SEMI通信 2018年3月号 Report 1

4年連続上昇 ― ファブ装置投資の目覚ましい成長

 

SEMI 市場調査統計部門 クリスチャン・ディーゼルドルフ

 

1年前、SMEIのWorld Fab Forecastレポートは、2018年の前工程ファブ装置の投資額は8%成長すると予測しました。もしそれが実現すると、業界は3年連続のプラス成長を享受することとなります。これは1990年代半ばから見られなかったことです。

2017年までの記録的なペースの投資が、従来の産業サイクルに変化を及ぼしたと憶測させるのは当然のことと言えるでしょう。これまで、投資は1~2年のプラス成長の後、ほぼ同じ期間、マイナス成長に転じることが常でした。過去の法則が成り立つなら、2019年はファブ投資が減速することになります。

しかし、2018年を8%成長と予測してから1年がたった現在、SEMIのWorld Fab Forecastレポートのデータは、4年連続のファブ装置投資額の5%プラス成長という、過去の法則に当てはまらない予測を示しているのです。図1をご覧ください。

 

図1

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業界では現在のサイクルにおいて2つの破壊的な影響が発生しています。

  • 前年のメモリー価格の上昇によって、Samsungは巨額の投資を実施し、それは今年も、そしておそらく来年も実施されるでしょう。
  • 中国のファブ投資が上昇し、さらに新たなプロジェクトが進行しています。

現在確認されているファブ計画に対する様々な市場シナリオは、2019年は最低でも2%成長することを示しており、マイナス成長を示す兆候は皆無です。

SEMIの予測では、Samsungの2018年および2019年のファブ装置投資額は2017年から減額されるものの、引き続き首位に立ちます。対して中国のファブ装置投資額は、外資系企業および中国系企業が進めるファブ計画により、2018年には前年比57%増、2019年には60%増と、飛躍的に増加するでしょう。この投資額の急増により、中国は2019年に韓国を抜いて投資額が世界最大の地域になることが予測されます。

過去最高となった2017年の設備投資の後、韓国のファブ装置投資額は2018年に9%減の180億ドル、2019年に14%減の160億ドルとなるでしょう。しかし、いずれの年も、2017年以前の韓国の投資水準を超えています。ファブ装置投資で世界第3位の地域である台湾の投資額は、2018年に10%減の約100億ドルとなりますが、2019年に15%増と反発し、110億ドルを超えるでしょう(各地域の投資額の詳細については、World Fab Forecastの最新レポートを参照ください)。

中国のファブ装置投資の増加は、建設が進められていた新規ファブが装置導入段階に入ることから予想できていました。中国では2017年に記録的といえる26棟もの量産ファブ建設が着工しており、その装置導入が今年から来年にかけて行われます(図2)。

 

図2

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中国のファブ装置投資額の大半は外資系企業が占めています。しかし、中国系企業の投資額の割合が、2017年の33%から2019年は45%へ上昇することが予測されています。

中国は2018年から2019年にかけてのファブ装置投資の成長をけん引し、その計画に大きな変更がない限り、2019年には4年連続成長を果たす推進力となるでしょう。

 

製品分野別投資額

製品分野別にみると、3D NANDが投資をリードし、2018年は3%増の160億ドル、2019年も同じく3%増の170億ドルに達するでしょう。DRAMは、2018年は26%増と力強い成長を見せ140億ドルに達しますが、2019年は14%減の120億ドルとなることが予測されます。ファウンダリは、7nmプロセス対応および生産能力拡大に向けて、2018年は2%増の170億ドル、2019年は26%増の220億ドルを投資するでしょう。

詳細なデータはSEMI World Fab Forecastを参照ください。予測はファブごとの四半期データ(投資額、生産能力、テクノロジーノード、ウェーハサイズ、製品タイプ)を2019年までカバーしています。SEMIのファブデータベースの情報は次のリンク先で提供しています。

 

初出 SEMI Global Update 2018年3月13日号