SEMI通信 2017年3月号 Report 1

中国が世界最大の半導体製造装置市場へ    

SEMI クラーク・ツェン、ダン・トレーシー、ギャビン・ワン


中国で2016年以降に進行中もしくは発表された新規ファブ計画は、20件以上にのぼります。SEMIの予測では、中国のファブ装置への投資額は2018年までに100億ドル以上にまで増加し、その後2年もさらに成長を続けるでしょう。その結果、中国は2019年および2020年に世界最大のファブ装置市場となる見込みです。Semiconductor Advisors LLCのロバート・メール氏は今年1月にカリフォルニア州ハーフムーンベイで開催されたSEMI Industry Strategy Symposiumにおいて、「中国はこれまでのセカンドティア市場から浮上し、韓国や台湾を投資金額で凌駕する可能性がある」と述べました。中国はファブ装置の首位市場に躍り出るばかりでなく、その規模は単一の地域市場の年間投資額としては過去最高水準になることが考えられます。

この中国の投資増大をドライブしているものは変化をしています。2017年以前は、Samsung、SK Hynix、Intel等の海外の多国籍企業が装置への設備投資の増加をけん引していました。これら各社は、TSMCやUMC、Globalfoundries等と共に、今後も中国への投資を継続するでしょう。しかし、これを上回って投資を増加するのが、中国企業であり、彼らが2020年までの成長をけん引するのです。SMICや華虹(HuaHong)グループ等の国内ファウンドリ企業が支出を拡大する他、国内メモリーメーカーも投資を進めます。2019年から2020年にかけて、投資の大半を中国に本社を置く企業が占めることになるでしょう。

 

China Fab Investment Chart


20以上のファブ計画の中で、最大16の300mmファブ計画をSEMIは捕捉しています。そのターゲットはメモリーとファウンドリの2つの分野です。2017年以降、ファウンドリ各社の300mmファブへの投資が、装置市場の大半を占めるようになるでしょう。この新たな投資の波は、2020年まで中国の支出額を支えると考えられます。

メモリー分野では、韓国の大手に加えて、武漢市の長江存儲科技(YMTC)、南京市の紫光集団のファブ、また合肥市、福建省のファブ計画が、NANDフラッシュ、DRAMの国産化を目指して加速しています。しかし、こうした参入企業にとって、技術成熟度レベルと人材確保が依然として課題となります。3D NANDは勝算が最も高いかもしれません。成長の可能性が一番大きく、またテクノロジーとして比較的新しいので、新たにファブを建設する高額な投資が正当化できるためです。これに比較してDRAMは険しい道を進むことになるでしょう。市場の成長率は低く、微細化は困難に直面しています。また、減価償却されたDRAMファブがある市場と競争する必要もあります。

ファウンドリ分野では、中国はすでに進出を果たし、SMICと華虹グループの両社がファウンドリのグローバル市場の第一線で活躍しています。その拡張計画には、成熟したテクノロジーと最先端テクノロジーの両方が含まれています。一例として、SMICは上海市に最先端の14nmファブを建設しますが、一方で深セン市に65nm/90nmの300mmファブを建設します。華虹グループは上海華力微電子(Huali Microelectronics)のFab2建設に着工し、28nmプロセスを目指すと同時に、既存の200mmファブの拡張も進めます。海外ファウンドリ企業のアプローチはそれぞれです。TSMCは南京市に単独で16nmファブを建設しますが、UMCとPowerchipは中国企業と組むことを選択しました。単独かチームかは別として、中国系ファウンドリも、海外ファウンドリも、中国の急成長する半導体市場と巣立ったばかりのファブレス業界に、大きなチャンスを見出しているのです。

 

中国の300mmファブ計画

社名場所製品着工生産開始
Alpha & Omega 重慶市パワーディスクリート未定未定
福建晉華集成電路福建省DRAM20162018
GigaDevice合肥市DRAM/Flash 未定未定
Globalfoundries成都市ファウンドリ20172018/2019
上海華力微電子上海市ファウンドリ20162018
Powerchip合肥市ファウンドリ20152017
Samsung西安市3D NAND(Phase 2)未定未定
SMIC北京市ファウンドリ20162018
上海市 ファウンドリ20162018
深セン市ファウンドリ20162018
Tacoma Semiconcuctor南京市CMOSイメージセンサ未定未定
紫光集団成都市ファウンドリ未定未定
南京市DRAM未定未定
TSMC南京市ファウンドリ未定未定
UMC西安市ファウンドリ20162018
長江存儲科技武漢市3D NAND20152016

出典:SEMI World Fab Forecast, 2016

上記のファブ計画は、中国におけるファブ装置への投資額を上昇させ、この先の2年ないしは3年間は記録的な水準で推移するでしょう。中国はファブ装置の世界最大市場になる見込みです。

中国市場の情報をSEMIはWebサイト「China Market Central」で提供中です。

(初出 SEMI Global Update 2017年2月14日号)