SEMI通信 2012年12月号 記事3
2012年末SEMI半導体製造装置市場予測
今年は-2.1%のマイナス成長、2014年は12.5%の二桁成長の見込み
SEMI市場調査統計部門のアナリストは、半導体製造装置市場を年に2回予測し、7月のSEMICON Westと12月のセミコン・ジャパンの記者会見で発表します。今年も12月4日にセミコン・ジャパン 2012の記者会見で、SEMI プレジデント兼CEO デニー・マクガークから発表がされました。本稿は、その発表内容に、翌日のSEMIマーケットセミナーでのSEMIアナリスト ダン・トレーシーの解説を加味してまとめたものです。
電子機器市場の概要
世界経済は依然として不透明な状況が続いていますが、米国大統領選挙や中国指導部交代などを経て各国の政局も落ち着き、税制や予算も今後数か月でまとまるなどの好材料もあり、来年のGDP成長率は、若干ですが改善がみられるとの予測がされています。2013年の電子機器市場は約5%の成長が見込まれ、これをけん引するのはモバイル製品です。この分野に向けた半導体チップは安定した成長が予測され、そのための材料消費は増加し、装置の設備投資も継続するでしょう。
半導体市場予測
世界半導体市場は、2012年後半から明らかに減速しており、調査会社各社も予測の下方修正を行っています。何社かは、2012年をマイナス成長と予測しています。図1は、2013年の半導体市場の成長率について、各社の予測数字を比較したものです。多くのアナリストが、一桁台の半ばから後半までの成長があると期待しています。
図1: 2013年半導体市場成長率予測
半導体生産能力の推移
SEMIがトラックする半導体前工程ファブのデータベース(World Fab Forecast)によると、2012年から2013年にかけての半導体前工程生産能力の成長はわずかで、2012年が4%、2013年が3%となります(図2)。この間の投資はテクノロジーアップグレードに集中します。2012年の投資をリードしたのは、ファウンドリとNANDフラッシュメーカーですが、2013年も同様でしょう。2014年になると生産能力の増強にも投資が回り、見通しは明るくなるでしょう。
図2: 地域別生産能力推移
SEMI北米Book-to-Billレシオ
北米に本社を置く半導体製造装置メーカーの受注/販売額比率(図3)を見ると、受注は2012年の5月をピークとして下降がはじまっています。デバイスメーカー大手の巨額な設備投資発表に呼応して、同年前半の受注は好調でしたが、その後、半導体業界の短期見通しが悪化すると共に投資は減速しました。この傾向は日本半導体製造装置協会が発表する日系メーカーの受注/販売額比率(図4)でも同様ですが、こちらのデータでは10月に底を脱したようです。
図3: SEMI北米B/Bレシオ
図4: 日本半導体製造装置協会B/Bレシオ

2012年末半導体製造装置市場予測
SEMIが半導体製造装置の月次受注出荷データの傾向、半導体前工程ファブデータベースからの情報、また主要装置メーカーの見解に基づいて2014年までの市場を予測した結果を地域別にまとめたのが図5です。2012年の半導体製造装置市場(新品)は、約38億ドルとなり、前年比で-12%のマイナス成長となる見込みです。2012年7月の予測発表では、-3%程度の減少としていましたが、半導体産業の減速で設備投資が削減され、予測も下方修正となりました。2013年は-2%が予測されますが、世界経済の動向は大きな変動要因となります。Samsung、Intel、TSMC、Global Foundries、東芝の大手5社の設備投資計画に影響があれば、市場は大きく左右されるでしょう。状況が好転し、半導体デバイスメーカーが需要の増加を見込むようになれば、2013年の市場は上振れすることが考えられます。
図5: 2012年末半導体製造装置市場予測(地域別)
地域別にみると、投資額が大きいのは、韓国、台湾、北米の順となりますが、2012年にプラス成長が見込まれるのは、韓国と台湾の2つの地域だけです。日本の投資額は、2012年から2013年にかけては37億ドル台となるでしょう。
予測結果を装置のカテゴリ別にまとめたのが図6です。「Wafer Process」装置は、市場の大半を占めるカテゴリですが、2012年は-15%の縮小となり、2013年は微増となるでしょう。「Other」装置には、ウェーハ製造装置、マスク/レチクル製造装置と、搬送装置などのファブ設備が含まれますが、2013年は20億ドル未満の水準まで減少するでしょう。「Asssembly & Packaging」装置および「Test」装置は、いずれも2012年と2013年は数パーセント減少するでしょう。
図6: 2012年末半導体製造装置市場予測(カテゴリ別)
半導体製造装置への投資比率推移
半導体の売上に対する製造装置(新品)への投資額の比率を、SEMIが装置市場統計を開始した1991年から今回の予測範囲の2014年までの期間にわたってプロットしたのが図7です。棒グラフが製造装置投資比率、折れ線グラフが半導体売上を示します。明らかに、2009年の世界不況以降、製造装置投資額の半導体売上額に占める割合が低下しています。デバイスメーカー各社の投資戦略に加えて、300mm製造装置の生産効率アップ、そして中古装置の活用がその理由として考えられるでしょう。
図7: 半導体製造装置投資比率推移
