SEMI通信 2012年10月号 記事2

TSMC、450mm量産スケジュールを発表 ― リソグラフィが鍵

東京エレクトロン、Lam Research、Applied Materials、KLA-Tencorが、450mm装置開発の最新状況を開示

SEMICON Taiwan 2012において9月7日に開催された450mm Supply Chain Forumで、TSMC、東京エレクトロン、Lam Research、Applied Materials、KLA-Tencorというファウンドリおよび装置メーカーの代表的企業が、450mm技術の最新状況と、そこにあるチャンスと課題を議論しました。フォーラムに参加した専門家たちは、450mmウェーハの量産を2018年までに実現するためには、まだ多くの技術的障害を乗り越えなければならないという点で意見が一致しました。これを実現する技術革新を達成するためには、半導体産業のサプライチェーンの協力が不可欠となります。

Dr. C.S. Yoo, sr. director of 450mm Program, TSMCTSMCの450mmプログラム担当シニアディレクタ C.S.Yoo氏は「450mm Challenge and Opportunities」と題した講演の中で、ノードがますます複雑るということは、微細化による利益が消失するということだと述べました。そのため半導体産業では、生産効率の向上、テクノロジーの量産加速、生産サイクルの短縮を目標に、450mmの研究がはじまったのです。Yoo氏は、これらの優位性を、土地や人員の活用率アップと組み合わせれば、半導体産業の長期的発展のチャンスが増すだろうと期待します。

Yoo氏は、2018年までに450mmの量産化実現に向けて、最も大きな問題となるのが、2015年までに10nmノードのリソグラフィを開発できるか否かだと述べました。これと同時に、装置コストの合理的説明に基づいた投資利益予測、生産性の大幅改善、ファウンドリ操業の自動無人化、装置のスマート化、環境対策といった諸問題も、半導体産業は解決しなければなりません。

半導体産業は、300mmウェーハへの転換にさいして、数々の技術的ブレークスルーを成し遂げましたが、450mmへの移行では、さらに数多くの革新的技術が誕生するだろうとYoo氏は予想します。TSMCはG450Cとのパートナーシップをてこに、ICメーカーや装置メーカーと協同して、450mmへの移行が成功するよう業界をサポートしていく考えです。

G450CのジェネラルマネージャーであるJohn Lin氏は、G450Cにおける最新の開発状況を紹介し、450mmテクノロジーの大きな前進がこの1年間に起きており、業界の関心はますます高まっていると述べました。Lin氏はG450Cの目標について、14nmテクノロジーの実証を今年開始し、10nmの試作を2015年から2016年に行うと表明しました。450mmウェーハ供給においては、品質面での大きな改善がありました。製造装置はほとんどが、2014年までに試作段階が終了するでしょう。このプロジェクトの最も重要な部分となるリソグラフィについては、予備的試作がおそらく2016年に完成し、量産対応は2018年に整うでしょう。

ニューヨーク州立大学アルバニー校のCNSEクリーンルームは2012年12月に完成する予定ですが、これは世界初の450mmファウンドリとなります。Lin氏は、G450CがこれからもサプライヤならびにSEMIと協力して、450mmの標準化を、ハードウェアインフラの構成要素や、バックエンドプロセス、パッケージング、テストについて進めていくと述べました。開発費をシェアすることで、業界は450mmが提供する利益を享受することができるでしょう。

装置メーカーサイドからは、東京エレクトロンのSPEマーケティング本部長 関口章久氏、LAM Research 450mmプログラム担当副社長 Mark Fissel氏、Applied Materials シリコンシステムズグループ担当コーポレート副社長 Kirk Hasserjian氏、KLA-Tencor 450mmプログラム担当シニアディレクタ Hubert Altendorfer氏が、450mm装置開発の課題について語りました。

関口氏は、450mmが半導体産業に革命を起こすだろうと述べ、莫大な投資が必要であるため、資金力のある企業だけが勝ち残れるとの見解を示しました。これから量産開始目標である2018年までの期間にわたるリスクや不確実性に対処するためには、カスタマ、装置サプライヤ、ファウンドリ、工業会の適切なコミュニケーションとコラボレーションが、これまで以上に大切になると関口氏は考えます。半導体産業は300mmへの移行経験を活かし、同じ失敗の繰り返しを防がねばなりません。

Lam RearchのMark Fissel氏もまた、300mmへの移行を引き合いに出しました。最初の試作機は1995年に完成したものの、その後の「ドットコム」バブルの崩壊などで、進展は減速し、最終的に300mmウェーハの出荷量が200mmウェーハを上回るまでには、9年後の2004年までかかりました。450mm装置の開発においても、テクノロジー、生産能力、コスト、サイズの各面で設計の課題にふたたび取り組まなければなりません。Fissel氏は、業界は450mmの開発リスクと、長期的な視点での投資利益のバランスをとる必要があるとの見解を述べました。

Applied MaterialsのKirk Hasserjian氏は、450mmのスムーズな移行に必要な6つの要因を提示しました。業界の移行スケジュールの同時進行、リソグラフィの成熟、コストの分担、協力、技術革新、そしてサプライチェーンの整備です。

最終的なウェーハサイズの移行は、移行を進める側にも、それを待つ側にも、広範な影響を投げかけるでしょう。半導体のエコシステムの大部分が、この移行に注意を向け、また計画をしています。SEMIは業界標準の開発と、サプライチェーン全体の情報共有を進めています。SEMIは先ごろ、Webベースの情報サービスとして450 Central(www.semi.org/450)をオープンしました。これによって、業界が450mm対応ソリューションへ効率よく移行を支援し、また450mmウェーハプロセスの重要なニュースや見解を業界に伝えています。

次回の450mmフォーラムはセミコン・ジャパン 2012で開催

SEMIの世界各地のイベントでは、この困難な課題に業界でもっとと精通し権威のある方々に登壇いただいています。来るセミコン・ジャパン 2012においても、12月6日に450mmフォーラムを開催し、参加者への最新情報提供をいたします。詳しくはセミコン・ジャパン 2012のWebサイト(www.semiconjapan.org)をご覧ください。

(初出 SEMI Global Update 2012年10月号)