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SEMIジャパン 嶋田 昇

本ウェビナーでは欧州のSCIPデータベースの最新動向と問題点について概説致します。 SCIPとは、Substances of Concern In articles as such or in complex objects (Products)の略語で、SCIP データベースは、欧州の廃棄物枠組み指令(WFD: Waste Framework Directive)の下で確立された成形品そのものまたは複合体 (製品) 内の懸念物質に関する情報のデータベースです。 WFDは、廃棄物の発生と管理が環境とヒトの健康に及ぼす悪影響に対処し、循環経済への移行に不可欠な資源の効率的利用を改善するための措置を定めています。 2015年に採択された循環経済に関するEUの行動計画の実施の一環として、2018年7月にWFDの改正が発効し、欧州化学物質庁(ECHA)は候補リストに含まれる高懸念物質 (SVHC) を含む成形品の情報をデータベース化することが求められました。新規物質はREACH(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals:化学品の登録、評価、認可、制限)の候補リストに定期的に追加されています。 2017年12月、EU加盟国と欧州議会は、WFDの改正に合意しました。事前の影響評価を実施せずに、EUの共同議員は、ECHAの役割を追加しました。REACHの第33条(1)に従って、候補リスト物質を含有する成形品を製造、輸入または供給する企業は、2021年1月5日から、EU市場に上市されたこれらの成形品に関する情報をSCIP(Substances of Concern In articles, as such or in complex objects (Products))データベースに提出しなければなりません。 SCIPデータベースは、2年間の開発段階と、利害関係者との頻繁な激しい議論の後、製品に含まれる懸念物質に関するECHAの届出およびSCIPデータベースのプロトタイプのシステムが2020年10月に稼働を開始しました。2021年3月までに、ECHAはEUの約3,600の法人から約1,000万件のSCIP届出を受け取りました。 SCIPデータベースは、WFDに基づいて確立された成形品自体または複雑なオブジェクト(製品)に含まれる高懸念物質(SVHC)に関する情報のデータベースです。 SCIPデータベースは、REACH規則の認可対象の高懸念物質の候補リスト(CLS:Candidate List of substances of very high concern for Authorisation)中の0.1wt%以上含有する物質を含む成形品に関する情報が、廃棄物段階を含む製品および材料のライフサイクル全体を通して利用可能であることを保証することが目的で、データベース内の情報は、廃棄物事業者や消費者に提供されます。 データベース内の情報は、候補リスト物質を含む成形品を分別し、リサイクルする際の廃棄物業者の助けとなり、消費者が情報に基づいた選択を行い、そのような成形品をどのように最適に使用し、廃棄するかを検討する際の支援となります。全体として、データベースは成形品中のSVHCの漸進的な代替とより安全な代替の開発に貢献しなければなりません。 SCIPデータベースの主な3つの目的 EU市場に上市されている成形品の環境負荷物質の代替を支援することにより、有害物質を含む廃棄物の発生を低減 廃棄物処理業務の更なる改善のための情報開示 ECHAが成形品中の懸念物質の使用を監視し、廃棄物段階を含む成形品のライフサイクル全体に渡って適切な措置を開始することを考慮 以下の成形品の供給者は、ECHAに情報を提供する必要があります。 -EUの製造業者および組立業者 -EUの輸入業者 -成形品のEU販売業者および成形品を市場に出すその他の関係者 ただし、小売業者(輸入業者および/または生産業者である小売業者を除く)および消費者に直接物品を供給するその他のサプライチェーンの主体は、ECHAに情報を提供する義務の対象となりません。 REACH規則第3条 (33) によれば、成形品の供給者とは、 「成形品の生産者または輸入者、成形品を市場に出すサプライチェーンの流通業者またはその他の関係者」を意味します。 調和の取れていない移行(国内法への置換え) WFDで設定されたスケジュールと比較して、SCIPシステムの実施には多くの遅延が依然として問題となっています。 EU加盟国は、2021年1月5日の届出開始日を見越して、2020年7月5日までにSCIP届出に関するWFD第9条(1)(i)を国内法に置換えする必要がありました。ただし、この置換えはまだ完全には実施されていません。影響を受ける国の成形品供給者への義務の適用を妨げています。 最初の置換えが発生した場合(オーストリア、フランス、ドイツ、オランダなど)でも、法律にはECHAのSCIPシステムを使用するという明示的な要件は含まれていません。 循環経済の問題点 多くの場合グローバルサプライチェーンに沿った製品の物質レベルの含有量の決定に伴う課題を考えると、多くのEU企業は、SCIP届出のベースライン規定であるREACH第33条の遵守に苦労し続けています。これは特に複雑な製品の場合です。 つまり、サプライチェーン情報である成形品中のSVHC情報(化学物質名、含有量など)の希薄が一因となっています。循環経済を推進するための再生利用に際し過去の廃棄物情報が一因で新たに発生した廃棄物との混合使用が不可能であり、実質、現時点でのSCIPデータベースはデータ収集の段階であり、SCIPデータベースをまだ効率運用する段階ではなく、将来のための第一歩に過ぎないようです。 参考URL SCIP : https://echa.europa.eu/scip Understanding WFD : https://echa.europa.eu/understanding-wfd Waste Framework Directive - SCIP database Q As : https://echa.europa.eu/support/qas-support/browse/-/qa/70Qx/view/topic/Waste+Framework+Directive+-+SCIP+database Understanding REACH : https://echa.europa.eu/regulations/reach/understanding-reach Candidate List of substances of very high concern for Authorisation : https://echa.europa.eu/candidate-list-table LIFE AskREACH : https://www.askreach.eu/ SEMI ビジネスアップデート 半導体業界に甚大な影響を及ぼす化学物質PFAS規制動向 新シリーズ「SEMビジネスアップデート」では、マーケットトレンド/最新技術/アドボカシーなど幅広い分野の専門家を講師にお迎えし、講師との対話でテーマを掘り下げます。なお、ファシリテーターには経済リポーター 大里 希世氏があたります。 第3回は「欧州SCIPデータベースの最新動向と問題点」と題し、SCIPがもたらす影響とその動向を共有します。 日時:6月9日 (水) 10:30〜11:30 参加費 : SEMI会員 無料・一般 5,500円(うち消費税等500円) 配信方法:zoom 申込締切:6月8日 (火) 10:00 詳細・お申込みはこちら
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PFASは『パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物』の略語です。PFASは1940年代頃から開発された人工化合物で、経済協力開発機構(OECD)がPFAS関連CAS 番号として確認した4,730の異なる化学物質の総称で、耐熱性、撥水性、撥油性に優れ、壊れにくいという特徴的な化学的性質を持つことから、PFASを使用する主要な産業部門や製造業界には、航空宇宙・防衛、自動車、航空、繊維、皮革および衣料、クリーニング製品、建設および家庭用製品、電子機器(半導体プロセス材料、半導体部品材料など)、消火、焦げつき防止の調理器具、汚れをはじく衣類、食品接触材、食品加工、および医療製品などがあります。 とりわけパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)のように、多岐にわたるPFASの中でも最も使われた物質は、難分解性で高蓄積性および水生生物への毒性を有する物質(PBT物質)、半減期が長く「永遠の化学物質」として知られています。 PFOSやPFOAの汚染が地球全体に広がっていることが明らかになりました。PFAS は分解されにくいため、生産や廃棄の過程で自然環境に入り込みます。ヒトの血液から検出されたとの調査結果が判明しています。 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の第4回締約国会議(2009年5月)を経て、PFOS またはその塩として、日本では2010年5月1日に化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)の第1種特定化学物質に指定されました。 PFOSを皮切りに、条約締約国や欧州委員会で、PFOA、パーフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)、パーフルオロヘキサンカルボン酸(PFHxA)、パーフルオロブタンスルホン酸(PFBS)などが規制対象として計画されています。 欧州委員会は2020年10月14日に「無毒な環境に向けた持続可能性のための化学物質戦略」を公表し、業界に直接影響を与える50以上の行動を公約し、2024年までに完了する予定です。この青写真は、NGOからの祝福と業界からの失望を引き起こしました。業界は潜在的にパイプラインにある巨大な規制の変更を懸念していますが、NGOはさらに遅れることなく新しい規制を実施することを求めています。 採用された25ページのコミュニケーション文書には、内分泌かく乱化学物質(EDC)、PFASを制限するための新しい対策として、残留性、移動性および有毒物質(PMT)および非常に残留性が高く、非常に移動性の高い物質(vPvM)に完全に対処するための新しい危険有害性クラスおよびポリマーのREACH登録が含まれています。 欧州委員会はこの「化学物質戦略」の中で、PFAS規制のための包括的な対策を発表し、単一の化学物質だけでなく、特定の懸念されるポリマーにも拡大されています。たとえば、プロセスケミカル(レジスト、反射防止膜など)としての過フッ素化側鎖を持つ一部のポリマー、調理器具の焦げ付き防止コーティングとして使用されるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を始め、半導体部品・装置に使用されるパッキン、ガスケット、 Oリング、シール材としてのフルオロポリマーやバイトンゴムなども規制対象として、PFASを1物質毎に規制するのではなく、グループ化により規制する動きが活発化し始めています。 国際PFAS科学パネルはフルオロポリマーを必須用途のみに限定することを唱え、欧州化学物質庁(ECHA)では単一物質としてのPFASではなく、PFASをグループ化することによりPFAS全体を規制し、2025年までに必須用途でない場合は商業的流通を認めず、廃止する等の措置を取る計画をしています。 米国でも環境保護庁(EPA)がEUと同様なClass-based PFAS規制を検討中です。 2020年5月には、欧州委員会は企業および利害関係者にPFASの有害性特性および使用に関する情報の提出を求め、現在、提案に取り組んでいる組織がその情報を処理しています。 SEMIでは2020年7月29日に欧州委員会に対し、PFASの必須用途として半導体関連部品・材料についてREACH 規制管理オプション分析(RMOA)への回答を提出済です。 今後は必須用途としての社会的利便性・経済性等が評価されますが、最終規則で必須用途として認められるようアンブレラ効果も活かして業界が一丸となって意見出しをしていく必要があります。 PFAS含有の情報共有が希薄であり、今後はサプライチェーン上の川上の供給者と川下使用者間の情報共有化が重要な課題となります。 参考URL ストックホルム条約 http://www.pops.int/ EUのPFAS規制 https://echa.europa.eu/hot-topics/perfluoroalkyl-chemicals-pfas 米国のPFAS規制 https://www.epa.gov/pfas EUの化学物質規制 https://echa.europa.eu/irs-infographic EUの化学物質戦略 https://ec.europa.eu/environment/strategy/chemicals-strategy_en 国際PFAS科学パネル https://www.pfassciencepanel.org/essential-use-project 無毒な環境に向けた持続可能性のための化学物質戦https://ec.europa.eu/environment/pdf/chemicals/2020/10/Strategy.pdf 欧州委員会の行動計画 https://ec.europa.eu/environment/strategy/zero-pollution-action-plan_en SEMI ビジネスアップデート 半導体業界に甚大な影響を及ぼす化学物質PFAS規制動向 新シリーズ「SEMビジネスアップデート」では、マーケットトレンド/最新技術/アドボカシーなど幅広い分野の専門家を講師にお迎えし、講師との対話でテーマを掘り下げます。なお、ファシリテーターには経済リポーター 大里 希世氏があたります。 半導体業界に甚大な影響を及ぼす化学物質PFAS規制動向。PFASの有害性、用途の概要を含め、法規制等について半導体産業に懸念される事案をご紹介します。 日時:5月12日(水) 10:30〜11:45 参加費 : SEMI会員 無料・一般 5,500円(うち消費税等500円) 配信方法:zoom 申込締切:5月11日(火) 10:00 詳細・お申込みはこちら
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