危機に瀕する半導体製造装置・材料産業の技術革新

2008年5日2日
<ご参考資料>米国カリフォルニア州で2008年4月29日(現地時間)に発表されたプレスリリースの翻訳です。

危機に瀕する半導体製造装置・材料産業の技術革新
年間40億ドルに達するIP侵害が原因


SEMI(本部:米国カリフォルニア州サンノゼ)は、4月29日(米国時間)、SEMIが発行した白書をもとに、半導体製造装置・材料サプライヤーは知的所有権(IP)保護における深刻かつ重大な難局に直面しており、マイクロエレクトロニクス産業全体が経済的に大きな損失を被っていると発表しました。

この「危機に瀕する技術革新 -知的財産権の難局そしてチャンス (Innovation at Risk – Intellectual Property Challenges and Opportunities)」と題する白書は、半導体製造装置・材料業界が直面しているさまざまなIP問題に関して、詳細な調査結果と状況改善のための提言をまとめたものです。本白書は、装置・材料業界全体の売り上げの56%を占める49社のSEMI会員企業を対象に、Noblemen Group社によって実施されました。

SEMIのプレジデント兼CEO スタンリー・マイヤーズ(Stanley Myers)は、次のように述べています。「IPの権利保護は、半導体製造装置・材料業界にとって深刻な問題です。重要な技術の半導体メーカーへの提供は、IPが保護されていることによって可能となるのです。」

本調査によれば、IP侵害が増え続けているのは、世界の多くの地域でIP保護法が脆弱で、その執行や罰則が十分ではないこと、アジアへのアウトソ-シングやオフショアリングが進んでいること、消費者主導の市場において半導体業界がコスト削減を追及していること、などが要因であることがわかりました。

本調査に協力した企業のおよそ90%は、コア技術、主力製品、スペアパーツ、コンポーネント、営業機密、商標の侵害、偽造、盗用など、何らかのIP侵害を経験したことがあると回答しており、54%の企業は、これらの侵害が深刻あるいは極めて深刻なものであるとしています。

SEMI副会長であるCymer社CEOのボブ・エイキンズ(Bob Akins)氏は、次のように述べています。「競争が極めて激しいグローバル・ビジネスの環境では、IP保護が不可欠であり、これにより半導体産業の技術的進歩を支える多額の研究開発投資も可能になります。IP侵害は、どのような形であれ、ムーアの法則を維持していくために必要な次世代装置・材料の開発を阻むものであると言えるでしょう。」

また、東京エレクトロン株式会社 代表取締役会長兼CEOである東 哲郎(ヒガシ テツロウ)氏は、次のように述べています。「半導体製造装置・材料サプライヤーは、複雑かつ高度なシステムを専門性の高い市場に提供しています。IPの侵害が続けば、次世代半導体デバイスのための新たな装置や材料の開発が揺るぎかねません。」

調査に協力した企業は、台湾、中国、韓国、北米を最も懸念される地域としてあげています。しかし、IP侵害の形態や種類、その理由は、それぞれの地域でさまざまであり、特に北米の場合にはその多様性が顕著です。また、約53%の企業が顧客(半導体メーカー)によってIPが侵害されたと報告しています。60%近い企業がIP侵害に対して訴訟を起こしていますが、法的手続きにコストと時間を要し、また結果の予測が難しいといった理由により、満足のいく結果を得ているのは48%の企業にすぎません。訴訟費用や訴訟結果のばらつきも、企業の懸念事項となっています。

調査に協力した企業の内60%以上が、IP侵害により売り上げやマーケットシェアの減少といった経済的損失を受けており、その額は業界の年間総売上高の1~2.5%に及ぶと推測されています。全体として、IP侵害による業界の経済的損失は、売り上げやマーケットシェアの減少、値下げによる売り上げ減、市場評価減を含め、年間20~40億米ドルに達しています。

本白書では、SEMIのIP問題への取り組みについて提言をしており、パブリックポリシー活動の強化、グローバルなIP保護にむけた各地域政府との協力、顧客との対話促進、SEMI会員企業との協力によるIP資産を尊重するグローバル・カルチャーの向上、そして会員に対するIP管理トレーニングの提供に力点を置くことが求められています。

本白書(英語版)は、下記URLからダウンロードできます。
http://www.semi.org/ipwhitepaper


 
■ Noblemen Group社について
Noblemen Group社は、技術分野を専門とする調査会社で、マイクロエレクトロニクス分野、国土安全保障分野、分析機器業界の顧客に対し、市場調査、M&Aコンサルティング、グローバル・デュー・デリジェンス・サポート、インターリム・マネージメントなどを提供しています。


SEMIの日本事務所 SEMIジャパンでは、SEMI会員企業向けに、本白書の日本語版を作成し、Webサイトで公開する予定です。