downloadGroupGroupnoun_press release_995423_000000 copyGroupnoun_Feed_96767_000000Group 19noun_pictures_1817522_000000Member company iconResource item iconStore item iconGroup 19Group 19noun_Photo_2085192_000000 Copynoun_presentation_2096081_000000Group 19Group Copy 7noun_webinar_692730_000000Path
メインコンテンツに移動

IoTのキーデバイス MEMSの成長には新たなアプローチが必要

By SEMI テクノロジー・ディレクター Paula Doe

エレクトロニクス産業において、成長の次のラウンドを牽引していくのがIoT(Internet of Things)だとすれば、あらゆるスマートな「モノ」と現実世界とのやり取りを可能にするMEMS およびセンサー技術がその成長を大きく左右することになります。しかし、新しいMEMS設計を量産まで持っていくには膨大な時間とコストがかかるため、MEMSの開発を加速させる方法を業界が見つけ出さない限り、IoT市場の期待に応えることは難しいと考えられます。

MEMS Market Forecase

年12%というMEMS部門の良好な成長は、既存MEMSデバイス向けの新しいアプリケーションによって支えられています。しかし、破壊的新製品を量産へと進める場合、その難しさからMEMS部門の成長スピードが落ちる可能性があります。それを回避するためには、機械デバイスからシリコンへの移行を円滑化する方法を見つけ出す必要があるのです。このように指摘するのは、Yole DeveloppementのCEO兼社長であるJean-Christophe Eloy氏です。

センサーおよびセンサー利用システムの両部門は、デバイスの小型化、高性能化、低コスト化における目覚ましいインクリメンタル・イノベーションにより、力強い成長を続けています。この成長は、既成のMEMSデバイスがより多くのアプリケーションに幅広く導入されることで成り立っています。昨年最も急成長したMEMS企業であるAvagoとQorvo (旧Triquint)の成長要因は、LTEの幅広い導入によりマルチモード携帯電話向けのBAWフィルターに大きな需要が生まれたことでした。同じく、MEMSマイクと慣性センサーに高い需要を示すアプリケーションも増え、クリティカル・マスに向けてより多くのセンサーサプライヤーを2億~3億ドルの収益規模に押し上げることに貢献しました。Eloy氏は、「これは非常に重要なことです。現在、MEMS産業は10億ドル規模の企業に成長する可能性を秘めたプレーヤーを複数抱えているということですから」と述べています。
とはいえ、既存デバイスの新しいアプリケーションだけで110億ドル規模の事業の2ケタ成長をいつまでも持続できるわけではありません。Eloy氏は次のように述べます。「問題なのは、完全に革新的な製品が2003年のKnowlesマイクロフォン以来出ていないことです。 これ以降の製品はすべて、集積化やパッケージングの改良などのインクリメンタル・イノベーションによるものです。こうしたイノベーションは非常に重要ですが、画期的な新製品ではありません。業界では、依然としてMEMSスイッチ、オートフォーカス、スピーカーの量産に向けたハード面の移行が待たれています。」同氏によると、IC産業においては競争前研究を共同で実施する方法がすでに見いだされ、充実した商業的支援基盤が整備され、継続した成長が支えられてきました。「MEMS産業でも、よりシンプルでスピーディな設計プロセスと量産化の実現のためには何らかの取り組みが必要なのです。」

新しいタイプのMEMSデバイスとセンサーデバイス - 成長の原動力となる可能性

「MEMS産業の成長は、今まさに始まったところだと考えます。IoTが導入されるあらゆる場所でのセンサー需要やコンテクスト・アウェアネスの需要、そしてとりわけバイオケミカルおよびバイオメディカルセンサーの需要がその原動力となります。」一方、このように話すのは、シリコンバレーの投資家グループThe Band of AngelsのKurt Petersen氏です。「価格は引き続き下落すると考えられますが、現在開発されている新しいタイプのセンシング機構により精度の大幅な向上が予想されます。」同氏は、開発中の圧電マイクや超音波ジェスチャー認識、従来の10倍の精度でより質の高いナビゲーション情報を提供する新しい慣性技術といったものが持つ大きな影響力に注目しつつ、こう述べています。
Petersen氏は、真に役立つウェアラブルがすでに登場しているという考えには懐疑的ですが、今後の開発実現については楽観的な姿勢を崩していません。その中でも最も有望なのが、目下開発が進んでいる新クラスのバイオケミカルセンサーです。その一例であるスタートアップ企業Profusaの埋め込み型グルコースセンサーは、外部の光デバイスを使って読み取る方式で、微調整によって体内の他の化学物質も感知することができる一種のセンサープラットフォームです。
改良型のバイオケミカルおよびバイオメディカルセンサーに加え、エネルギーハーベスターも有望な分野です。「エネルギーハーベスターは、IoTによって巨大な市場が開かれることから、重要性が飛躍的に高まることが予想されます」とPetersen氏は述べています。

プラットフォーム技術への需要変化で増産が円滑化

こうした新しいデバイスを量産へと導き、市場が要求する迅速な市場投入と低コストを実現することは、新しいアプローチへ向けた追い風となります。Teledyne DALSAのMEMSファウンドリーでEVP兼GMを務めるClaude Jean氏は次のように述べます。「これまでは独自のプロセスフローでの実装が求められていたのですが、現在はできる限り標準プラットフォームを使用し、若干の変更のみとするよう依頼されることが一段と増えています。1つの製品に1つのプロセスという従来の形も依然として残ってはいますが、製品開発のための確立されたプラットフォームに注目が高まっています。」DALSAでは、現在、慣性センサー、マイクロボロメーター、光MEMSおよび圧電素子のための幅広い種類のプラットフォームを用意するとともに、設計およびテストのサポートを最大限に拡充しています。

新しいプラットフォーム技術は、研究開発施設からも登場しています。CEA-Letiは、ファウンドリーの協力のもと、独自のピエゾ抵抗型M&NEMSプラットフォームをより多くのユーザーへ向けて生産することを目指しています。この技術では、運動質量体に厚層(>10μm)を用い、圧縮・伸張による運動を感知して抵抗を変化させる周縁部のピエゾ抵抗ゲージに極薄層(<500nm)を用いています。「この技術は複数のセンサーを非常に小さく集積する手法に取って代わるものであり、例えばシステムやCMOSのメーカーといった独自の技術を持たない新規のプレーヤーでも非常にスピーディに製品を開発できるようになります。」最初のライセンシーであるTronicsが6自由度慣性センサーを市場に送り出したスピードに注目しながらこう述べるのは、北米戦略的パートナーシップ担当VPのHughes Metras氏です。

低コスト化と市場投入の迅速化に必要なコラボレーション・ソリューションの拡充

MEMS部門にとっては、基盤技術が成熟してきている今こそ、機器の要求事項といった共通の関心分野やテスト手法に関してコラボレーションがもたらすメリットを模索し始めるときかもしれません。慣性センサーの性能測定には広く受け入れられている標準的な方法が未だなく、機器メーカーの将来的なニーズを定義するITRSロードマップのようなものもない、とDALSAのJean氏は指摘します。「MEMS市場が求めるコストと先進CMOS機器の価格には大きな隔たりがあります。」同氏はこのように述べ、先進CMOS向けに開発されたプロセスよりもシンプルで低コストなTSVプロセスのようなものが必要であると話します。DALSAでは、Alchimerと協力して低コストなウェットプロセスCuビアラスト方式のMEMS用TSVアプローチを開発しています。「これから必要となる低コスト化アプローチに取り組むためには、MEMSメーカーと機器・材料サプライヤーとの間のより緊密なコラボレーションが必要です」とJean氏は話します。

(初出 SEMI Global Update 6月号: オリジナルの記事はEE Timesに掲載されており、許可を得て公開しています。)