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SEMI News

新年を迎え、マイクロエレクトロニクス業界に新たなチャンスが訪れるでしょう。SEMIは引き続き、マイクロエレクトロニクス設計・製造サプライチェーンとSEMI会員のために、人材パイプラインの開発を支援することを最優先課題とします。 会員企業がマイクロエレクトロニクス業界でどんな役割を担っているにせよ、横断的で基礎的な産業分野であるマイクロエレクトロニクス業界に有能な人材を継続的に確保することは、戦略的に非常に重要な意味を持ちます。人工知能(AI)、スマート製造、メドテック、交通、通信などの分野の発展には、熟練した労働者が不可欠です。人類のテクノロジーに対する飽くなき欲求を満たすためには、最先端のマイクロエレクトロニクスデバイスを設計・製造する有能な人材が必要です。 SEMIの政府プログラムオフィスによって2019年に開始されたSEMI Works™は、人材パイプラインの開発と維持のための総合的なアプローチです。2020年は、すべての重要なインフラストラクチャの構築、会員企業の協力による必要なスキルの特定、およびこれらの労働力要件をカタログ化するための統一コンピテンシーモデルの開発に焦点を当てました。SEMI Works™は、次にあげたマイクロエレクトロニクス業界で初めての試みを達成しました。 米国労働省雇用・訓練局(USDOL-ETA)が採用し、公表した初のダイナミックでデータに基づいた労働力訓練基準 技術者を対象とした初のSEMI認定カレッジプログラム 米国労働省が採用し、承認した業界初の技術者職業実習プログラム SEMI Works™ポータルは、人材、雇用主、研修・教育機関の間をつなぐためのもので、会員からの情報提供が中心となっています。ポータルの第一段階の開発は今年の第一四半期に完了する予定で、具体的な求人情報、個人(人材)のプロフィール、適用可能なトレーニングコースなどが掲載できるようになる予定です。 SEMI Works™が完全に稼働した後は、学習管理、eラーニング、キャリアアップのための総合的なプラットフォームを提供することで、人材育成や人材獲得をさらにサポートするように最適化する予定です。SEMIは2021年を通じて、会員、トレーニングプロバイダー、求職者との対話を重ね、ポータルの機能やユーザーインターフェースがニーズに合っているかどうかを確認していきます。また、非独占的なコースをSEMI会員に提供する「Curated Content Initiative」、SEMI会員向けの求人案内板、求職者が業界での将来の計画を立てるのに役立つインタラクティブなキャリアマップなど、SEMIワークの他のプログラムも進めていく予定です。 マイクロエレクトロニクス産業は、適切な人材が得ることができなければ、イノベーションと成長という大きな可能性を達することができません。SEMIは、2021年に会員の皆様と協力してSEMI Works™を拡大し、技術進歩の次の波に向けた基盤作りに貢献していきたいと考えています。 原文はこちら:https://blog.semi.org/semi-news/todays-microelectronics-workforce-enabling-the-advancements-of-tomorrow
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2020年3月、COVID-19の流行が米国で始まるとすぐに、SEMIはEHS専門家によるCOVID-19ワーキンググループを立ち上げ、かつてない公衆衛生上の危機に対応するために、緊急に必要とされる専門知識の共有、テストされていない対策方針の検証、ベストプラクティスの確立へと着手しました。 現在20社が参画しているワーキンググループは、定期的に会合をもって課題を議論していますが、コロナウイルスが全世界で拡大するにつれて、問題は当初の差し迫ったニーズから、より長期的に計画された危機管理の見通しへと移り変わっています。会合ごとにテーマは変わりますが、以下のトピックは繰り返し議題となっています。 段階的アプローチ ― スタッフをどのようにして現場に戻すか ソーシャルディスタンス ― 現場の人の流れをどのように管理するか 接触追跡 ― 職場の安全確保のための接触記録 スペース割り当て ― オフィス、キュービクル、会議室の配置変更 HVACシステム ― 職場のエアフロ―の最適化とフィルターシステムの改善 クリーンルーム ― 保護具および人と人との距離の規定 トレーニング ― ウイルスの拡散リスクを低減するための認識を向上するコミュニケーション手段 出張指針 ― 国内・海外出張の指針 ワクチン ― 接種およびモニタリングの指針 現場査察 ― 労働安全衛生局(OSHA)の査察回数増加への備え 4月になると、SEMIのEHSチームは会員企業のパンデミック対応状況を調べるためにアンケートを実施しました。COVID-19ワーキンググループが考案したアンケートによって判明したのは、パンデミック対応計画は準備しているものの、保護具や消毒用品が不足していることが多くの会員にとって最大の問題にであったことです。会員はパンデミックで生じた事業課題も示しており、事業の内容や地域にあった健全な方針をどのように策定すればよいのかが問われました。 今日、SEMI EHS COVID-19ワーキンググループは、公的ガイドラインついて協同して取り組むフォーラムとして確立されていますが、メンバーは公的ガイドラインは不明確であると考え、自分たち自身の対策方針の検討を続けています。ワクチンの出荷が米国で始まった現在、ワーキンググループはワクチンの配布と、企業が従業員にどのようにワクチン接種を奨励するかに注目しています。 SEMI EHS COVID-19ワーキンググループの情報や参加方法については、SEMI EHSチームにご連絡ください。 原文はこちら: https://blog.semi.org/semi-news/semi-ehs-covid-19-working-group-evolves-with-unfolding-virus-to-address-critical-pandemic-issues
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2020年12月18日に、フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス(FHE)の設計、材料、製造、パッケージング、システムにわたる国際スタンダードを開発し、業界の発展を促進することを目的とした標準化技術委員会がSEMI日本地区において新しく設立されました。 FHEとはプリンテッドエレクトロニクスと、従来のIC、MEMS、テキスタイルなどを組み合わせてシステムを構成する技術であり、今後のIoTアプリケーションへの採用拡大が見込まれています。その応用分野は、人・モノの両面で使用される各種センサー、ウェアラブル製品、フレキシブルディスプレイ、車載、スマートホーム、スマートシティなど多岐にわたります。 SEMI 日本地区スタンダード委員会 (JRSC)の満場一致の指示とSEMI 国際スタンダード委員会 (ISC)によって承認された日本地区の当該技術委員会は、FHE規格に焦点を当てたものです。SEMI スタンダードFHE標準化技術委員会は、2020年8月に発足され、最初のチャプターが台湾に設置され、日本での委員会設立によりグローバルで2つめの委員会となります。 当委員会のCharter(憲章)は設計基準方法、製造フロー、テスト検証方法、仕様、ガイドラインおよび実践を対象としたFHE標準を調査、評価、検討、合意形成を行うことです。自主的なコンプライアンスを通じて、FHE統合システム、コンポーネント、材料、および試験機能のサプライヤとユーザー間の相互理解を促進し、コミュニケーションを向上させ、設計の正確性と機能を向上させることによって、製造効率と機能を強化させます。 Scope(範囲)は-FHEシステム、コンポーネント、材料、製造装置、およびパフォーマンス仕様の設計とテスト検証のための共通基準、ガイドライン、方法に関連する標準を調査、開発します。また、FHE製品/プロセスの歩留まりと品質を改善するためのサプライチェーンとエコシステムのニーズを支援することを追求します。 FHE技術関連規格の開発のために、他のSEMI技術委員会との連携と相乗効果を含めます。 さらに、委員会は、製品の標準化ニーズに向けた業界の取り組みを促進します。 SEMIスタンダードFHE標準化技術委員会の当初の活動は、測定スタンダード案を作成するためのワーキンググループの設立、材料、装置、製造技術に対するニーズの業界コンセンサスの形成、そして多様なコンシューマ向け最終製品市場への関係するFHE技術の導入促進をはかるスタンダード開発等があります。上記のCharter、Scopeを踏まえ、日本地区委員会は台湾地区委員会と協力して今後活動していく予定です。 FHEは境界領域の技術であり、IEC(プリンテッドエレクトロニクス、ウエアラブルエレクトロニクスデバイスとテクノロジー)やIPC(フレキシブルプリント基板)等の他の標準化機関の標準と整合をとった標準開発を目指します。 SEMI スタンダード活動SEMIスタンダードは、半導体、フラットパネルディスプレイ、LED(Light-Emitting Diode、発光ダイオード)製造、太陽光発電分野などにおけるコンセンサスベースの国際業界自主基準です。部材メーカー、製造装置メーカー、デバイス(パネル・セル)メーカー、検査・評価機関、サービスプロバイダーなど、エレクトロニクス製品製造の源流から最終製品に近い分野まで、広範囲な標準化対象をカバーしていることが特長です。各業界分野の専門家の知見を結集して開発された国際的な仕様・技術標準として広く利用されています。SEMI International Standards Programは48年目を迎え、これまでに21の分野で1,000以上の規格およびガイドラインが出版されています。詳細については、SEMIスタンダードのWebページを参照してください。(リンク先:https://www.semi.org/en/products-services/standards) 日本地区に設立されたSEMI スタンダードFHE標準化技術委員会に関する問い合わせ、新規加入ご希望の際は下記にご連絡願います。 お問い合わせ窓口SEMIジャパン Standards EHS部 中條Email : [email protected]
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今年6月にSEMIブログに掲載されたように、SEMIは、世界に約80,000の表面実装技術(SMT)とプリント基板アセンブリ(PCBA)の製造ラインがあると推計しています。 これだけ多くのラインが存在すると、効率と生産性の追求の中で、アップグレードを追加・実装し、ライン上の設備に出入りするデータのパワーを活用するために、標準規格は非常に重要です。SEMI®は、SMTやPCBAなどの組立ラインのシナリオに対応した標準規格群を開発しています。新しいSEMI SMT Equipment Link Standards(SEMI SMT-ELS)は、ライン上の異なる装置間の水平通信(HC)と、装置と上位ホスト(例えば、ライン・コントローラ/装置ホスト、もしくはファクトリー・オートメーション・ホスト)間の垂直通信(VC)に対応しています。 SMT-ELSスタンダード・スイートは以下で構成されています。 SEMI A1 - Specification for Production Equipment Smart Connection Interface (PESCI)この規格は、ポイント・ツー・ポイントの通信と、装置のラインへのメッセージの伝搬(バケット・リレーのような)と、隣り合った2つの装置間での材料と材料データの同時転送を扱います。 SEMI A1.1 - Specification for TCP/IP Interface for PESCIこの規格は、SEMI A1をTCP/IP上に実装する方法を概説しています。 SEMI A2 - Specification for Surface Mount Assembler Smart Hookup (SMASH)この規格は、SEMI A1/A1.1を装置ホスト(マウンタ装置サプライヤ提供)と装置の通信と、装置間通信に適用する方法を規定したものです。 2020年7月のAutomation Technology技術委員会では、以下の新規活動が正式に承認されました。Doc. 6673 New Standard: Specification for Factory Operation Extension for SEMI A2 SMASH (SMASH-FOX)この新規格は、F-GEMタスク・フォースのメンバーによって開発されます。 この規格は、SEMI A2 SMASHの拡張用途を定義し、ファクトリー・オートメーションのような上位ホストとの垂直通信をサポートするための拡張シナリオとメッセージを追加し、単一の通信プロトコルSEMI A1/A1.1上でのSMT組立工場管理をよりスマートにします。この新規格では、ローカル・ホストが装置サプライヤによって提供されている場合を含め、工場ホストがライン装置との通信に使用できる異なる通信トポロジが記述されます。 また、高レベルの装置利用管理やパネル・トレースをサポートするためのファクトリー・ホストとライン間の追加シナリオやメッセージも開発される予定です。SMT-ELSスタンダードの詳細については、SEMI SMT-ELSのウェブサイトをご覧ください。(https://www.semi.org/jp/SEMI_SMT-ELS)SEMIスタンダードの活動には誰でも参加できますが、会議に参加するには、SEMIスタンダード・プログラム・メンバーとして登録していただく必要があります。(https://www.semi.org/jp/Standards/CommiteeInfo/ctr_028435)SEMIスタンダード・プログラムのメンバーシップは、SEMIのコーポレート、アソシエイト、アフィリエートのメンバーシップ(SEMI会員)とは独立で、業界の継続的な発展のために、この重要な活動を支援するために参加することが奨励されています。 本件についての問合せ:SEMIジャパン スタンダード EHS部 菅野博史([email protected] )初出:2020年9月10日、Standards Watch Newsletter※本稿は、Standards Watchに掲載されました記事を日本語訳にしたものです。元の記事https://www.semi.org/en/standards-watch-2020Sept/new-japan-at-activity
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SEMIを含む40の業界団体の連合体は9月21日、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長へ書簡を送り、欧州連合廃棄物枠組み指令、特に製品含有懸念物質(SCIP)データベースの実施上の問題を解決するために断固とした行動をとることを要請しました。 欧州経済の非常に重要な諸分野を代表する業界団体が署名した書簡は、欧州グリーン・ディールが掲げる循環型経済を支援するために設計されたSCIPデータベースの実施上の問題を早急に解決するよう求めるものです。SCIPデータベースは、最新の廃棄物枠組み指令の第9(1)項によって定められています。 書簡において署名団体は欧州委員会委員長に直ちに次の行動をとることを求めています 2021年1月5日のSCIPデータベースへの情報提出期限を、最短でもデータベース完成の1年後まで延期する SCIPデータベースの有用性、実現可能性、比例性(達成されるべき目的とそのために取られる手段としての権利・利益の制約との均衡)、影響の調査を実施する 欧州化学品庁(ECHA)に対し、上記提案の調査結果に対してSCIPデータベースを適合させるように指示する SEMI Europeのプレジデント レイス・アルティマイムは、次のように述べています。「SEMIヨーロッパは、グリーン・ディールのビジョンを全面的に支持しています。しかし、SCIPデータベースのプロジェクトに対応するには、多くのリソースが求められ、また関連するステークホルダーとの意見交換が必要となります。SEMIは40の業界団体と共に、欧州の政策立案者に対し、現在のタイムラインを延期し、業界と協力してSCIPプロジェクトを正しい方向に導くことを求めます。」 ECHAが、廃棄物枠組み指令が要求する2020年1月の期限までにデータベースの開発を完了できなかったため、企業には2021年1月のSCIPへのデータ提出期限に向けた独自のシステムの開発、テスト、適応を行うための十分な時間がありません。 署名団体は過去2年間にわたり、SCIPデータベースの実行可能性、比例性、価値に関する深刻な懸念を欧州委員会およびECHAと何度も共有してきましたが、こうした懸念はいまだに解決されていません。 オープンで透明性のある意思決定を求めるEUのベター・レギュレーション原則に反して、第9(1)項は、改正された廃棄物枠組み指令の共同決定プロセスの最終段階で、事前の利害関係者との協議や影響評価なしに追加されました。適切な影響調査は、循環型の欧州経済を推進するというEUの計画を実現するための道筋を整備する上でかならずや役立つでしょう。
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2020年8月24日、SEMIは、米国商務省が発表した新たな輸出管理規則に関して、次の声明を発表しました。 SEMIは、米国の安全保障に対する脅威に対処するための輸出管理措置の役割を十分に認識しています。しかしながら、米国商務省が2020年8月17日に公表した新たな輸出管理規則は、米国の半導体産業に弊害を与え、半導体サプライチェーンに実質期には大変大きな混乱をもたらし、そのことによって、最終的には、米国の安全保障上の利益を損なうことを懸念しています。7月14日、SEMIは、5月15日付の規制に関するパブリック・コメントにおいて、これらの比較的限定的な措置は、米国原産の半導体装置およびデザイン・ソフトウェアの購買の阻害的条件を生み出しており、Huaweiとは関係のない企業に対する米国原産の製品の売上は、すでに1,700万ドル損なわれていると警告しました。 これらの一方的な規制を大幅に拡大するという商務省の決定は、更なる売上損失を招き、米国原産製品に対する顧客基盤をむしばむ可能性があります。この新たな制限は、米国の技術供給には信頼がおけないという認識を助長し、米国外の顧客は米国技術のデザイン・アウトを求めるようになります。また、こういったアクションは、米国技術に取って代ろうとする更なる動機付けとなります。 SEMIは、商務省に対し、8月17日までに生産された品目の保留条項(Savings Clause)を120日間に延長すること、すべての品目について、予測し得るタイムリーなライセンスの決定と、5G品目に関係のないライセンスについては大幅な柔軟性を確保することを要請しました。また、意図しない結果や米国の技術指導力に与えるダメージを減らす政策推進を行政に要請します。グローバルな販売からの収益は、これらの技術における米国の研究開発(R D)の主要な資金源です。その収益損失は、研究開発の脆弱化につながり、米国の半導体イノベーションを損ない、国家安全保障を損なうものです。
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長年にわたりくすぶり続けてきた職場におけるダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括)(DEI)の問題が、ここ数ヶ月で沸騰点に達しました。社会的不公正に対する抗議運動が活発化すると同時に、COVID-19危機によって、社会的立場や民族が異なるコミュニティ間でのデジタル的・経済的格差が浮き彫りになったのです。 DEIの改善は、もはや議論の対象ではなく、米国企業の戦略的プライオリティ、コアバリューとして急速に拡大しており、緊急に行動を起こすべき課題となっています。Virtual SEMICON West 2020では、SEMI FoundationとSEMI Americasチームが企業リーダーを集め、各社および半導体サプライチェーン全体でのDEIトランスフォーメーションを議論しました。 本稿ではSEMICON West 2020の人材開発セッションにおいて共有された重要な洞察をご紹介します。 Creating a Culture of Inclusivityセッション なぜダイバーシティとインクルージョンが重要なのでしょうか。従業員の多様性が高い企業は、競合他社よりも優れた業績を上げていることが、研究や経験から明らかになっています。こうした企業は概して、収益性、革新性、生産性において競合を上回っているのです。それにもかかわらず、テクノロジー産業全体、特に半導体産業は、人材のダイバーシティで他産業に遅れをとっています。 Lam Researchの戦略・イノベーション担当副社長であるLubab Sheet-Davis氏は、「ダイバーシティとインクルージョンは、私たちの業界が直面している最大のリスクだと本当に信じています」と述べました。「それは大きなチャンスでもあります。私たち全員がD Iを受け入れれば、次の50年に向けてこの業界を前進させることができます。」 Lam ResearchのLubab Sheet-Davis氏がダイバーシティとインクルージョンについて講演 Energetiq TechnologyのCEOであるDebbie Gustafson氏は、多様な視点を持つ組織ほど、市場や顧客の変化を予測しやすく、より価値のあるイノベーションを開発し、明確な競争上の優位性を提供できると述べました。異なる背景を持つ人々がテーブルを囲んで集まれば、「自分たちの会社に変化をもたらすことができる」ような「新鮮なアイデア」が出てくるとGustafson氏は述べました。 両講演者は、ダイバーシティは性別や民族だけではなく、年齢、教育、文化、社会経済、地理、性的指向、仕事の経験などの違いを含むものであることを強調しました。 「ダイバーシティは尺度であり、インクルージョンは実践なのです」とSheet-Davis氏は説明しました。 彼女は、インクルージョンとは、お互いの信頼、尊敬、公平なキャリア機会を築くことで、「ダイバーシティの恩恵を解き放つ」ことだと述べました。企業のD Iは、CEOの強いコミットメント、進捗についての透明なコミュニケーション、無意識の偏見に対する教育、従業員リソースグループ[i]、多様な採用担当者が存在することで改善されるのです。 Attracting and Retaining a Diverse Workforceセッション Glassdoorによると、今日では求職者の67%が、企業からの雇用オファーを検討する際に、人材の多様性を重視すると答えています。さらに、既存の従業員の57%が、従業員の多様性を高めるために企業にもっと努力してほしいと考えています。 その結果、企業は今、「従業員だけでなく採用候補者に対しても、ダイバーシティとインクルージョンへのコミットメントを示す」ことが不可欠だと、Lam Researchのインクルージョン&ダイバーシティ部門責任者であるAntoinette Hamilton氏は述べました。多様な人材を擁する企業は、従業員のエンゲージメントと財務的な成功をより高いレベルで達成しているという証拠も出てきています。 「ダイバーシティとインクルージョンは単なる流行ではありません。職場におけるD Iを改善するよう、社内外から大きな圧力がかかっています」とHamilton氏は言いました。1995年以降、世界中の国々で法制化が進められていること、ステークホルダーや顧客からのD Iへの取り組みに対する要求が高まっていること、そして、世界人口の多様化が進み、将来的には職場における多様性をより高める必要があることを彼女は指摘しました。 より多様な人材を惹きつけるためには、企業はマイノリティへの教育機関に対する採用戦略上の優先度を見直すべきだとHamilton氏は述べました。また、特定の職種に関する従来の大学学位、見習いプログラム、関連業界での経験を再評価することを推奨しています。企業はまた、新しいソーシャルメディアプラットフォーム、キャンパスの就職フェア、またキャリアサイトでの募集活動を展開して、より広く網を投げかけ、通常のキャリアサイトであるMonsterやIndeedに加えて女性向けのFairygodbossも試してみることを提案しました。 企業はオープンでお互いを尊重しあう、インクルーシブな職場をつくることで、多様な人材を維持することができます。そのためには、全社イベントで異文化を称賛し、多様なコミュニティが結成したグループにマッチしたリソース、指導者、ネットワーク、ボランティアプロジェクトを提供することなどができるでしょう。 Supplier Diversity: We Hear You and Stand Togetherセッション 半導体業界を牽引しているのは激しい競争ですが、サプライチェーン全体でサプライヤの多様性を高めるには、熱烈な協力が必要です。 「このサプライヤの多様性は業界内だけの問題ではありません。この種の問題を克服するにはコミュニティ全体の力が必要です」と、Applied Materialsの最高情報責任者兼エンタープライズ・イネーブルメント・グループ副社長であるJay Kerley氏は述べました。 この点は、マイノリティ・グループが所有、経営、管理するサプライヤ企業との取引増加を目指すコミットメントとベストプラクティスを討議したパネリストたちも意見を同じくするところです。 「多様なサプライヤを選択するためのプラットフォームとパイプラインを開発するには、SEMI MOD (製造オーナーシップ・ダイバーシティ) タスクフォースのような工業会のエネルギーが頼りだということも重要です」とKerley氏は付け加えました。 サプライヤの多様性が求められるのは社会的な要請だけではありません。それは「競争力と革新性、そしてCOVID-19以前からの混乱も含めたサプライチェーンの安定性を高めるビジネスドライバーなのです」と、パネルディスカッションの司会を務めた全国マイノリティサプライヤ開発協議会 (NMSDC)の社長兼CEOであるAdrienne Trimble氏は述べました。 Intelにおいては、サプライヤの多様性は、すべてのコミュニティに対するダイバーシティとインクルージョンを受け入れるという同社のコアバリューに則ったものだと、サプライチェーン担当上級副社長兼ファブ・テクノロジー・ソーシング担当ディレクタであるShaheen Dayal氏は述べました。 「当社は社会的不公正を容認せず、サプライヤが事業においてダイバーシティを推進することを期待しています」とDayal氏は言います。 Intelは多様なサプライヤからの調達額を2030年までに倍額の20億ドルまでひきあげ、4億ドルのベンチャー基金を多様なサプライヤに集中させる計画です。 2011年の東日本大震災後、東京エレクトロンは、装置製造のギャップを埋めるためにサプライヤの多様性を高めてきましたが、その柔軟な体制が、COVID-19による混乱への対応に役立っていると、Tokyo Electron America社長のLarry Smith氏は述べました。 「多様なサプライヤとの協力によって、競争上の優位をもたらしました。これは社内外に向けて世界中に当社が発信しているメッセージです」と同社の上級購買マネージャであるMary Champagne氏は捕捉しました。 「安全で持続可能な建物を建てるということは、安全装置、新技術、HVACシステムに多様なサプライヤを利用するこということです」と、Johnson Controlsのサステナビリティおよびサプライヤ・ダイバーシティ担当副社長であるReginald Layton氏は述べました。同社は最近、主要サプライヤ1,500社を対象に、サプライチェーンの多様性をサポートしているかどうかを評価するための調査を実施しました。 「ビジネスが社会変革のためのプラットフォームであるという観点では、サプライヤの多様性こそ、アメリカの企業が社会変革を実現する最も有効な方法の一つになります」と、Salesforceの上級副社長兼最高調達責任者であるCraig Cuffie氏は述べました。例えば、購買部門で、多様なサプライヤからの調達額を年間25%増やすといった計画です。 SEMI、NMSDC、World Wide Technology (WWT)などのネットワークを活用するだけでなく、その資格を持つサプライヤは、第三者機関からダイバーシティ認証[ii]を取得して、より多くのビジネスチャンスの扉を開くべきだと、米国最大の黒人企業の一つであるWWTのビジネス開発担当副社長、Dicran Arnold氏はアドバイスしました。 Diversity Certifications: Eligibility Benefitセッション 製品やサービスのサプライヤがダイバーシティ企業の認証を受けると、民間部門や公共部門で急速に拡大するビジネス機会に参加できるようになり、競争上の大変な優位が得られると、R Mo Diversity Solutionsの社長であるRanjani Mohana氏は述べました。新たな契約、資本、そして企業や連邦・州・地方政府機関とのコネクションの機会です。 Mohana氏は、「第三者認証には数ヶ月から半年かかることもあるので、今すぐ取り掛かってください」と忠告しました。 ダイバーシティ・サプライヤ認証機関は、約340あります。この認証には、書類作成、審査、面接、場合によっては現地訪問が必要となります。米国でダイバーシティ・サプライヤ認証を受けるためには、まず、営利企業の所有・運営・財務管理に携わる人の51%以上が、以下のカテゴリーの人々によって占められる必要があります: 少数民族(アフリカ系アメリカ人、ラテン系アメリカ人、ネイティブアメリカン、アジア太平洋系アメリカ人、アジア・インド系アメリカ人) 女性 退役軍人 LGBTQコミュニティ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クィアまたはクエスチョニング[iii]) 身体障碍者 「資格を取得することは、大学に通い、宿題をし、学位を取得し、その後、自分に合った仕事を見つけるために様々な仕事に応募するようなものです」とMohana氏は言いました。 認証を受けることでサプライヤの認知度や優位性は増しますが、高い基準を満たし、ブランドを磨き、SEMIやIEEEなどの業界ネットワークを介して自らを宣伝することも大切です。 Hiring Heroes – Creating a Path from Military to Civilian Workforceセッション 「彼ら(軍人)はチームプレーヤーである…彼らは自分たちよりも大義に忠実である…彼らは責任ある市民である…つまり私たちが私たちのために働いて欲しいと思う種類の人間である」― ジョージ・W・ブッシュ前合衆国大統領 この言葉は、マイクロエレクトロニクス業界に就職した退役軍人が、日常のヒーローになっていることの理由を明確に示しています。退役軍人には、この業界に容易に適応できる高い技術力があるからです。 しかし、退役軍人という人材に目が向けられないことが多いと、東京エレクトロンのタレントアクイジション&グローバルモビリティ担当マネージャのKathy Garner氏は指摘しました。半導体エコシステム企業の採用担当者や退役軍人自身が、軍人経験によって磨かれたスキルセットやマインドセットの価値を認識していないことが多いと、他の発表者は指摘しています。 「ああ、ここはテクノロジー企業だ。私には働く資格がありません」と、元アメリカ陸軍の爆弾専門家がGarner氏との面接で言いました。しかし、その爆弾の専門家は、非常に複雑で高価な機器を扱うチームプレーヤーであり、自ら素早く考え、変化の激しい混沌とした環境とプレッシャーの中で仕事をこなし、一見乗り越えられないように見えるプロジェクトを完成させたのです。 様々な分野の出身者がいますが、昇進を重ねたベテランは、リスク評価、分析、トラブルシューティングなどの技術的なトレーニングを豊富に受けています。また、自ら進んで行動し、成熟した判断力を発揮する傾向があります。 Lam Researchの試験的材料担当シニア・マネージャーであるShawn Harbert氏は、「これらの資質はすべて、半導体業界における多くの仕事にとって大変有用です」と述べています。彼はまた、米国空軍士官として勤務する傍ら、Lam Researchの従業員リレーショングループを引いて退役軍人を支援しています。 自身の民間企業への転職について語るLam ResearchのShawn Harbert氏 最後の感想 以上のセッションは、SEMIが世界中でイベントプログラムに取り入れているダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、スマートワークフォースに関するセッションの代表的な例です。ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンを優先事項とするために、あなたの組織がどのように行動できるかについて、ぜひSEMI Foundationにご相談ください。 米国の故John Lewis下院議員の言葉を最後に引用します。「正しくない、公平でない、公正でない何かを見た時は、声を上げなければならない。何かを言わなければならない、何かをしなければならない。」 [i] 職場における共通の特性や経験を持つ従業員の部門を越えたグループ。ボトムアップ型のダイバーシティ推進策であり、フォーチュン500企業の90%以上で導入されています。(訳注) [ii] 米国大手企業の多くが、サプライチェーン・ダイバーシティ・プログラムを採用し、第三者機関によるダイバーシティ認証取得企業からの調達機会を提供しています。(訳注) [iii] クイアとは性的マイノリティ全体を包括する呼称。クエスチョニングとは自己の性別や性的思考を決めかねている人(訳注)
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SEMIは8月18日に、フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス(FHE)の設計、材料、製造、パッケージング、システムにわたる国際スタンダードを開発し、業界の発展を促進する新たなスタンダード委員会の発足を発表しました。SEMI北米地区スタンダード委員会の満場一致の指示とSEMI国際スタンダード委員会の承認を受け、当該技術委員会は世界ではじめてFHEスタンダードを担当する委員会として発足し、最初のチャプターが台湾に設置されました。 SEMIの最高マーケティング責任者兼SEMI Taiwanプレジデントのテリー・ツァオは次のように述べています。「SEMIスタンダード FHE 国際技術委員会は、業界が直面する開発のボトルネックを解消し、フレキシブル・スマート・テキスタイル、自動車、IoT等の関連デバイスに対する統一された測定スタンダードを確立するためにスタートしました。設置された台湾チャプターは、台湾のFHE分野がコスト低減と活発な競争を通じて業界の成長を推進するための国際業界スタンダードの開発に着手することを楽しみにしています。」SEMIスタンダードFHE国際技術委員会の当初の活動には、測定スタンダード案を健闘するワーキンググループの設立、材料、装置、製造技術に対するニーズの業界コンセンサスの形成、そして多様なコンシューマ向け最終製品市場への関係するFHE技術の導入促進をはかるスタンダード開発等があります。 台北に拠点をおくAiQ Smart Clothingのエグゼクティブ・ディレクターであるスティーブ:ファン氏は次のように述べています。同社はスマートテキスタイルの重要なIPを保有するイノベーターです。「SEMIスタンダードFHE国際技術委員会の発足を喜んでいます。この委員会に参加してスタンダードを作成できることを名誉に思います。スマートテキスタイルのアプリケーションのパイオニアとして、当社はスタンダードの欠落により生じる困難と、これによりFHEの広範な採用がいかに妨げられているかを敏感に察知しているところでした。」 SEMI国際スタンダード活動は今年で47年目となり、1000番目のSEMIスタンダードが昨年発行されています。SEMIスタンダードは、半導体、ディスプレイ、太陽光発電、MEMS、スマート製造の分野をカバーしています。 SEMIスタンダードについての詳細は、SEMIスタンダードWebページをご覧ください。
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私たちの身近にある家電やPCの電源部、ロボットを動かすモータ制御において、安定かつ効率的な電力供給や、無駄のない高精度の制御を実現するのがパワーデバイスだ。ありとあらゆる産業に使われており、特性・用途に合わせて多くのデバイスが存在する。パワーデバイスの技術革新は、未来の省エネ化のカギを握るといっても過言ではない。消費電力を削減し、環境にやさしい社会を実現する「影の立役者」である。パワーデバイスは、重要な役目を担う一方で、技術者不足が課題となっている。成長が期待される分野ではあるが、重要性の高さのわりに目立たない。半導体の分野の中でも比較的地味な存在だ。昔ながらの経験豊かな凄腕エンジニアがノウハウをもっていて、覚悟を決めて弟子入りしないと、その世界で生きていけないような職人的香りがする。でも、繰り返すが、未来の省エネ化のカギはパワーデバイスの技術革新が握っているのだ。つまり、今、この分野にトライするにはよい機会だといえる。技術知識を深めることで、時代のニーズに沿ったキャリアを手に入れることができる。 では、なにから学べばいいのか-----?  筆者は、全体を俯瞰し、体系的に学ぶことが、理解習得の近道となると考えている。技術体系がかなり複雑なので、一朝一夕にキャッチアップすることは難しいかもしれないが、最近は、エッセンスを一通り学べるセミナーも増えてきたので、興味がある方は、是非、参加いただきたい。といっても、仕事の関わり方によっては、実際行動に移すか迷われる方も多いだろう。そこで、本稿では、10月に予定しているパワーデバイスのセミナーのご紹介を兼ねて、パワーデバイスに関する基本的な情報をお伝えする。少しでもお役に立てば幸いである。 パワーデバイスは電力を変換する半導体素子パワーデバイスは各機器の電力を機器に使いやすい形に変換する半導体素子だ。交流を直流に変換したり、ノイズのない精度の高い電流に整えたり(整流)、電圧の上げ下げをしたり(電圧変換)、交流の周期を変えたり(周波数変換)する。性能・特性指標としては、電流、耐圧、スイッチング特性、および損失特性(オン抵抗/オン電圧/スイッチング損失)が比較検討される。機器の用途によって必要となる電圧、電流の範囲が異なる。機器の安全性が保証される範囲である定格電流、定格電圧の2軸でマッピングした絵が用途別の俯瞰図としてパワーデバイスの世界ではよく使われている(図1)。図1 機器の用途によって必要となる電圧、電流の範囲が異なる。機器の安全性が保証される範囲である定格電流、定格電圧の2軸でマッピングした絵が用途別の俯瞰図としてパワーデバイスの世界ではよく使われている(図1)図2 また、制御方式や機能・特性によってもさまざまな種類のものがある。全体を俯瞰するもうひとつの見せ方は、定格電力と動作周波数の2軸で各デバイスを表現したものだ(図2)。これも業界ではお馴染みの絵だ。なお、図1、2は各デバイスの大分類に過ぎない。実際に、パワーエレクトロニクス機器の開発にあたって評価・検討する。パワーデバイスの構造・特性は多岐にわたる。例えば、モバイル用充電器、電源アダプタなど、比較的扱う電力が小さく、小型化が要求される機器向けに、高速スイッチングの特長を生かせるデバイスとしてパワーMOSFETがある。パワーMOSFETは導通損失(オン抵抗)を下げるために二重拡散MOS(DMOS)を基本とする。チップに流れる電流の方向としては、横型(LDMOS)、縦型などバリエーションがある。近年、耐圧を維持しながらオン抵抗を下げる工夫として、LDMOSのドリフト層の表面電界を低減するRESURF(Reduced Surface Field)構造や、同じ耐圧でもドリフト層を薄くでき、低オン抵抗化が可能なスーパージャンクションMOSなどが注目されている。また、特性に関しては、しきい値やオン抵抗などの電流電圧特性、スイッチング特性などがある。携帯機器用のパワーMOSFETのようなデバイスと、電力の大きな産業機器や大型モータ制御用に使われるIGBTでは評価する特性・内容が異なってくる。顧客の用途に合わせて個々のデバイスで高度なすり合わせを行うイメージだ。そのため、デバイスごとに見るべきポイントを習得する必要があるのだ。 付加価値の源泉はデバイス構造の進化にありパワーデバイスは、ロジックやメモリなどのICと製造面においては、その技術開発の方向性が大きく違う。基本的にプロセスの微細化は緩やかであり、微細化の話題もあまり頻繁に語られることはない。少数製品の大量生産というよりは少量多品種生産のケースが多く、ウエハーの大口径化によるコストダウンが効きにくい。そのため、前工程で一度に大量のデバイスを生産するメリットがメモリなどと比べると薄いのだ。300mm化へのシフトも一部で進行しているが、主流はまだまだ200mm以下だ。ロジック製品がコアとなるIPや論理回路などの機能軸で差別化を図るが、パワーデバイスの付加価値の源泉はデバイス構造とそれを実現するプロセス技術である。高効率なデバイスを実現するためにデバイス構造やパッケージ/モジュールの実装技術を進化させることが性能向上に寄与する。先の例で取り上げたパワーMOSFETのスーパージャンクション構造では、プレーナMOSソース下部の深さ方向に柱状のP層を形成することで、チップサイズの上昇を抑えつつ高耐圧化、低オン抵抗化を実現している。後工程のパッケージやモジュール技術のノウハウも他の半導体と比べ重要度が高い。大きな電流電圧を扱い、発熱対策も必要なため、ボンディング技術や放熱設計が必要になるためだ。 次世代の本命!ワイドバンドギャップ半導体パワーデバイスの中で今、最も注目度が高いのがSiCやGaN、酸化ガリウムなどの新材料の話題だ。従来は、コストの問題などで限られたニッチ市場でのみ使われていたが、高速鉄道や太陽光発電(PCS:Power Conditioning System)などで普及が進み、最近は自動車、医療、データセンタ用で市場が期待されている。ワイドバンドギャップ半導体で先頭切って製品化されたのがSiCショットキーバリアダイオードだ。ついで、SiC-MOSが実用段階にきている。最近では、パワーMOSFET、IGBT、HEMTでも新素材を使った動きが活性化している。プレーヤも増えており、パワーデバイス以外を手掛ける半導体メーカや自動車電装メーカなどの異分野からの参入組も目立っている。ビジネスモデルも多様化しており、ウエハー製造からモジュールまで手掛ける垂直統合企業、チップ設計に特化するファブレス設計企業もあれば、後工程に特化したモジュール企業もある。 パワーデバイスの魅力とは?パワーデバイスは今後成長が期待される有望技術であり、新しい技術が次々に登場していて目が離せない領域だ。ロジックやメモリと違い、一部の固定プレーヤが上位を占める市場構造ではない。競争は激しいが、メモリのように高額の設備投資ありきのビジネスではなく、いろいろな要素が複合的に絡み合うため、未来の勝者が読みにくい(誰もが勝者になり得る要素がある)ところも面白い。なにより多くの日系メーカがこの分野で第一線のポジションで頑張っている。そこがパワーデバイスの一番の魅力かもしれない。 【セミナーのご案内】パワーデバイスの基礎から最新動向までカバー パワーデバイスの基本構造・特性、製造方法、パワーモジュールの概要から信頼性評価に至るまで、基本的な内容を一通り理解できる構成になっております。 また、注目度の高いワイドバンドギャップ半導体の材料動向や学会における最新情報までを盛り込んでいます。 パワーデバイスの技術になじみが薄い初心者の方にもわかりやすい構成になっていますが、実務に役立つ知識を随所に盛り込んでいますので、現在技術者の方にもおすすめです。 セミナーは2日間。講師は、複数の半導体メーカでデバイスやプロセス技術の経験豊富な群馬大学大学院理工学府電子情報部門客員教授の松田順一氏です。 <パワーデバイスセミナー概要> 日時: 2020年10月27日㊋ – 28日㊌ 9:45 – 17:45 場所: SEMI会議室 セミナーの詳細はこちら
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SEMICON West 2020で登壇した元米国副大統領であり、環境活動家としてノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア氏が、世界は「サステナビリティ革命」の真っただ中にあるとコメントしました。その言葉の意味するところ、そしてそのメッセージが私たちに向けられた理由は何なのでしょうか。その答えは、デジタルトランスフォーメーションが農業革命や産業革命を拡大していますが、その急激なスピードは半導体産業が源泉となって可能にしているとゴア氏が考えているということです。そうです、ゴア氏が語るべき場所、それがSEMICON Westなのです。 このイベントの50周年、そして情報化時代のイノベーションを促進してきた半導体産業の50周年を記念して、ゴア氏を含む各界著名人がバーチャルステージに登壇し、基調講演を繰り広げました。それぞれの講演は、世界の様々な重要課題を解決するために、マイクロチップの進歩が不可欠であることを示しました。 会議の主催者として、私はゴア氏、Applied Materialsの社長兼CEOであるゲイリー・ディッカーソン氏、IBM Researchのエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼ディレクターであるジョン・ケリー3世博士をはじめとする著名な講演者を紹介する機会に恵まれました。彼らの洞察は、持続可能な未来を構築するために、半導体のグローバルサプライチェーンがどのように貢献できるかを示すという点で、正に時宜を得たものでした。以下に、お三方の講演ハイライトをご紹介します。 アル・ゴア氏 - 地球は存亡の危機に直面しているSEMICON West 2020の開幕を飾った、ゴア元副大統領の基調講演は、Greenbiz誌編集長ヘザー・クランシー氏との対談形式で行われました。その中でゴア氏は、デジタル技術の進歩、特にマイクロチップのイノベーションは、世界の最も壮大なチャレンジを克服するための最大の機会を提供するだろうと強調しました。マイクロチップのブレークスルーは、彼が「サステナビリティ革命」と呼ぶ変化の最先端にあって、エネルギー効率の向上、化石燃料依存からの脱却、太陽光、風力、電気電池などの再生可能エネルギーの効率最適化を実現するでしょう。 「私たちは、データや通信技術への依存度を、特にクラウドコンピューティングや人工知能などの分野で強めており、ひとつの転換点に直面しています」とゴア氏は述べました。「業界はこのことを認識し、取り組んでいますが、皆さんがリードする今回の会議(SEMICON West 2020)は、真の転換点を刻むものです。これは誇りに思うべきことであり、称えられるべきことです。そして私に希望を与えてくれるものです。」 ゴア氏は、ムーアの法則、またマイクロチップの効率と効果の大きな進歩を引き合いに出し、2年以内にスマートチップによって、ソーラーパネルやバッテリーから再生可能発電所や電気自動車に至るまで、あらゆるものが従来のエネルギー源に対してコスト的にも性能的にも競争力のあるものになるだろうと述べました。その後には、再生可能エネルギーの方が、より魅力的なものになるでしょう。 ゴア氏は、エネルギー集約型の半導体製造を、再生可能エネルギーにシフトするよう促しました。この課題に対応するため、ゴア氏は業界に次のような「大変革」のための戦略をとるよう提案しました。 第1に、マイクロエレクトロニクスのバリューチェーン全体で、より透明性をもってコラボレーションとベストプラクティスの共有をすることです。「最先端のアプリ、AI、ディープラーニングによって、ハードウェアを変更することなく、データサーバのエネルギー使用量を大幅削減した例は、すでに数多く存在している」とゴア氏は指摘しました。 第2に、小型でスマートな半導体を製造するための電力を削減することです。ゴア氏は「すべての装置メーカーが協力して、先進的な半導体の製造で排出される二酸化炭素量を削減する」ことを奨励しました。 第3に、データセンターが使用する電源の脱炭素化を進める企業が増えており、これに続くことだとゴア氏は述べました。 第4に、地球温暖化を産業革命以前の水準から2℃以内に抑える脱炭素化の限界を設定した、政府の「科学的根拠に基づく目標」に協力することです。 最後に、デジタルの未来に向けてイノベーションを起こす際には、「思考の多様性」と「集団的思考」に頼りましょう。異なる視点からの意見がより良い意思決定につながることは、研究や経験から明らかです。テクノロジー産業は、人材の多様性の面で進歩を遂げてきましたが、まだこれからだとゴア氏は述べています。この最後のポイントは、SEMIのメンバーとして、また業界として協力をする我々の強みを活かすことができると言えるでしょう。 ゴア氏は次のように述べました。「科学者たちの警告を無視し、この危機を解決できなかったために訪れる結末の中で、未来の世代が暮らすことになるとは想像したくありません。私たちは状況を受け入れ、できる限りのことをしなければなりません。私は、この業界のリーダーシップ、革新性、そして困難に立ち向かい、変化をもたらす精神に触発されました。」 ゲイリー・ディッカーソン氏 - より良い未来の実現これからの50年の成長とイノベーションを加速させるために、今日の半導体業界のリーダーたちは、業界全体でのサプライチェーンの持続可能性と公正さを高める取り組みを共有しなければなりません。 ディッカーソン氏は、基調講演の中で「まず実行すべきことは、成長と環境影響を切り離すことです」と述べました。「リーダーとしての私たちの責任は、世界をより良い場所にすることです。」 ディッカーソン氏は、データの処理量や保存量の爆発的な増加は「世界を変える可能性を秘めている」と固く信じていますが、その一方で、私たちの業界のカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)が急速に拡大してしまう可能性というマイナス面もあると述べました。劇的な変化がなければ、マシンがより多くのデータを生成、消費、計算し、エッジからクラウドへのワークロードが増大するにつれて、電気使用量は増え続けるでしょう。 ディッカーソン氏は、「現在の電力消費率では、(AIを使った)ニューラルネットワークは実現不可能」だと述べ、半導体デバイス、アーキテクチャ、構造、材料、パッケージングの性能と効率をさらに向上させなければならないと指摘しました。 ディッカーソン氏は、システムインテグレータ、装置サプライヤ、設計・製造サービスプロバイダ、その他の業界関係者間のコミュニケーションの壁を取り払い、エレクトロニクスエコシステムの「思考と行動を永遠に変える」よう促します。学びとベストプラクティスの共有が、この変化には不可欠であるとディッカーソン氏は述べました。 ディッカーソン氏は講演の中で、Applied Materialsの10年ロードマップSuCCESS2030(Supply Chain Certification for Environmental and Social Sustainability)を発表しました。SuCCESS2030の下で、Applied Materialsはサプライヤに対して、再生可能エネルギーや従業員のダイバーシティへの取り組みについて、同社の高い基準に沿った次のような目標を設定しています: 航空貨物よりもインターモーダル輸送の利用を増やし、4年間でサプライチェーンの二酸化炭素排出量を15%削減 2023年末までを目標にサプライチェーンの梱包のリサイクル材料を80%に高める 2024年までにリン酸塩による金属表面の前処理を廃止 SEMIのような業界団体と協力して、ダイバーシティとインクルージョン戦略を展開し、職場での人口比率に対して小さな割合しかいないマイノリティの人数を増やす ディッカーソン氏は、Applied Materialsと顧客やサプライヤとの間のパートナーシップの深化とオープン化が、多くの有望な成果につながっていると述べています。例えば、ハードウェアとソフトウェアのアップグレード、製品とサービスの最適化、チップアーキテクチャの改善により、電力やケミカルの消費量、コスト、スペースを削減しつつ、スループット密度を高めてシステム性能を向上させたことなどが挙げられます。さらに、Applied Materialsは最近、選択的タングステンプロセス技術を発表しました。この技術は、新材料、原子レベルの設計、超クリーンルームを使用して、消費電力を低減しながら配線されたトランジスタの性能を向上させるものです。 ディッカーソン氏は、COVID-19のパンデミックは世界をデジタル技術の力に目覚めさせたと述べています。これによって人々は在宅のままで、コミュニケーション、コラボレーション、そしてデータの共有を全世界と行えるのです。 「世界の壮大な課題を考えると、半導体産業が果たすべき重要な役割があることは明らかです。私は、私たちが未来を形作り、より良い場所にすることができる立場にあると強く信じています」とディッカーソン氏は述べました。 ジョン・E・ケリー3世-この50年で世界は変わったが、それはまだ始まりにすぎない過去半世紀の間に、半導体はあらゆる主要技術に進歩をもたらしたとケリー氏は基調講演で述べました。人類を月へと運んだロケットの打ち上げでも、スーパーコンピュータによる核兵器のシミュレーションでも、モバイル機器を介して人々をほぼすべてのモノに接続する時も、ペースメーカー等の電子医療機器で人々を延命させる時も、マイクロチップのイノベーションは中心的な役割を果たしてきました。 イノベーションの歩みは目を見張るものがあります。1970年には、半導体チップは数千個の部品で構成されていました。今日では、その数は500億個に達しています。材料、ケミカル、研磨、プロセス、配線に至るまで、あらゆる分野のブレークスルーによって、チップサイズを縮小と電力効率、性能の向上が遂げられました。 ムーアの法則は決して死んではありません。ケリー氏は、ウィンストン・チャーチル氏の言葉を言い換えて、今日の半導体イノベーションはこう語りました。「終わりの始まりではなく、始まりの終わりであり、最高のものはまだこれからなのです。世界最大級の危機に打ち勝つための、究極のコラボレーションと究極のイノベーションによって、それはもたらされるでしょう。」 ケリー氏は、大気や水質汚染、気候変動、天然資源の枯渇、嵐による災害、食糧不足、COVID-19パンデミックなど、今日の社会と人々に襲い掛かってくる巨大な危機に対する唯一の答えがテクノロジーであると信じていると述べました。 ケリー氏は、COVID-19に対する世界の対応は、100年前のスペイン風邪の危機から「あまり変わっていない」と嘆きました。マスクという同じテクノロジーが、相変わらず主たる防御手段となっているのです。 「デジタルテクノロジーとコンピューターモデリングを早期から導入していれば、このインフルエンザの広がりも検出できたはずです」とケリー氏は述べました。 今日のコンピュータのモデリングと分析能力は、パンデミック、地球温暖化、水質汚染などの複雑な問題に取り組むには、まだ十分とは言えません。しかし、ケリー氏は、最も困難な危機に対する有望な答えとして台頭している画期的な技術は、いずれも半導体が原動力となっていると言います。 ケリー氏は、「データがすべてであり、人工知能が進むべき道です。これこそ最強の解析技術であり、AIをこれら諸問題の規模に適用するには、多くの新たなデバイスが必要となるでしょう」と述べました。「次にテクノロジーは、クラウドコンピューティングだけでなく、エッジコンピューティングとエッジでのクラウドで展開されるでしょう。膨大な量のデータが生成されるのはエッジですから、そこにデータを保存したり計算したりする必要が出てくるのです。その次は量子コンピューティングです。率直に言って、最大級の危機に対処するだけの十分なコンピューティング能力が、我々にまだ備わっていないのです。」 これらの進歩はすべて、AI内蔵デバイスの潜在能力を最大限に発揮するための新材料、新チップアーキテクチャ、新マッピング構造の開発など、半導体業界に新たな課題を提示するでしょう。 これらの破壊的イノベーションの多くは、どの企業も単独で解決するには規模が大きすぎるため、ケリー氏は業界関係者に、これまで以上に「根本的なパートナーシップ」を築くよう提言しました。 「究極のコラボレーションと究極のイノベーションが、これらすべての世界的危機を解決へと導くことになるでしょう。最高のものがくるのは、まだこれからです」とケリー氏は述べました。 根本的なパートナーシップ...持続可能な進化...究極のイノベーション...SEMICON Westど50年の歴史がありますが、本物の魔法はまだ始まったばかりのようです。ケリー氏が述べ、他の基調講演者が強調したように、最高のものはまだこれから来るのですから。
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