SEMI通信 2016年6月号 Report 3

FlexTechとの統合で広がるSEMI会員の新たなビジネス機会

 

FlexTech代表 マイケル・シージンスキー

 

はじめに

2014年にSEMIは新しいパートナーシップモデルを取り入れました。この「戦略的協会パートナーシップ」は、外部の協会や団体と戦略的、長期的な関係を結び、SEMI会員をエレクトロニクスサプライチェーンの隣接産業へのビジネス展開を支援するための仕組みです。戦略的協会パートナーは、その業界コミュニティとブランド、そして協会が提供する製品やサービスを、SEMIのグローバルな舞台に送り込み、それは直ちに世界中の主要エレクトロニクス産業地域で拡張されたサプライチェーンを対象に展開するSEMIの活動を強化します。新たなコミュニティとグローバルプラットフォームの組み合わせによって、戦略的協会パートナーシップは、会員の成長と繁栄を可能にするというSEMIの目標を前進させます。

2015年10月に、SEMIはFlexTechが最初の戦略的協会パートナーとなったことを発表しました。FlexTechは、フレキシブル/ハイブリッド/プリンテッドエレクトロニクスのサプライチェーン企業の成長、利益、成功を追求する協会です。それ以降、両団体はひとつになるための作業を開始し、FlexTechの会員、技術プラットフォーム、研究開発計画をSEMIに統合し、それらの活動を世界規模へと拡大させたのです。

2015年のもっと早い時期に、FlexTechは、オバマ政権の米国製造イノベーションネットワーク(NNMI)の研究機構のひとつであるFlexible Hybrid Electronics Manufacturing Innovation Instituteの管理団体となりました。この研究機構はNextFlexと名称を変え、SEMI/FlexTechからは独立して活動しますが、技術および製造研究開発計画では密接な関係を維持します。

FlexTechは、ナノバイオ製造コンソーシアム(NBMC)の運営についてはSEMIの中から継続します。NBMCもまた、政府が後援する業界主導の研究開発助成プログラムで、特に微少流体技術を中心としたナノバイオ製造技術を作り出すことを主眼とし、これを健康及びヒューマン・パフォーマンスのモニタリング装置の製造に移転させようとしています。

FHE技術とはなにか?

フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス(FHE)は、エレクトロニクス製造技術の成長分野であり、より軽量で、丈夫で、順応性のある製品づくりを可能にします。FHEには、フレキシブル・センサ、プリンテッド・バッテリやアンテナなどの電子部品と、高度な機能を実行する超薄型のIC(メモリ、プロセッサ、通信等)が組み合わされます。これらの全ての部品は、プラスチック、紙、金属箔、さらにはフレキシブル・ガラスやセラミックなどのフレキシブル基板に、印刷、配置、ラミネートされます(図参照)。

FHEは、比較的新しい技術分野ですが、航空、自動車、通信、ヘルスケア、IoTといった産業からの需要により急速に発展をしています。FHEの幅広いアプリケーションの例としては、ウェアラブル・エレクトロニクス、ヒューマン・パフォーマンス・モニタリング装置、アセット・モニタリング装置、スマート製品パッケージ等があります。Applied Materials、Corning、GE、Lockheed Martinといった世界的企業が、数多くのスタートアップ企業と共に、この軽量でフレキシブルなエレクトロニクスに投資をしています。

研究開発計画と対政府交渉

技術コミュニティと産業プラットフォームに加えて、FlexTechとのパートナーシップでSEMIにもたらされたものとして、FHE製造課題に取り組むための研究開発費調達など、独自の対政府交渉力があります。FlexTechは2つの研究開発計画を運営しています。新しい装置や材料を開発するためのサプライチェーン研究開発計画と、ナノバイオ製造コンソーシアムです。プロジェクト資金調達の提案依頼書は、年間を通じて様々なタイミングで発行され、全ての資金提供は競争入札され、ピアレビューにより裁定されます。最近、資金が提供されたプロジェクトには、導電性インク用3Dプリント装置、フレキシブル・セラミック材料、プリンテッド・センサおよびバッテリ、ハイドレーションのチェック装置などがあります。この資金提供管理プラットフォームを、エレクトロニクス業界の別の分野へも展開することが計画されています。

FHE技術を学ぶ

Adobe SystemsFHEアプリケーションを見て、FHE技術について学ぶことが、世界各地で実施しているプログラムやカンファレンスの目的です。FlexTechの年次イベントであるFLEXは、ソウル、シンガポール、グルノーブル、そして東京においても今後開催される予定です。さらに、FlexTech FHE Forumを、SEMICON WestとSEMICON Japanで開催する計画が進められています。このワークショップでは、フォーカスされた分野について詳細な議論を深めるもので、複数都市での開催を検討しています。FHEの技術や市場についてのWebセミナーも計画中です。

FlexTechスペシャル・インタレスト・グループへの参加

FlexTechは、フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクスに関心のあるSEMI会員によって構成されるSEMIのスペシャル・インタレスト・グループ(SIG)というコミュニティです。

FlexTech SIGに参加することで、以下のような多くの利益を得ることができます。

  • FHE関連分野の専門家に世界のカンファレンスやワークショップでアクセス。欧州、韓国、北米にはFHEのイベントがあり、日本と東南アジアでも新イベントを2016年に開始予定。
  • 地域のSIGに参加することで、その地域市場での1対1のネットワーキングやグループ活動を通じて、そこにいるカスタマやサプライヤとつながることができる。
  • FHE技術ロードマップ開発、国際業界スタンダードの開発への参加ができる。

FlexTechについての詳しい情報や、FHE活動への参加の方法については、Ms. Heidi Hoffmanまでご連絡ください。(+1 408.943.7954 / hhoffman@semi.org

結論

FlexTechを戦略的協会パートナーとして統合したことで、SEMIとその会員には新たな次元が加わり、拡張されたサプライチェーンの中でカバーする技術範囲が広がりました。FHE製品おおび技術が成熟し増殖するにつれ、SEMI会員が提供するサービス、装置、材料、デバイス、ソリューションにとっての新たなビジネスチャンスも広がり、それらの相乗効果で、世界の製造エコシステムを発展させることになるでしょう。

FlaxTechのWebサイト(www.flextech.org)や、LinkedInTwitterをぜひご覧ください。

(初出 SEMI Global Update 5月17日号)