SEMI通信 2016年5月号 Repo 1

EU規制最新情報 : 次は何が業界を襲うのか?

SEMI 欧州パブリックポリシー担当ディレクター Rania Georgoutsakou

 

グローバル産業で課題となるのが、世界各地の規制動向をウォッチすることです。世界に広がっているサプライチェーンとのコミュニケーションの難しさも、これに加わります。個々の企業が、自分たちだけでサプライヤやカスタマーに問い合わせることを考えてみてください。同じことをサプライチェーンの上流と下流をたどって何度となく繰り返し問い合わせなければならず、このような場合の、SEMIのような工業会の有用性は明白です。

業界各社がEUにおける規制の最新動向から遅れをとらないための一助として、本稿では現在および将来の規制の中から以下をとりあげ、またSEMI会員の対応にも触れます。

  • SEMI FAQ(よくある質問) ― EU Fガス規制と半導体製造装置
  • EU機械指令の見直しが進行中
  • EU PFOA使用制限を検討中
  • 2016年版EUブルーガイド公開中

3月に提供したEU規制動向についてのウェブキャスト(オンラインセミナー)で、上記およびその他の動向を解説し、企業がどのような準備をすべきかを論じましたが、SEMI会員であれば、このウェブキャストを今でもご覧いただくことができます。こちらをクリックして、「EU Regulation Webcast」を選んでください。

プリチャージされたチラーがついている製造装置 ― 新しいSEMI FAQがEU Fガス法の遵守方法ガイダンスを提供

EUのFガス規制は2014年1月から施行され、特定のフッ素系ガス(Fガス)がプリチャージされたチラーのEU市場に上市することが制限されるようになりました。

EU Fガス規制に対するSEMIの新しいFAQでは、この法律が何についてのものか、半導体製造装置にどのような影響を及ぼすのか、そして対象となる装置をEU市場に輸入する企業はコンプライアンスを担保するためにどのようなステップをとるべきかのガイダンスを提供しています。

もし御社がプリチャージされたチラーのついた半導体製造装置をEU市場に輸入しようとしている場合、充填されたFガスについて、法律で定められた新しいFガスクォータ(割り当て)制度に則り、クォータ保有者から権限を取得し、EU HFC登録制度に登録していることを説明できなければなりません。

さらなる詳細情報とコンプライアンスの期限については、SEMI FAQを参照してください。

EU機械指令 ― 見直しが進行中

機会指令は、EU市場に上市される機会が満たさなければならない基本要求を規定しており、半導体製造装置に対する主要なEU法となります。

見直しは、EU指令の定期的な見直し作業の中で行われており、これにより機械指令が自動的に改定されるという意味ではありません。作業は外部コンサルタントが担当し、最終報告が2017年4月に出る予定です。

見直しの焦点となっているのは9つの製品カテゴリ(金属加工用機械、エンジンおよびタービン、ロボットおよびオートメーション機器などが含まれる)ですが、さらに加盟国間での指令解釈の相違や、機械指令以外の法律との整合性まで検討されます。

SEMIはワーキンググループを組織して、EU機械指令の見直しに貢献しています。会員企業の方で協力していただける場合は、次までメールでご連絡ください: gourania@semi.org

PFOA使用制限を検討中― SEMIは業界に対する除外規定を要求

EUは現在、PFOA、その塩類および関連物質の域内での製造、使用、上市をEU REACH規制のもとで制限する法案を作成中です。この制限は、物質だけでなく、その混合物や物質を含んでいる物品にも適用されます。

SEMIはフォトリソグラフィプロセスでの物質および混合物、そして半導体製造装置に組み込まれる物品の除外規定を求めています。

SEMIでは、会員からの推奨を実証する以下の証拠を収集し、提出しました。 SEMI has collected and submitted evidence to substantiate members’ recommendations for:

  • 半導体製造装置の除外期間を最短でも10年とし、その間に、装置メーカーがサプライチェーンから情報をとり、規制物質を含有する可能性のある部品を特定し、代替部品のテスト、検証、および装置の再認定を実施できるようにする。
  • 制限が実施される以前、また半導体製造装置の除外が失効する以前にEU市場に上市された既存の半導体製造装置のスペアパーツについては、時限を設けずに除外とする。
  • 中古の半導体製造装置については、時限を設けずに除外とし、企業が中古装置をEU域外あるいは別の加盟国から輸入することを可能にする。

SEMIはまた、提案されている濃度限度について懸念を主張しています。また、物品がこの制限に適合しているかをテストするための、様々な材質に適用できる標準化された実用的な分析方法も、まだないのです。

EUの制限案は5月中に発表され、2016年末までに最終決定される予定です。

EU域内での製品規制へのコンプライアンス ― 2016年版ブルーガイドが公開中

ブルーガイドは、EU機械指令やEMC指令などといったEUの製品規則をどのように実施すればよいかガイダンスを提供するものです。2016年の改定版はこちらからダウロードができます。

ブルーガイドは次のガイダンスを提供します:

  • EU市場への製品の上市を構成するもの
  • サプライチェーンの役割別(メーカー、輸入者、権限を持つ代理人等)の義務
  • 製品に対する要求事項
  • 適合評価
  • 認定
  • EUで実施される市場監視

SEMIの欧州におけるアドボカシ―活動の概要は、こちらをご覧ください。

お問合せや活動への参加申し込みは、gourania@semi.orgまで。

(初出 SEMI Global Update 2016年4月19日号)