模倣品被害の拡大防止に貢献するSEMIスタンダード

拡大する模倣品被害の状況とその防止に貢献するSEMI標準化活動(スタンダード)

背景 | 模倣品対策タスクフォースの設立 | SEMI標準化活動に求められるもの | SEMIによる国際標準規格 | 活動への参加 | お問合せ | 関連ワークショップのご案内

1. 背景

知的財産権侵害は、グローバル化する現代社会での大きな問題です。とりわけ模倣品被害は沈静化するどころか,むしろ拡大しています。そして、それは当然ハイテク産業も例外ではありません。
近年の被害額は1.2兆米ドルにもなると言われていますが、これはイギリスの国家予算、あるいは韓国のGDPに匹敵する金額です。
SEMIの国際標準化組織であるSEMIスタンダード委員会は、この深刻な模倣品被害の対策に貢献をはじめています。

2. SEMIスタンダード「模倣品対策タスクフォース」の設立

半導体業界でも、工場から出荷されたICがセットメーカーに納入されるまでの物流過程で、中身が模倣品とすりかえられる事件が発生しており、被害が深刻化しています。
WSC(世界半導体会議)は、「合法的なICの設計者から収入を奪うだけでなく、何も知らない消費者が信頼できないパーツを買うことにも繋がりかねない」として取り組みを協議し、2006年秋にはSIA(米国半導体工業会)に模倣品対策のタスクフォースが設置されました。

この取り組みとは、物流におけるICのリールやトレイに暗号化ラベルを貼付け、認証システムを導入してセキュリティを確保しようとするものです。そのためには、誰もが利用できる国際標準規格(スタンダード)とそれに基づいた認証システムが前提として必要になります。
ここで、標準化組織としてSEMIが登場することになったのです。発足したSIAのタスクフォースは直ちにSEMI北米地区トレーサビリティー委員会とのワーキンググループを組織して、SEMIスタンダード委員会関係者とのディスカッションを開始しました。

3. SEMI標準化活動(スタンダード)に求められるもの

SEMIに求められた標準化項目には次の4つがあります。これによって、SEMI会員の顧客であるICメーカーの利益を保護し、ひいてはSEMI会員の利益を保護することが期待されました。

  • 認証システムの仕組み
  • ラベリング方法
  • 認証サービスの通信手段
  • 認証サービス業者の資質

SEMIのスタンダード委員会では、2007年3月に米国に「模倣品対策タスクフォース」を設置し、標準化作業に着手しました。日本でも2008年4月にそれに対応するタスクフォースが組織され、ヨーロッパではその活動をISOが担うことにより、その地域の習慣に沿った戦略をもって標準化を促進しています。

4. SEMIスタンダード活動により開発される国際標準規格

実は、日本国内のSEMIのスタンダード委員会(トレーサビリティー委員会)では、WSCの枠組みから発生した上述の活動がはじまる以前の2002年末から、個々のICのマーキング方法の標準化を開始していました。活動の成果は、ダイと小型パッケージに適用可能な微小2次元バーコードの規格標準化作業が昨年完了し、セミコン・ジャパン2007のワークショップで紹介され大きな反響を呼びました。

この規格は、2008年7月にSEMI T19-0708「デバイスマーキングに関する仕様」として既に出版されております。
このICマーキング技術を利用して、ICにセキュリティをかける技術の標準化検討も既にスタートしています。微小マーキングデータの不正な読み取りを防止することで、模倣対策を強化するのが狙いで、その活動報告は、昨年10月ならびにセミコン・ジャパン2008併催のワークショップで紹介されました。
また、今年2月に米国では、SEMIとNSIT(米国政府の標準暗号制定機関)がホストとなり米国政府・教育機関、業界コンソーシアム、エンドユーザーを巻き込む形で「プロダクト認証情報管理」ワークショップが開催されました。

米国を中心とした模倣対策タスクフォースの活動により、昨年11月にSEMI T20-1108「半導体および関連製品の認証システムの仕組みの仕様」が既に出版されていますが、日本がトリガーになったICの認証システムについては、システムのインフラの枠組みを初めから創ることになり、昨年8月よりその取り組みは開始されました。
今後、その取り組みから開発される規格は、SEMI T20-1108の補助的な3つの文書「半導体および関連製品の模倣品発見・防止用ラベリング仕様」、「半導体製品の模倣品発見・防止用認証サービスの通信手段仕様」、「半導体および関連製品の模倣品発見・防止のための認証サービス業者の資質に関するガイド」として、今年12月の完成が予定されております。

5. SEMIスタンダード「模倣品対策タスクフォース」へのご参加のお願い

このようなIC単体と物流工程をまたがる広範囲な標準化活動を推進するには、SEMI会員企業やICメーカーに加え、セキュリティ業界、物流業界、各国政府の協力を仰いで、各地域の法律に適合した認証の技術とシステムを構築しなければなりません。
日本のタスクフォース関係者は、各方面の専門家の皆様にこの活動にご参加いただき、より意義のある最適なソリューション型世界標準をまとめたいと願っています。SEMIスタンダード活動は関心のあるどなたもご参加可能ですので、より多くの皆様にご参加の検討をお願い申し上げます。

お問合せ

本活動についてのご質問、参加のご希望は、以下へご連絡ください。

SEMIジャパン スタンダード部 菅野博史
TEL: 03-3222-5862  Email: hkanno@semi.org

「半導体デバイス品質向上と模造品対策の決め手」ワークショップの開催

SEMIスタンダード 日本地区トレーサビリティー委員会 模造品対策タスクフォースでは、6月30日(火)無料にて、この活動に関するワークショップを次のとおり開催いたします。詳細をぜひご確認ください。
(当ワークショップのお申込については、次のリンク内でお手続きください。)


「半導体デバイス品質向上と模造品対策の決め手」ワークショップ
– 専用IDの標準化はここまできた!SEMI・JEITAの標準化活動の進展 –

半導体デバイスの品質向上と模造品対策に有効なトレーサビリティー!その標準化はどこまで進んでいるのか?

  • SEMIおよびJEITAの活動より「IC単体と物流工程にまたがる広範囲な標準化がどこまで進んで来ているのか?」をお伝えいたします。
  • 半導体デバイス品質向上の一環として、専用IDを利用したトレーサビリティーの重要性について、大手自動車メーカーの事例を紹介いたします。
  • 半導体模造品被害のリスクと、その回避方法のケーススタディーとして専用IDを利用した第三者認証機関構築のビジネスモデルの解説を通して、標準化文書を利用するメリットを明確にしていきます。