SEMI通信 2012年5月号 記事4
技術立国日本を目指すSEMI Forum Japan(SFJ)2012のプログラム
SFJ 2012 プログラム委員長
ルネサスエレクトロニクス株式会社
生産本部プロセス技術統括部
プロセス成膜技術部 配線成膜開発課 主任技師
松浦正純
技術者にもビジネスマインドが必要だとSFJは考えます
日本半導体の地盤沈下をどうすれば押し止め、さらに復興へと転じることができるか-多くの意見が渦巻く中、私たちエンジニアは、技術革新を通じて技術立国を再び目指すほかありません。しかし、開発の方向性を見誤らないためには、ビジネスマインドを持ったビジョンこそ必要ではないでしょうか。関西最大の半導体関連技術セミナーSFJでは、常にこのことを念頭に、「次のビジネスチャンスに結びつく技術」を議論するプログラム作りを毎年心がけています。
その結果、技術セミナーの多くにアナリストの講演が組み込まれるほか、「SEMIマーケットセミナー」を開催し、半導体バリューチェーン各段階での市場分析と予測も提供しています。技術とビジネスのバランスがとれた思考から、再び技術立国日本が立ち上がる道を皆さんと探す場、それがSFJです。
頂上へ続く一本道がなくなり、選択肢はさまざまな方向へ広がっています。その中から進むべき方向はどれか-参加者それぞれの解を導く情報を、SFJからお持ち帰りください。
More than Mooreが提示する可能性
微細化とは異なるベクトルでの半導体デバイスの進化「More than Moore」から、多くの可能性が提示されていることは間違いありません。今年のSFJでは、まず基調講演に、More than Moore企業の代表格ともいえるローム(株)から常務取締役高須秀視氏(左写真)をお迎えし、同社の「Material Innovation」と「Technology Fusion」というMore than Mooreの2つのアプローチについて、ロームの成功事例を交えながらご講演いただきます。
二日間にわたる技術講演でも、さまざまなMore than Moore技術が議論されます。毎年人気の「パワーデバイスセミナー」では、SiCとGaNの最新開発動向のみならず、今後の成長が期待される電力分野での展開を関西電力にお聞きするほか、中国市場についても、現地研究者からの最新情報を提供します。また「MEMSセミナー」では、多様化するアプリケーションの中から、赤外線センサをピックアップし、その技術概要から、サーモグラフィカメラの応用、市場報告まで、全容を余すことなくプログラムに盛り込みました。そのほかにも、「イメージデバイスセミナー」では、最新技術報告や市場情報を通じて、日本のイメージセンサが今後生き残るための条件を探ります。
More than Mooreを支える有機材料、そしてTSV実装技術
「オーガニックエレクトロニクスセミナー」では、フレキシブルエレクトロニクス、有機EL、有機太陽電池、グラフェン、誘導自己組織化材料など、機能あるいはコストの飛躍的な向上が期待される有機材料の応用について、最前線の研究者が報告をします。また、「TSV/3次元積層化技術セミナー」では、IC高集積化のブレークスルー技術として開発が進むTSVの最新動向や低消費電力/広帯域幅伝送という特長を活かした実用化動向に加え、その市場性やウェーハ接合/剥離を中心とした量産化技術を議論します。
More Moore-EUVLは本当にくるのか
次々と限界を乗り越えて微細化を推し進めるリソグラフィー技術の最新開発動向は、当然のことながら多くの有望な選択肢を私たちに提供しています。「リソグラフィーセミナー」では、東芝の微細化戦略を導入として講演いただき、量産化へ向けた検証段階に入ったEUVLの露光装置、光源、レジスト等の開発状況から実現性を検証するとともに、その他のNGL開発状況についても第一線の技術者が講演します。また「先端CMOSデバイス・プロセスセミナー」では、さらなる微細化に向けたトランジスタの材料や構造の変化にフォーカスし、異種材料の集積化や、超低消費電力デバイス、歪エンジニアリングについて、最先端で研究を進める専門家が報告します。
これからの半導体市場を導く医療と再生可能エネルギー
今年SFJでは、アプリケーション分野として、新たに医療にスポットライトをあてます。拡大する医療市場への半導体技術の貢献が進む中、「デジタルヘルスケアセミナー」では、国、病院、医療機器など、医療サイドからの報告と、トップランナー各社からの技術・ビジネス報告、そして韓国の事例報告を提供し、半導体産業に今必要とされるビジョンを多面的に議論します。一方の「再生可能エネルギーセミナー」では、全量買取りに向けた法整備も進み、一層の加速が期待されるこの分野の最新状況と課題の報告から、正確な現状認識の形成と将来展望を議論します。
関西における技術者の交流の場として
SFJは、関西における技術者の交流の場としても、最大限にご活用いただくことを願っています。講演者からの情報の一方通行に終わらないよう、オーサーズインタビューを実施するほか、日本半導体ベンチャー協会、半導体産業人協会、応用物理学会にもセミナーや会議を開催していただきます。また、「SFJフレンドシップパーティー」には、参加者全員を無料ご招待します。ぜひ、皆様と日本半導体の未来について意見交換をいたしましょう。ひとりでも多くの方との出会いを楽しみに、お待ちしております。
| ◆ ◆ ◆ SFJ 2012 開催概要 ◆ ◆ ◆ 日程: 2012年6月13日(水)・14日(木) 場所: グランキューブ大阪(大阪市北区中之島) URL: www.semi.org/sfj |
(初出 SEMI News 2012年4-6月号)
