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Michael Hall

米国の消費者が現金を手にし、米国経済がパンデミックのどん底から猛烈な勢いで復活する中、半導体業界は急増するチップ需要を受けて素晴らしい業績を収めています。半導体関連の株価も2020年初めの感染拡大の第一波から、急上昇を続けています。これは世界全体のウイルス流行が、工場からホームオフィスにいたるまで、あらゆるもののデジタルトランスフォーメーションを加速したためです。 「1年間でこれほどの変化があるとは驚きです」と、Wells Fargoの半導体・電子機器投資銀行部門のグローバルヘッドであるJenni Raubacher氏は、SEMIが6月2日に主催したウェビナーで語りました。 2020年と2021年の2度にわたる米国政府の現金給付により、多くの世帯はパンデミックの大打撃に耐えるセーフティネットを手に入れ、その結果活発化した個人消費が、低迷した経済を回復させました。米国の耐久財支出も急激に回復し、2020年4月の底から60%以上も上昇したとRaubacher氏は述べています。この両輪の力で、米国経済は2020年第2四半期にGDPが約10%縮小した後の回復をけん引し、2021年第1四半期には約19兆ドルに反発して、2019年末の水準まで回復しました。 米国経済が好調を維持する中、予想されたインフレ率の上昇が見られ、特に中古車市場や木材市場で価格が顕著に上昇しています。しかし、耐久消費財の需要が減速していることから、インフレ率の上昇は抑制され、金利の上昇圧力は緩和するとWells Fargoは見ているとRaubacher氏は述べました。 株価バリュエーションが過去最高に 半導体の株価が高騰するのは、初めてではありません。S P 500に含まれる半導体銘柄の、過去15年間の株価上昇率は460%を超えており、S P 500指数全体の230%を上回っているとRaubacher氏は述べています。半導体株の輝きはこれからも減じることはないでしょう。新型コロナウイルスの感染が急速に拡大した2020年初頭以降、世界経済における半導体の重要性への認識が、爆発的に広まったのです。この動きは、自動運転車の開発、産業・工場の自動化、5Gのインフラ構築、データセンターの拡張、IoTが促進するスマートシティやスマートホームのイノベーション等の長期的な技術トレンドと結びつき、半導体株のバリュエーションを高める重要な要因となっています。 S P 500の株価収益率(PER)は21倍以上となり、過去の平均である15倍を大きく上回っています。「S P 500のバリュエーションは、どのように見ても過去最高水準です。全体の評価倍率は、次の12か月間の収益見通しが現在3倍となっており、過去の平均から大幅に上昇しています」とRaubacher氏は述べました。 半導体株の評価も同様の傾向にあり、SOXX指数は次の12ヶ月間のEBITDA(金利、税金、償却前利益)見通しが15倍となっています。 Raubacher氏は、「半導体株は過去の水準に比べて高評価に見えますが、半導体産業はS P 500企業よりも急速に成長し、より大きな利益率で収益性を拡大しています」と言います。このような差があるため、「半導体株は一見すると思えるほど割高ではありません。」 半導体企業は、過去15年間の収益拡大と評価倍率の上昇により、時価総額が500%以上増加したのに対し、半導体企業を除くS P500の時価総額は300%の増加にとどまっています。 Raubacher氏は、2021年第1四半期の半導体企業の収益成長率は、季節変動性のため予想通り低く、2.4%減となりましたが、過去の平均値よりも下げ幅は小幅だったと述べました。第2四半期の売上高成長率は、過去の平均値である6%に近い値になると予想しています。また、市場アナリストによる2021年の半導体成長率の予測は、前年比6%から17%と幅広い範囲にわたっていることにも言及しました。 半導体企業が記録的ペースで資金を調達 2020年と2021年に、半導体企業は返済期限をむかえる債務や買収のための資金として、前例のない820億ドルを調達しており、この波は「半導体業界のさらなる企業統合を促進するでしょう」とRaubacher氏は述べました。これらの資金調達はいずれも、資金流動性の低下に起因するものではありません。10年前に半導体部門の責任者としてWells Fargo社に入社して以来、同グループは半導体業界の顧客に対して、400億ドル規模のM Aや3600億ドル規模の資金調達を含む175件以上の取引を行っています。 「好調なマクロ経済と需要環境、比較的低い金利、そして半導体企業の強固なビジネス・ファンダメンタルズと高いバリュエーションによって、M Aが活発化することが予想されます」とRaubacher氏は語りました。 大多数の半導体アプリケーションが成長 今後4年間は、無線通信、民生用電子機器、輸送、医療など、ほとんどのアプリケーション分野で半導体産業が成長するでしょう。2020年から2025年にかけては、自動車と産業・航空宇宙がそれぞれ年間14%と10%の成長をし、「この期間の市場拡大のかなりの部分を牽引する」とRaubacher氏は述べています。 すべてのアプリケーションにおいて、半導体産業は2020年から2025年まで年平均成長率6.8%で成長し、予測期間終了時には1,830億ドルの売上が加算されるとRaubacher氏は予測しました。 高まるESGの重要性 今の投資家は個々の企業を評価する際に、純粋な業績以上のものを重視しています。企業が環境・社会・ガバナンス(ESG)活動の一環として、CO2排出量削減や職場の多様性促進など、より良い社会の実現に向けた取り組みを行っているかどうかが、評価モデルにおいて重要視されるようになっているのです。 「投資家は、ESGの取り組みやターゲットにますます注目するようになっています。債券面でも、(環境取り組み資金の調達に特化した)グリーンボンドや、ESG目標と連動した低金利債権などが見られます。しかし、ESGを資金調達に取り入れている半導体企業は少数であり、まだこれからと言えます。これは結局、企業が進行を確認可能な測定基準と、どんなゴールやターゲットをコミットするかという所に行き着きます。業界標準というよりも、企業それぞれのアプローチになるでしょう」とRaubacher氏は語ります。 Raubacher氏は、半導体業界では、ESGのターゲットが、サプライチェーン全体におけるファブなどの施設にある製造装置やプロセスだけではなく、チップ自体にも向けられるようになってきていると指摘しました。技術革新に伴い、消費者や事業者の電子機器を動かすチップの開発が進んでいますが、その普及には電力消費の増加という代償を伴います。半導体メーカーはESGへの取り組みを強化するために、これまで以上に電力効率の高い設計に重きをおいているとRaubacher氏は述べます。 Raubacher氏によると、半導体サプライチェーンの多くのプレイヤーが、省エネ装置への切り替えや水の使用量削減により、CO2排出量を削減しています。同時に、ESGのあらゆる面で企業の成果を強調することを、重要だと認識する半導体企業の経営者も増えています。 政府も半導体の重要性を認識 パンデミックの発生後、世界中で屋内退避命令が出され、在宅勤務、オンラインショッピング、バーチャル授業、遠隔医療が当たり前のこととなりました。この必要性と利便性の両方から生じたコネクティビティの核となる電子機器と、それを動かすチップは、世界中で非常に重要な意味を持つようになりました。 地政学的な争いが激化したことで、半導体業界全体のサプライチェーンが再考され、再構築されました。各国政府は、半導体製造設備の建設競争で優位に立とうと画策し、チップへの投資を拡大していきました。自動車産業に端を発し、他の業界にも波及していった深刻なチップ不足は、世界が回り続ける上で、半導体がいかに広範かつ重要な役割を果たすようになったかを物語っています。 Raubacher氏は、「世界中の政府が半導体の戦略的重要性を認識しているように、半導体産業が世界経済や国家経済にとって極めて重要であることは疑う余地がありません」と語りました。 これにより、今後の規制に向けた根回しという点でも、これまでより有利な立場になったと言えるでしょう。 「半導体業界のエグゼクティブにとっては、今後30年間の業界の方向性に影響を与える可能性のあるパブリックポリシーを策定するまたとない機会です」と彼女は述べました。 SEMIが主催し、SEMI会員のBrooks Automation、日立ハイテク、JECT、KLA、東京エレクトロンが協賛したウェビナー「Surging Chip Demand, Digital Transformation, and the Pandemic - What's Next? 」には、750名以上の参加者が集まりました。また、McKinsey CompanyのSven Smit氏は、このイベントで「新型コロナの出口でリードする」という講演をしています。 Michael HallはSEMIのマーケティング・コミュニケーション・マネージャーです。
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米国は新型コロナワクチンの入手で世界をリードしており、7月までに全人口への接種に必要なワクチンが集まるペースであり、一方で、欧州連合(EU)は、経済の完全再開を目指す国が増える中、人口の70%に接種できるだけのワクチンを確保しようとしていると、SEMIが最近行ったウェビナーでMcKinsey& Companyは述べました。 この進捗は、過去100年で最大級の被害をもたらしたウイルスに対する、僅かずつの弛まぬ前進から得られたものです。米国疾病予防管理センターによると、米国の成人の約65%がワクチンを少なくとも1回は接種しているとのことで、米国は経済再開とマスク着用の緩和に突き進んでいます。まもなく満席のフットボールスタジアムなど、年初には想像もできなかった光景が見られることでしょう。 McKinsey Global Instituteの会長兼ディレクターであり、アルムテルダムのMcKinsey &Companyのシニア・パートナーでもあるSven Smit氏は、「アジア諸国はパンデミックとの初期の戦いで成功を収めましたが、集団免疫の獲得に向けた大規模なワクチン接種を開始しようとしても、ワクチンの供給不足に悩まされています」と述べています。さらに、中国、台湾、日本、韓国、シンガポール、マレーシアなどは、コロナウイルスの感染クラスター発生がここ数か月続いており、社会的制約や旅行制限の復活を余儀なくされています。 Smit氏は、「アジアはウイルスの抑制ではリードしたものの、ワクチン接種の展開では少々後れをとっていましたが、追いついてきました。しかし、ラテンアメリカやインドなどでは大流行が続いています」と述べました。 北米、チリ、欧州の大部分、韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランドなどのOECD加盟38カ国の経済について、Smit氏は「今年の夏は昨年の夏よりも良くなる」と予想しています。 OECD加盟国全体では死亡率が低下するにつれ、2020年4月に底を打った小売業、娯楽業、公共交通機関などへの消費者支出は、パンデミック前以来の高水準に上昇しており、そのトレンドラインは死亡率の低下と鏡写しのようになっているとSmit氏は述べています。新たな感染数と死亡率が減少し続ける中、今年の夏には買い物客の消費が正常化することが予想され、各地域の経済にとって重要な突破口となるでしょう。 世界中でロックダウンが実施され、個人支出が大幅に減少したにもかかわらず、OECD加盟国は、ウイルスへの対処法を素晴らしい速度で学んでおり、感染流行の発生から6カ月間で、経済を高いレベルで運営する方法を学んだとSmit氏は述べました。 個人消費の回復 消費者もまた、急速な回復を支えています。政府の景気刺激策で財布が膨らみ、数ヶ月間におよぶ外出禁止期間中はお金をつかうことができなかったため、多くの消費者がふんだんに現金を持っており、個人消費の水門が開きはじめました。個人破産件数は、雇用が大幅に減少した分野があるにもかかわらず、前年よりも減少しており、消費者は貯蓄を維持できているとSmit氏は述べています。 Smit氏によると、ある大手航空会社のCEOが、最近の同業社グループの会合で、同社のフライトの座席が「年末まで完売」していると語り、個人消費の復活を強調したことを紹介しました。これは、グループ内の景気の早期回復に対する懐疑的な考え、また「消費者は今後何ヶ月も引きこもってしまい、収益を悪化させるのではないか」との恐れを受けての発言でした。そのCEOは、ビジネストラベルが回復していないことを認めた上で、「しかし、人々が旅行を躊躇しているからではない」と反論しました。 確かに、パンデミックの影響で長い間飛行機に乗れなかった世界中の旅行者は、休暇へと飛び立つことを熱望しています。航空旅客の増加は、レストランやホテルなどの旅行関連サービスにも恩恵をもたらし、波及効果として、これらの分野で失われた雇用を回復させ、経済を立て直すことにつながるでしょう。 また、消費者は自分の経済的な将来について楽観的になっています。McKinsey Companyの調査によると、OECD加盟国消費者の経済的不安定性は、2020年4月にパンデミック以前の6倍に急上昇した後、その締め付けが次第に緩んでいます。昨年ピークに達した後、経済的不安定性は、数ヶ月間安定していましたが、感染症専門家が新型コロナウイルスについて多くを学び、政府や企業が強力な対策を実施し、マスクをしてソーシャルディスタンスをとる人が増えるにつれて、着実に下がっていったと、Smit氏は述べました。2020年後半から2021年前半にかけて、アストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、モデルナ、ファイザーが有効なワクチンを発表したことで、消費者の気持ちはさらに高まりました。 「消費者について私たちが知っていることは、不安定性がなくなった瞬間に、消費は回復するということです」とSmit氏は述べています。 長期的な視野で見る OECD加盟国は、遅くとも来年までには、新型コロナウイルスから脱却し、パンデミック前の水準にGDPが回復するでしょう。Smit氏は、政府、エコノミスト、企業が問うべきことは、2019年のGDP水準を回復するのが、何月か、あるいはどの四半期かということではなく、今後10年間の景気拡大の強度だと述べています。短期的には、多くの国のGDPは、ウイルス感染からの脱却に向けた経済運営のあり方次第で、早ければ2023年にも2019年の水準を回復する可能性があります。 米国では、歴史的に深刻な経済危機の後、GDPを年率3%から4%増加しながら、時間をかけて回復してきました。このような記録から生じる疑問は、「今が、今後10年間で経済を35%から50%押し上げる力強い回復期なのか、それとも10%から25%の回復にとどまる穏やかな回復期なのか」だとSmit氏は述べました。 企業が景気回復の長期的な持続性を高めつつ、自社の利益を守るためには、10年先の顧客ニーズとそれに伴う投資を予測することが有効であるとSmit氏は述べます。今後10年に予想される急速な技術革新を支える半導体チップについては、資本集約型の産業であり、新しい製造工場の建設と装置搬入には長いリードタイムが必要であるため、このような戦略的計画が一層重要となります。 テクノロジーの開発スピードは、新しい技術をいち早く導入することで業績を改善している企業によっても、加速されることになるでしょう。テクノロジーによって業績が改善できるとなれば、企業がテクノロジーへの投資を継続する強力な動機となり、これがさらにイノベーションを加速するという自給自足の循環が生まれるのです。このサイクルの鍵となるのは、企業が新しいテクノロジーを活かすために、プロセスやオペレーションに必要な変更を加えることであり、「関連業務を見直さなければ、投資が無駄になる恐れがある」とSmit氏は述べました。 「COVID-19からスピードという真のイノベーションが生まれたのを見て、多くの企業が業務の見直しの必要性に気づいたと思います」とSmit氏は言います。「今、あらゆることをより速く行っていますが、それはテクノロジーユーザーが新しい行動様式を学んだからです。例えば、Eコマース市場では、30%の消費者が初めてオンライン食料品店を見つけ、それを気に入り、その結果これは定着したのです。」 製薬会社がイノベーションスピードの新基準をつくった 製薬会社は、mRNAベースの新型コロナワクチン開発を迅速に進めたことで、イノベーションのスピードを体現したとSmit氏は言います。製薬会社は、新型コロナワクチンの開発で得た新たな知見をもとに、癌など、その他の疾患に対する効果的な治療法に向けたmRNAベースの医薬品開発期間を短縮しようとしています。 イノベーションの加速のもうひとつの追い風は、半導体等のテクノロジーが国家の経済競争力にとって重要であることを各国政府に気づかせ、関心を高めていることです。最近のテクノロジーをめぐる地政学的な覇権争いや、政府による巨額の予算投下によって、こうした状況が浮き彫りになっています。また、自動車産業をはじめとする多くの産業では、サプライチェーンのレジリエンスが企業の健全性を左右するという認識が深まっていることも、背景にあります。 Smit氏は、「この産業分野の自動車会社等の企業は、事業に欠かせない部品やツール、装置が滞りなく供給されるように、サプライチェーンの3階層先まで目を配ることを続けるでしょう」と述べています。 6月2日に開催されたSEMI CEOウェビナーシリーズ「Surging Chip Demand, Digital Transformation, and the Pandemic – What’s Next?」には、750人以上の方が参加しました。このウェビナーは、SEMI会員のBrooks Automation、日立ハイテク、JECT、KLA、東京エレクトロンがスポンサーとなって提供されました。 Michael HallはSEMIのマーケティング・コミュニケーション・マネージャーです。
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人間の脳は、わずか1秒の間に1,100万ビットの情報を処理しています。脳はめまぐるしく回転しているようですが、そうでしょうか?実は、そのうち意識されて脳を通過する情報は、ごく一部の40ビットにすぎません。大部分の情報は、意識下で処理されているのです。例えば、呼吸、心拍、消化などの自律神経系機能は、私たちが気づきもしない間に、体を動かしています。 このような無意識のデータ処理が、他の人の年齢、性別、民族、人種、身体障害などに基づく偏見に根ざし、私たちの視点や判断を決定することになると、問題となります。これが職場で人に対する不公平な扱いにつながるなら、さらに重大な問題となります。 ON Semiconductorでダイバーシティ、インクルージョン、タレント部門のシニアディレクターを務めるAlicia Scott氏は、無意識の偏見と無縁ではありません。彼女は、それが人間の行動にどのような影響を与えるかを良く学んでおり、男性優位のビジネスであるハイテク業界で働く黒人女性として、身をもって体験をしています。 2月に開催されたFLEX Conference 2021で、ハイテク業界の多様性を促進するために講演したScott氏は、昨年、あるベンダー候補と電話で提案書を検討したときのことを語りました。その際、ベンダーの担当者は彼女の声から女性と話していることに気づき、彼女の上司も入れて、別の機会に提案書を検討できないかと尋ねました。 そのベンダーは全く悪意なく、Scott氏の上司が男性であると思い込んで「彼」は来週時間が空いているかと尋ねたのですが、これは性的偏見の教科書的な事例です。 Scott氏の最近の昇進に際して、同僚は彼女が出世の階段を昇ったことを祝福し、それから、ON Semiconductorが職場の多様性目標を達成するための昇進ではないかと尋ねたのです。昇進への偏見という形で盲点があらわになりました。 また、Scott氏自身も、感情に流された偏見(親近感バイアス)を自身に感じたことがあると言います。あるとき、採用が必要なポジションに応募された履歴書をチェックしていると、自分の母校を卒業した候補者を見つけたのです。学校での経験を共有できると思い、彼女はわくわくしました。この会社では、採用担当者が共通の経歴を持つ候補者を好む自然な傾向を避けるため、複数の面接官による面接を導入して、候補者の資質をバランスよく客観的に審査するようにしていました。その結果、Scott氏の目に留まった候補者ではなく、最も優秀な資格を持つ候補者が採用されました。 無意識の偏見がキャリアステップに影響 無意識の偏見は、採用、昇進、リーダーシップなど、あらゆるキャリアステップで表面化する場合があるとScott氏は言います。Harvard Business Review誌の調査によると、アジア系の求職者がアジア風な名前を履歴書や職務経歴書に記載した場合、連絡が返ってきたのはわずか11.5%だったそうです。アフリカ系アメリカ人の場合、状況はさらに悪くなります。黒人の応募者が履歴書に民族を記載した場合、採用担当者が連絡を取ったのはわずか10%でした。応募書類から民族名を削除したところ、黒人の25%、アジア系の21%が採用担当者から連絡を受けるという結果になりました。 職場の多様性を推進する世界的なアドボカシー団体であるLeading Nowによると、無意識の偏見は、企業における女性の役員昇進の障壁ともなっています。その理由のひとつは、過去40年間にわたって、女性へのキャリアアドバイスが、新入社員から中間管理職への昇進支援を目的としとおり、役員昇進は対象外だったことにあると、調査結果のハイライトをあげて指摘しました。 McKinsey Companyが最近実施した調査「Women in the Workplace」では、管理職に昇進する男女比率は、男性100人に対し女性は85人にすぎないとの結果が出ており、Leading Nowの調査結果を裏付けています。また、すべての業界全体では、管理職の男性の62%に対し女性は38%にとどまっています。男性が支配的なハイテク産業では、女性の管理職の割合はわずか24%です。 体格的な問題も、トップ昇進を左右します。大企業の男性CEOの平均身長は6フィート(183cm)であり、CEOの90%は平均身長を上回っています。背の高い男性は、背の低い男性よりも昇進頻度が高いのです。 無意識の行動を改める 無意識の偏見をなくすためには、NeuroLeadership Instituteが開発した、脳を使ったSEEDSモデルを利用するのが一番の近道かもしれません。このモデルでは、150種類以上ある無意識の偏見を、意思決定に大きな影響を与える5つのタイプに分類し、その予防策を提示します。例えば、会社員であれば、自分とは異なる印象の人との共通点を見つけようと試みたり、経歴の異なる人への理解を深めるために情報を集めたり、自分との類似性(similarity)、即決性(expedience)、自己経験(experience)に対するバイアスによって客観的な判断が妨げられないよう他者の視点を求めたりすることができます。 重要なのは、組織が無意識の偏見を克服するためのプロセスを導入することだとScott氏は述べました。従業員リソースグループ(特性や経験に共通性のある従業員のグループ)活動や無意識の偏見に関するトレーニング実施といった草の根的な取り組みは、多様性のある職場文化の育成につながります。また、経営陣レベルでは、CEOをはじめとするビジネスリーダーがダイバーシティのロールモデルとなり、文化的障壁の克服へ向けて体系的に取り組むことができるでしょう。 報酬は明らかです。ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みが人事やビジネスプロセスと統合されればされるほど、企業はより多くのイノベーションを推進し、より良いビジネス成果を得る可能性が高くなります。Scott氏は、Deloitteの調査結果を引用して、「無意識の偏見に配慮していない組織と比較して、ダイバーシティ&インクルージョンの考え方を持つ企業は、財務目標を達成または超過する可能性が2倍、革新的で機敏な活動を行う可能性が6倍、高いパフォーマンスを発揮する可能性が3倍、より高い業績を達成する可能性が8倍になる」と述べました。 ダイバーシティを重視した企業文化を構築するには何から始めればよいかを考えるとき、最も重要なのは、最初の、私たちの脳の力のほんのわずかしか思考には使われていないことを認識するステップだと気づく場合もあるでしょう。 「私たちは皆、自分が無意識のうちに偏見を持っていることを認めなければなりません。これは私たちが莫大な情報を処理する方法の一部であり、私たちの生態の一部なのです」とScott氏は言いました。 SEMIのダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン SEMIのダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンチームは、組織が無意識の偏見を改めるよう挑戦しています。SEMI Foundationの活動をフォローし、重要な会話(crucial conversation)に参加することで、その方法を学ぶことができます。 マイケル・ホールは、SEMIのマーケティング・コミュニケーション・マネージャーです。
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カリフォルニア州ミルピタス ― 2020年7月14日 ― SEMI ファウンデーションは、半導体およびフラットパネルディスプレイ製造装置の機器の世界的メーカー大手である東京エレクトロン株式会社(TEL)のマーケティングおよびコミュニケーション担当ディレクター ケイティ・クリスト(Katy Crist)氏をSEMIファウンデーション理事に任命することを発表しました。クリス氏は現在、SEMI人材育成/ダイバーシティおよびインクルージョン評議会の共同議長を務めています。 SEMI ファウンデーションのエグゼクティブディレクターであるシャリ・リス事務局長は、「半導体およびマイクロエレクトロニクス産業のダイバーシティ推進に尽力するケイティ氏の情熱は、業界への人材パイプラインの拡充を促進し、ジェンダーの多様化と女性のリーダーシップ登用を促進するというSEMI ファウンデーションのビジョンを実現する力となるでしょう」と述べています。 TELは、SEMI ファウンデーションのダイバーシティおよびインクルージョンへの取り組みを支援しています。クリスト氏とTELは、SEMIファウンデーションと提携して社内のメンタリングプログラム(熟練者が新人に助言しながら行う人材育成活動)を提供する他、兵士の市民生活復帰を支援するための退役兵向けトレーニングのベストプラクティスと業界の認知向上プログラムを共有しています。 その他にもTELは、High Tech Uプログラムなど、SEMI ファウンデーションの主要な取り組みを支援しています。3日間コースのHigh Tech U実体験プログラムでは、高校生にマイクロエレクトロニクス産業を体験してもらい、理数系教育の履修を奨励しています。このプログラムには、業界の専門家からの職業案内や、大学生活を垣間見るための大学訪問なども含まれています。 クリスト氏は次のように述べています。「SEMI ファウンデーションと提携できたことは、特別な特権だした。この数年、私はSEMI基金の業界が直面する最重要課題、つまり人材危機、業界イメージ、ダイバーシティとインクルージョンへの取り組みを詳細に見てきました。理事会の一員として、これらの問題を含めた重要課題への業界対応を強化するために、SEMI ファウンデーションとこれまで以上に緊密に協力することを楽しみにしています。」 SEMI ファウンデーション理事会一覧はこちらを参照ください。 SEMIファウンデーションについて SEMI ファウンデーションは、501(c)(3)法人の非営利慈善団体として、2001年に設立されました。SEMI ファウンデーションは、教育プログラム、ダイバーシティ活動、会員の参加を通じて、十分に訓練されたイノベーティブな労働力を引きつけ、育成し、維持することで、マイクロエレクトロニクス産業の持続的成長を支援しています。ファウンデーションが最も早い時期から運営している主要プログラムは、理数系大学教育と職業を目指す高校生を刺激することを目的としたSEMI High Tech Uと、SEMI High Tech U教師版です。2002年以来、High Tech Uプログラムは、オーストリア、フランス、日本、韓国、オランダ、シンガポール、台湾、米国で開催され、8,200人以上の生徒と教師に刺激を与えています。
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