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SEMI News

SEMIによると、世界に約80,000の表面実装技術(SMT)とプリント基板アセンブリ(PCBA)の製造ラインがあると推計されています。 これだけ多くのラインが存在すると、効率と生産性の追求の中で、アップグレードを追加・実装し、ライン上の設備に出入りするデータのパワーを活用するために、標準規格は非常に重要です。 標準化された通信システムのバックボーンにより、各ラインは最新の装置やソフトウェアを統合し、ROIを向上させることができます。 SEMI®は、SMTやPCBAなどの組立ラインのシナリオに対応した標準規格群を開発しています。新しいSMT Equipment Link Standards(SEMI SMT-ELS)は、ライン上の異なる装置間の水平通信(HC)と、装置と上位ホスト(例えば、ライン・コントローラ/装置ホスト、もしくはファクトリー・オートメーション・ホスト)間の垂直通信(VC)に対応しています。 半導体前工程処理とフロー指向処理 SMTのようなフロー指向のプロセスは典型的な半導体前工程のプロセスとは異なるので、SMT-ELS規格群が必要になりました。 SECS/GEMが最初に利用された半導体前工程の領域では、工場のホストは装置の制御に非常に関与しており、プロセスは非常にジョブ中心です。ホストは、情報の設定やロギングに加えて、装置の実行を制御し、多くのジョブやレシピのシナリオを処理しなければなりません。SMTの場合、ラインはオペレーターとのやりとりが多く、工場ホストは現在のところ制御の側面にはあまり関与しておらず、最小限のデータ収集の要件しか受けていません。 前工程の領域では、自動マテリアル・ハンドリング・システム(AMHS)が、材料を、以前あったツールに戻すことも含めて工場内のどこにでも運ぶことができます。SMTの場合は、材料の行き先は非常に固定された流れになっています。SEMI A1インターフェースは、隣接する装置に受け渡されようとしている材料と材料データの情報を同時に転送する方法を提供します。 前工程の装置は、キャリアと内部保管場所を使用して、処理すべき材料をバッファリングすることができます。組立ラインでは、製品は最小限の待ち行列で、入って来て、処理され、出て行きます。装置もまた非常にシンプルです。往々にして装置にはPCさえなく、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)などの専用リアルタイム・システムで制御されている場合があります。これらの場合、SECS/GEMは、必要とされる機能に対して過度のオーバーヘッドとインフラストラクチャを課します。 他にもいくつか考慮すべき点があります。 ジョブ・ベースであるため、前工程の装置は、より多くの実行順列をサポートすることができます。例えば、以下のようなものです。 ジョブは、材料がツールに到着する前でも後でも作成することができます。 正しい材料が装置にあることを確認するために、多くの異なるキャリア検証シナリオがあります(ホスト・ベースまたは装置ベースの検証を使用)。 ジョブ自体が、一時停止、再開、停止、打ち切りを持つ多くのシナリオをサポートします。 SMTラインでは、 ライン上には最大10本のトラックを配置することができます(通常は1~2本のトラックしかなく、一方向に流れますが)。 レシピは事前にダウンロードされており、製品が装置に到着した時に、製品に添付された材料データによって自動的に選択されます。 SMT-ELSスタンダード・セットは以下のように構成されています。 SEMI A1 - Specification for Production Equipment Smart Connection Interface (PESCI) この規格は、装置のラインに沿ってのポイント・ツー・ポイントの通信やメッセージの伝搬(バケット・リレーのような)と、隣り合った2つの装置間での材料と材料データの同時転送を扱います。SEMI A1.1 - Specification for TCP/IP Interface for PESCIは、SEMI A1をTCP/IPで実装する方法を概説しています。 SEMI A2 - Specification for Surface Mount Assembler Smart Hookup (SMASH) この規格は、SEMI A1/A1.1を装置ホスト(装置サプライヤ提供)と装置の通信と、装置間通信に適用する方法を規定したものです。 F-GEMタスク・フォース(Automation Technology技術委員会日本支部傘下)は、ライン装置と通信したいファクトリー・オートメーション・ホストなどの上位ホストをサポートするために、SEMI A1を用いた(SEMI A2と共存する)垂直通信をサポートするための新規格を策定中です。将来的に、この規格はSMT以外の他のフロー指向の産業をサポートするよう拡張されるかも知れません(SEMI A1のみを使用)。 システムとベンダーは、相互に適切に通信するために、同じバージョンの標準で動く必要があります。互換性を確保するために、SEMIはSMT-ELSスタンダード・セットにFreeze Version管理を適用しています。 2019年10月に発表され、SMT-ELSスタンダード群の1019バージョンを指定したFreeze Version 0が実装され、Automation Technology技術委員会のメンバーはFreeze Version 1に向けてアップデートとプロトタイピングに取り組んでいます。 SMT-ELSスタンダードの詳細については、SEMI SMT-ELSのウェブサイトをご覧ください。(https://www.semi.org/jp/SEMI_SMT-ELS) SEMIスタンダードの活動には誰でも参加できますが、会議に参加するには、SEMIスタンダード・プログラムのメンバーとして登録していただく必要があります(https://www.semi.org/jp/Standards/CommiteeInfo/ctr_028435)。SEMIスタンダード・プログラムのメンバーシップは、SEMIのコーポレート、アソシエイト、アフィリエートのメンバーシップ(SEMI会員)とは異なりますが、業界の継続的な発展のために、この重要な活動を支援するために参加することが奨励されています。 著者について: Terry Asakawa氏(VistaIdeal Consulting代表)は、25年以上にわたりSEMIスタンダードの開発に携わり、半導体工場向けの装置物理インターフェースや通信を中心に活動してきました。近年は、フロー・ショップ製造のための通信プロトコル規格に焦点を当て活躍されています。現在、日本Automation Technology技術委員会の共同委員長、F-GEMタスク・フォースのリーダーを務めています。 Albert Fuchigami氏は、PEER Group Inc.のシニア・ソフトウェア開発者です。氏はデータ収集や工場ホスト・システムとの通信において、前工程処理とフロー・ベースの組立ラインの違いを考慮した取り組みになるようSMT-ELSのSEMIスタンダード開発に携わっています。Albert氏は、異なるユース・ケースと制御シナリオを識別し、ユーザーがどのような場合にSECS/GEMとSMT-ELSスタンダードが適切かわかるように、その違いの理解を支援したいと考えています。 本件についての問合せ: SEMIジャパン スタンダード EHS部 菅野博史([email protected] ) 初出:2020年6月8日、SEMI Blog ※本稿は、SEMI Blogに掲載されました記事を日本語訳にしたものです。
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カリフォルニア州ミルピタス ― 2020年7月14日 ― SEMI ファウンデーションは、半導体およびフラットパネルディスプレイ製造装置の機器の世界的メーカー大手である東京エレクトロン株式会社(TEL)のマーケティングおよびコミュニケーション担当ディレクター ケイティ・クリスト(Katy Crist)氏をSEMIファウンデーション理事に任命することを発表しました。クリス氏は現在、SEMI人材育成/ダイバーシティおよびインクルージョン評議会の共同議長を務めています。 SEMI ファウンデーションのエグゼクティブディレクターであるシャリ・リス事務局長は、「半導体およびマイクロエレクトロニクス産業のダイバーシティ推進に尽力するケイティ氏の情熱は、業界への人材パイプラインの拡充を促進し、ジェンダーの多様化と女性のリーダーシップ登用を促進するというSEMI ファウンデーションのビジョンを実現する力となるでしょう」と述べています。 TELは、SEMI ファウンデーションのダイバーシティおよびインクルージョンへの取り組みを支援しています。クリスト氏とTELは、SEMIファウンデーションと提携して社内のメンタリングプログラム(熟練者が新人に助言しながら行う人材育成活動)を提供する他、兵士の市民生活復帰を支援するための退役兵向けトレーニングのベストプラクティスと業界の認知向上プログラムを共有しています。 その他にもTELは、High Tech Uプログラムなど、SEMI ファウンデーションの主要な取り組みを支援しています。3日間コースのHigh Tech U実体験プログラムでは、高校生にマイクロエレクトロニクス産業を体験してもらい、理数系教育の履修を奨励しています。このプログラムには、業界の専門家からの職業案内や、大学生活を垣間見るための大学訪問なども含まれています。 クリスト氏は次のように述べています。「SEMI ファウンデーションと提携できたことは、特別な特権だした。この数年、私はSEMI基金の業界が直面する最重要課題、つまり人材危機、業界イメージ、ダイバーシティとインクルージョンへの取り組みを詳細に見てきました。理事会の一員として、これらの問題を含めた重要課題への業界対応を強化するために、SEMI ファウンデーションとこれまで以上に緊密に協力することを楽しみにしています。」 SEMI ファウンデーション理事会一覧はこちらを参照ください。 SEMIファウンデーションについて SEMI ファウンデーションは、501(c)(3)法人の非営利慈善団体として、2001年に設立されました。SEMI ファウンデーションは、教育プログラム、ダイバーシティ活動、会員の参加を通じて、十分に訓練されたイノベーティブな労働力を引きつけ、育成し、維持することで、マイクロエレクトロニクス産業の持続的成長を支援しています。ファウンデーションが最も早い時期から運営している主要プログラムは、理数系大学教育と職業を目指す高校生を刺激することを目的としたSEMI High Tech Uと、SEMI High Tech U教師版です。2002年以来、High Tech Uプログラムは、オーストリア、フランス、日本、韓国、オランダ、シンガポール、台湾、米国で開催され、8,200人以上の生徒と教師に刺激を与えています。
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SEMIジャパンでは、新型コロナウイルスの流行下においても情報提供を継続するため、毎月ウェビナーを開催しております。6月18日、6月24日、7月7日には、SEMIジャパンMembers Dayとして3回のウェビナーを提供いたしました。例年のようなフィジカルな講演会・交流会は催すことができませんでしたが、オンライン化することにより、遠方の会員を含めより参加しやすい環境になり、延べ2千人を超える方々にご参加いただけました。 3回を通じた大まかなテーマはコロナ時代の半導体産業のアップデートと会員企業の新たな戦略作りの支援でしたが、業界がおかれた状況を考慮し、SEMI会員以外の方々にも会員と同じように無料で提供させていただきました。このことも一般の聴講者が参加された要因となりました。 3回のウェビナーには次の5名の専門家に講演をいただきました(講演順)。 アクセンチュア(株) ビジネス コンサルティング本部 コンサルティンググループ日本統括 マネジング・ディレクター 金若 秀樹氏 (株)SUMCO マーケティング技術部担当課長 小森 隆行氏 マイクロソフトコーポレーション 製造インダストリー ディレクター 濱口 猛智氏 OMDIA シニアコンサルティングディレクター 南川 明氏 ボストン・コンサルティング・グループ マネージング・ディレクター&パートナー 小柴 優一氏 半導体への影響は比較的小さく追い風も 5名の講演者は、コンサルタント、ITサービスプロバイダー、半導体材料メーカー、アナリストという異なる視点から状況を観察していますが、口を揃えて半導体産業は他産業と比較してコロナウイルス流行による影響が小さかったと述べています。現在の旺盛な半導体需要を支えているのは、外出の抑制あるいはロックダウンによる急速なデジタルトランスフォーメーションが社会全体に広がったことがあげられました。 新型コロナウイルスの影響下では、リモートワーク、リモート学習、リモート医療、また在宅での娯楽を支えるエレクトロニクス需要が発生していますが、南川氏(OMDIA)はそれだけではないと言います。 南川氏によると、ビデオストリーミング、ゲーム、リモートワークなどでクラウドサービスの利用が急増し、その結果として通信ネットワークに対する需要が増加しています。Nokiaの報告によると通信ネットワークのトラフィックがオンライン会議で300%、ゲームで400%増加しており、ピークトラフィックはキャパの上限に近づいています。こうした状況から、サーバーの出荷額は2024年まで年平均8%の率で成長が続くと南川氏は予測しました。 しかし、すべての半導体が順調ということではないと、小柴氏(ボストン・コンサルティング・グループ)は指摘しました。半導体のエンドユーザーのコロナウイルスから受ける影響には強弱があり、影響が大きくなっているのは自動車、産業機械、航空機の各産業だと言います。そのため、例えば車載半導体需要は減速すると考えられますが、その場合、半導体バリューチェーンの中で最も影響を受けやすいのは、車載売上比率の高いデバイスメーカーや、国内半導体商社だと小柴氏は述べました。 南川氏は2020年の半導体アプリケーション市場について、好調なのはデータセンター、ノートブック、SSD、HDD、ゲームであると予測しています。 今、半導体業界で何が起こっているか 小森氏(SUMCO)はシリコンウェーハの大手サプライヤーの視点で業界動向を分析し、現在進行している半導体の変化について次のように報告しました。 微細化と300mm需要をけん引しているのはスマートフォンで、ハイエンド機では1台あたり平均1,700mm2のシリコンウェーハを使用していると推定され、その内80%以上が300mmウェーハで、50%以上がマルチパターニングの先端プロセスで製造されたチップである 5Gの通信高速化、周波数帯域の増加でスマートフォンのRF半導体搭載量が増加し、RFスイッチ、チューナーは化合物からシリコンに置き換わった 5Gスマートフォンは、CPUとモデムのワンチップ化により低価格化が促進され、普及が加速 CMOSイメージセンサーは裏面照射、積層化で高画素化と高感度化が進んでいるが、今後は非可視光帯域をカバーするマシンビジョン向け製品の技術開発が進む EVやロボットなどのモーター需要でIGBTやMOSFETなどパワー半導体が生産拡大し、300mm化が進んでいる 南川氏も、5Gスマートフォンの普及については、これまでで最も急速に進展し半導体消費に貢献すると予測しました。また半導体ファブの稼働率について、メモリーが大手メーカーの投資抑制により高水準を保っており、今後生産能力が増強されても需給バランスは維持され、ファウンドリは3月末にスマートフォン関係のキャンセルが出たもののやはり高水準を維持し好調、マイクロもノートPCやサーバーの需要増で2020年後半から稼働率が高まるとしています。 ニューノーマルへの転換 コロナ危機によって加速されたデジタルトランスフォーメーションは、一時的なものでなく今後も常態化し、社会の構造が変化するという見方も、各講演者に共通して見られた見識です。 金若氏(アクセンチュア)は、デジタルトランスフォーメーションによって社会・経済活動が大きく変化し、企業においても、特に「働き方」の領域において変化が顕著だと述べました。中小企業におけるリモートワーク環境の整備はまだ十分に進んでおらず、政府による支援の予算化でこれから加速すると予想されますが、大手エレクトロニクス/IT企業においてはすでに制度改革が進行しています。金若氏はその例として、NTTが今後も在宅勤務5割を継続する方針を発表したこと、東芝が2019年から計画していた全社変革5年計画にある原則H在宅勤務が加速されるであろうこと、日立製作所は2021年4月から在宅勤務を標準としたこと、dwangoが全社員を対象に原則在宅勤務を承認すると発表したことを挙げました。 また金若氏は、営業活動などを単純にリモート化することによる弊害も指摘し、商談のオンライン化、取引のペーパーレス化、イベントのバーチャル化だけではなく、オンラインコミュニティの創出、デジタル空間でのリッチコンテンツ提供といった新たな集客力、営業力の構築も必要であると提言しました。 製造業のデジタルトランスフォーメーション 新型コロナウイルスのパンデミック対策として、各国間で渡航の規制がなされ、これによるエンジニアの海外での現場作業が困難になるなどの問題が発生していますが、こうした人に依存したシステムを補完するデジタル技術について、濱口氏(マイクロソフト)はいくつかの事例を紹介しました。 ASMLが採用したリモート作業支援システムでは、装置保守のエキスパートと現場にいるリモート作業者をネットワークでつなぎ、エキスパートは作業者が装着したカメラ映像を見ながら、作業指示を音声と共に作業者が装着したゴーグル上にグラフィカルに提供し、複雑な作業を支援することに成功しています。ここで重要になるのはナチュラル・ユーザー・インタフェース(NUI)を導入して、作業者が直感的に指示内容を理解できるようにすることです。 また、AIの活用による工場オペレーションの変革も、オンサイトの作業者を抑制するためには必要となります。濱口氏は半導体業界への適用例として、装置メインテナンス後のキャリブレーションエラーによるダウンタイムを削減するために、深層強化学習によりキャリブレーションを自動化するAIの自律的な仕組みを実現したケースを説明しました。 リスタートに向けた企業戦略 コロナ危機は、前述した「働き方」の領域以外にも、グローバルなビジネス環境を含めさまざまな変化を起こしており、企業は変化に則った戦略の見直しをする必要があります。小柴氏(ボストン・コンサルティング・グループ)は予想される変化領域を示し、その中からサプライチェーンの変化について論じました。 小柴氏によると、グローバルサプライチェーンは安定調達のために、国産化、冗長化が進み、全体としてのコスト増は避けられません。また米中のような地政学的対立も相まって、貿易総額は2023年までに以前の水準に回復しても、貿易路間の金額は大幅にシフトすることが予測されます。企業はサプライチェーンの短期的な回復力の向上と、中長期的な変革を進めるために、安定とコストのトレードオフの評価、リスクの可視化が必要となります。 また、小柴氏は14%の企業が過去の不況において売上・利益率の成長を実現していることを指摘し、逆境においても成長への積極投資、機会をとらえたM Aの実行、そして他社よりも迅速に変化に対応することが提言されました。 SEMI入会のおすすめ SEMIは全世界で参加企業が増加し、2,300社以上のマイクロエレクトロニクスサプライチェーン企業が参加する国際工業会です。SEMIの提供するさまざまなプラットフォームで、マイクロエレクトロニクスコミュニティのコネクション、コラボレーション、イノベーションが進行しています。ぜひ貴社もグローバルコミュニティに参画され、SEMIの様々な活動を事業拡大へとご活用ください。SEMIの組織および入会については、SEMIのWebサイトをご覧いただくか、SEMIジャパン カスタマー・サービス(03-3222-5988 | [email protected])までご連絡ください。
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2020年2月、欧州委員会は、「White Paper on Artificial Intelligence: a European approach to excellence and trust(AI白書:卓越性と信頼への欧州のアプローチ)」の原案を発表し、関係者による協議を開始しました。これを受けてSEMI Europeは、会員からのフィードバックをまとめ、6月に主要な政策提言を欧州委員会に提出しました。 AIの開発は最近までクラウドが中心であり、計算は概して遠隔のデータセンターで行われていました。この集中型モデルに挑戦しているのがエッジAI、つまり、スマート機器にIoTセンサーとオンボードのデータ処理を搭載することで、データを生成ポイントで計算するモデルです。AIアプリケーションには、完全自律型の交通システムでの人や車の認識のように、パターン認識の高い即時性が求められるようになりました。このような人命にもかかわるアプリケーションでは、クラウドとのデータの往復時間を待つことはできませんし、HDカメラ、レーダー、ライダー、その他の高速センサーから送信されるテラバイトのデータを無線通信に頼ることもできません。このようなケースでは、データが収集された場所で即時に計算する必要があり、エッジコンピューティングはこれからのIoTシステムやAIアプリケーションの柱として重要性が増しているのです。 今後もクラウドはエッジを補完するために必要であり、大きすぎるビッグデータのプールや、電子機器上で実行するAI推論アルゴリズムのトレーニングを行いますが、AIアプリケーションの多くはエッジをターゲットにするようになるでしょう。2024年までに、エッジAIチップ(遠隔地にあるデータセンターではなく、エッジ側の電子機器上で機械学習を実行・高速化するチップまたはそのパーツ)の販売量は15億個を超えると予測されています。これは、年平均成長率(CAGR)にすると20%を超える高成長で、半導体全体の年平均成長率9%の2倍以上に相当します。[1] 電子機器上でAIアルゴリズムを実行することができれば、クラウドで計算する場合と比べて、待ち時間の短縮、信頼性の向上、セキュリティとプライバシーの向上、ネットワーク帯域幅の効率的な利用などの大きなメリットがあります。大量のデータをローカル処理することで、エッジAIは個人情報やビジネス情報の傍受や悪用のリスクを低減します。エッジAIでは、クラウドとのデータの往復がなくなるので、リアルタイムの応答性が実現可能になります。低消費電力のマイクロチップにより、小さなバッテリーを搭載した電子機器でもAIの計算を実行できますから、エネルギー消費量も低減します。組み込みのエッジAIチップは、必要なデータだけをリアルタイムで分析するため、データストレージと帯域幅のコストを削減します。エッジAIが、欧州のセキュリティ、環境の持続可能性、競争力など、EUのパブリックポリシーの目標に大きく貢献することは間違いありません。 このような背景のもと、SEMI Europeは、欧州の新しいAI政策について、以下のような政策提言を行いました。 Horizon EuropeとKey Digital Technologies Joint Undertakingの両制度を通じて欧州の強みに焦点を当て、エッジAIに向けたマイクロエレクトロニクス研究開発に投資する SEMI Europeは、産業用・プロフェッショナル市場における欧州の強みを十分に生かした新しいAI戦略を全面的に支持します。自動車、医療、産業、ロボット、航空宇宙、セキュリティの関連エレクトロニクスといったプロフェッショナル/組込みシステム市場は、今後5年間のCAGRが50%と予測されています。 プロフェッショナル/組込みエレクトロニクスは、欧州が世界の中心的ポジションを占める重要な分野です。世界のエレクトロニクス生産における欧州のシェアは、当然のことながら、欧州が優位なポジションにある分野で最も高くなっています。EUの自動車産業基盤は非常に競争が激しく、EUの車載エレクトロニクス部門は世界の27%を占め、中国(20%)や北米(18%)を上回り世界をリードしています。また、EUは産業用アプリケーション分野でも強いポジションにあり、この分野では世界のエレクトロニクスの20%を生産しています。EUはまた、世界の航空宇宙/防衛/セキュリティエレクトロニクスの22%、医療用エレクトロニクスの19%を生産しています。[2] まもなく開始されるHorizon EuropeとKey Digital Technologies Joint Undertaking (KDT JU)は、官民のリソースを結集し、欧州の強みである組み込みエレクトロニクスに資金を提供することで、欧州をエッジAIの中心に位置づける上で極めて重要な役割を果たさなければなりません。SEMI Europeは、これからのEUのエレクトロニクス関連研究の範囲を拡大し、ソフトウェア、フォトニクス、バイオエレクトロニクス、フレキシブルエレクトロニクスをKDT JUに統合する提案を歓迎します。しかし、Joint-Undertaking(共同研究)は、IoT、スーパーコンピューティング、エッジでの高速データ処理、低消費電力のハイパーコネクティビティを可能にする、欧州が競争力を持っているエレクトロニクスの設計製造分野、つまり半導体材料・装置、マイクロチップ、FD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ)、先端パッケージング、MEMS、センサー、イメージセンサーなどから焦点をずらすべきではありません。さらに、KDT JUは、欧州の主要なエンドユーザーである交通・医療分野の要求に焦点を当てる必要があります。Electronic Components and Systems for European Leadership Joint Undertaking(ECSEL JU)に比べてKDT JUの範囲が広がることを考えると、SEMI Europeは、KDT JUの予算をECSEL JUの2倍の100億ユーロ(約1.2兆円)とする提案を支持します。 欧州デジタル計画の支援を受けて、技術中心の汎欧州的なエッジAIの試験実験施設の設立 SEMIヨーロッパは、欧州委員会がDigital Europeプログラムを通じて試験・実験施設を設置する計画を全面的に支持します。欧州委員会は、欧州が強い分野を考慮して、エッジAIのハードウェアを対象とした技術中心の汎欧州的な試験・実験施設を優先的に設立し、欧州の主要な技術研究機関とマイクロ/ナノエレクトロニクス企業の相乗効果を共通プラットフォームの下で発揮させるべきです。 エッジAI試験実験施設は、スマートヘルス、モビリティ、製造業、農業などの主要なエッジAIアプリケーションを実現する組み込みエレクトロニクスの開発と市場導入を加速させる上で、重要な役割を果たします。そして、商業化前のAI技術を実証し、検証するための欧州の包括的プラットフォームとして機能することが想定されています。これにより、初期の研究開発プロジェクトの成果を研究室の外に持ち出し、技術成熟度(TRL)を3~5から5~7に引き上げ、新製品の市場投入までの期間を短縮することができます。これには、技術の実証試験、少量生産での歩留まり・統計分析の実施、欧州の様々なAIユースケースのニーズに対する検証、企業による市場導入のためのプロトタイプ作製が含まれます。 重要なことは、Digital Europeプログラムの支援を受けた エッジAI試験実験施設が、新たな研究開発プログラムを立ち上げることはないということです。この施設が重点を置いているのは、商業化はされていないがHorizon 2020やECSEL JUなどの欧州の研究開発プログラムから既に資金提供を受けており、マイクロ・ナノエレクトロニクスを専門とする欧州の主要技術研究機関で利用可能な技術イノベーションを展開することです。しかし、まだ商業化されていないイノベーションは、市場に投入する前にテストと検証をする必要があります。エッジAI試験実験施設は、欧州の研究開発と製造能力を結びつけ、ラボからファブへの移行を加速させるという、重要な役割を果たすことになるでしょう。エッジAI試験・実験施設の大目標は、欧州の大手技術研究機関のエッジAIイノベーションを梃にして、欧州のイノベーションを加速させることにあります。 エッジAI試験実験施設は、技術研究機関の試験実験能力を補完し、欧州にあるデザインハウス、装置メーカー、材料メーカー、半導体デバイスメーカー(IDM)、ファウンドリ等のマイクロエレクトロニクス・サプライチェーンが生み出す将来の製品・サービスの試験・実験能力を組み込むように設計しなければなりません。つまり、施設の役割は、エッジAIハードウェアの開発、試験、検証を行い、欧州のIDMやファウンドリによる新しい電子部品の製造を合理化することにあります。 欧州共通利益に適合する重要プロジェクトによるAIハードウェア製造の拡大 欧州の研究開発における官民連携は世界的に賞賛されていますが、EUと加盟国は並行して、資本集約的でリスクが高く複雑な製造活動を支援する大胆な投資プログラムを立ち上げるべきです。AI関連研究への投資だけでは、イノベーションの水準を高く保つことにはなりません。欧州の強力なAIエコシステムには、マイクロエレクトロニクスの研究と製造活動の継続的な連携が必要なのです。 強力な産業基盤を維持することの重要性を理解している世界各国は、国内ファブ建設に対する多額の投資を政府の支援の下で行っています。中国の「中国製造2025」では、AI関連ハードウェアの開発を支援するためにIC基金を立ち上げ、1500億ドルの資金を集めて、輸入半導体の国産品への置き換えを進めています。2020年6月、米国議員は、米国の半導体産業に228億ドルの支援を提供する法案「Chips for America Act」を提出しました。 2018年、欧州委員会は、マイクロエレクトロニクスIPCEI(欧州共通利益に適合する重要プロジェクト)に対するランス、ドイツ、イタリア、英国が拠出する17億5000万ユーロ(約2100億円)の公的支援を承認しました。このプロジェクトは、自律型電動モビリティ、スマート製造、ホームデバイスなどの重要なアプリケーションの実現技術を目指しています。マイクロエレクトロニクスIPCEIは、エネルギー効率の高いチップ、次世代パワー半導体、高性能・高精度スマートセンサー、先進光学機器、シリコンを超える化合物材料の開発の道を切り開きます。 マイクロエレクトロニクスの研究開発と製造にかかるコストは増加しており、最新鋭のファブは簡単に100億ユーロ以上のコストがかかるようになっています。マイクロエレクトロニクスIPCEIが構想された当時と今では、技術的、産業的、地政学的な状況が劇的に変化しています。欧州のマイクロエレクトロニクス業界は、現在、第2のIPCEIの設立を検討しています。SEMI Europeは、第2のマイクロエレクトロニクスIPCEIをはじめ、クリーンでコネクトされた自律走行車、スマートヘルス、産業用IoT、サイバーセキュリティなどの分野で計画されている他のIPCEIによって、エッジAIを可能にするためのマイクロエレクトロニクスチップとシステムの製造を再活性化するようEUならびに加盟国に要請しています。 Digital Europeプログラム、Erasmus+、Pact for Skillにおける高度AIスキルの優先化 継続的なイノベーションはマイクロエレクトロニクスやAIの酸素であり、エンジニアリングの技術的専門知識を持った労働者にエネルギーを与え、高度にカスタマイズされたソリューションの開発を後押ししています。さらに、スマート・アプリケーションの開発には、ソフトウェアやデータ分析の知識を持った人材が必要です。1980年代以降、マイクロエレクトロニクスは急速な進化を続けていますが、欧州の教育カリキュラムは同じペースで成熟していないため、産業界と教育界の間にギャップが生じ、若い卒業生の多くがスムーズに職場へと移行できなくなっています。 SEMIとDeloitteが実施した調査「Workforce Development: A Critical Industry Issue[1]」によると、世界のエレクトロニクス業界では、AI、機械学習、デジタル化に関連するエンジニアリング分野の欠員を埋めることが困難になってきているとの回答が増えています。同様に、2018年にドイツの産業界では、理数系教育を受けた労働者が33万7900人不足しました。[2] 別の報告書[3]によると、英国では専門技能を持つ労働者が17万3000人不足し、理化学系企業の89%が採用に苦戦しています。現在の傾向が続けば、OECDとG20の理数系卒業生の60%以上を中国とインドが占めることになり、ヨーロッパの理数系卒業生は2030年には8%まで落ち込むことになります。[4]米国の総労働力はEUの半分であるにもかかわらず、米国はEUの2倍の数のAIスキルを持つ人員を雇用しています。[5]開始が迫るDigital EuropeプログラムのAdvanced Digital Skills Pillar、新たに発表されたPact for Skills、Erasmus+プログラムは、欧州における高度なAIスキルの開発を加速させるのに十分な内容です。また、これらのプログラムは、欧州のAI人材パイプラインを多様化し強化する上で強力な役割を果たすことになるでしょう。将来のEUの教育プログラムは、企業が必要とする知識と実践的な仕事のスキルを学生が習得できるよう、ワークベースの学習を支援すべきです。革新的なデュアルラーニングプログラム、アプレンシスシップ(見習い)、産学連携修士・博士制度(Industrial master/doctorate)は、欧州の一部地域ですでに実を結んでいる事例です。ワークベースの学習は、長期的に競争力を維持するために不可欠であり、特にAIのような急速に台頭してきているテクノロジーにおいては欠かすことがけきません。さらに、学校を卒業し、就職し退職するまでの従来の道のりが時代遅れになりつつある中で、継続的な技術や労働市場の変化に対応するためには、スキル再教育や、アップスキル教育が必要となります。したがって、EUが資金を提供する将来の教育プログラムは、生産性と革新性を維持するために必要なデジタルスキルを開発するための、成人労働者のスキル再教育とアップスキル教育を支援すべきです。このような再スキル化・アップスキル化プログラムは、理想的な教育環境を提供するために、大規模なオープン・オンライン・コースをワークベースの学習や教室での授業に統合すべきだと考えられます。SEMI Europeのプレジデント レイス・アルティマイムは、「今回の白書は、急速に台頭しつつあるAI技術の巨大な可能性を取り込むために、ヨーロッパが前進する意思を示しています。SEMI Europeは、この政策提言を欧州委員会と議論する機会を待ち望んでいます。マイクロエレクトロニクスは、重要な役割を果たしており、すべての関係者と協力して、欧州のAIリーダーシップを強化するための新たな成長の道を開拓する準備ができています」と述べています。 SEMI EuropeからのEUのAI白書への回答はこちらからダウンロードできます。 [1] SEMI – Deloitte, 2018: Workforce Development: A Critical Industry Issue[2] IW, 2018: STEM Report[3] STEM Learning, 2018: Skills shortage costing STEM sector £1.5bn[4] OECD, 2015: Education Indicators in Focus[5] LinkedIn, 2019: AI Talent in the European Labour Market
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3D Packaging and Integration技術委員会日本支部(日本地区技術委員会)では、SEMICON Japan期間中にパッケージ技術に関する課題についてパネルディスカッションの例年実施しています。そこで検討された技術課題について、当技術委員会日本支部では、引き続き検討を行い、必要とされるSEMI規格の開発を行っています。 1.SEMICON Japan 2019期間中PLPワークショップ 昨年12月11日に開催したワークショップでは、Panel Level Packaging (PLP) 技術の展開を加速するための課題について議論しました。最大パネルサイズが600 mm × 600 mmと規格化されたことに基づき、ここでは、PLPの普及を進めるためにネックとなっている技術課題(特にL/S=1um/1umの達成)や普及を推進する上での課題と今後取り組むべき内容、またSEMIにて国際規格として取り組むべき項目について行った意見交換の概要を発表者の報告を基に紹介します。(プログラム「PLP技術の標準化ワークショップ」詳細はこちら) 1.1 露光装置・工程からみたPLP への課題: 線幅極小化に対応するためには露光ビームの高NA化に伴う露光ビームの焦点深度減少が必要となります。ターゲット線幅が1um の場合はレンズNA0.4が必要となり焦点深度は2umです。ここで問題となるのは、ダイと周辺モールドとの急峻な段差を少なくすること。また、焦点深度に近いレジスト厚みが必要となります。 ダイシフトや基板吸着による基板形状変形により重ね露光ズレの許容値が厳しくなるため、ダイ毎にアライメントと露光を繰り返す必要がありますが、精度とスループットのトレードオフの検討が必要となります。 図1 弊社直描装置実例 1.2 PLP用RDL形成するためのモールド材料技術への要求事項: PLPやFOWLP用には3種類の封止材料があり、また材料にあった封止工程が存在します。大きな技術課題は、封止後にいかに低反りに管理するかが重要となります。それはRDL工程での問題や個片化に極力影響を少なくするためです。 図2 封止材の種類と封止工程の一覧 材料特性としては、フィラーの微細化が重要となります。配線ピッチの極小化に伴いフィラーザイズによる充填性や封止後の表面平坦度などの問題に起因するためです。これは充填性(スパイラルフロー)の新たな測定方法も必要となります 1.3 PLPパネルの薄化プロセスの技術課題: 線幅極小化にむけて封止後の平坦度や低反りの管理が必要となり、今後はPLPパネルの薄化が必要となります。そこで、大判600 mm × 600 mmまで対応できる装置能力や反りへの対応や密着性改善のための研磨方法が技術課題となります。 封止材の研磨では詰まりの問題が発生するリスクが大きく、スミヤやソーマークが発生することになります。個片化後にフィラー落ちが発生することが懸念されます。フィラー脱落の測定の検討も必要となります。 図3 個片化時のフィラー落ち 2. PLP関連SEMI規格の活動 次に、3D Packaging and Integration技術委員会日本支部傘下のPLPに関する3つのタスクフォースによる活動進捗を紹介します。 2.1 Encapsulation Characteristics for Wafer Level Package (WLP) and Panel Level Packaging (PLP) Task Force:(11社参画) 当タスクフォース活動は2019年10月にスタートし、2021年の規格完成を目指しています。PLP⽤の封⽌材料の形態は、粉状、液状、シート状の三種類があり、粉状にはタブレット状と顆粒状があります。このタスクフォースでは、PLP用に必要な特有の材料特性の項目を下記のように挙げて、それぞれの大判でのパネル封止に必要な特性の測定手法を規定します。また、封止後のパネルの反りや平坦度の測定方法をパネルの自重を考慮した手法も検討中です。 表1:PLP用封止材に必要な特性値一覧 項目 規定内容 Wettability 5分硬化後の接触角計。液滴は 極性溶剤。別の指標として表面エネルギーとの相関いれる。 Gel Time ゲルタイム試験機(トルクメーター式)で、任意トルク値になるまでの時間。 CTE TMAによるトルク値測定. 5degC/min speed, 5mm dia x 20mm length Tg TMAにトルク値測定. 5degC/min speed, 5mm dia x 20mm length Flowability 円形シートを使い直径測定。 20g, 170degC, 15sec preheat, 180 dec cure time, stop before 3mm in advance, measure diameter (average of iiner/outer circle) Modulus 3点、4点曲げ手法 Viscosity 3手法の提案:Spiral Flow, Koka’s Flow, Laboplastomill Shear Strength (shear) 封止材に圧力をかけ試料を形成して強度測定。 3pcs of 2.5mm dia. x 3 mmH (bonding area), 0.1mm/sec shear speed Shear Strength (Peel) 銅箔を封止表面に形成しPeelする。 10㎜幅銅箔、50mm/min peel speed 2.2 Panel Level Packaging (PLP) Glass Carrier Task Force:(5社参画) PLPパネル製造工程で用いられるキャリア基板材料の候補としては、ガラス、樹脂、金属がありますが、光学的透明性、熱膨張係数の調整幅、⾼弾性率、表面平滑性が良いことを考慮してガラスが多く採⽤されています。特に、仮接合の剥離プロセスDebondingで熱的および機械的ストレスを最⼩限に抑えられるレーザーDebondingが可能であることが、大きなメリットです。製造プロセス、製造装置の考慮が重要であるのでトレーサビリティ技術委員会やPI C(Physical Interfaces Carriers)技術委員会傘下のPLP Panel FOUPタスクフォースと連携して活動を行なっています。本タスクフォースは2019年6月に活動を開始し、2020年中の規格完成を目指して開発中です。規格検討している項目は次の通り。 寸法、エッジ形状、パネル厚の変動(TTV)パネルの直角度、パネルの反り、表面粗さ オリエンテーションコーナーの形状 パネルに印字するIDマーク位置(IDマークの表記内容についてはトレーサビリティ委員会にて規格化を検討予定) 図4:IDマーク印字位置(案) 2.3 3DS IC Bonded Layer Inspection Metrology Task Force:(5社参画) この活動は3次元のICチップを積層した積層内で発生するボイド不具合の測定方法についての標準化活動です。複数枚のICチップ(ウエハとICチップの3次元積層も含める)を接着材の有無を含めた3次元に積層した部分を走査型音響顕微鏡(SAM)で不具合を測定する方法のガイドラインを主としています。すでに出版されているSEMI 3D17-1217 Specification for Reference Material for Bonded Wafer Stack Void Metrologyは、2積層のW2Wのみについての規定であるため、多界面の分離を識別することが記述されていません。一方、本活動では、接着材を含めた3積層以上の複数ある界面の分離をするための規定を主な目的としています。本タスクフォースは2019年11月に活動を開始しており、実際の評価サンプルを用いた検証を並行しながら、2021年1Qの規格化を目指しています。規格検討している項目は次の通りです。 積層面の識別方法(識別マークの形状、サイズ) 測定手法(プローブ選定に関するガイドライン、サンプルサイズ等) 図5 界面評価用サンプル例 これらのタスクフォース活動は、現在、WEB会議を基本として、概ね月1回のペースで議論・開発を行っています。 SEMIスタンダード開発は開かれた活動であり、本タスクフォース活動にご興味のある方の参加を期待しています。 本件についての問合せ: SEMIジャパン スタンダード EHS部 柳澤智栄([email protected] )
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COVID-19パンデミックの中で、SEMIのグローバルアドボカシーチームは、マイクロエレクトロニクスの製造・設計サプライチェーンが米国の「エッセンシャル・ビジネス」として指定され、米国以外の国でも同様の指定がされるよう懸命に努力してまいりました。SEMI会員企業のビジネスを継続可能にするためです。チームの活動は、米国、欧州、日本、メキシコ、マレーシアの共同体、国、州、自治体政府に対する直接のロビー活動と嘆願書の提出など多方面にわたります。こうした活動が大きな成果を生んだのは、私たちの産業がコロナウイルスとの闘いに不可欠なデジタルインフラとテクノロジーの実現する産業だからです。 私たちの産業の、世界の社会と経済の繁栄に貢献するイノベーションのビルディングブロックを提供する役割を強調することは、SEMIにとって大きな誇りです。危機的な状況下ほど、必要が発明の母であることが明らかな時はありません。パンデミックがもたらす無数の問題に対処するため、多様な領域での技術進歩が求められています。SEMI Tech Spotlightブログシリーズでは、パンデミックとの戦いの最前線で活躍している業界および会員企業の技術を紹介してまいります。このシリーズの第1回目は、ビッグデータと人工知能によるプラットフォームに焦点を当てます。 COVID-19にビッグデータ/AIで立ち向かう COVID-19パンデミックは、前例のない形で人類に試練を与えていますが、同時に、人類を団結させ、最高の武器を手にこの危機に立ち向かわせています。マイクロエレクトロニクスチップとシステムによって、データを生成し、伝達し、保存し、分析するビッグデータと人工知能(AI)は、この長期化する闘いのための武器づくりに大きく貢献しています。ビッグデータ/AI技術によって、データ分析、ロボット、拡張・仮想現実、3Dプリンティング、その他のこの危機の様々な側面に対処するためのプラットフォームが実現しているのです。 ビッグデータ分析により政策決定者に情報を提供 COVID-19との闘いにおいて、データ分析プラットフォームは、何よりもまず感染拡大のスピードを抑制し、政策決定者に情報を提供するために使用されています。そのためには、公衆衛生や人の移動に関する膨大なデータを分析する必要があり、これには多くの場合AIアルゴリズムが使用されています。例えば、カリフォルニア州はBlueDot、Esri、Facebookなどの企業と連携し、スマートフォンの位置情報を利用して人の移動を追跡し、病院の必要性を予測するソフトウェアプラットフォームを構築しています。 台湾がウイルス拡散の抑制でかなりの成功を収めているのも、ビッグデータ分析を広範に利用して感染者を特定し、追跡したおかげです。GoogleとAppleがけん引役となって、Bluetoothを普及しているiOSやAndroidプラットフォームに接続して、感染者の接触を追跡する取り組みを共同して進めています。インドでは、Bluetoothと位置情報マッピングプラットフォームをベースにしたモバイルアプリ「Aarogya Setu」を開発しました。これはアプリユーザーが別のウイルス陽性のアプリユーザーとすれ違うと警告を発するものです。このアプリは11カ国語で発売され、完全に自主的なものであるにもかかわらず、13日間で5000万人がダウンロードしました。これは世界最速の記録です。 現在、少なくとも26カ国このような接触追跡アプリが展開されていますが、個人の機密データにアクセスするため、プライバシーやセキュリティ上の問題が内在します。厳格なデータ匿名性やオプトイン手続きのような緩和策が実装されていますが、今後さらに改善していく必要があるでしょう。 最前線の闘士を守るロボット 今日の堅牢なロボットプラットフォームは、センサーからの膨大なデータと予測AIアルゴリズムからのガイダンスによって実現したものです。これらのロボットは、仕事中に学習し、環境に適応し、人間と安全に作業することができます。今回のパンデミックでは、人と感染環境の接触を最小限に抑えるのに最適なソリューションです。Boston Dynamics、Akara Robotics、UBTECH Robotics、CloudMindsなど、世界中の企業がすでに感染との闘いの最前線にロボットを配備し、患者の健康状態を評価したり、病院の建物や機材の表面を消毒したり、医療従事者の個人用保護具(PPE)の着用を支援したりしています。 ロボットドローンによる血液等の検査サンプルの配送も行われています。例えば、ノースカロライナ州のWakeMed病院では、UPSが運営するMatternetのドローンを使って、米国連邦航空局が承認した初のドローン配送プログラムを開始しました。日本のTerra Droneも同様の配送を深刻な感染が広がった中国の武漢省で実施しています。 3Dプリンティングで製造を加速 ビッグデータ/AI技術により3Dプリンティングのプラットフォームも実用化しています。3Dプリンティング用に最適化された設計と欠陥のない製造のための正確な3Dモデルがビッグデータ/AI技術で提供されています。低コストでサイクルタイムの早い3Dプリンティングによって、医療機器不足を少なくとも部分的に緩和されています。例えば、米国食品医薬品局(FDA)は、医療従事者向けのSARS-CoV-2コロナウイルスからの液バリア保護具としてはじめて3Dプリント「ストップギャップ・フェイスマスク」を承認しました。これは、米国退役軍人保健局が、オープンソースのデータベースである国立衛生研究所の3D Print Exchangeを使用して、America Makesと共同で開発したものです。 その他にも、Formlabsは、ニューヨーク最大の医療提供者であるNorthwell Health、および南フロリダ大学(USF)Healthと協力して、2日の週末の間に鼻腔スワブのプロトタイプを開発しテストを行いました。サウスカロライナ州のPrisma Health社は、1台の人工呼吸器で2人、場合によっては4人までの患者をサポートできる3Dプリント装置「VESper」の緊急FDA承認を受けています。 遠隔医療が「ニューノーマル」に 遠隔医療は新しいコンセプトではありませんが、最新のマイクロエレクトロニクスのプラットフォームにより豊富なデータセットを遅延なく収集・伝達できるようになったおかげで、大幅に強化されました。さらに、データ分析の高速化のためのAIシステム導入増えています。遠隔医療は診察においても求められるソーシャルディスタンスの完璧なソリューションといえるでしょう。米国政府のデータによると、上気道感染症に対する民間保険からの遠隔医療1日平均請求額は、3月14日から4月1日までの間に前月の12倍近く増加しました。また米国の遠隔医療会社 Teladoc Healthは、3月8日の週に10万人の患者の「テレビジット」を提供しましたが、これは前週比50%の急増となっており、医療システムへの圧迫を軽減しています。 次世代のテレヘルスは、AR/VRプラットフォームを使用することになるでしょう。そうすれば、より情報量の多いデータセットとAIを使用して、基礎となるモデルの精度と予測能力を向上させることができます。その結果、遠隔医療はより現実的な体験と改善された結果を提供するようになります。米国の少なくとも11の州では、初期医療他の多くの医療分野でXRHealthやAppliedVR等のAR/VR企業と連携を始めています。 ワクチンや治療法の探索を加速 このパンデミックから抜け出すためには、ワクチンと治療法を迅速に見つける必要があり、さらに伝統的に時間のかかる医薬品開発プロセスを短縮することが望まれます。ビッグデータ/AI技術は、全世界でのこうした取り組みの最前線にあり、多くの場合、最も強力なスーパーコンピュータが投入されています。例えば、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究者は、Fronteraスーパーコンピュータを使ってSARS-CoV-2コロナウイルスエンベロープの完全なモデルを構築しています。これは2億個の原子の相互作用を分析しなければならない作業です。 アルゴンヌ国立研究所の研究者たちは、AIと物理モデルを組み合わせて、治療法につながるであろうウイルスの活性を破壊する分子を探索しています。その他にも、イギリスのBenevolentAI、シンガポールのGero、ドイツ・インドのInnoplexus、米国・香港のInsilico Medicineなど、世界中の複数の企業がAIプラットフォームを利用して、治療法の探索を加速させています。 最後に テクノロジーの最終的な成功は、ビットやバイトの数やアルゴリズムのスピードで測れるものではありません。それを測るのは、ロボットが掃除をしたおかげで危険な清掃から開放されたビル管理人の数、3Dプリンティングでつくられたマスクに守られている医師や看護師の数、ワクチンや治療法の早期発見によって命を救われるだろう人の数です。ビッグデータ/AI技術とそれによって実現する時代は今到来したところですが、今後進化していく中で、より弾力性のある社会と経済を構築する力を与えてくれるという希望を、私たちに抱かせてくれるのです。 注:上記で引用した例は、純粋に説明のためのものであり、包括的なものではありませんし、特定の製品やソリューションを推奨するものでもありません。
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SEMI名誉役員の東 哲郎氏(東京エレクトロン株式会社元会長・社長)が、令和2年春の叙勲において、半導体業界および東京エレクトロンの発展に貢献した功績により、旭日重光章を受章しました。東氏はSEMIの役員を1999年から2009年にわたって務められました。 SEMIプレジデント兼CEOのアジット・マノチャは東氏の叙勲について、次のように述べています。 「SEMIの社員一同を代表して、東さんのこの度の叙勲を心からお祝い申し上げます。東氏は、東京エレクトロンそしてSEMIでの尊敬すべきキャリアにわたって精力的かつ模範的な貢献をされ、半導体製造サプライチェーンの誰もが人々を鼓舞するリーダー、また業界の推進者として認める方です。」 また、東京エレクトロンからのリリースでは、次の受勲コメントを寄せられています。 「このたびは叙勲の栄に浴し、大変光栄に存じます。私は長きに亘り半導体産業を下支えしている装置産業に携わってまいりました。この名誉ある章をいただけることは、国と社会の発展にとって半導体産業が重要な産業であることを表すものであり、この上ない喜びであります。ひとえに諸先輩方、産業界の方々のご指導、また会社、パートナーの皆さまのご尽力とご支援の賜物と深く感謝申し上げますとともに、皆さまのますますのご発展を祈念いたしております。」
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