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2026-03-25
2026-03-25

SEMICON Korea 2026レポート 進化するAIと半導体バリューチェーンの好循環への提言

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世界の半導体産業は、AIによって産業の方向性が定まる局面に突入しました。2026年2月11日から13日にかけてソウルで開催されたSEMICON Koreaには、AIをめぐる二つの側面 ―AIによる半導体製造の変革と、次世代AIシステムを実現するための半導体技術進化のスピードをいかに維持するか― をテーマに、企業、技術、人材が一堂に会しました。

SEMICON Koreaの記者会見において、SEMI KoreaプレジデントのHyun Chaは、約550社の出展企業と2,400を超えるブースが集結した本イベントを通じて、材料、装置、設計、製造、パッケージング、システムインテグレーションに至るバリューチェーン全域にわたる好循環が、今後の産業の進歩にとって極めて重要であることが示されたと述べました。

 

開会式では、SEMIのプレジデント兼CEOであるAjit Manochaが、今後の機会と課題に言及し、AIが半導体産業を1兆ドル市場への軌道に乗せた一方で、この成長を持続させるためには、複雑化するエコシステム全体での協調性をこれまで以上に深化させる必要があると述べました。

このメッセージは、Wonik会長のYH Lee氏によって、さらに補強されました。同氏は、半導体の微細化がますます困難になる中で、「前だけを見るのではなく、横を見て連携すること」の重要性を訴え、バリューチェーン全体としての整合が不可欠であると強調しました。政策の観点からは、韓国・産業通商資源部(MOTIR)次官のShinhak Moon氏が、部材・材料・装置を含むフルエコシステムの重要性に言及するとともに、経済サイクルに対するレジリエンスを担保することが極めて重要であると警鐘を鳴らしました。

これらの視点が相まって、キーノートステージは、AIと半導体がいまや共進化の関係にあるという認識を基調として幕開けしました。

 

キーノートステージの最初の登壇者は、サムスン電子のコーポレート・プレジデント兼CTOであるJaihyuk Song氏です。同氏は、計算能力とメモリ需要が指数関数的に増大する中、AIシステムの次なる段階について展望を示しました。特に、計算性能とメモリ帯域の間に広がるギャップを指摘し、その解決策の中核として、先端パッケージングと革新的なアーキテクチャを位置づけました。

Song氏は、次世代メモリ技術の焦点として、高帯域幅メモリ(HBM)やコンピュート・イン・メモリ(CIM)に加え、従来のムーアの法則に基づく微細化を超えた、平面・垂直・積層アーキテクチャへの移行を示しました。そのメッセージは明確です。AIの性能向上を持続させるには、設計、プロセス技術、パッケージング、システムアーキテクチャを緊密に統合することが不可欠であり、エコシステム全体での協調が必要だということです。

 

ASEのCEOであるTien Wu氏は、議論をデバイスレベルからシステムレベルへと広げ、システム全体の性能と効率をけん引する中核的な要素が、いまや先進パッケージングにあると指摘しました。そしてAIワークロードによって消費電力、発熱、帯域幅の制約が厳しさを増す中、シングルチップパッケージから、ヘテロジニアスインテグレーション、2.5D/3Dアーキテクチャ、コパッケージドオプティクス(CPO)へと移行が進んでいることが説明されました。

また、パッケージが大型化・複雑化するにつれ、生産性、歩留まり、スループットが競争力を左右する重要な要素になると強調しました。この見通しは、AI需要の増大によって設計・製造・パッケージングの強い結びつきが求められ、コラボレーションは選択肢ではなく、必須条件になっているというSEMICON Korea 2026の全体テーマを裏付けるものでした。

 

Cadence Design Systemsのシリコンソリューション部門シニア・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるBoyd Phelps氏は、AIが半導体設計・開発をどのように変革したかを紹介しました。プロセス微細化の減速とトランジスタ当たりのコスト上昇を背景に、ディスアグリゲーションとチップレットが新たな抽象化レイヤーとして機能することで、カスタマイズ性と柔軟性が高まり、イノベーションの継続が可能になったと説明しました。

さらに、近年の設計の相当部分においてAIを活用した設計ツールが利用されており、AIを活用した設計自動化の役割が拡大していると指摘しました。CadenceのIP、設計ツール、パッケージング、テストに至るエンドツーエンドの製品ラインアップは、AIが設計の加速装置であると同時に、複雑化するシステムへの必然的な回答になっていることを明らかにしており、業界の好循環をより強固なものにしていると述べました。

 

Lam Researchの社長兼CEOであるTim Archer氏は、製造のデジタルトランスフォーメーションをテーマに、AI時代を規定する要件として「ベロシティ(速度)」を提示しました。AI主導の需要が製品サイクルを圧縮し、複雑性を高める中で、スピードには方向性を伴うことが求められ、その実現を支えるのがAI、自動化、そしてデジタルツインであると彼は述べます。

Archer氏は、自律型ファブ、装置インテリジェンス、仮想協調開発環境に向けたLamの取り組みを紹介し、ばらつきを低減しつつプロセス開発を加速する仕組みを示しました。これらの機能は、品質とレジリエンスを維持しながら迅速な立ち上げ・改善を可能にし、AIが半導体製造を高度化し、その半導体革新がAI成長を押し上げるという好循環の典型例となっています。

 

将来を見据えた視点として、SK hynixのR&Dプロセス担当上席副社長兼本部長であるSunghoon Lee氏は、メモリ技術の開発テンポを維持する難易度が一段と高まっている現状に言及しました。積層、ボンディング、材料といった分野での課題が増大する中、AIを活用したR&Dモデルへ移行することで、材料探索や最適化を大幅に加速していると言います。

AIを材料探索とプロセス開発に組み込むことで、同社の開発サイクルは短縮され、新たなメモリアーキテクチャが実現につながっています。Lee氏はさらに、AI駆動型R&Dの潜在力を最大化するには、パートナー間でのデータ共有と協調関係の強化が不可欠であると述べ、エコシステム全体の好循環を改めて強調しました。

 

最後のキーノート講演者として登壇したNVIDIA韓国事業責任者のSoyoung Jeong氏は、NVIDIAがGPU企業からAIインフラプロバイダーへと進化してきた歩みを紹介しました。アクセラレーテッドコンピューティングとAIファクトリーの概念を通じて、チップの設計、製造、パッケージング、システムインテグレーションの在り方がどのように刷新されてきたかが説明されました。

AI支援設計やシミュレーションから、システム最適化、フィジカルAIに至るまでのNVIDIAのアプローチは、半導体とAIが不可分の関係にあり、相互に進歩を支え合っていることを示しています。メモリ、装置、ソフトウェアの各分野にまたがるパートナーシップが、この勢いを持続させる上で極めて重要である点も強調されました。

 

キーノートに加え、SEMICON Korea 2026ではこうしたメッセージを強化するため、技術シンポジウム、AIおよびスマートマニュファクチャリングのフォーラム、サイバーセキュリティに関する議論、人材育成に向けた取り組みを通じて、AI主導のイノベーションを半導体ライフサイクルの全域で実現することに焦点が置かれました。

以下では、こうしたテーマを具体化するいくつかのプログラムのハイライトを紹介します。

 

SEMIと韓国科学技術院(KAIST)が共同開催したAI Summitは、AI主導の産業イノベーションに関わる大学研究室、デバイスメーカー、装置メーカーを結ぶ連携のハブとして機能しました。KAISTの教授陣に加え、Samsung Electronics、SK hynix、グローバル装置メーカーの代表者が登壇し、製造・設計全体でAI導入を加速するための技術戦略と将来ロードマップが議論されました。

ここでも、AIは単なるソフトウェアレイヤーではなく、プロセス、ツール、インフラ全体に組み込むべきシステムレベルの能力であるというSEMICON Korea 2026の中核テーマが改めて確認されました。

 

Smart Manufacturing Forumでは、AI、デジタルツイン、リアルタイムデータによって、半導体ファブが自律的でレジリエントな製造オペレーションへどのように進化するかに焦点があてられました。講演者はトレンドや成功事例を紹介し、高度な分析とAI主導の意思決定が、歩留まり、生産性、迅速性をどのように向上させるかを明らかにしました。

本フォーラムは、キーノートで語られた装置・製造リーダーの視点と呼応するもので、次世代AIチップに求められるスピード、スケール、品質を満たすために、AI主導による製造卓越性が不可欠となりつつあることを明確に示しました。

 

Startup Summitでは、AIを活用してデバイス性能、エネルギー効率、製造プロセスの改善に取り組む半導体・ディスプレイ分野のスタートアップ企業が紹介されました。Applied Ventures、Intel Capital、Samsung Ventures、SK hynixなどの投資家や業界リーダーとの接点を創出することで、エコシステム全体でイノベーションを育成する重要性が示されました。

これらの初期段階にある技術は、スタートアップ企業のAIイノベーションが、既存プレイヤーとの協業を通じて急速に規模を拡大する好循環を体現しています。

 

AIが半導体オペレーションやデータフローに深く組み込まれる時代にあって、Cybersecurity Forumでは、エコシステム全体でのデジタルトラストの重要性が取り上げられました。世界の専門家によるコンプライアンス、ファブセキュリティ、AIデータガバナンスを巡る課題の検討を通じて、機密データと知的財産を守るためには、エコシステム横断でのコラボレーションが不可欠であることが強調されました。

安全で信頼できるインフラは、SEMICON Korea 2026全体で語られたAI主導変革の基盤条件であることが、改めて示されました。

 

SEMICON Korea 2026は、次の産業成長フェーズが、単発の技術ブレークスルーによってではなく、半導体バリューチェーン全体が連携した好循環によって実現されることを明確に示しました。AIを設計・製造・オペレーションに組み込むと同時に、AIを支える半導体技術そのものを進化させていくことで、業界の持続的イノベーションの基盤が築かれます。SEMICON Korea 2026が示した通り、進歩の速度が最も高まるのは、エコシステムが一体となって前進する時なのです。

 

Samer Bahouは、SEMIコーポレート・コミュニケーション ディレクターです。Jaegwan Shimは、SEMI Koreaのマーケティング シニアスペシャリストです。