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SEMICON West 2025_CEO Summit 1
2025-11-25
2025-11-25

SEMI West 2025でエグゼクティブパネリストが論じた「地政学」「サステナビリティ」「半導体サプライチェーン」

SEMICON West 2025_CEO Summit 1

今年のSEMICON Westでは、現代における最も重要な3つのテーマである、地政学、サステナビリティ、半導体サプライチェーンについて、世界の業界エキスパートの見解が共有されました。本稿では、10月7日から8日にかけて提供された「エグゼクティブパネル」シリーズが、各テーマを掘り下げて論じた内容をご紹介します。
 

SEMICON Westの初日、10月7日のエグゼクティブパネルでは、地政学的エコシステムとその半導体産業への影響が取り上げられました。パネリストは、米国と中国における半導体の状況を比較し、サプライチェーンの混乱を緩和する戦略を明らかにし、AI競争に「勝つ」ということの意味を定義しました。

Bloomberg NewsのMackenzie Hawkins氏が司会を務め、パネリストにはArmのVince Jesaitis氏、ASMLのFrank Heemskerk氏、EntegrisのOlivier Blachier氏、IntelのSarah Kemp氏、Lam ResearchのRich Ashooh氏が登壇しました。

まず、各パネリストは米国のCHIPS法と、同法が目指す半導体サプライチェーンの多様化について言及しました。ArmのJesaitis氏は各国がサプライチェーンのレジリエンスを重視していると述べ、IntelのKemp氏は顧客が強靭なサプライヤに対して割増価格を支払う意欲が高まっていると指摘しました。

では、サプライチェーンを強化するには何が必要なのでしょうか?パネリストによると、広く行われているアプローチはオペレーションの地域化です。サプライチェーンの地域化が進むほど政策変更への耐性は強まりますが、Lam ResearchのAshooh氏は政府規制がイノベーションの要求に後れを取るのが通例だと指摘しました。特に中国では、この点でかなり有利になる可能性が考えられます。

「米国は依然として世界で最も革新的な環境です。しかし、中国政府が何かを優先事項にする発表をすると必ずその支援が用意されます。この仕組みにより、中国は猛烈な進歩ができるのです」とAshooh氏は述べました。

Kemp氏も、米国のイノベーションとインセンティブがあるものの、建設期間の長さと政策の複雑性が課題であると述べました。一方、中国は明確な意図と資源をもって産業強化を進めています。Ashooh氏はさらに、中国の2025年における影響力は、第一次トランプ政権時代の米国よりも大きいと指摘しました。

これに対処するため、パネルは政策を改善し、米国の貿易関係を円滑にすることを推奨しました。さらにASMLのHeemskerk氏は、最良の政府政策は退屈なものだと述べ、政府は予測不可能な信頼できない存在であってはならないと助言しました。

議論はAI競争の話題で締めくくられました。「勝つ」とは何を意味するのかという議論の中で、Ashooh氏はシンプルな説明を提示しました。勝つということは、競合相手ではなく顧客だけが目の前にいることだ、と。
 

地政学パネルの後、舞台はサステナビリティを中心とした議論へと移りました。登壇者はApplied MaterialsのElena Kocherovsky氏、MicronのBeth Elroy氏、QualcommのJoshua Kang氏、GoogleのSanchali Bhattacharjee氏です。SEMIのMousumi Bhatが司会を務めました。

サステナビリティが重大な局面にあると聞いても、誰も驚くことはないでしょう。Climate Clockによると、気候変動が不可逆になるまでの猶予は4年足らずしかありません。SEMIのBhatはこの数字を示し、業界全体で協力し、実質的な変化を生み出すことが重要だと強調しました。

この限られた時間の中で、どのような課題解決への取り組みが行われているかをパネリストは説明しました。例えばAIによる気候データの強化が、何度も話題に上がりました。GoogleのBhattacharjee氏はAIに新しいデータパラメータを取り込むことで、問題をより迅速に解決できると述べました。「私たちはデータの力を活用しなければならない変曲点に立っています」と彼女は言います。

MicronのElroy氏は、老朽化したインフラを持続可能な設備に置き換える機会や、最初からエネルギー消費の少ない製品を設計する取り組みを語りました。

しかし、気候目標からの逸脱リスクは依然として高いままです。Applied MaterialsのKocherovsky氏は業界のリソースが限られていることを指摘し、実質的な成果を生む取り組みに資源を集中することの重要性を強調しました。彼女はクリーンエネルギーの採用を例に挙げ、業界の排出量の80%が電力に起因していることに言及しました。

幸いにも、気候変動の緩和策は進行中です。QualcommのKang氏は、同社のタイにおけるAIを活用した空気質監視デバイスのスポンサーシップを紹介し、Kocherovsky氏はApplied Materialsの新しいサステナビリティプロジェクトに触れました。これらの取り組みは重要なものですが、まだ徹底的な対策には程遠い段階です。半導体エコシステム全体で持続可能なソリューションを実現するための具体的な作業が進められていますが、まだ道のりは長いということです。
 

サプライチェーンの安全性が優先事項となる中、翌8日のパネルではその強化に向けた業界の活動が詳しく説明されました。COVID-19は半導体サプライチェーンのレジリエンスを高めることが急務であることを浮き彫りにしましたが、根本的な問題はそれ以前から存在していました。

このテーマを探求するにあたり、筆者はバリューチェーン全体からパネルを招きました。EMDのSteven Johnston氏、AltaScientのRekha Menon-Varma氏、GlobalFoundriesのRoger Kao氏、Polar SemiconductorのSurya Iyer氏、CiscoのAman Aflaki氏です。

現在のサプライチェーンリスクは非常に深刻です。地政学的緊張、自然災害、サイバーセキュリティの脅威など、半導体サプライチェーンは複数の厳しい状況に耐えなければなりません。このためパネリストたちは、早期に兆候を認識すること、障害に対抗するためのバッファを構築することの重要性を強調しました。

CiscoのAflaki氏は、デジタルツインの活用や二次・三次サプライヤとの連携などによってバッファを構築し、必要な冗長性を確保することが重要だと述べました。また、今日の顧客はコストよりもレジリエンスやリスク管理に重点を置く傾向があるとも指摘しました。

もう一つの新しいリスク管理手法は、AIを使って事前に障害のシナリオモデルを構築することです。AI技術が進化する中、この手法を早期に導入した企業は競争優位を得る可能性があります。EMDのJohnston氏は、AIが研究開発や材料調達の効率化につながるとも付け加えました。

さらに、パネルはサプライチェーンの地域化が世界全体で発生していることを指摘しました。AltaScientのMenon-Varma氏は、各国が独自の方法でこの課題に取り組んでおり、米国の関税や輸出規制に対応して新たなグローバルパートナーシップが多数生まれていると述べました。GlobalFoundriesのKao氏も、現在のサプライチェーンのトレンドは「ローカル・フォー・ローカル」であることを強調しました。

最後に、パネルは協業の必要性について議論しました。ほとんどのリーダーが業界の未来に協業が不可欠だと述べる中で、Johnston氏は知的財産権の懸念が協業を阻むことが多いと指摘しました。これに対し、Polar SemiconductorのIyer氏はSEMIのような組織が主要プレイヤーを結集し、業界全体の課題を解決する役割を果たしていることを指摘しました。

 

Bettina WeissはSEMIのChief of Staffおよびコーポレート戦略担当最高責任者です。

 

半導体の地政学リスクに注目が集まる中、SEMICON Japan 2025では、日米欧のビジョナリーが登壇する「半導体をめぐる経済安全保障と地政学」が12月18日(木)に開催されます。登壇者は、「半導体戦争」著者のChris Miller氏、経済産業省 西川和見氏、EU Institute for Security StudiesのJoris Teer氏です。詳細ならびにお申込みについてはこちらをご覧ください。