SEMI通信 2013年3月号 記事1
2013年の半導体前工程ファブ装置支出額はフラット、2014年は24%増加
半導体業界の慎重な設備投資は2013年まで継続し2014年から加速
SEMI市場調査統計グループ クリスチャン・ディーゼルドルフ
半導体ファブの前工程設備投資は、2013年まではほぼ横ばいで推移しますが、2014年に24%の成長へ転じるでしょう(表1)。2月末に発行されたSEMI World Fab Forecastの最新レポートは、昨年11月末の前回レポートの予測がほとんど変わっていないことを示しています。レポートでは2013年に180以上の工場における装置への支出を収録しています。
表1

2012年11月版レポート発行時には、半導体各社はまだ2013年の設備投資計画を発表していませんでしたので、投資額の予想は投資動向のモデリングから導かれました。その後、今回のレポートでは、各社の計画発表に基づいた262のデータ更新がおこなわれています。この中には、TSMC、Samsung、Intel、SK Hynix、Globalfoundries、UMC、および日系メーカーやLED工場についての大きな変更が含まれています。こうした調整はありましたが、2013年に予測される装置への支出額は、ほぼ変わりがありませんでした。マクロ経済のリスク要因による影響で考えられる2013年支出額の変動幅は+/-3%ですから、ほぼ横ばいで推移すると言えます。
2013年の半導体デバイスの全世界売上は、順調な滑り出しを見せており、SIAは1月の3か月移動平均値が前年同月比で3.8%上昇したと報告しています。また、2012年の年間半導体売上高は-3%のマイナス成長でしたが、2013年の売上予測は平均すると一桁台後半の約7%となります。
全体的な見通しはある程度改善されていますが、上昇する研究開発費、そして最先端技術への設備アップグレードにかかる莫大な設備投資を賄える半導体企業は減っています。World Fab Forecastレポートには、ノードごとの装置支出額の推移が示されています(図1)。17nm以下のノードの装置支出が始まるのは2013年で、2014年には2013年の2.4倍となる約250億ドルが支出されます。
図1

ファブ建設への支出額は、以前の予測を上回ることになるでしょう。2012年11月のレポートでは、前年比3.7%増の予測でしたが、今回のレポートは、60億ドル近くに達する6.7%増を予測しています。しかし、2014年になると、建設投資は縮小し、支出額は18%のマイナス成長となるでしょう。建設投資では、7つのプロジェクトが今年7つのプロジェクトを進めるTSMCが飛びぬけてリードし、これにインテルがD1X Module 2やFab 42等の建設で続きます。また中国における建設投資も、Samsungが西安に建設するメガファブにより4倍に増加するでしょう。
2008年~2009年の不況以来、半導体産業の生産能力の増加はかつてないスローペースとなっていますが、これはWorld Fab Forecastのデータにも反映されています。今年の生産能力の増加率はわずか2.8%と予測され、2014年には5.4%まで改善されるでしょう(図2)。
図2

2009年を例外とすると、2012年と2013年の生産能力増加率は、過去10年間で最低の水準となります。World Fab Forecastは生産能力について、分野別、企業別、ファブ別の詳細データを提供しています。分野別では、ファウンドリの生産能力が、2013年と2014年にそれぞれ10~11%拡大すると予測されます。フラッシュメモリでは、2013年が4%、2014年が10%拡大するでしょう。システムLSIの生産能力は、このところ二桁成長が続いていましたが、2013~2014年は、一桁成長に減速するでしょう。
チップ需要が増え続けている一方で、これまで生産能力の増加率が最低水準まで削減されてきたことから、今後、いくつかの製品タイプで、抑制されていた需要が顕在化することが考えられます。生産能力と装置支出は、2013年の後半から増加することが予測されます。2014年は最低でも5%は生産能力が拡大し、装置の支出額は24%増となるでしょう。今から5月末までの期間、SEMIの国際チームは、キーとなる企業の2013年投資計画をさらに調査し、次のWorld Fab Forecastレポートに反映する予定です。ご期待ください!
世界に広がるSEMIの市場調査統計チーム
2012年11月末に前回ファブデータベースレポートを発行して以来、世界各地のSEMIのアナリストは、Opt/LEDファブを含む210以上のファブについて、262回ものデータ更新をしています。2012年11月に発行された最新のWorld Fab Forecastレポートには、310のOpt/LEDファブを含む1,146のファブが登録されており、その内の58のファブがこれからの生産開始を予定しているものです。
SEMI World Fab Forecastは、ボトムアップのアプローチをとり、ハイレベルのレポート要約とグラフ、そして、各ファブの設備投資、生産能力、テクノロジー、製品の詳細分析を提供します。さらに、18か月先までの四半期毎の予測も提供します。レポートが提供するこうしたデータは、半導体製造の2013~2014年を見通し、また建屋や装置の設備投資を掌握するためにも有益です。詳細については、次のWebページをご覧ください:
尚、SEMIの半導体製造装置世界統計(WWSEMS)は、装置メーカーから報告される新品の装置に関するデータを集計したものです。ファブが購入する中古や内製を含むあらゆる装置を対象とするWorld Fab Forecastとは、数値が異なりますのでご注意ください。
(初出 SEMI Global Update 2013年3月号)
