SEMI通信 2017年1月号 Report 2

加速する中国半導体ファブへの設備投資

SEMI クラーク・ツェン、ダン・トレーシー

 

2004年から2014年の間に中国が購入した半導体製造装置および材料は、700億ドル以上に上ります。この間に、海外企業ならびに中国企業の生産能力増強によって著しく拡大したのは、組み立て・パッケージング分野のインフラです。現在では、組み立て・パッケージング用装置に対する世界全体の年間投資額のほぼ1/3を中国が占めています。

中国では、数多くの重要な前工程ファブがこの間に設立されましたが、2014年末時点での中国のファブ生産能力は世界全体の10%未満にとどまっています。中国の半導体製造は、最先端プロセスの生産能力で海外勢に大きく後れをとっていたためです。しかし、台頭する中国エレクトロニクス産業からの需要が海外半導体企業の誘致を促し、今では最先端のファブをいくつか中国で操業するようになりました。

2014年に中国政府は自前のIC産業を育成するため、「国家IC産業発展推進ガイドライン(国家集成電路産業発展推進綱要)」を発表しました。このガイドラインによって、サプライチェーン全域にわたって技術力が世界と肩を並べる最先端レベルに到達することを目指して、中国半導体産業の発展は促進されました。IC産業はIT産業のコアとなるものとして、中国の経済および社会の発展を強化するための大切な要素となります。言い換えるなら、中国政府はIC産業を、戦略的で、基礎的なリーディング産業と位置づけているのです。

中国のガイドラインには、国産IC産業を強化するための投資ファンド形成のための政策も含まれています。この政策と投資ファンドによって、中国のファブへの投資は急増し、中国で発表された、あるいはこれから発表されるファブ計画が、世界の半導体製造装置市場を今後数年間、おそらくはさらに長期間にわたって牽引することになるでしょう。

SEMIが現在捕捉している中国のファブ計画は20件あり、潜在的な可能性はさらにあります。これまでの海外企業が中心だったファブ投資とは異なり、これら計画の背後には、中国企業/投資ファンドがで原動力として存在します。SEMIの掌握する既発表および潜在的ファブ計画に基づくと、中国におけるファブ装置関連の年間投資額は2018年に100億ドル以上にまで上昇し、その後数年間はその水準を維持すると考えられます。(この予測は実際の投資の実行に応じて変更される場合があります。)

この投資の勢いは、中国をファブ装置市場として最上位の階層に押し上げ、世界の半導体の舞台で中国の地位を確立しようとしています。旺盛な投資が予測される分野は、ファウンドリ、メモリ、および200mmファブです。200mmファブの投資を導いているのは、最先端ではないプロセスに対する国内需要の増加と、政府のIC自給率を高める計画です。過去の海外企業が中国におけるファブ投資の大半を占めていた頃とは対照的に、中国企業/投資ファンドが、国内投資の原動力として台頭しており、2019年以降は投資の2/3以上を中国勢が占めることになりそうです。

こうした投資動向が、今後数年間に次第に明らかになるにつれて、中国はいくつかの課題に直面し、計画の実行時期にも影響が出てくるでしょう。中国IC企業および国内サプライチェーンが直面するだろう課題とは、IP保護、人材確保、そして政府が支援する補助金や財政支援への依存過剰があります。各社はグローバル化を目指して確固たるビジネスモデルを確立し、低価格だけではないコアとなる競争力をつける必要に迫られるでしょう。

こうした課題を認めたうえでも、世界の半導体サプライチェーンの各社にとって非常に重要な市場となることは明らかです。各ファブ計画で、資金不足が発生することがないからです。世界のサプライチェーン企業は、中国で期待されるファブ投資拡大から利益を得るために、中国企業とパートナーあるいは協力関係を結ぶことが必要となっています。

中国の半導体産業をリードする展示会、SEMICON China 2017をお見逃しなく。3月14日~16日に上海新国際博覧センター(SNIEC)で開催される同展は、出展社と来場者が中国のエレクトロニクス製造サプライチェーンを探究するための絶好の機会を提供します。投資機会ならびにサプライチェーンに関連した重要なイベントやセミナーには次のものがあります。

その他のイベントやセミナーの詳細はSEMICON ChinaのWebサイト(www.semiconchina.org/en)をご参照ください。

また中国半導体市場の情報は、SEMIのChina Centralでも提供しています。

(初出 SEMI Global Update 2017年1月4日号)