SEMI通信 2017年8月号 Report 1

中国半導体産業の興隆

 

SEMIが7月に発表した半導体製造装置市場予測では、中国市場の成長について、2018年には韓国に次ぐ世界第2位の市場となるとし、予測範囲の先ですが、2019年には世界第1位になる可能性が論じられました。半導体製造業界、そして装置・材料を含むサプライチェーンに所属する誰もが中国に注目しているといってよいでしょう。

SEMICON Westでは、SEMI Chinaが中心となって企画したChina Strategic Innovation and Investment Forumが初日の基調講演に続くプログラムとして開催され、当然のごとく会場は満席となりました。本稿では、SEMI China代表のチュウ・ロン(居龍)の講演の中から、中国市場動向に関するデータをご紹介します。

 

中国の半導体輸入超過

電子機器の製造が、先進国から中国へとシフトしているのは、ご承知の通りです。今では家電製品でMade in Chinaのラベルがないものを探すのは難しいと言ってよいでしょう。これに連動して中国での半導体需要は右肩上がりで、2016年には、3,330億ドルの世界半導体市場の中で、日本が6.6%、南北アメリカが10.4%を占めるのに対し、中国の消費額は44.2%という状況です。

 

China:Largest And Growing Shere of WW IC Marcket

 

こうした旺盛な需要の増加に対して、供給は輸入に依存している状態で、国産半導体の供給量は2009年の時点で7.8%しかありませんでした。後述する中国政府の政策によって、現在の国産半導体産業は急激な成長を始めたものの、2020年にようやく18.1%に達するという予測となっています。

 

big Gap Between Local IC Supply and Demand

 

中国政府の半導体産業政策

こうした状況を打破し、中国半導体の自給率をあげようと中国政府が2014年に打ち出したのが国家IC産業発展推進ガイドライン(国家集成電路産業発展推進綱要)です。2020年の目標として、国産IC産業の総販売額8,700億元(約14兆円)、16/14nmプロセス、世界トップ水準の設計およびパッケージング、材料・装置の輸出を目指しています。ここで注意したいのは、中国の目指すのは、半導体の製造だけではなく、設計、製造、パッケージング、さらには装置、材料にいたるトータルサプライチェーンの自給率拡大、世界水準到達を目指しているということです。

 

China National IC Industry Development Guidline - Highlighits of Key Goals in 2020

 

こうした目標を達成すべく、中国の中央および地方政府は総額4,651.7億元(約7.5兆円)ものIC投資ファンドを中国全土に展開しています。

 

China National IC Industry Development Guidline - Highlighits of Key Goals in 2020

 

中国半導体サプライチェーンの成長

国家IC産業発展推進ガイドラインに基づいて拠出された巨大な資金源を背景に、現在、中国では空前の半導体投資ブームが進んでおり、2019年にかけて大量の製造装置が設置される見込みです。地域的には長江デルタ地域(南京市、無錫市、合肥市、上海市、杭州市、寧波市:設計、製造、OSAT、装置企業が集中)、北京市/天津市/大連市地域(製造、装置、M&A企業が集中)、大珠江デルタ地域(深圳市、廈門市、泉州市:設計、システム・アプリケーション企業が集中)、中西部地域(西安、重慶、成都、武州:メモリー、特殊プロセス企業が集中)が主要な産業地域となっています。

現在の中国半導体サプライチェーンでは、設計分野が最も先行して成長しており、2015年には前年比26.5%増の1380億元に達しています。これにほぼ匹敵する産業規模となっているのが、パッケージングおよびテスト産業で、2015年の産業規模は1,330億元です。半導体の製造産業については、2015年に900億元の規模ですが、成長率は急速に高まっています。300mmも含めた装置・材料の開発も進められている模様ですが、目標とされる国際競争力のある製品供給には時間がかかりそうです。

 

Growth in Supply Chain Segments

 

中国市場については、12月に開催するSEMICON Japanにおいて、SEMI China代表のチュー・ロン他より、最新情報の講演をいたします。詳細および申込み受付は、10月よりWebで提供いたします。皆様のご参加をお待ちしております。