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MEMS

政府や企業のリーダーが「通常への復帰」を語り始め、サーマルカメラが注目されていますが、この最新テクノロジーはCOVID-19の感染拡大の防止に、どのように、あるいは本当に役立つのでしょうか? あらゆる業界で、COVID-19の原因となるウイルスであるSARS-CoV-2を検出し、遅滞させ、最終的には阻止するための適切なツールを誰もが求めています。どのような形であっても事業を再開するには、旅行や仕事など様々な状況にある人々の健康保護を講じる必要があることは、今では誰もが認識していることです。 提案されている解決策の一つは、サーマルスキャナーです。一般的な医療用画像処理とは異なり、赤外線(IR)サーモグラフィは放射線の照射や高価な機器を必要とせず、健康被害もありません。皮膚から放射される赤外線を検出し、周囲の環境情報と合わせて体温を推定することで、COVID-19の初期症状である発熱の有無を調べることができます。サーマルカメラはウイルスや特定の感染症を検出することはできませんが、多数の感染している可能性のある人を素早く絞り込むことができます。これが現在利用できる、唯一の非接触による発熱の大量スクリーニング方法となっています。しかし、赤外線システムの精度は、人、環境、機器の変数の影響を受ける可能性があります。このような多くの変数を理解することで、ユーザーとシステムメーカーの両方が最高の結果を出せるようになるでしょう。 検討事項#1:検出方法 熱検出は20年前から発熱検出に使用されています。コロナウイルスの別種である重症急性呼吸器症候群(SARS)の検出に使用されたタイプなど旧世代の温度計やサーマルカメラには弱点がありましたが、新世代の機器は性能が大幅に向上しています。高度にインテリジェントなシステムでは、周囲温度とのリアルタイムキャリブレーション(摂氏1度未満の精度)などの機能を提供しており、旧世代よりもはるかに正確で迅速な測定が可能です。 最新のカメラシステムは、自動ターゲット認識、解像度の向上、可視光カメラとのペアリング、高熱検出の自動アラーム、高温スポットの明確なアウトライン化などを特徴としており、よりユーザーフレンドリーで信頼性が高くなっています。このように測定の粒度が高くなることで症状への洞察力が向上し、スクリーニングプロセスが効果的かつ迅速に行えるようになりました。また、現場の医療専門家が追加検査をする必要が生じた場合は、求められる情報を提供できます。 新しいラジオメトリックサーマルカメラの高度な画像処理機能 検討事項#2:ベースライン(基準値) 環境が温度測定に影響を与える可能性があるため、システムメーカーの中には、機能的にベースラインを確立するためのさまざまな方法を考案しているところもあります。初期のアプローチでは、毎日各サイトで母集団のベースラインを記録していましたが、時間とリソースがかかりすぎることが判明しました。新しいアプローチでは、基準温度源(ブラックボディ)を使用することで、画期的な進化を遂げました。ブラックボディは特定の温度を維持するように設計されており、これを使ってサーマルカメラシステムは自動的にキャリブレーションを行います。さらに優れているのが、ラジオメトリックカメラで、カメラに到達した赤外線信号の強度を読み取ることができます。メーカーによるより厳密な設計とテストが必要ですが、より正確な体温測定が可能になります。 ブラックボディを備えた発熱検出システム 検討事項#3:測定場所 サーマルカメラは表面の温度しか検出できませんが、人体表面には体温と強く相関している場所があります。最近の科学的研究によると、顔の中で最も信頼性の高い場所は、目の涙管の上にある、上まぶたと下まぶたが接する眼角と呼ばれる部分です。このような精密なターゲティングには、正確なピクセルキャリブレーション機能が求められます。 体の中心温度を推定するための人体表面の最適な測定ターゲットは目の内側の眼角 検討事項#4:システムの性能 研究室では赤外線発熱スクリーニングシステムの運用は1つですが、現場では状況はより複雑になります。ユーザーが必要とするのは、解像度、感度、フレームレートなどの重要な性能面で信頼性が高く安定したカメラシステムです。例えば、離れた場所にいる被写体を撮影する際にどんな性能が重要か理解し、正確な測定に必要な最少ピクセル数を確保することが、発熱検出プラットフォームの最適化には不可欠です。 検討事項#5:サーマルイメージングの開拓地での選択 旅行、スポーツ、製造業、外食・接客業、娯楽など、このパンデミックによって壊滅的な被害を受けた多くの業界の人々は、COVID-19の第二波の可能性を減らしながら、安全に事業を再開する方法を模索しています。赤外線発熱スクリーニングシステムのような技術を予防策に取り入れることで、その努力に効果を発揮することが期待されています。 どんな有望な新技術でも、システム設計や性能に関する微妙な判断の周辺には、かなりの混沌が存在します。赤外線発熱検査装置にはどのような規格が適用されているのか? そのどれが強制的なものか? だれが規格を作っているのか? 役に立つのか? Teledyne DALSAのような赤外線カメラメーカーや、当社が協力している専門のシステムインテグレータは、メーカーやインテグレータ各社がこの混沌とした状況を乗り切るための支援を提供し、共に協力してコロナウイルスから人命を救うことができます。 さらに詳しい情報は、こちらのページをご覧いただくか、当社のホワイトペーパー「Thermal Imaging Technology for Fever Screening」をダウンロードいただくか、あるいは製品データをご覧ください。 赤外線イメージングのプロダクトマネージャーであるジャン・ブリュネルは、Teledyne DALSAのセンサー統合の技術リーダーです。彼は、新しい画像補正およびキャリブレーションアルゴリズムの開発、および同社の可視およびLWIRデジタルカメラのラインの認定および生産テストに取り組んでいます。工学物理学の学士号と表面化学の修士号を取得した彼は、センサーの仕組みから製造方法、使用方法に至るまで、あらゆるセンサーに情熱を注いでいます。ここ数年は、マイクロボロメータベースの LWIR カメラに焦点を当てています。最近では、Teledyne社独自のWLPマイクロボロメータの開発とテスト、およびサーマルカメラへの統合に携わっています。 Teledyne DALSAは、SEMI技術コミュニティであるMEMS Sensors Industry Group (MSIG)のメンバーです。
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LSIは主にファウンドリにおいて標準化されたプロセスで作られ、また乗り合いでMPW (Multi Project Wafer) としての試作も可能です。MEMS (Micro Electro Mechanical Systems) でも教育用にはMUMPS(Multi-User MEMS Processes) と呼ばれる、標準化したMEMSプロセスによる試作サービスも行われていましたが、実際に使われるMEMSとなると、個別のプロセスになるため、試作や生産に一連の設備と知識が必要です。MEMSファウンドリで試作や少量生産を請け負っても、採算が合いません。スマートフォンなどに大量に使われる安価なMEMSから、製造・検査や医療・バイオなどに使われるMEMSまで製品にダイバーシティがあると同時に、開発や製品化でもダイバーシティに対応していかなければなりません。このための特色ある取り組みを見てみたいと思います。 米国では、1960年代からスタンフォード大学でMEMS研究が始まり、その後カリフォルニア大学バークレー校などの大学や、アナログデバイスやテキサス・インスツルメンツなどの大企業、またMEMSベンチャがこの分野を発展させてきました。2004年にカリフォルニア州サンノゼに SVTC (Silicon Valley Technology Center) という会社ができ、8インチラインでLSIとは異なる多様な半導体デバイスの試作・小規模生産を行なっていましたが、2012年10月に閉鎖されました。多様化に対応しながら採算を合わせるのは容易ではありません。同じカリフォルニア州にあるA. M. Fitzgeraldは2003年に創立され、技術戦略のコンサルティングや設計から試作を行い、量産ファウンドリに移行させる支援を行っています。主に大学の設備を使って6インチウェハで試作するコンパクトな形で行っています。この他専業MEMSファウンドリとしてはカリフォルニア州サンタバーバラのIMT (Innovative Micro Technology) などがあります。カリフォルニア州サンノゼにあるInvenSenseは慣性センサで成功し、2016年にTDKに買収されています。まBroadcomからFBAR (Film Bulk Acoustic Resonator) が供給され、MEMS分野では最大の売上になっています。 カナダでは、アルバータ州エドモントンにMEMSファウンドリTeledyne Micralyneがあります。1986年にスタートしたUniv. of Albertaのプロジェクトをベースに1998年にMicralyneが設立され、標準的なプロセスをプラットフォームにして発展してきましたが、2019年にTeledyneが買収しました。Teledyneはこの他オンタリオ州ウォータールーにある産業用映像機器のDALSAを2010年に買収し、Teledyne DALSAというMEMSファウンドリにしています。 欧州では、公的研究機関 (ドイツのフラウンホーファ研究機構、フランスのグルノーブルにあるMINATEC、ベルギーのiMEC、フィンランドのVTTなど) が重要な役割を担って、大学と企業をつなぎベンチャ育成などにも貢献しています。大企業ではドイツのBosch Sensortec、イタリア・フランスのSTMicroelectronicsが自社製品を作りながらMEMSファウンドリも運営しています。これらの会社では小さな内部応力で厚くできるエピタキシャルポリSi膜を、容量型慣性センサなどに使用していますが、これはスウェーデンのウプサラ大学、フラウンホーファ研究機構などが関わって実現したもので、このようにリスクをかけられる大学や研究機関が企業からの課題を担っています。同様にSi共振子の温度特性も、VTTなどが関与し改善しています。専業のMEMSファウンドリとしては、ポリSi貫通配線を強みとするスウェーデンのSilex Microsystemsが最大の売り上げを達成しています。容量型加速度センサの自前製品を持つスイスのSafran Colibrysや、LSIメーカから発展したドイツのX-fab Silicon FoundriesなどのMEMSファウンドリもあります。この他のMEMS関連企業で、厚膜SOI(Silicon On Insulator)に強みを持つフランスのTronic’s MicrosystemsはMEMSファウンドリで慣性センサ―の自前生産もしてましたが、2016年にTDKに買収されてTDK Tronicsとなっています。またフィンランドのVTI Technologies Oyは容量型加速度センサなどを製造し、村田製作所に買収されて2012年5月にMurata Electronics Oyとなりました。 アジアについては、シンガポールの公的研究機関IME (Institute of Micro Electronics) がMEMS試作を受託して(日経マイクロデバイス, 2006/9, 86-87)、開発したものを台湾のTSMC (Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.) で生産する例などが多く見られます。IMEはフラウンホーファ研究機構などの欧州の公的研究機関と同様に、企業資金を得ることを通して産業界のニーズを先取りするとともに、政府補助金を使って採算の合いにくい試作サービスを可能にしています。台湾ではTSMC以外にも、APM (Asia Pacific MicrosystemsなどのMEMSファウドリもあります。 中国では政府が半導体部品関係を後押しして、SIMIT (Shanghai Institute of Microsystem and Information Technology) などの研究機関では開発・少量生産を行い、上海のSITRI (Shanghai Industrial μTechnology Research Institute)などのMEMSファウンドリが8インチのラインを持ち大きく発展しています。 日本のMEMSの産業化を見てみますと、1990年頃までわが国のMEMSは世界の一翼を担っていました。例としては、豊田中央研究所で開発されたピエゾ抵抗型の圧力センサが、1980年代に自動車のエンジン制御に使われ、排気ガス対策に貢献しました。1987年に横河電機では振動型圧力センサを開発しています。また深くエッチングするBoschプロセスによるDRIE (Deep Reactive Ion Etching) を住友精密工業が1995年に製品化しMEMS分野に大きく貢献しました。 2000年頃からクローバル化が進み、企業内での開発が弱体化して、新たにMEMSを始めた多くの会社が正しく判断できずに、外部から持ち込まれた技術を安易に取り入れて失敗しました。同じピエゾ抵抗型3軸加速度センサを数社以上が作るという2006年頃の異常な状況 (日経エレクトロニクス 2006/9/11 71-77) は日本企業の弱さを象徴しています。関わった企業は撤退しました (日経マイクロデバイス, 2009/5, 80-81)。容量型に比べピエゾ抵抗型は消費電力が大きいため携帯機器などには使えません。2010年頃から海外ベンチャ企業などとM Aで提携するように変わってきました。新技術が生まれにくい日本の現状では、これは止むを得ないと思いますが、日本発の新技術が産業に結び付くよう、努力していく必要があります。 MEMSファウンドリは2005頃に公的資金にも支えられて生まれましたが、自社向けデバイスを優先したものは(日経マイクロデバイス, 2009/2 104-105)多くが撤退し、世界における地位が相対的に低下しています(日経マイクロデバイス, 2008/11 49-55)。しかし日本のMEMSも、MEMSマイクロホンなどをMEMSファウンドリとして供給しているソニーセミコンダクタマニュファクチャリング、またMEMSマイクロホンを自ら製造しながら外国のMEMSファウンドリも使って供給する新日本無線、光技術をベースにしたMEMSの試作・製造工場を持つ浜松ホトニクス、装置(DRIE)からMEMSデバイス(リングジャイロ)やMEMSファウンドリ(シリコンセンシングシステムズ)まで、繋げて展開している住友精密工業、下で述べる「試作コインランドリ」も使いながら採算が合いにくいMEMS試作を請け負うメムス・コアなど、特徴あるMEMSビジネスもあります。 日本のMEMSビジネスの問題を考えてみます。縦割り行政も要因で産総研などが産学を結び付けるハブの役割を果たしてないことが影響しています。日本の大学では、産業界の問題点が伝わらないため製品につながる研究は少なく、ベンチャ企業も育ちにくくなっています。また形式的に論文の数で研究を評価する傾向があり、採択されやすい新しさだけのテーマを選定することも問題です。一連の設備を利用して完成度の高い試作品を作れる環境や技術が無いため、試作は外部に委託せざるを得ません。企業でもアイデアを実現するために設備投資をするわけにはいかず、しかし設計試作の経験を持たないで外部委託するとほとんど失敗します。 このような課題を解決するため、東北大学の「西澤潤一記念研究センター」では、移設した半導体工場をベースに寄付された設備などを利用し、1800m2のクリールームにある「試作コインランドリ」http://www.mu-sic.tohoku.ac.jp/coin/index.htmlで、会社から派遣された人が自分で操作し、4インチや6インチのウェハで試作開発ができるようにしています。2010年より戸津健太郎准教授が中心になって運営していますが、ここで作られたデバイスを市販させてほしいとの要望に応え、東北大学が文部科学省や経済産業省と交渉し、2013年より製品製作が認められました。2019年末までのユーザは323機関 (企業267社)、毎月延べ800人ほどに使われ、独立採算に近い形で運営されています。また建物はモノづくりのベンチャ企業などにも利用されています。MEMS技術は様々な知識を必要とするため、いかにして多様な知識にアクセスするかが大きな課題です。会社の相談に乗り、無料セミナーなどを開催して知識提供に努めてきました。文献ファイルや関連する学会の予稿集などを整理し、探しやすくして利用頂いております。また4部屋の展示室 http://www.mu-sic.tohoku.ac.jp/nishizawa/ を整備し、サンプルなどを直接見て頂けるようにもしています。是非多くの方や会社にお使いいただきたいと思います。
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