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電子デバイス業界における模造品対策の取り組み

SEMIジャパン スタンダード部

はじめに

模造品被害総額は全世界で年間約80兆円に上るとも言われ、電子デバイス業界にとっても深刻な問題です。模造品製造業者の技術力の向上や世界経済のグローバル化にともない今やその被害は拡大の一途を辿っています。現在、電子部品の代表であるICチップはコンピューターを始め、家電、携帯電話、自動車、医療機器など、あらゆる形で人間の生活に関わっているのは周知の事実です。このような身の回りに存在する電子デバイスの模造品被害は物流を通じて人為的・悪意的に紛れ込みこむことで生じます。一般的に模造品被害の対象となりやすい製品には、電子部品全般(交換部品、汎用品、廃番品、スペア品など)の中でも高価で流通量の多いICチップが挙げられます。当該製品の供給不足や生産終了が原因で正規流通網の製品在庫が底を尽きると、企業の購買政策上、非正規流通網から調達せざるを得ない場合に模造品被害に遭うリスクが高まります。模造品は安価(正規品の1/3、1/2以下とも)かつ、手近にあるという理由からも企業が飛びつきやすい傾向にありますが、正規品と比べ性能が低く、全く動作しない粗悪品が多く存在します。そのような模造品が自動車部品や医療機器部品に紛れ込んでいるとしたら、人命に関わる大きな社会問題となり、電子デバイス業界へ甚大な打撃を与えます。

1. メーカー各社の模造品対策への取り組み

メーカー各社は、模造品によるブランドイメージの失墜、ビジネスモデルの破壊、知財の侵害といった直接的被害を防ぐため、知財戦略強化(特許による権利化と自社技術のブラックボックス化)やトレーサビリティ強化、短ライフサイクルの新製品の投入、他社が真似の出来ない技術力の維持などを行い被害の最小化に努めていますが、抜本的な解決策が見出せてないと言われています。そもそも各社自身がどのくらいの被害を受けているかの把握が難しく、外部からもその被害総額を知るすべもないことで、業界全体の取り組みが困難となっていると考えられます。

2. SEMIスタンダード活動とその取り組み

半導体・FPD・太陽光発電・製造装置・材料の工業会であるSEMIは、SEMIスタンダードとしてグローバルな標準化活動の場を提供しています。現在、SEMIスタンダード日米両地区のトレーサビリティ委員会では、JEITA(電子情報技術産業協会)、SIA(米国半導体工業会)、NIST(米国政府標準暗号制定機関)、NASPO(米国製品安全保障協会)を巻き込み、物流における暗号化されたトレイ梱包ラベルやICチップマーキングに認証システムを導入したセキュリティ技術の標準化活動を展開しています。具体的には、
① 各デバイスメーカーが製品を出荷する際に認証サービス業者へ認証を依頼
② 認証サービス業者は認証コードを発行
③ コードが貼り付けられた包装状態で消費者に着荷
④ 消費者は認証サービス業者にコードの照合(真贋判定)を依頼

という物流における認証システムを前提としたスタンダード(規格)が開発中です。今年のセミコンジャパンでは、本スタンダード活動を紹介するワークショップを実施し、最新の模造品防止セキュリティ技術展を同時開催します。

プログラム紹介

SEMIスタンダード日米両地区トレーサビリティ委員会主催ワークショップ

トレーサビリティ技術による半導体業界の模造品防止・セキュリティ対策
- 米国と日本産業界の共同歩調による最新動向 -

2009年12月2日(水)10:30-15:00 (参加費用無料・Webサイト登録制)
幕張メッセ展示会場特別展示エリア プレゼンテーションステージ

< 見どころ >
SEMI、SIA、JEITAは、半導体デバイスの模造品防止のための専用IDによるセキュリティ対策(チップID、物流ラベル、認証システム)の標準化活動を実施しています。本ワークショップでは米国政府を巻き込んだ最新動向を紹介するとともにビジネスインパクトを検証します。

SEMI特別企画コーナー

模造品対策・セキュリティ新技術紹介コーナー

2009年12月2日(水)~4日(金)10:00-17:00
幕張メッセ展示会場特別展示エリア

< 見どころ >
上記ワークショップで紹介される各社製品並びに、技術展示をSEMICONジャパン2009期間中に開催します。

本記事に関するお問い合わせ

SEMIジャパン スタンダード部  菅野博史
Email: hkanno@semi.org    Tel: 03-3222-6018