SEMI通信 2016年4月号 Repo 1

今年は緩やかながらプラス成長、
2017年は二桁の力強い成長へ。

by SEMI市場調査統計部門 クリスチャン ディーゼルドルフ

 

2015年にSEMIが確認したファブ装置投資計画(中古を含む)は270件あり、これによる年間の装置投資額は、前年比-0.4%の微減となりました。この状況は、今年3.7%のプラス成長を呼び、さらに2017年には力強い13%の成長が予測されています。

SEMIのWorld Fab Forecastレポートは、全世界の半導体前工程ファブに関する投資計画の詳細と2017年末までの予測を提供します。ファブ装置投資は、2016年の前半から徐々に立ち上がりはじめ、後半にかけて加速し、2017年には再び二桁成長を回復するとの予測です(図1参照)。


図1: 装置投資額の推移

3D NAND、10nm、DRAMが投資をけん引

この成長をけん引するのは、ファウンドリ、3D NANDファブ、そして10nmの量産を2017年に立ち上げるべく準備をすすめるデバイスメーカー各社です。

専業ファウンドリが最大の投資分野であることに変化はありません。2015年の投資額は、107億ドルから98億ドルと-8%の微減となりましたが、2016年には5%増、2017年にはほぼ10%増が見込まれています。

DRAMはファウンドリに次ぐ2番目の投資分野です。旺盛な投資がされた2015年の後、2016年は-23%の減速が予測されていますが、2017年は再び10%のプラス成長となるでしょう。

投資額の増加率という点で最大となるのは、3D XPointを含む3D NANDです。2015年は前年の18億ドルから36億ドルへと倍増しています。2016年も56億ドル以上へと50%の成長をし、2017年には、さらに30%増となる74億ドルに到達することが予測されています。

2016年に設備投資が増加する企業

世界の設備投資トップ10企業のうち、6社の2016年の投資増加がこの上昇を支えています。ただし、世界最大の設備投資をおこなっているSamsungについては、2016年の投資は2015年を下回る模様です。

新造ファブ計画は24件

2015年から2016年にかけて建設が開始される24の新造ファブもまた、2017年の装置投資の上昇を支える要因です。これらの投資計画は、世界中に分散していますが、なかでも中国に8つの計画が集中しています(図2参照)。


図2: 2015年~2016年に建設がはじまる新ファブ/ライン(小規模R&D設備を除く)

通常、ファブ建設着工から装置の設置開始までには1年から1年半を要します。したがって、2015年に建設着工となるファブの装置投資は、2016年以降となり、2016年に着工した場合は2017年以降となります。上の表にはLEDファブが5件、メモリファブが5件、ファウンダリが7件含まれ、また300mmファブは14件、200mmファブは4件です。先ごろ発表された東芝の3D NANDファブ建設は、2017年に着工し、装置への投資がはじまるのはその約1年後となるでしょう。

半導体業界はここのところ記録的な企業の統合、買収を経験していますが、これはさらに2016年も継続するでしょう。装置設備投資が、2015年にはフラット、2016年も微増となったことは、半導体産業が成熟を深めていることの証しです。2017年の投資増をけん引するのは、微細化や新たなメモリデバイスなどの新しいテクノロジーです。この予想は、SEMI World Fab Forecastレポートに収録された230以上のファブ装置投資計画に基づくものです。このデータからSEMIは、2016年については緩やかなプラス成長を、2017年についてはその傾向の加速を予測しています。

半導体製造の2016年~2017年の状況を、ファブの建設計画、装置投資、ウェーハ口径、微細化、生産品目の詳細から調査するために有効なのが、SEMI World Fab Forecastレポートです。このレポートはExcelフォーマットで提供され、1,100以上のファブ(60件の建設計画を含む)を、アナログ、パワー、ロジック、マイコン、メモリ、ファウンドリ、MEMS、LEDのセグメントにわたってカバーしています。

SEMIの世界半導体製造装置市場統計(WWSEMS)のデータは、前工程および後工程の新品の製造装置のみを調査対象としたものです。SEMI World Fab Forecastおよび関連するファブデータベースレポートは、前工程に限定した、新品、中古、または内製の装置を含むすべての製造装置を調査対象としたものです。詳細については、下記リンクをご参照ください。

(初出 SEMI Global Update 2016年3月15日号)