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2025-01-24
2025-01-24

Bosch Sensortecが語るMEMSセンサー業界の成長とイノベーション

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個人向けスマートデバイスの需要拡大を背景に、MEMS/センサー市場が急速な変貌を遂げています。MEMSセンサーは、スマートウェアラブルデバイスのバックボーンであり、様々な機能をシームレスに結合して、私たちの日々の活動をモニターし、過ごしやすくしてくれます。ヘルスケア、環境トラッキング、AR/VR等の用途が拡大するにつれ、超小型で低消費電力なインテリジェントセンサの必要性が高まっています。

Bosch SensortecのCEO、Stefan Finkbeiner氏が、SEMIとの独占対談で、MEMSセンサー技術のダイナミックな展望を語りました。 Boschは、持続可能性と市場主導型のイノベーションを重視するソリューション・プロバイダーへと進化を遂げましたが、Finkbeiner氏は、同社が業界の最前線でどのように位置づけられているかについて、深く掘り下げてお話いただきました。

SEMI:Stefanさん、ようこそ。先進的なセンサー技術についてお考えをお聞きします。個人的な質問から始めましょう。センサー技術に携わるようになった、きっかけや動機についてお話しいただけますか。

Finkbeiner氏: センサー技術は非常に多様で、消費者に大きな影響を与えます。

当社は、誇りをもって、消費者のニーズと利益を優先しています。 Boschのモットーである「Invented for life」に忠実に、生活をより良く、豊かで、健康的なものにすべく取り組んでいるのです。このことは当社のセンシング・ソリューションによって実証されており、スマートウォッチで健康のトラッキングに欠かせないデータを提供し、ヒアラブルデバイスでオーディオ体験の質を高め、空気の質をリアルタイムにモニタリングして健康な環境づくりに必要な情報を提供しています。

私は、センサーの微小化を可能にし、処理能力とインテリジェンスを小さなデバイスに詰め込む技術進歩に魅了されています。 例えば、当社の最新のヒアラブルデバイス用加速度センサーは、1.2mm x 0.8mm x 0.55mmという世界最小の大きさで、ほとんど見えないほどです。

当社は、革新的なウェーハレベル・チップスケール・パッケージング(WLCSP)を利用して、この小型化を達成しました。このようなコンパクトで機能豊富な高性能加速度ピックアップであれば、サイズと機能が強く求められる最新世代の消費者向け製品への組み込みも容易です。

SEMI:Bosch Sensortecのアプローチがこれまでどのように進化してきたのか、また現在注力していることについてお話しください。

Finkbeiner氏:当社のサクセス・ストーリーは、数年前にハードウェア・サプライヤーとして始まり、最初のアプリケーションのひとつがスマートフォンの「ポートレート・ランドスケープ」機能でした。 時を経て、私たちはMEMSセンサーのリーディング・プロバイダーのひとつへと進化しました。

今日では、当社を純粋なセンサー・メーカーではなく、テクノロジー・ソリューション・プロバイダーとして捉えています。重点とするところも、最終アプリケーションの視点から考え、メリットと柔軟性を最大化するソリューションを提供するために最適なハードウェアとソフトウェアの構成を求めることへとシフトしています。

これを実現するには、ソフトウェアとAIを大幅に発展させる必要があります。本質的には、当社は自己学習モデルによってソフトウェアの最適化を進めています。ハードウェアは、消費電力の最適化に不可欠であることに変わりはなく、ほとんどのセンサーは、シームレスなソフトウェア統合を可能にするために、コントローラとASICと一緒に統合しています。

このユニークなソフトウェアとハードウェアの構成が、エキサイティングな可能性を解き放ち、当社の市場を広げています。当社は、ヘッドマウント・デバイスが大きく成長すると見ており、関連する音響ソリューションに積極的に取り組んでいます。

SEMI:今後、MEMSセンサー市場に最も大きな影響を与えると予測されるトレンドは何ですか。

Finkbeiner氏:MEMSセンサー市場に大きな影響を与えるトレンドはいくつかあると見ています。

第一に、民生用電子機器やモバイル電子機器の分野で、個人の健康モニタリング需要が高まっています。 特にウェアラブルデバイスは、個人が自己の健康状態やフィットネス状況を把握するために不可欠なツールになりつつあります。このトレンドは、信頼性、精度、再現性を保証する高度なソフトウェアアルゴリズムなどのソリューションによる、MEMSセンサーのさらなる高精度化を求めています。その結果、AIと機械学習(ML)がセンサーの性能向上に重要な役割を果たすようになるでしょう。

2つ目の重要なトレンドは、MEMSセンサーの小型化の継続です。顧客の要求に応えるためには、センサーにエッジ処理など、より多くの機能を統合する必要があります。例えば、かつての単純な加速度センサーに歩数カウントアルゴリズムを搭載したものが、現在では6軸慣性計測ユニット(IMU)にマイクロコントローラーを統合し、高度なAI/MLソフトウェアを搭載したものへと進化しています。その好例が完全ワイヤレス(TWS)イヤホンで、IMUは歩数をトラッキングするだけでなく、自律航法といった複雑なタスクを可能にし、3Dオーディオをサポートします。こうしたモバイルデバイスがCE(欧州基準)に適合するためには、いつものように低消費電力であることが必須となります。

最後に、スマートグラス、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)のデバイスは、「次なる目玉」になると考えています。 これらのデバイスが消費者に確実に受け入れられるには、優れた光学品質、軽量性、使いやすさを備えた高度な映像投影光学系が必要です。 当社のMEMSベースのLBS(レーザービームスキャニング)ソリューションは、こうした用途に理想的だと考えています。さらに、スマートグラスの普及の成否は、小型で正確、かつ電力効率に優れた高性能MEMSセンサーにかかっています。

これらのトレンドは、MEMS技術が次世代の民生デバイスの需要に対応するためには、さらなる発展、より高い機能性と精度、効率の統合が必要であることを明示しています。

SEMI:MEMSセンサー業界が直面している最大の課題はなんでしょうか、また企業はそれをいかにして乗り越えられるでしょうか。

Finkbeiner氏:重要な課題の1つは、MEMSやMOEMSセンサーにとって最も魅力的な市場といってよいスマートフォン市場が、多かれ少なかれ飽和状態になっていることです。 競争力を維持するためには、MEMS企業は既存製品を革新すると共に、次世代モバイル製品向けに当たな差別化されたセンサーやアクチュエーターを開発しなければなりません。

SEMI:Bosch Sensortecは、サステナビリティへの取り組みをどのように支援していますか?

Finkbeiner氏:当社は、カーボンフットプリントが小さいソリューションを通じて気候変動の緩和に貢献しています。

世界の年間炭素排出量の20%近くは森林火災に起因します。これは、全世界で自動車が排出する二酸化炭素量に相当します。当社のセンサーは、一酸化炭素や水素などの各種ガスを測定することで、森林で発生した火災を山火事に発展する前に検知することが可能です。

これと並行して、当社は生産パートナーと共に、今後数年間で二酸化炭素排出量を削減し、またPFAS等の環境に有害な化学物質の使用を代替または最小限に抑えるよう取り組んでいます。

欧州の半導体産業はMEMSとセンサー技術に深い専門性を持っており、民生ヘルス機器、光学センシング、ARディスプレイなどの市場に強い影響力があります。サステナブルなソリューションに焦点を当て続けることで、業界全体にさらに大きなインパクトを与え、これらの成長分野における欧州のリーダーシップを確保することができるでしょう。

Stephan Finkbeiner博士Stephan Finkbeiner博士

Stephan Finkbeiner博士は、2012年よりBosch Sensortec GmbHのCEO兼ゼネラルマネージャーを務めています。1966年、ドイツのフロイデンシュタット出身です。Boschでは、センサマーケティング部長、マイクロシステム技術コーポレートリサーチ部長、センサエンジニアリング担当副社長など、さまざまな要職を歴任しました。半導体業界で約30年間、センサーの研究、開発、製造、マーケティングに関連するさまざまな職務に携わっています。