SEMI通信 2018年6月号 SEMIスタンダード情報


スマートファクトリーのための業界コラボレーション

SMT-PCBパネルとその関連情報とを転送するマシンツーマシン(M2M)通信インターフェース標準の開発に関するJARAとSEMIのコラボレーション

 

株式会社FUJI ロボットソリューション事業本部
FUJI Smart Factory プロジェクト
第一機械技術部 技術企画課 課長
粟生 浩之

 

基板搬送規格の必要性

 

電子回路基板製造ラインでは、基板搬送にSMEMAで規定されたコネクタを使用しI/Oで信号のやり取りを行うという旧態依然とした基板搬送方式を採用しています。印刷機・検査機・実装機・リフローなどのさまざまな装置と、それらをつなぐ各種搬送装置が存在し、それぞれの装置のメーカーが異なっていることが大半で、電気信号を装置間でやり取りして基板を搬送する方法は、PLC(programmable logic controller)にとって簡単で分かりやすい方法として業界全体で利用されてきました。

一方、実装機や検査機メーカー各社は18年以上前からネットワークを経由して装置から情報を収集し、分析することで実装品質を高め、実装効率を向上する取り組みを行ってきました。また、それらの情報収集には各社独自のプロトコルを使用した開発を行ってきたため、様々な通信規約が様々な会社で制定されてきました。しかし、Industrie 4.0の流れの中で基板情報の持ち方や他の装置との通信方法が統一されていないことで、ライン全体での一貫した情報管理にたいへん手間とコストがかかり、このことがユーザーや実装機器関連メーカーの大きな負担になり始めていました。

 

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日本ロボット工業会では、表面実装基板製造装置およびその関連ソフトウェアメーカー20社による、「実装機器通信規約標準化分科会:略称ELS」を発足させ、「実装機器通信にかかる日本ロボット工業会規格」の検討が始まりました。この規格を使用することで、ユーザーは設備をラインとして構築するだけで、従来できた基板搬送だけではなく、装置プログラムの自動切換えや基板ID情報の共有、基板検査結果の共有を行うことができるようになりました。

この活動を開始した時点では、技術的な取り決めを行うためには大きな工数がかかると覚悟していましたが、SEMIの通信規格であるSEMI A1 HCの存在を知り、内容を各社で確認したところ、自分たちのやりたいことが、この規格を採用することによって最短時間で開発できるのではないかと直感しました。そこで、このSEMI規格を通信層として採用し、その上にSMT製造ライン用の専用層を乗せる検討を進め、2018年6月1日にjaras2014の規格化が完了しました。

 

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このようにSEMI A1とJARAS 1014とを使用することでお客様は、以下のようなメリットを受けることができます。

 

  1. 電子回路基板製造ライン設置後に各社でことなる基板搬送用の電気信号の仕様をすり合わせて基板搬送確認を行わなければならない手間がなくなります。
  2. 基板搬送とデータ搬送が一致しているため、装置毎に基板ID読み取りする必要がなくなり、基板ID読み取り装置の設置費用が削減できます。
  3. 機種切り替えミスを防止し、ライン全体の機種切替時間を短縮できます。
  4. データに検査結果の履歴を設定できるため、検査後に不良基板をバッファリングするための電気信号やシステムのカスタマイズが不要になります。
  5. SEMIとJARAという業界団体で制定された公正な規格であり、世界中の実装機器メーカーが平等に新規格に対応できます。

 

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JARAS 1014のSEMI Standard化

 

JARAS 1014をSEMIスタンダード化するための活動が始まっています。

この活動のために、4月のSEMIの日本地区オートメーション・テクノロジー委員会において、「SMTタスクフォースの設立」と、「SEMI #6396 SPECIFICATION FOR SURFACE MOUNT ASSEMBLY SMART HOOKUP (SMASH)の文書開発活動」とが承認され、6月11日(月)のキックオフ会議を皮切りに本格的な活動が始まっています。

図:SEMI A1 HCの使用例をピザ工場に例えると

今後、JARAS 1014のSEMI Standard化を進め、JARAS 1014 (SEMI #6396)on SEMI A1のスタンダードに準拠した製造ラインの実装を通して、世界中のお客様にM2M(装置間連携)が創出する互換性と新たなる価値を提供して参ります。

 

SEMI A1 HC: SEMI A1 Specification for Horizontal Communication (HC)
Between Equipment for Factory Automation System

SEMI A1.1 HC: SEMI A1 Specification for Media Interface for a Horizontal Communication (HC)
Between Equipment for Factory Automation System

 

 

◆SMTタスクフォースの活動に関する問い合わせ先

SEMIジャパン スタンダード&EHS
岩村瑞江
03-3222-6012 (スタンダード直通)
miwamura@semi.org

 

JIRA2014に関する問い合わせ先

日本ロボット工業会 技術部
三浦敏道
tech@japa.jp
03-3434-2919

 

◆この記事に関する問い合わせ先

SEMIジャパン スタンダード&EHS
コリンズ純子
jcollins@semi.org
03-3222-5819