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10月 22, 2026
10月 22, 2026

EDA市場成長の舞台裏とAIの影響 Griffin SecuritiesのJay Vleeschhouwer氏に聞く

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数年前、SEMI Technology Coalitionに所属するESD Allianceは、Griffin Securitiesでソフトウェアリサーチ部門マネージングディレクターを務めるJay Vleeschhouwer氏に、Design Automation Conference(DAC)で毎年行っているEDA業界の現状と成果に関する講演について連絡し、同氏は快く応じました。それ以来、ESD Alliance幹部による同氏へのインタビューは毎年の恒例行事となっています。

今年も例外ではありません。Vleeschhouwer氏は、EDA市場の驚異的な売上成長と活発なスタートアップ活動を示した最新の調査結果について語ってくれました。インタビューでは、EDA業界のM&A、AIの影響、そして今後の展望についてもお聞きしました。

なお、同氏のプレゼンテーションでは、ESD Allianceが四半期ごとに発行する市場調査レポートElectronic Design Market Data(EDMD)のデータが用いられています。このレポートは、EDA、半導体IP、エンジニアリングサービス分野の上場企業・非上場企業の売上実績を集計したものです。

 

Rogers:EDA市場は2010年以降、一貫して成長を続けています。その成長の要因をどのように見ていますか。売上データは、成長が持続的であることを示唆しています。

Vleeschhouwer氏: 成長の背景には、長年にわたり継続している複数の要因があります。ESD AllianceのEDMD市場データを見ると、当社の四半期レポートで取り上げている多くのカテゴリーが、過去12カ月ベースで何年にもわたって成長を続けています。成長カテゴリーの数は、非成長カテゴリーを大幅に上回っています。実際のところ、成長が見られない、あるいはごくわずかしかないカテゴリーはほとんどありません。

成長は幅広いカテゴリーにわたっており、これが業界成長を支える重要な基盤となっています。この状況は四半世紀あるいはそれ以上前とは大きく異なります。この点については、投資家にEDA業界を説明する際にしばしば強調しています。かつては1つか2つの製品カテゴリーだけが高い成長率を示し、それらが業界平均を上回る成長をけん引していました。しかし、その成長もやがて収束するものでした。

一方で現在は、複数のカテゴリーが同時に成長しており、中には業界平均を大きく上回るものもあります。これは顧客側の技術ニーズによって支えられています。設計・開発プロセスが進化するなかで、より多くの製品カテゴリーを統合的に活用する必要性が高まり、その結果として、業界全体で幅広い分野に支えられた持続的な成長が何年も続いているのです。

これはEDA最大手であるCadenceとSynopsysの動向とも密接に関係しています。両社の市場シェアは、かつて業界売上の半分強でしたが、現在では約4分の3にまで拡大しています。両社の製品ポートフォリオは以前よりも多様化し、統合が進んでいます。その一部は買収によるものでしたが、近年は主に自社開発による成長です。業界全体の成長と市場シェア拡大は密接に連動しています。

 

Rogers:AIはEDA企業の成長にどのような影響を与えていますか。合併や買収が活発化すると考えるべきでしょうか。

Vleeschhouwer氏:最初の質問は非常に重要です。しかし残念ながら、現時点では明確な答えを持っていません。当社では主要ベンダーに対し、可能な範囲でAIが事業に与えている影響を具体的に示してほしいと要望しています。CadenceとSynopsysはそれぞれAI関連製品あるいはAIエージェントをブランド化しています。そして両社とも、複数のAI製品群を展開しており、独立した価格体系を設定しています。今後は、それらの製品がどの程度売上に貢献しているのかを確認できればと考えています。

今後はEDAだけでなく、あらゆるエンジニアリングソフトウェア企業が、AIを既存製品の中に組み込んでいくでしょう。AIは、製品が当然備えるべき機能の一部となっていくはずです。現在は独立ブランドとして提供されているAI製品が、将来的には既存製品群の一機能として組み込まれたハイブリッドなポートフォリオへと移行していくと考えています。

その結果、AI関連売上だけを切り分けて評価することは難しくなるでしょう。しかし独立ブランドとして提供されている間は、企業側もある程度その売上貢献を明示できるはずです。

Synopsysは9月末にニューヨークで投資家向け説明会を開催予定ですが、多くの質問の中には、AIの収益貢献に関するものが必ずあるだろうと思います。現時点で言えるのは、エンジニアリングソフトウェアをEDA、テクニカルソフトウェア、AEC(建築・エンジニアリング・建設)の3分野に分類した場合、AIの提供、顧客による導入、本番利用はEDA分野が最も進んでいるように見えるということだけです。

この認識は、CadenceやSynopsysのユーザー会議で顧客企業が発表している事例や成果に基づいています。顧客事例の蓄積を見る限り、AI活用はEDA分野で最も先行しており、他の分野も時間とともに後に続くでしょう。

産業向けソフトウェアやAEC分野でも、AIの重要性は確実に高まると考えています。ただし技術的な理由から、現段階ではEDAが最も先行しているというのが私たちの見方です。

 

Cohen:DACの講演ではEDMDレポートの業界売上データを引用されていますが、貴社のレポートの数字とは一致していません。その違いを説明していただけますか。

Vleeschhouwer氏:簡単な質問をいただきありがとうございます。実はその点を聞かれるのを待っていました。ご承知のように当社は四半世紀以上にわたり、EDMDの四半期データを利用してきました。SEMI/ESD Allianceのレポートと当社のレポートとの差は、基本的に1つのカテゴリーだけです。EDMDで非報告企業IP(non-reporting-company IP)として計上されている部分です。

当社の総額および成長比較の計算には、EDMDレポートのデータ提供企業のIP売上を含めていますが、非報告企業の推定IP売上は除外しています。それ以外のカテゴリーは完全に一致しています。私たちは可能な限り、地域別・カテゴリー別の業界データと企業業績を照合し、市場シェアの算出や成長分析に活用しています。

 

Rogers:SEMIの読者は、2027年のEDA業界売上について何に注目すべきでしょうか。

Vleeschhouwer氏:現時点で申し上げられるのは、私たちが業界レポートで公表している内容だけです。2026年のEDA業界売上は170億ドルを超えると予想しています。これはCadenceの売上予測、私たちが「Synopsys Classic」と呼ぶ事業の売上予測、さらにAnsysのEDA関連事業、そしてSiemens EDAの推定値を基にしています。Siemens EDAは、Mentor Graphicsを買収した9年以上前から非常に順調な成長を遂げています。Mentor Graphicsが上場企業だった最後の年と比較すると、現在の事業規模は約2倍に拡大しています。その間にはいくつかの小規模買収もありましたが、全体として事業規模はほぼ倍増しています。

なお、Siemens EDAの売上は収益認識モデルの特性上、四半期ベースや年次ベースでは変動が大きく見えることがあります。それを考慮しても、2026年の業界売上は170億ドル超になると見ています。2025年の約160億ドルと比較すると、今年もEDA業界にとって好調な年になるでしょう。

2027年については、まだ業界全体の予測を公表していません。成長が続くことに疑いはありませんが、現時点で公表しているのはCadenceとSynopsys個別の予測のみです。両社は依然として業界売上の約4分の3を占めていますが、業界全体の予測を出すには残り4分の1超を占める企業群についても推計する必要があります。その数値については、まだ公表していません。

Jay Vleeschhouwer氏について

Jay Vleeschhouwer氏は、Griffin Securitiesのソフトウェアリサーチ部門マネージングディレクターです。ソフトウェア、半導体、コンピュータハードウェア分野を中心に、40年以上にわたりテクノロジー業界の調査アナリストとして活躍しています。

Julie Rogers氏はESD Allianceエグゼクティブディレクターです。
Paul Cohen氏はESD Allianceシニアマネージャーです。