SEMI通信 2016年8月号 Report 3

2017年の半導体製造装置市場は二桁成長

2016年は中国、東南アジアが急成長するが全体はフラット

 

WSTSの2016年春季半導体市場予測結果は、今年の半導体売上高を2.4%のマイナス成長と、2年連続の縮小を予測しました。その背景には、これまでの成長を支えてきたモバイル機器の成長率鈍化があげられます。携帯電話の出荷台数成長率は、Henderson Venturesの予測では、今年ついに10%を切ります。また、IC Insightsによるとパーソナルコンピュータの出荷台数も減少する見込みです。2011年からの成長を支えてきたタブレットについても、昨年から減少傾向に転じています。

シリコンウェーハの出荷面積は、今年の前半は2四半期連続して前期を上回り、第2四半期は四半期として過去最高の出荷面積を記録しましたが、2015年上半期と2016年上半期を比較すると、約2%の減少となりました(四半期毎の前年同期比では、第1四半期が3.8%減、第2四半期が0.1%増)。

半導体製造装置市場の今年1月~5月の動きをみると(図1)、世界市場全体では売上が前年同期比-7.4%と減少しています。特に変動が顕著なのは、13億ドル以上減少した韓国、9億ドル近く減少した米国があげられますが、各地域が市場を縮小している中で、中国は12億ドル、また東南アジアは84%もの増加を示しています。一方で、受注状況は全体では改善傾向が示され、世界市場全体で-1.5%減と回復傾向を示しており、年間をトータルするとフラットな水準に近づくことが考えられます。

 

図1

 

この回復傾向の背景には、半導体製造への旺盛な投資活動があります。大型プロジェクトでは、メモリを中心とした将来の需要増大を見込んで活発化し、また中小のプロジェクトもIoTや車載需要などによるセンサー、MEMS、パワー半導体などの工場建設が随所に見られます。SEMIの調査によると、半導体前工程ファブの建設が、実現性が60%以上と判断される案件だけでも19件が2016年から2017年にかけて着工することになっています。また、そのうちの10件は中国のものです。(図2)

 

図2

 

新しいファブは着工の通常1年後に、装置の設置がはじまりますので、こうした2016年に着工する工場の装置需要は2017年に発生することになります。従って、SEMIは装置市場が2017年に大幅に成長することを予測しています。

図3は、SEMICON WestでSEMIが発表した2016年の半導体製造装置市場予測です。ことしは1?5月の傾向を反映して、中国、東南アジア(SEA/ROW)が急伸し、特に中国については韓国を抜いて、市場初めて台湾に次ぐ世界第2位の装置市場となる見込みです。しかし、これらの増加分は、それ以外の地域の減少分でオフセットされ、全体としては2015年の365億ドルから2016年は369億ドルへの微増にとどまる予測です。しかし、2017年になると、新規ファブの装置購入により韓国を中心に急激な回復が予想され、世界トータルでは11%増の411億ドルへと成長するでしょう。

中国は2017年も72億ドルを上回る規模へと成長を続けますが、韓国の急速な回復により、台湾、韓国に次ぐ第3位の市場となる見込みです。これに北米、日本市場が続くことになるでしょう。

 

図3

 

これらの投資の傾向を、NANDとファウンドリという主要な投資分野について分析したものが次の図4です。これらの分野については主要な工場計画をあげると共に、中国、東南アジアの投資動向についても併記しました。

 

図4

 

SEMIの装置市場予測の詳細レポートは、世界の半導体製造装置市場の月次データを提供する半導体製造装置世界統計レポートの一部として、年に2回購読者へ提供されます。また、この予測の基礎資料となる半導体ファブ(前工程)の投資情報もSEMIから四半期毎に提供されます。いずれも、半導体製造装置市場を見通す上で、有用なデータとして、世界のリーディング企業ならびにアナリストにご活用いただいています。詳細、サンプルのご請求については、こちらをご参照ください。