台湾企業は得意な製造技術とハイエンド・ビジネスへ

台湾企業は得意な製造技術とハイエンド・ビジネスへ

米国とアジアの太陽電池市場が急速に伸び、太陽電池の地域別市場シェアに変化が起きています。ヨーロッパ市場の総額シェアは、2010年の78%から2014年には45%へ低下すると予測されており、それとともに製造拠点も台湾と中国に移ってきています。iSupply社では台湾と中国を合わせた2010年の太陽電池セル生産量は、世界市場の62%以上を占めると予測されています。

近ごろSEMI台湾で開催された「SEMI Member's Day」で、SEMI台湾PV Advisory CommitteeのVice Chairmanである、国立台湾大学の名誉教授Chung-wen Lan氏は、急速に成長する中国太陽電池産業について以下の見解を述べました。

  • 中国では、事業の垂直統合により低コスト化への優位性も生まれている。売上利益率と総利益は台湾のセル専業メーカーよりも高い。
  • MICの統計によると、中国の産業形成は収束しており、シリコンウェーハー(40社プラス関連工場)、太陽電池セル(100社プラス関連工場)、太陽電池モジュール(330工場)となっている。
  • 現在、中国は太陽電池関連の企業が最も多いと言われており、太陽電池用途に特化したメーカーは300社を超えるとされる。
  • 欧州や北米の株式市場の活発化に加え、中国政府は太陽電池セル産業の成長を後押しする政策を推し進めている。それによって、中国の太陽電池セル産業はグローバル市場において競争力を保っている。
  • Photon誌のデータによると、LDK、Suntech、YingLi、Trina、JA Solar、Solarfunといった中国拠点の太陽光発電企業に対する2010年の低金利ローンは総額321億ドルにのぼる。台湾に比べると、中国の太陽電池セルメーカーは資金調達が容易であると考えられる。
  • 2010年の台湾の太陽電池セル生産量は、世界市場の17%を占めると見込まれている。

「台湾の太陽電池セルの品質は非常に高いです。しかし、国内に原料メーカーや製造装置メーカーが存在しないためコストは中国よりも高く、台湾の産業は抑制されています」とLan氏と述べました。Lan氏は、今後はターンキー技術への依存度を下げ、次世代太陽電池の開発に集中することを推奨しています。また製造技術の向上に磨きをかけ、システムインテグレーション(SI)事業には注力すべきでないと考えています。Lan氏によると、システムインテグレーション分野は高い利益率であるにも関わらず、国内のモジュール生産能力は不十分でありシステムへの国内需要はまばらです。2011年の台湾の太陽電池モジュール設置量は70MW相当であり、2015年には2GWに成長すると見込まれております。したがって、台湾拠点のセルメーカーは世界市場でのポジションを確立する唯一の道としてハイエンド市場志向になるべきと考えられます。

「モルガンスタンレーの市場レポートによると、2012年にはグリッドパリティを達成できる可能性があるが、近々の問題はいかに収益を確保するかです。実際にグリッドパリティ達成を促進するためには、産業全体で太陽電池セルに関しグローバルな標準を確立し、ファイナンスと経営面で健全なモデル作りをすることが必要になるでしょう」とLan氏は語りました。

初出 SEMI PV Group, The Grid - February 2011


PV Taiwan 2011
台湾のPV産業の拡大を受けて、「PV Taiwan 2010」は昨年より規模が25%拡大しました。展示会には251社626ブースが出展され、57ヶ国から1万1千人を超える来場者にお越し頂きました。PV Taiwan 2011は、2011年10月5日-7日に開催されます。詳しくはWEBサイトをご覧ください。www.pvtaiwan.com