この順で最大の勝者となると報告しています。 投資面では、2020年3月にGartnerが世界のサプライチェーンリーダーを対象に行った調査では、33%が 「調達・製造活動を中国から移転した、または今後2~3年以内に移転する予定がある」ことが明らかになっています。この調査では勝ち組を名指ししていませんが、ADBは「2019年1月~7月の期間に新たに登録された中国および香港からベトナムへのFDIが前年比200%増加した」ことを報告しており、中国のサプライヤーがベトナムに移動していることが分かります。さらに、最近の報道を見ると、Apple、任天堂、Dellのような企業は、各社のサプライヤーに対してサプライチェーンの一部をベトナムに移動するよう奨励しています。サプライヤーはこれに応じており、Compal Electronics(台湾)、GoerTek(中国)、HZO(米国)、Inventec(台湾)、Luxshare Precision Industry(中国)、Pegatron(台湾)、USI(中国)、Wistron(台湾)の各社はいずれもベトナムへの新規投資計画が報じられています。 ベトナムの製造拠点 ベトナム国内には、マイクロエレクトロニクス工場が集中している拠点地域がいくつかあります。南部では、ホーチミンのSaigon High Tech Parkが初期の参入企業であるIntelとSamsungを誘致し、日本電産やJabilといった企業がすぐに後に続いて投資をしています。しかし、最大の投資がされた地域は、ハノイを囲む北部地方です。ハノイから車で1時間の距離にあるバクニン省は、サムスンの最初の投資地であり、それ以来、Foxconnやキヤノンを誘致してきました。最近では、ベトナム第三の都市である港湾都市ハイフォンに企業は引き寄せられており、すでにSamsungとLGの本拠地ともなっています。同市は、他の製造業クラスターと隣接していること、水深の深い港が新たに建設されたこと、中国のエレクトロニクスの中心地である深センまで高速道路で12時間のトラック輸送できることで、ベトナムの新たなハイテク生産の中心的拠点となっています。 2019年にはLG Electronicsがスマートフォンの生産ライン全体を韓国からハイフォンに移し、2020年にはPegatronが10億ドルの投資計画で同市を選んだことが報じられました。また、国産帯電話メーカーVinSmartは、国内初の5Gスマートフォンをハイフォンで生産しています。11月には、台湾のASE Holdingの子会社であるUSIが、東南アジア初の生産工場の起工式をおこないました。ここで、ウェアラブル電子機器用チップの生産と組み立てを行い、2億ドルが段階的に投資されます。 USIの今回の投資は、国際的に管理されているハイフォンのDEEP C Industrial Zoneへの投資であり、「海外の顧客との距離を縮め、増加し続ける需要に対応することを目的としている」と同社の製造サービスディレクターであるKuei Chun Chi氏は述べています。「北ベトナムは、その戦略的立地と広域に及ぶインフラを兼ね備えており、顧客の注文に迅速かつ柔軟に対応するための最適な環境」であると述べています。 新型コロナウイルスの大流行は、ベトナムのマイクロエレクトロニクス産業への新規投資ペースを鈍らせていますが、同時に投資家対するベトナムの魅力を増幅もしています。ベトナムは、積極的な検疫と接触者追跡により流行を食い止めることに成功し、その結果、経済の見通しはこの地域で最も明るいものとなっています。ADBは、2021年にはベトナムがSEAの中で最も急成長している経済国の一つになると予測しており、GDPは6.8%成長が予測されています。また、産業貿易省は、世界最大手のテクノロジー企業数社が新型コロナウイルスの収束後に生産チェーンをベトナムにシフトする予定であることを報告しており、2021年には移転計画が加速するであろうと示唆しています。ベトナムのパンデミックへの対応の成功は、その戦略的立地、低賃金率、外国貿易協定と相まって、同国がアジアのサプライチェーンシフトの恩恵を受け続けること確実なものとし、この地を電子機器製造業の新たな目的地にするでしょう。 著者紹介 Stuart Schaag氏は、市場分析、事業開発、商業外交、関係構築を組み合わせた戦略を構築することで、グローバル市場でのプレゼンス拡大を求める企業を支援するE-Ward Trade Consulting LLCのプリンシパルです。それ以前は、米国商務省の国際貿易管理局で25年間、国内外の様々な役職を歴任しました。2014年から2018年まで在ハノイ米国大使館の商務参事官を務め、2020年までベトナムに駐在していました。
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